俺たちは敵の射程圏内に入ったのだろう。
鋼鉄の塊が容赦なく飛んでくる。
足を伸ばすことさえもできない戦車の中にいると、鉄の棺桶というのは戦車に乗る者だれもがその通りであると実感する言葉だ。
こんなときはうまく自分の感覚を麻痺させるしかない。
のどが渇いた俺は水筒から水をゴクリゴクリと飲み干す。
そして支給されたクラッカーを袋から開け、一枚ほおばった。
こんなときに!と思われる方もおられるが、こういうときにこそ腹は減るものだ。
ソ連軍の76.2㎜対戦車砲はティーゲルを狙ってこない。
その代わりに俺たちのドーラ小隊のパンテルに集中砲火を浴びせてきている。
これは76.2㎜砲でこの射程距離ではティーゲルを狙ったとしても、かすり傷程度しか与えることができないとでも思っているのだろう。
俺たちの前方10時の方向からパンテルの横っ面を狙って砲弾ぶち込まれた。
「注意しろ!!左60度だ!」
側面から面喰ってはパンテルでは一撃だ。
パンテルの04号車の戦車長スタムフ伍長はすばやく砲塔を60度左に回転させた。
そしてすぐさま姿を現したSU-76自走砲戦車に向けて射撃する。
SU-76の装甲は紙切れに等しい。当たれば確実に撃破できる。
焦ることはない。
04号車は2発で奴を撃取った。
しかしまだ敵の対戦車砲から砲弾がパンテルに注がれる。
一台のパンテルに6発の砲弾が飛んできた。
「どこだ!くそっ!」
だが対戦車砲はうまく掩蔽されているため、戦車からは発見できない。
03号車のパンテルの中では戦車長がパニくっている。
「落ち着け!バックマン曹長!」
すかさず無線で一喝する。
見えない敵と相対することは頭で想像する以上に困難なことである。
SPWAWを毎日毎日何年もやり続けている暇な方々の中でも、対AIとしかやったことのないという人はいると思うが、AIは比較的自分から姿を現してくれたり、発砲してくれちゃったりするおバカさんなので、楽な面はあるが、これが対人戦だとどーしようもないストレスになる。
もう上手いベテラン指揮官なんかになると、こっちがちょっとやそっとの泣き言を言ったとしても全然容赦してくれません。
涙、鼻水、よだれ、小便と穴という穴から全ての水を垂れ流すまで許してくれませんから。
ほんと恐ろしいゲームです。このゲームは。
悪いこといいません。そこのあなた、早くお辞めなさい。
要するにある程度上手な人は常に実際の戦場を妄想しながらプレイしているので、どうしても「いかに姿を隠して戦うか」ということに神経を使うのです。
ですから「戦場で身をさらけ出すことは死を意味する」ということを体で覚えちゃってるんでしょう、この方々は・・・
これしきのことでなんという恐ろしいゲームだ、なんて思ちゃいけない。
まだまだこれはほんの序の口です。
ほんとに、ほんとーーーに恐ろしいゲームなんですから。
だから、早くお辞めなさい。そこのあなた。
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Last edited by domo on Fri Aug 14, 2009 12:58 UTC, edited 1 time in total.