SU-152の152㎜砲を2発喰らったティーゲルにダメージ表示が出ている。
だが抑圧があがっていて、どこに損傷があったのか確認できない。
車内は真っ暗になってしまい、誰が負傷しているのかも確認できない。
俺も頭をぶちつけ出血した。
「中隊長!!」
無線でパンテル隊のクロンズ中尉に呼びかけられるが無線手が気絶しているのだろうか応答できない。
最後の一匹となった虎が瀕死の重傷を負ったのを見てパンテル隊が発奮する。
パンテルが10時の方向に砲塔を旋回させSU-152を狙う。
だが当たらない。
そこへ2時の方向からT34が撃ってきた。
こちらの射撃が当たらないのとは反対に敵の臨機射撃は憎らしいほど命中した。
「くそう!敵は3方向に分かれたのか」
そうなのだ、敵はパンテル隊から見て、10時と0時と2時方向に分散している。
なので、どの方向に撃とうともその反対方向から弾は飛んできた。
パンテル隊のクロンゼが苦戦しているそのときだった。
スペングラー中尉の突撃砲兵のⅢ突がこの現状を打開するかのごとく、敵に対して猛然と攻撃を仕掛けたのだった。
前ターンに右翼のⅢ突隊は果敢に突撃し、VH付近の丘のふもとまで達し、敵の視界の入らないところにいたおかげで敵を側面から捕捉することができた。
そのⅢ突が2時の位置にいた厄介なT34を撃破した。
そしてもう1台も続けて撃とった。
「中尉、また借りができました」
クロンゼはスペングラーに礼を言った。
ドラマはまだ続く。
中隊左翼のジグラー隊に久しぶりに目を移そう。
ジグラー小隊は戦闘序盤で敵の反撃に手こずりVH確保が遅れ、残り戦力もⅣ号F2型が3台と擲弾兵3個分隊と減っていた。
そのためこの戦力では本隊に追いついても戦力にならず、しばし待機していたのだ。
そしてジグラー小隊長に代わって指揮を執っていたテルナール曹長は、まだ自分には小隊を指揮するには荷が重過ぎると判断し、指揮をショーエン大尉に譲ることにした。
(ジグラー小隊長とテルナールは直属のC小隊で、ショーエン大尉はB小隊であったので直接の指揮権がなかった)
「了解した、曹長。これよりショーエン車が小隊の指揮を執る」
そしてすぐさまショーエン大尉は一計を案じた。
「よし。敵に一泡ふかしてやろう」
前方17へクス先にSU-152が一台見えていた。
「こいつを仕留めるぞ」
テルナールはこの命令を聞いて大尉の作戦は無謀すぎるのではと疑った。
「ティーゲルの88砲でも歯が立たなかったのに・・」
だがショーエン大尉はテルナールの不安などに付き合ってくれなかった。
自らが先頭に立ち攻撃を仕掛けた
4号戦車の75mm砲では17へクスの距離は遠い。
だがショーエン大尉はそんなことはお構いなしにガンガン撃ち始める。
「GUAM!」
「GUAM!」
放たれた砲弾が次から次へとSU-152に命中していく。
そして2台目の4号戦車が数発命中させたとき、SU-152の乗員が車外に脱出した。
「どうだ、思い知ったか!!」
各戦車の車内が歓声に沸きかえった。
ようやく化け物を一匹退治したのだ。
テルナールは大尉がこの作戦を思いついたとき、大尉が果たしてあの距離でSU-152の側面を狙うことを計算していたのかどうなのか訊いてみたいと思ったが、もうそんなことはどうでもよくなった。
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Last edited by domo on Fri Aug 14, 2009 13:46 UTC, edited 1 time in total.