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Spearhead at Prohkorovha     ~domo戦記7.0

domo
大佐
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【5ターン(その2)】
突撃してくる2台のT34。
わずか4〜500mの距離なのに当たらない。
「外れた!敵の砲弾が来るぞ」
一転、形勢が逆転する。
仕留めることができなければ、今度はこちらがやられる番だ。


ジグラーに代わって指揮を執るテルナール曹長が岩陰から1へクス移動して、敵の視界に飛び込む。
突然、目の前に見慣れたT34のシルエットが飛び込んできた。
その距離約200m。

「今日はついてないな」
先ほども対戦車砲に突進していったテルナール曹長はつぶやいた。
「こんな日をありますよ」
砲手はあきらめ口調で答える。

「頼むからこの距離で外すなよ」
テルナールは砲手に念を押した。
一発目は当たった、だが、T34の曲線の車体に跳ね返される。
「何してる!よく狙え」

逆に先頭のT34が撃ってきた。
「GUAM」
車体のどこかに当たった。
車内の電灯が消え、騒然とする。
テルナールも頭をぶつけ、一瞬目から星がでる。
「うう・・被害状況は!?」

すばやく「R」キーを押す。抑圧がさがった。
「被害なし。いつでも撃てます」
「よし!挽きたて微糖ファイヤー」
「BAGOOM」
起死回生の一発が先頭のT34の砲塔に命中しT34は炎上した。

「あと一台か」
これ以上射撃ができない。
「ここまでか・・」

と、そこへ中隊長から無線が入る。
「テルナール曹長、安心しろ。ティーゲルを一台そちらに向かわせる」
「了解!」
domo
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【5ターン(その3)】
ティーゲルのエンジン音が聞こえてきた。
ドーラ3号車のクラウセ軍曹のティーゲルがジグラー小隊の救援に駆けつける。
ティーゲルはまるでT34に気づいてないかのようにどんどんT34に接近していく。
撃ち漏らしのないように確実に仕留められる距離まで近づくのだろう。
約300m前で停止し、8888㎜砲が火を噴いた。
T34の乗員はティーゲルを見た瞬間に、自分たちの相手ではないことを悟ったのだろうか。
多分、そうだ。
あれほどの経験をつんだやつらだ、ティーゲルのことも熟知していたはずである。
88㎜はT34の乗員に苦痛を与えることなく1発で葬った。


「パンテル03号車から、ドーラ1へ」
中隊長のもとに先ほど集中砲火を浴びたバックマン曹長から無線が入る。
「こちらドーラ1、損害状況は?動けるか?」
「ひどくやられましたが、自力で後退できます」
乗員に被害はないが、主砲は故障し動力系もいかれているらしい。
「了解」


ドーラ小隊の4台のパンテルは丘の斜面を登る。
「DOOM」
偵察兵がいきなり砲弾が降ってくる。
やはり丘の上には敵が待ち伏せていた!
「構うな!前進!」
パンテルは丘をあがり、砲塔だけを見せているT34を撃破する。
「注意せよ!まだ敵はどこかにいるはずだ」
塹壕の中に車体を隠し、砲台になっているT34を見つけるのは至難の業だ。
敵の発砲をおびき出さねばならないからである。
だがVHはすぐ目の前にある。(あと3へクス)
気持ちがはやる。
どんなベテランプレーヤーでも、VHまであと一歩というところまでくると、気持ちがだけが先に行ってしまう。
これまで幾多の戦場を駆け巡った名指揮官が、最後の最後にVHまであと1へクス届かなくて、その場で号泣してしまった「ふにゃチン指揮官」のことを思い出す。

VHを確保して、この苦痛から早く開放されたいという思いが、もし地震が来たら何を持って逃げるのかという問いとなって返ってくる。
「そうだ!地震が来る前にVHを確保しなければいけない」
と、とっさに理性が回答を導き出す。

パンテルをVHへ。
そのときだった。
「BACOM !」
04号車が被弾した。
至近距離からT34の砲弾を喰らった。
「BOO SHIT !!」
乗員はからくも脱出したものの、また一台パンテルを失った。
Last edited by domo on Fri Aug 14, 2009 13:35 UTC, edited 1 time in total.
domo
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【5ターン(その4)】
右翼ワグナー小隊は目標のVHを確保したあと、VH付近に潜伏する敵の駆除に手を焼く。
だがジグラー隊やドーラ隊と比較すれば、ここまでのワグナー隊は比較的順調であった。
このターンも敵の歩兵3分隊と交戦、難なくこの3分隊を退ける。
また、ここまでワグナー小隊において歩兵の損害(1分隊とMG隊の壊滅)はあったが、戦車の損害はなく完璧とでも言える展開でもあった。


「先を急ぎましょう」
D1号車のセイベルト軍曹は性急な性格から、ワグナー小隊長に進言した。
「まあ、待てよ、軍曹。俺だってそうできるならそうしたいさ」
歩兵がまだ後方にいるのだ。
ワグナーがセイベルトをなだめていると、中隊長から連絡が入った。
「4つめのVHを確保した」
パンテル隊が無事4つ目のVHを確保したのだ。


だが5つ目はどうなった?
左翼は何をしている?

domo戦記を毎日を生きる糧として欠かさず楽しみにお読みのなられる心身共に健全な方々ならば当然ご存知であるだろうが、
戦場においては自分たち以外の戦況は知る由がない。
(もちろん無線封鎖しているだろうし、戦闘中の他の部隊間とのやり取りなんてなかったのでしょう)


最終目標である残り2つのVHがある丘まであと約1キロ(20へクスほど)
先頭はVHに一番近いワグナー小隊になる。
だがワグナーには気がかりなことがあった。

肝心なドーラ小隊のティーゲルは1台がジグラー小隊の援護に、単独でVHを確保した中隊長車とdomo車と3台が分散してしまっていたことだ。
そうなれば最悪の事態はワグナー小隊のみでVHに向かわなければならなくなる。

過去の経験から一つの部隊の突出は確実に死を招くことだった。
それにワグナー小隊にはⅣ号戦車とⅢ号戦車しかない。
これらでソ連軍の戦車の真っ只中に突撃するにはそれ相応の覚悟がいるということである。

「ふふ。俺の運もここまでかもな」
ワグナーは覚悟を決めた。
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Last edited by domo on Fri Aug 14, 2009 13:37 UTC, edited 3 times in total.
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【6ターン(その1)】
第2幕が始まる。

これまでの戦いでドイツ軍は初期目標の5つのVH確保のうち、4つを確保した。
80%の達成率である。
ここまではドイツ軍は比較的有利に進める展開となっている。
左翼のジグラー小隊の遅れが幾分目立った形となったが、それは右翼のワグナー小隊の奮闘があったからなおさらであろう。

だがクルスクを目指してきた彼らにとって、ソ連軍の反撃がこの程度のものだなんて誰も思っていなかった。

ソ連軍は粘り強い。
3度目を迎えるロシアの夏で、ソ連軍も多くを学んでいる。
そしてこの母なる大地は常にソ連軍に見方している。

これからが本番なのだ。


さあリプレイから見ていこう。
ソ連軍の122㎜番外砲と82㎜迫撃砲が我々のいる丘に雨のように降り注ぐ。
122㎜砲弾は地面に穴をあけるだけでなく、ロシアの大地から死者の霊を呼び起こすかのように大地に突き刺さり、そのたびに地面は悲鳴をあげた。

対峙する丘からも徹甲弾が飛んでくる。
前からも頭上からも。
各戦車長はハッチを閉め、敵の攻撃に備えた。

そのときであった。
ワグナー小隊の先頭にいた車輌に敵の砲火が集中する。
しかもあのずぶとい音は85mmだ。
この口径はドイツ軍の88㎜に匹敵するものであった。
もちろんⅣ号戦車に命中すれば、ひとたまりもない。

だが3発目がⅣ号戦車に命中した。
すかさず何名かの乗員がパラパラと脱出したかと思うと、途端に爆発した。
戦車の車内から戦友がその一部始終を見守る。

永遠に続くのではないかと思われる深い沈黙 ―
無理もない。
目の前でワグナー小隊長車が炎上したのだ。

「セイベルト軍曹」
セイベルトはまだショックから立ち直れない。
「軍曹!」
放心状態のセイベルトに中隊長か無線が入る。
「小隊はお前に任す。お前が指揮を執れ」
「最後まで気を抜くなよ。気を抜いたらやられるぞ」
中隊長はそれだけを言い、無線を切った。

セイベルトの脳裏につい3分前に顔を見合わせ会話を交わしたワグナー小隊長の顔が浮かんだ。
だが悪夢を振り払うかのように、2、3度軽く頭を振り、セイベルトは正気を取り戻した。

「ふふふ、これはゲームだ。そうさ、人生というゲームさ」
Last edited by domo on Fri Aug 14, 2009 13:37 UTC, edited 2 times in total.
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【6ターン(その2)】
ジグラーのあと指揮をとっているテルナール曹長は少しでも他の小隊に追いつこうと必死だった。
もちろんこのまま全速力を出せば、ドーラ小隊のティーゲルと合流することはできる。
だがそんな焦るテルナールの気持ちを察しているかのように、敵発見の報告が入ってくる。
狙撃兵が掩蔽されているT34を見つけたのだ。

ここはティーゲルの力を借りよう。
「了解。すぐそちらに向かう」
ジグラー小隊の援護を任されていたドーラ3号車のクラウセ軍曹のティーゲルは斜面を上がる。
ティーゲルの車体がぐわんと後ろに傾く。
キュルキュルとキャタピラの音をさせ、T34に近づく。
だがT34は撃ってこない。
4へクスの距離で停止した。
これ以上近づくのはいくらティーゲルでも危険であることは百も承知している。

クラウセは敢えて敵に逃げる猶予を与えているかのように命令を下さない。
「いつでも撃てます」
砲手は命令を下さないクラウセにそう言った。
「そんなに急ぐことはないさ。見てみろ、逃げていくぞ」
砲手が照準器からT34を見ると、戦車から2人の乗員が飛び出しているのが見えた。
「!」
T34は4人乗りだ。
と、いうことはまだ車内に2人残っている。
「これは仲間割れか何かですか?」
「ふふふ、そんなとこだろう。多分、逃げる逃げないで言い合いしてたんだ」
「よし!残った勇気のあるやつらを天国に送ってやれ」
ティーゲルが88㎜をぶち込んだ。
するとどうしたことか、車内にいた残りの2人も外に飛び出した。
「腰抜けめ!」

T34を仕留めたあと、テルナールがVHを確保した。
そのあとを装甲車が続く。
ジグラーのあとを引き継いだテルナールがようやくVHを確保できてホッとしたそのときだった。
装甲車が撃たれた。

またT34だ。
一体どれだけいるのだろう。

T34の乗員は自分の命と引き換えにこちらの戦車1台を道連れにしようとでも考えているのだろうか。
なるほど確かにそれならば十分お釣りが来る話だ。

「馬鹿げた話だ」
テルナールは怒りが込み上げてきた。
圧倒的な物量の差。
物量だけではない。人もそうだ。
毎日毎日、倒しても倒しても次の日にはアンデッドのように再び押し寄せてくる。
「こいつらに効くなにかいい魔法があったはずだ・・」
テルナールは昔やったRPGにそんなアンデッドに効く魔法があったことを思い出した。
「なんだったか・・」
今度の休暇は家でひたすらそのRPGをやることにした。
「だが、その前にまずはこいつをやらなくては」
至近距離からであったが、1発目が命中。
2発目でT34を撃破した。

後方にいた2台のⅣ号と2台の装甲車に丘をあがって来るように指示をだす。
早く遅れを取り戻さないといけない。
だが、そのとき。
2台のうちの一台、C3号車のⅣ号が被弾、炎上。
「FUCK !」
戦場の端っこの方にSU-76が隠れていたのだ。
隣にいたⅣ号戦車は怒りに任せこいつを撃破した。
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Attachment: 00191-1.jpg
Last edited by domo on Fri Aug 14, 2009 13:38 UTC, edited 1 time in total.
domo
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〜ちょっと一息〜

domo戦記をお読みくださりありがとうございます。
基本的に毎日更新のdomo戦記でありますが、毎ターン毎ターンよくもそんなに書くネタがあるなと半ばあきれ返ってふんぞりかえってお読みの方々から、

「もうネタが尽きるころではないのですか」

というお便りをいただきます。
ご心配くださり誠にありがとうございます。

はい。
でもネタなんぞ考えて書いているわけじゃあないんですよ。
というよりこれを書こうとあらかじめ考えて書いたことなど一度もなく、いつもパパーと思いつくままに書いちゃって「ハイおしまい」って感じです。
(だから誤字が多いのか!)
それも毎回A4用紙で一枚までと決めておりますので、そんなに苦になりません。

まあ実際はゲームをしている時間よりも、画面上で「うう〜ん、どうしようか」とか「どこにいるんだ〜」とか、
とかく一般生活に何の役にもたたないような「神経を消耗」させる楽しみで楽しんでいる時間の方が長いような気がします。
ですからよく飛び出す擬音というか、汚い言葉は普通にそのときの感情が出たものと解釈して結構です。
はい。
その通りのことをゲームしながら言っておりますから。



そろそろ梅雨明けです。
もう明けているところもありますが、ここ関東(神奈川)はまだです(よね?)
梅雨が明ければ、多分また「ぶらり旅」に出てしまうと思われます。
(数年前まで夏休みがある職業でしたので、その癖が抜けない)
それまでにはdomo戦記7.0を終わらせなければ・・自信はないなあ。

どうなるんだろう。

〜息抜き終わり〜
domo
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【6ターン(その3)】
「テルナール軍曹、よくやった。引き続き貴隊は丘の左翼を制圧してくれ」
中隊長はテルナールにそう伝えた。
「軍曹、我々はVHに向かわなくてもいいということですかね」
砲手がテルナールに尋ねた。
「どうやらそのようだな」
残り2つのVHはドーラ小隊とワグナー小隊で行うということであろう。


そのドーラ小隊とワグナー小隊を見てみよう。
6ターン始めのリプレイでもすでに敵が我々を待ち伏せしていることがわかる。
我々が丘を登りVHを確保し、さらに前進しようとするところを狙い撃ちしようというのだ。

昨日の「ちょっと一息」の間、中隊長と俺とセイベルト(ワグナー小隊長の後釜)は集まり、打ち合わせをしたのだ。
ええ?何を話しあったか知りたいだと!
贅沢な!読者のくせに。
ええ?教えてくれないと仕事もゲームもできないだと!
ええい。どうしようもない奴らだ。

こういうことだ。
「敵ならばどこで待ち伏せをするか」ということだ。
我々のいる丘から敵がいる丘まで凹のようになっており、真ん中の低地には待ち伏せをするいい地形がなく、やはり隠れるには広い視野が確保できるところがいい。
と、すれば必然的に対峙する丘にいるのだろう。
だがここからその丘まではかなりの距離がある。
当然、敵は大口径の砲を持つ戦車だろう。
T34では20へクスを超える距離では当てることさえも難しい。
(ワグナー小隊長を狙ったのも85mm以上の砲であった)

そこで、
①VHをワグナー隊に任せ、ティーゲルとパンテルは後方から支援する。
②ティーゲルのみを後方支援にし、パンテルとワグナー隊でVHを確保する。
③後方支援などせず、潔く全軍がVHに突進する。
④ゲームなど辞めて、旅にでる。

(どう考えても④でしょう。それしかない。ねえ、そう思うでしょ♪)
だが俺のそんな妄想を、中隊長は完全に無視した。
① か②か。
②
どうする!
意見がまとまらなかった。

こんなときは・・・そうだ!!
あれしかない!!
俺は引き出しからゴソゴソとサイコロを取り出した。
そう。かつてのボードゲームは全てこのサイコロのでる目によって行われた。
懐かしい対面。
そしてなんとなく嫌な思い出。
ASLでは確か「6」で機関銃が故障したような・・士気チェックに失敗したとか・・・赤軍が熱狂・・うわあああ
(今思えば、よくあんなめんどくさいことしてたよなぁ)

あれ?また雑談で終わってちゃった。
Last edited by domo on Fri Aug 14, 2009 13:39 UTC, edited 1 time in total.
domo
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【6ターン(その4)】
道草ばかりくっていたら、ドーラ小隊とワグナー小隊が前進を始めていた。
どうやら②を採択したようだ。
すなわちティーゲルのみを後方支援に回し、パンテル隊とワグナー隊はVHに突っ込ませるというわけだ。

まず擲弾兵の分隊が前方を視察するために前進。
そしてドーラ1の中隊長車が見渡しのいいところに陣を構える。
だが敵は全く撃ってこない。
ドーラ2の俺のティーゲルも前進した。
中隊長車が左に9へクスほど離れたところに見える。
ティーゲルが無事に前進したのを見て、今度はパンテルが前進する。
最後にⅣ号戦車を前進させる。

このターンでは無理な前進をさせるのは極力避けることにした。
パンテルとⅣ号の移動力ならば、敵に撃たれなければ、VH手前まで一気にいけそうな気もしたんだが、我が軍にそんなゲーム気分で戦車に乗る戦車長はいない。

おかしい。
確実に敵の視界に入っているはずなのに、まるで反応がない。
臨機の射程を短くしているのであろうか。
いや、そんなはずはない。
「中隊長、敵の出方が気に入りませんね」
俺は中隊長に無線を入れた。
「まあな。敵に考えさせる時間を与えるのが優秀な指揮官でもあるのさ。ということはソ連軍には優秀な指揮官がいるのだろうよ」


対戦で第3者として観戦していると、両陣営が慎重になりすぎるということがよくある。
両者ともベテラン指揮官の場合などが特にそうなることが多い。
何かあるにちがいないなどと考えすぎたりするのだろう。
遠い昔、SPWAWも公式戦というものが開かれたことがあったということが伝説として残っている。
もうその当時の指揮官は今では誰も存在しておらず、唯一DARが保管されているだけである。
嗚呼、懐かしい。
中期SPWAWのルネッサンス時代を築いたともいうべき名指揮官たち。
一体、どこへ行ってしまったのだろう。
ゲームもしない指揮官どもがたむろする時代になってしまった今では、あの頃が懐かしい。
Last edited by domo on Fri Aug 14, 2009 13:39 UTC, edited 1 time in total.
domo
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【7ターン(その1)】
いよいよ地獄の蓋が開けられた。
すさまじい勢いで死神どもは戦場の兵士を連れ去っていく。

先ほどの我々の移動時には一切の臨機射撃がなかった。
だがあの時・・そうだ・・ほんの一瞬の時間の流れが止まった・・
五感を研ぎ澄ましていれば、感じられたのかもしれない。

リプレイ―
人生の一喜一憂を体全体で味わうことの難しくなった現代。
我々はゲームという画面を通じて体験する。
SPWAWゲーマーの諸君、リプレイを見るときの己自身の表情を鏡で見たことがあるだろうか。
生気は失われ絶望に満ちた自分の顔を。


臨機射撃を撃ってこなかったソ連軍が、今度は一転して攻撃してきた。
敵の方が一枚上手だった。
普通は視界に入ってくれば、すかさず臨機射撃をしてしまいたくなるのだが、
命中率の低い臨機射撃よりも、自軍の攻撃のほうがより確実に命中できるというわけだ。

先頭の中隊長と俺の2台のティーゲルにも容赦なく85ミリ砲弾が飛んでくる。
ティーゲルの持つ100ミリの前面装甲ですら、まともに喰らえば危ない。
2発が中隊長車のドーラ1に命中した。
「!」
だが貫通はしていない。
さすが虎だ。
しかし抑圧があがり、行動不能になってしまった。
と、そのときワグナー小隊のⅢ突が砲弾の命中で炎上した。
「狙われているぞ!退避しろ!」
だがどこから砲弾が飛んできたか、見えていない。
「DOGAN」
またしても命中弾。
今度もワグナー小隊のマーダーⅡ自走砲が狙われ撃破された。
自走砲は装甲などないに等しいので当たればおしまいだ。

敵の攻撃とは反対にこちらの臨機射撃が当たらない。
「どうなってるんだ!なぜ当たらない!」

リプレイを見終え俺はコーヒーをもう一度入れなおした。
一気にコーヒーを飲み終えた俺は、抑圧のあがったユニットの回復をする。

2発の命中弾を喰らったドーラ1が気がかりだった。
だがやはり頼れる中隊長だ。
抑圧が1まで戻り被害もなかった。

「中隊長!大丈夫ですか!」
俺は無線を入れてみた。
「ああ、一瞬やられたと思ったがな。なんとか全員無事だ」
「ずいぶん派手にやってくれるじゃねえか」

「さあ、今度はこっちの番だ」
前方の丘には5台の敵戦車が姿を現している。
それも全て85ミリ砲を装備しているSU-85ばかりだった。

中隊長のドーラ1が前方のSU-85に砲撃を始めた。
一発目がかすかに外れ装填手が次の砲弾を装填したそのとき。
ものすごい轟音が響き渡った。
「DOGAAAAM」
中隊長車が爆破したのだ。
「うそだろ・・」
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Attachment: 00192-1.jpg
Last edited by domo on Fri Aug 14, 2009 13:41 UTC, edited 1 time in total.
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【7ターン(その2)】
一体何が起こったのか。
砲弾の貫通による誘爆だったのか。
この距離でティーゲルの装甲をぶち抜くとは・・
全く見当がつかなかった。

「domo少尉、先ほどの中隊長を狙ったのは85ミリではないですね」
砲手もそう聞こえたらしい。
そうなのだ。ものすごい轟音が俺の耳にも聞こえた。
こうなるとソ連軍の新型兵器であることは間違いなかった。
そういえば今朝の打ち合わせで、中隊長がそんなことを言っていたのを思い出した。

だがそのことよりも我が中隊は中隊長を失ってしまった(ここではA0ユニットのこと)
ゲーム的に見ると、もうこれは痛すぎるダメージだ。
だが今の俺には落ち込んでいる暇などなかった。
なぜならこれからの指揮は自動的に俺が指揮を執ることになっていたからだ。
「中隊長車は被弾した。これからはドーラ2が指揮を執る」
俺は無線で各小隊長に告げた。
「了解!!」

そして俺はドーラ3号車に無線をつなぐ。
「クラウセ!戻れるか?」
クラウセ軍曹は中隊長の指示で5ターンから左翼のジグラー小隊の援護に回っていたのだ。
「ええ。こちらの敵は片付きました」
「よし、それでは大至急、本隊に合流しろ」

ドーラ3号車は全速力でドーラ小隊に駆けつけた。
そして到着するや、いきなり前方のSU-85に対して射撃を行った。
移動後の射撃は著しく命中率が落ちるため当たらなかった。
クラウセも熱くなっているのだろう。

「クラウセ、焦るなよ。それより新型戦車に気をつけろ!」
俺がそういった直後、
クラウセのティーゲルに1発の砲弾がぶち込まれた。
ものすごい弾着音。
先ほどの中隊長をやったのと同じ音だ。
それがソ連軍の新型自走砲SU-152であることがようやくわかった。
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【7ターン(その3)】
パンテル隊が応戦する。
3台のパンテルの長砲身75mm砲が次々と火を噴く。
(なぜだろう。パンテルの75mm砲の発射音はものすごく当たる気がするんだが)
(あ、それから実際ではクルスクでのダスライヒにはパンテルは配備されてませんでしたのであしからず)
瞬く間に2両のSU-85を撃取った。

そして5ターンでT34の砲弾で車両放棄になっていたパンテル04号車は、幸い転輪の破損と機銃の故障のみとわかり、脱出した乗員の懸命の作業により再可動できるようになった。
(いやはやこういう場面での復活はうれしい)

だがそんな喜びも束の間だった。

「今度はなんだ!」と、もう息も絶え絶えか飽き飽きしている読者もおられると思うが、
今度はワグナー小隊を率いるセイベルト車が被弾、撃破。
「何をやっとるんじゃ」とお嘆きの読者もおられると思うが、
「俺だって好きでこうなるんじゃないんすよ」

ほんと勘弁してくださいよ。
自分でも驚くほど話がうまく流れていくのには恐くなってきますが。


ここまでの残り戦力
ドーラ小隊(ティーゲル×2、パンテル×4(1台は退却))
ワグナー小隊(Ⅳ号F2×2、Ⅲ突×2、マーダーⅡ×1)
ジグラー小隊(Ⅳ号F2×3)

戦車損失率:40%
全く予期せぬ展開になってしまった。
特に中隊長(A0ユニット)を失ったことを考えると、このまま残りの2つのVHを取りにいくかどうか戦略的な問題になってくる。
一度、司令部に報告したほうがよさそうだ。
(気分転換に旅にでよう)
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【8ターン(その1)】
もう二度と会えないかと思っていた方々、そして二度と会いたくないと思っていた方々。
それらを含めたSPWAWを心から愛しておられる皆さん、こんにちは。
お元気ですか?
(旅の方は来週からになりました。ガハハ)


前回の大打撃により、我中隊は当初の作戦目標を遂行すべきなのか、それとも現在確保している5つのVHを維持するべく踏みとどまるのか。
司令部に報告したのち、俺たちはどうするか話し合った。
「どうする?」
俺はクラウセに訊いた。
「行きましょう」
クラウセは答える。


もちろん行くしかない。
だがたとえVHを確保できたとしても、中隊の戦力がぼろぼろになってしまうようでは意味がない。
それでは勝利とは言えないのだよ、諸君。
ゲームとして勝てばいいなんていう戦いは初心者とドンパチ好きがすることである。
優秀な指揮官には被害を最小限に抑えつつ、戦力を十分保持しながら勝つかが求められるのである。

では現戦力でVHを確保しにいくとする。
だがその見返りとして我々のどれだけが無事でいられるであろう。
既に3台の虎のうち、1台を失っている。
残った2台の虎で敵の大群を防ぎきれるのであろうか。
中隊長としての重責が重くのしかかる。
(本当に左の肩こりがひどいんです。このせいだったか!)

何らかの手が必要だった。
このままでは士気に影響する。
「domo中隊長」
セイベルト軍曹のあと、ワグナー小隊を率いることになったスペングラ―中尉だった。
スペングラーはⅢ突に乗っており、突撃砲兵のため小隊を指揮することはないのだが、今ではⅣ号戦車の指揮官が2人もやられてはスペングラーに任すほかなかった。
「いい考えがあります」
スペングラーはそう言って、俺に耳打ちをした。
口の軽い読者の方々には言うことはできないが、俺はその案を採用することにした。
「よし!それに決まった。行くぞ!」

今度はこちらが攻勢にでる番である。
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【8ターン(その2)】

リプレイでパンテル隊がSU-85を3台撃破した。
ざまあみろ!

だが例のSU-152の152㎜砲が俺を狙ってきた。
ものすごい爆音が車内にこだまする。
虎の装甲がいくら厚いといっても車内は鐘の中だと思っていただいたらいいだろう。
鐘の中に頭を突っ込んで鐘を鳴らしてみれば、どれだけ耐えられるだろう。
乗員は意識が飛びそうになる。
「被害状況は?」
「被害なし。いけます」


再び偵察隊、狙撃兵、擲弾兵が前進を開始する。
敵がいないのを確認し右翼のワグナー小隊のスペングラ―中尉も続く。
突撃砲兵は勇敢であった。
Ⅲ突というのはあくまでも砲兵隊のものであった、
なのでⅢ突の乗員も当然、砲兵たちである。
先ほどの舌をかみそうな作戦は、スペングラー中尉のⅢ突が突進し敵の視線をひきつけるというものであった。
いざ戦場でこういうことを言いだせる勇猛な将兵はなかなかいない。
だからであろう、スペングラー中尉のⅢ突の砲身にはキルマークがいくつも描かれていた。
俺はスペングラー中尉に敬意をはらった。

そして左翼からも3台のⅣ号戦車を引き戻した。
左翼では敵歩兵のわずかな抵抗があったが、歩兵と装甲車に任した。

もうこうなったら総力戦だ。
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domo
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【9ターン(その1)】
ついにソ連軍の増援部隊が到着したようだ。
機動力を生かしたT34が後方から砂煙を巻き上げながら走ってくるのが見える。
そしてアッという間にパンテルの視界に入ってきた。

横一列に並んだパンテル4台は臨機射撃の対応に追われた。
「何してる!もっと正確に狙え!」
頭では分かっている。
だがこれだけのスピードで移動しているT34に向かって照準を合わすのは困難なことだ。
ようやく1台のT34を撃破した。
だが敵はそんなことお構いなしに近づいてくる。

その隙をついて化け物も時折顔を出す。
そうSU-152だ。
一度の射撃回数は2発しか撃てないが、我々を脅かすにはそれで十分であった。

(読者の方もSU-152ってそんなにすごかったっけと首をかしげる方もおられると思うが、僕自身もそう思っていました。
でもなんかこうなると戦場でドイツ軍の戦車兵が体験したことを擬似体験できてるような悦びに浸っている自分がいまして・・・それもまた一興です)

まだこの化け物が2匹もいるのである。(1台も撃破していないのだ!)
さきほどからこいつを狙って撃っているものの、前面装甲がわずか72mmのくせになぜか弾く弾く。
しかも88㎜でも歯がたたないのだ。
にわかに我が軍の戦車兵にも心の動揺を感じるようになってきた。
こうなるともうなんというか、あの化け物は神がかっているんじゃないか思えてきているのだろう。

クラウセのティーゲルの視界にはもう10台の戦車が見えていた。
「せ、戦車長!ど、どれから狙いますか」
緊張のあまり喉が渇いた。
「あいつだ!いいか一撃で仕留めろよ!」
クラウセは砲手にSU-152を撃つように指示をする。
砲手の額から汗がしたたる。
「(ええい、くそう汗が目にしみる・・)」
88㎜砲弾がSU-152に放たれた。
「命中!!」
砲手はフッと息をついた。
だが、そのとき、
「まだ動いているぞ!!次弾急げ」

俺はクラウセ車から轟音が聞こえるのを耳にして驚いてクラウセ車の方を見渡した。
「SHIT!!」
クラウセ車は大破していた。
俺はそれを呆然と見つめた。
そしてつぶやく。
「魔女の婆さんに呪われたな」


(ずっとSU-152の弾着音がすごいすごいと書いておりましたが、今日ふと8.403のエンハンスドを覗いてみたら(僕はH2Hとエンハンスドと両方インストールしてます)、エンハンスドのSU-152の弾着音は大したことないなあという感じがしています。H2Hの方は音でいえば「バコーン」「ブシャ」という感じで、またこれが文章では説明しにくいんですが、いかにも大砲が炸裂したような圧倒される効果音です。最近なんかエンハンスドにはもう戻れない気がしています)
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【9ターン(その2)】
クラウセのドーラ3号車が撃破された。
残骸となり痛ましい姿に変わり果てたを虎を直視できる者は誰もいなかった。
次は自分がそうなると思うからである。
砲弾が砲塔を直撃し、そのまま誘爆したのであろう。
あれでは乗員は誰も脱出できなかったにちがいない。

既に3台のティーゲルのうち2台を失ってしまった。
毎日SPWAWをやらずにああでもないこうでもないと考えてばかりの方ならば、
どの作戦においてもティーゲル1台が果たす役割がどれぐらい大きいものなのかご存知であろう。
攻撃においても守備においても貧困な戦力と劣勢な戦局の中で、虎は絶えず歩兵の盾となり敵の砲弾を一手に引き受けてきたのだった。

そのティーゲルが1台になってしまった。
こうなると現状、作戦の建て直しが急務になってくる。
1台のティーゲルと2台のティーゲルとでは、作戦のたて方が全く違うものになってくるからである。

さあ、どうするか。
と言っても今の我々の戦力では打てる手はあまり残されていない。
勿論切り札など初めからなかった。

そんなことを考えたら急に腹が痛くなってきた。
「うぐぐ」
「(やばい)」
「(やばいって!!)
「プゥ〜」
こらえていたオナラが出てしまった。
見る見るうちに車内が魚の腐った臭いに汚染されていく。
「ゴホゴホ」
「ゲホゲホ」
乗員が咳き込んだ。
「毒ガス攻撃だ!!」
誰か冗談半分にそう叫んだ。
俺は堪えきれずに車外に出てそのままロシアの大地に野糞をした。
いつもながら野糞ってのは爽快だ。
ひまわりの花がこちらを見ている。
気にするこたぁない。
全ては土に帰るのだから。

気分爽快で再び車内に戻ったら、車内もそれまでの悲壮感はどこにもなかった。

いやあ野糞って素晴らしい。
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【9ターン(その3)】
「domo中隊長、スペングラー中尉からです」
右翼のワグナー小隊を率いるスペングラーから連絡が入った。
「中隊長、前方の偵察隊がT34の一団を発見しました。
やつら中央ルートに向けて前進しており、我が隊は敵の側面を突くことも可能かと思われます」
「な、何っ!」

もう一度、ゲームもやらずにああでもないこうでもないと考えている方に説明しよう。
ソ連軍はティーゲルとパンテルのいる中央に向けて大量の増援部隊を進めているのである。
これは明らかにティーゲルをすでに2台撃破したことによるものであり、残りの1台とパンテルならば数で何とかなるという計算なのだろう。
恐らく敵はこのまま中央突破をしてくることは間違いない。

と、いうことは中央のドーラ本隊がこのまま敵の増援部隊を引きつけられれば、右側面からスペングラー中尉のワグナー小隊は、敵の側面を奇襲しVHを確保できる。
(だがこれはあくまでも流れでこうなったことであり、当初はスペングラーが敵を引き寄せる役割であった)


人生とは不思議なものだ。
どんな絶望にあっても神は人間にチャンスを与える。
ほんの一瞬、勝機が巡ってきた。
だがそのチャンスはただではない。
ほんの少しの血を流すことが必要なのだ
チャンスを掴むも逃がすもあなたのお好きになさいということか。



さあ、どうする。
今度は俺たちがおとりになる番だ。

「覚悟はできてます、中隊長をお守りします」
「戦争のはらわた」で最後に部下がシュタイナーをかばったごとく、砲手は俺にそう言った。

「よし!!」
俺は涙ながらに決断した。

「各隊に告ぐ。ドーラ本隊はこれより中央を突破しVHに向かう。
各自最善を尽くし敵を撃破せよ。命があればそのときはVHで会おう」


「ヤボール!!」

ついに最後の決戦の火ぶたが切られた。
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【9ターン(その4)】
なんとかして敵の臨機射撃を引きつけておかねばならない。
丘の上の2門の対戦車砲の指揮官はドーラ小隊に集中される敵の砲撃を少しでも少なくしようとできうることを考えた。
(といって装甲車を突っ込ませるようなゲスなことはしねーよ)
まずT34に対して射撃する。
すぐさま敵が反撃してきた。
5回の射撃回数を持つ歴戦の指揮官クレメール少尉のPAKもT34に対して砲撃。
そこに152㎜が一発ぶち込まれた。
わずかこの一発で抑圧が50もあがってしまった。
クレメール隊は1名が戦死、残りも数名が負傷した。
「くそう・・」

これを見ながら残された最後の一匹となった虎がまず1へクス前に前進した。
「DOGAM」
やはりSU-152が主砲をぶっ放してきやがった。
だが命中はしない。
しかしこれだけでものすごいプレッシャーを受ける。

パンテルから75mm砲がこのSU-152に向かって発射される。
「GUAM」
だがまたしても化け物は75mm砲弾をはじいた。
「SHIT」

パンテルの戦車長たちもどうしていいのか少々当惑気味だった。
このままSU-152に対して攻撃するのか、それとも確実にT34を仕留めるのか。
俺は先ほどの射撃を見てこの距離(20へクス)で正面からではパンテルの75mm砲では厳しいのではないかと判断した。
「パンテル各隊はできるだけT34を狙え」
と俺は指示を出した。
Last edited by domo on Fri Aug 14, 2009 13:45 UTC, edited 1 time in total.
domo
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ミンミンミンミン ―
蝉が鳴いている。
燃えんばかりの西日が部屋に差し込む。
暑い。
暑さでのどが渇く。
頭ももうろうをしてくる。
マウスが汗でべとつく。
脇の汗が独特の臭いをかもし出す。

こんな日にゲームなど誰もしちゃいないだろう。
するほうがおかしい。

だが俺はゲームをする。
そして戦記を書く。
一体何が俺をそうさせるのだろう。
全く・・気が狂っているとしか思えない。
だが俺は書かねばならない。
「ゲームしたくない病」にかかり生きる生気をなくし屍と化した指揮官たちを供養するためにも・・

【10ターン(その1)】

敵の戦車が次々とこちらの臨機射撃をかいくぐり、前進してくる。
前進、停車しては射撃し、また前進してくる
我が軍も臨機射撃を撃つ。
お互い激しい交戦となった。
ティーゲルとパンテルを狙い砲弾がガンガン飛んでくる。
「GUAM」と鈍い音がする。
鉄と鉄がぶつかる音だ。
嫌な音だ。

T34がVH付近に接近していた擲弾兵2個分隊に気付いた。
「やばい!」
丘の下にいたシュルツ伍長の擲弾兵分隊の誰の耳にもキャタピラの音が次第に大きくなってくるのが聞こえた。
突然T34が現れた。
「対戦車地雷だ!急げ!」
「DOGAM !!」
対戦車地雷が炸裂した。
「やったか!」
だがすぐにもう1台のT34が今度は側面から現れた。
「TATATATATA」
T34は機銃を乱射してきた。

「くそう」
擲弾兵2個分隊が攻撃を受け後退する様を俺は車内から見ていた。
リプレイではこちらの臨機射撃で1台も敵戦車を撃破できていなかったことが判明した。
これも珍しいといえばそれまでだが、多分この暑さのせいであろう。

暑さは人から体力を消耗させるばかりか、気力をも奪っていく。

もうさすがにこんな日にゲームをしている方はおられないと思う。

だがそんなへなちょこ指揮官どもに告ぐ。

君は汗を流してゲームをしたことがあるか

温室育ちのゲーマーにはきつい一言かもしれない。

だが戦車の中にいると思えばこの暑さも耐え忍ぶことができるではないか!

また一人また一人と今日も指揮官が戦線を離脱していく。

SPWAWゲーマーにとって最大の正念場がやってきた。
domo
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domo戦記は夏休みのためお休みさせていただいております。

それにしても暑いですね。
皆様も路上でだらしなくぐったりしている野良猫のようになっていることでしょう。
domo氏は現在ゲームをしておらず、もっぱら江ノ島あたりに時々出没しているとのことです。
(何をしているか存じませんが)

しかしよく考えてみれば、こんな気持ちのいい日にゲームをするなんぞ不健康の始まりかもしれませんね。

皆様もお体にお気をつけくださいまし。

それではまたしばらくしたらお会いしましょう。


                                       domo戦記担当者より
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domo
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長らくお待たせいたしました!!
待望の再開です。

まだまだ暑いですが、頑張って書いていきたいと思います。

何はともあれ、久しぶりにSPWAWを起動。
う〜ん、困った、前回どこまでやったかよく思い出せない。
こんなときは自分で書いたdomo戦記を読み返そう。

ほうほう、なるほど。
いやあdomo戦記って面白いなあ。

読者の方々もしばらくぶりなので、多分記憶が途切れておられるかと思います。
そうでした。
前回、いいところでお休みしてしまったのでありました。
(この続きを書くのはもうめんどくさいのでいきなり「はいゲーム終わりました」にしようかと暗黒面の心がふつふつと沸き起こるのは暑さのせいだろうか)

しばらく画面をボーと眺める。
確か・・ああ・・そうだった・・・
化け物SU-152を見た瞬間、脳裏に全ての記憶が蘇ってきた。
思い出したくもない記憶だ。
だがこのまま終わるわけにはいかない!
このままでは撃破された中隊長、クラウセの死が無駄になってしまう。

俺の気持ちに再び火がついた。

【10ターン(その2)】
2台のSU-152に対して我が部隊は完全に振り回されていた。
だがこの化け物を何とかしない限り、我々には勝利はありえない。
まず始めにティーゲルの88㎜がSU-152に対して火を噴いた。

命中率56%
「挽きたてBLACKファイヤー!!」
88㎜砲弾はSU-152に命中する。
だが・・またしても砲弾は車体のどこかに当たったが奴は生きている。
ペリスコープから見ていた俺の頭から血の気が引く。
敵戦車の主砲から閃光、そして爆音。
続けさまに2台のSU-152から主砲が撃ち込まれた。
2発とも命中。
一瞬で車内は地獄と化し乗員はパニックした。
(この瞬間に夏休みのことは全て吹っ飛びました)
Last edited by domo on Fri Aug 14, 2009 13:46 UTC, edited 1 time in total.
domo
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SU-152の152㎜砲を2発喰らったティーゲルにダメージ表示が出ている。
だが抑圧があがっていて、どこに損傷があったのか確認できない。
車内は真っ暗になってしまい、誰が負傷しているのかも確認できない。
俺も頭をぶちつけ出血した。


「中隊長!!」
無線でパンテル隊のクロンズ中尉に呼びかけられるが無線手が気絶しているのだろうか応答できない。

最後の一匹となった虎が瀕死の重傷を負ったのを見てパンテル隊が発奮する。
パンテルが10時の方向に砲塔を旋回させSU-152を狙う。
だが当たらない。
そこへ2時の方向からT34が撃ってきた。
こちらの射撃が当たらないのとは反対に敵の臨機射撃は憎らしいほど命中した。

「くそう!敵は3方向に分かれたのか」
そうなのだ、敵はパンテル隊から見て、10時と0時と2時方向に分散している。
なので、どの方向に撃とうともその反対方向から弾は飛んできた。

パンテル隊のクロンゼが苦戦しているそのときだった。
スペングラー中尉の突撃砲兵のⅢ突がこの現状を打開するかのごとく、敵に対して猛然と攻撃を仕掛けたのだった。
前ターンに右翼のⅢ突隊は果敢に突撃し、VH付近の丘のふもとまで達し、敵の視界の入らないところにいたおかげで敵を側面から捕捉することができた。
そのⅢ突が2時の位置にいた厄介なT34を撃破した。
そしてもう1台も続けて撃とった。
「中尉、また借りができました」
クロンゼはスペングラーに礼を言った。



ドラマはまだ続く。
中隊左翼のジグラー隊に久しぶりに目を移そう。
ジグラー小隊は戦闘序盤で敵の反撃に手こずりVH確保が遅れ、残り戦力もⅣ号F2型が3台と擲弾兵3個分隊と減っていた。
そのためこの戦力では本隊に追いついても戦力にならず、しばし待機していたのだ。

そしてジグラー小隊長に代わって指揮を執っていたテルナール曹長は、まだ自分には小隊を指揮するには荷が重過ぎると判断し、指揮をショーエン大尉に譲ることにした。
(ジグラー小隊長とテルナールは直属のC小隊で、ショーエン大尉はB小隊であったので直接の指揮権がなかった)

「了解した、曹長。これよりショーエン車が小隊の指揮を執る」

そしてすぐさまショーエン大尉は一計を案じた。

「よし。敵に一泡ふかしてやろう」
前方17へクス先にSU-152が一台見えていた。
「こいつを仕留めるぞ」
テルナールはこの命令を聞いて大尉の作戦は無謀すぎるのではと疑った。
「ティーゲルの88砲でも歯が立たなかったのに・・」

だがショーエン大尉はテルナールの不安などに付き合ってくれなかった。
自らが先頭に立ち攻撃を仕掛けた
4号戦車の75mm砲では17へクスの距離は遠い。
だがショーエン大尉はそんなことはお構いなしにガンガン撃ち始める。
「GUAM!」
「GUAM!」
放たれた砲弾が次から次へとSU-152に命中していく。
そして2台目の4号戦車が数発命中させたとき、SU-152の乗員が車外に脱出した。
「どうだ、思い知ったか!!」
各戦車の車内が歓声に沸きかえった。
ようやく化け物を一匹退治したのだ。

テルナールは大尉がこの作戦を思いついたとき、大尉が果たしてあの距離でSU-152の側面を狙うことを計算していたのかどうなのか訊いてみたいと思ったが、もうそんなことはどうでもよくなった。
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【11ターン(その1)】
「2時の敵は殲滅した」
Ⅲ突のスペングラーから無線が入った。

そのあとパンテルO1号車から無線が入る。
「被弾により主砲が故障した模様。これより後退する」
戦車を失うことは極力避けるため、自力で脱出できるならば後退するようになっていた。
「DOGAAM」
たった今、無線で後退するといってきた01号車が後退と同時に敵に狙われた。
そうなのだ。
SPWAWでは車体の向きを敵に前を向かせつつ、後退することができないのだ。
そのため後退するときはどうしても車体を180度旋回する形をとってしまう。
そのときに後部の装甲の薄いところを狙われれば一撃である。
この怒りをどこにぶつけたらいいのだろう。
このHPの管理人にでもぶつけるか。
それがいい。
皆さんも憤ったときは、ここの管理人に憤りをぶつけよう。


「クロンゼ!応答せよ」
俺はわずかながらだが回復させ、無線をクロンゼにつなげた。
気になっていたダメージはどうやら攻撃力には影響はないことがわかった。

「クロンゼ、どうだ、そっちは?」
応答はしばらくしてからあった。
パンテル隊の状況がかんばしくなさそうだった。
ソ連軍のターンに3台のパンテルは敵の集中砲火の的となっていたのだ。
すでに数発、いや数十発の砲弾が3台のパンテルに命中しているだろう。
3台のパンテルは全て抑圧があがってしまい行動不能に陥っていた。

なんともしがたいこのターンの始まりとなった。
ソ連軍は相変わらず強気の姿勢で前進してきている。
そして前線の敵弾兵はT34に蹴散らされた。

「どうすりゃいいんだ・・・」

こんなときゃ柿の種をむさぼし食うしかない。
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【11ターン(その2)】

そのときだった。

「今だ!前進するぞ!!」

右翼からスペングラー中尉率いる2台のⅢ突と2台のⅣ号戦車(元ワグナー小隊)が前進し、敵の側面に回り出た。

奇襲は出るタイミングが最も重要になってくる。
スペングラーは抜群のタイミングで突撃を開始した。
なぜなら最終14ターンまであと4ターンしかない。
側面を回りこんでVHを確保し、戦局を打開するにはこれ以上待てないのだ。

スペングラーは2へクスほど前進して5台のT34を発見した。
この後方にいるやつらがおそらく最後の援軍なのだろう。

慌てることはない。
訓練通りすればいいのだ。

「スペングラー中尉、今度は何です?」
「ふむ。そうだな。じゃあこれでいってみよう」
「挽きたて炭焼きファイヤー!!」
Ⅲ突の75mm砲が正確にT34を捉えた。
「BOMB !」
T34が爆発する。
ようやく敵がこちらに気付いたようだ。
すぐさまⅢ突が1台、Ⅳ号が1台の敵を葬った。
擲弾兵もVH目指して前進した。


さあ左翼のショーエン大尉だ。
ここの部隊は先ほどのSU-152を撃破して大金星をあげ意気揚々となっている。
テルナールもその中の一人だった。
もしも小隊の指揮権をショーエン大尉に譲らずに自分が率いていたら、こんなことはありえなかったと思うとなおさらだった。

テルナールは大尉がこのあとどういう作戦を執るのか次第に関心が出てきた。
このような状況でよくそんな余裕が自分にはあるかとちょっと呆れたりもしたが、自分なりに次にどうするか考えてみた。
そして大尉に訊いてみた。
「ショーエン大尉、次はどうしますか?」
「ふふ。決まってるさ。もう一泡ふかせるまでよ」
「(えええっ!!!)」

大尉の言葉はもう1台のSU-152も殺るという意味だった。
これを聞いたテルナールは驚きのあまり言葉を失い狭い砲塔から天を仰いだ。
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【11ターン(その3)】
またもやショーエン大尉が先頭になり射撃が始まった。
視界には何台もの敵戦車が入っているが、その全てを無視してSU-152のみに照準を合わせている。
初弾がSU-152の巨体に命中する。
だがびくともしない。

「テルナール曹長、頼んだぞ!」

ショーエン大尉が全ての射撃を終えてので、今度はテルナールの番だ。
テルナールも2発ほど命中させたが、はやりまだ生きてきた。
残りはローゼンベルグ軍曹のⅣ号だけだ。
この新型戦車のどこが弱点なのかわからないため、正面装甲の一番弱いところがどこなのかわからなかった。
だがこれだけの命中弾を喰らっているのなら、同じところに当てれば貫通するだろうと考えた。
こんなことは神業である。
「砲手、さっき当たった同じところ狙え!!」
「!!!」

だが奇跡は起こった。
「DOGAAAM !!」
ものすごい爆発と共に視界からSU-152の巨体が消え去った。

またもや歓喜に沸く車内。
その輪の中から一人取り残された者がいる。
この奇跡を素直に信じることのできないテルナールだった。

「一体どうなっているのだろう」
テルナールは冷静になりながらも、自分が一番興奮しているのではないだろうかと思った。
それまでは魔法がかかっていたかのように、ティーゲルの88㎜やパンテルの75mmを跳ね返していたのに、先ほどは魔法が解けたように4号の75mmで撃破されてしまったSU-152。

だが戦場ではこのような神がかった出来事は決して珍しくない。
ただそれを奇跡と呼ぶかどうかは別として。

ショーエン大尉は空いている装甲車を撃破された中隊長車の方に派遣した。
これは脱出した乗員の救出をいち早く確保するためであった。

さあティーゲルとパンテル隊に目を移そう。
前にも書いたが、ティーゲルはなんとか回復したが、パンテル隊は敵の集中砲火と砲撃で3台とも抑圧があがってしまっている。

「各隊、応答せよ!」
俺は無線で呼び続けた。
パンテル00号車と02号車は行動不能、04号車は移動のみできるようになった。
ここでじっとしていては敵の砲撃の的になるだけである。
だが前方には中央を突破してきたT34が迫ってきている。
もちろん後退はありえない。

「各隊、微速前進せよ」
前進するしかなかった。

あとは運を天に任せるしかない。
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【12ターン(その1)】
運命の数分間を迎えた。
(このターンで決着がつきそうです、多分)

敵は2台のSU-152を失った。
残りはSU-85が1台とあとは全てT34であろう。
そのT34が何台残っているのか分からないが、援軍はもうこれ以上来ないので、
現時点で視認できる数だけだと見ていい。

あと十数台ほどのような気がする。
多分・・
ソ連軍はどういう作戦に出るのか。
考えてもしょうがない。
だが頭は勝手にあれやこれやと妄想を始める。


ターン開始のボタンを押すのが震える。
どうしたのだろう。
何か嫌な気配でも感じるのだろうか・・

気になるといえば、パンテル隊の後方でパンテル隊を援護するはずだった2門の75mmPAKが砲撃でやられ、全く抑圧が下がらないことであった。
ここは隊長のクレメール少尉にがんばってもらい何としても回復することを願うしかない。


「ええい、ままよ」
俺はアルコールを一気に流し込んだ。
「よし!いくぞ!」

酔っ払い指揮官とは俺のことか・・・