5名の工兵隊が工場に足を踏み入れる。
視界が利かないので数メートル先しか見えない。
なるべく音を発てないように慎重に一歩ずつ進む。
一寸先が見えない世界
これは戦場という特別な舞台の出来事だけではないことに気付く
あなた自身、我々の日常もそうなのだ
だがそれが悪いと言っているのではない
絶望から目をそむけずに生きることができるかどうかだ
先頭を行く2名のあとを機関銃と爆薬を抱えた兵士がついていく。
わずか50mほどの距離がものすごく遠く感じる。
いや実際に遠いのだ。
敵はいなかった。
VHのある位置までたどり着くことができた。
これで「くぎ工場」のP3、P4のVHを確保したのだ。
一同はほっと安堵のため息をついた。
一人の兵士がたばこの火をつけようとしたそのとき、
「退避 !! 」
「DOM !!」
手榴弾が飛び込んできた。
即座に身を隠す兵士たち
「くそお!やはりいやがった!」
待ち伏せだったのかそれともこちらに気がつかなかったのか知る由もないがとにかく敵の先制攻撃を喰らってしまった。
幸い誰も死傷者はでなかったが、抑圧があがってしまった。
「爆薬は使えるか!」
工兵隊の隊長が訊いてきた。
だが爆薬が使えない。
抑圧があがってしまったのだ。
しかも攻撃をすれば再び敵の反撃を食らい後退する可能性もある。
そうなれば再び工場のVHは敵に奪われるだろう。
工兵隊は決断を迫られた。
