SPWAWに慣れてきて、キャンペーンでも始めようか!と思ったときにつまずくのがユニットの編成です。第二次大戦期の戦史によほど詳しいか、ゲームのOOBを詳細に把握していない限り往々にして「何を買ったらいいのかわからない!」という状況に陥りがちです。
そこで本稿では、戦史にもOOBにも詳しくない初心者を対象に、キャンペーンや対人戦でのユニット購入において、なるべくリアリティがあり、かつゲーム的にも通用する編成をするために注意することを整理してみました。参考になれば幸いです。
兵科別の構成割合

ユニットを編成する上で最初に気をつけるべきは、「歩兵」「砲兵」「装甲」の主要三兵科のバランスを取ることです。
主要三兵科がバランス良く編成された部隊は、地力に優れ戦場を選びません。逆に、歩兵だけ、あるいは戦車だけといった偏りのある部隊は、ごく特定の状況でしか活躍できません。したがって、どのような戦場で戦うのかはっきりしないキャンペーンでは、何よりもまずバランス重視のオールマイティな部隊編成を目指すべきでしょう。
兵科別分類
SPWAWに登場するユニットは、「歩兵」「砲兵」「装甲」「その他」の4種類に大別され、これらはそれぞれユニット購入メニューの "Infantry"・"Artillery"・"Armor"・"Misc." に対応します。まずは、各購入メニューでどのようなユニットが買えるのかを把握しておきましょう。
- 歩兵系ユニット(Infantry)
- 偵察兵・歩兵・工兵・騎兵といった各種歩兵ユニットと、機関銃や歩兵用対戦車火器などの支援火器も含まれます。
- 砲兵系ユニット(Artillery)
- 間接射撃できる盤外砲と盤内砲、直接射撃しかできない対空・対戦車砲、およびFOなどが含まれます。
- 装甲系ユニット(Armor)
- 装甲車および各クラスの戦車など、何らかの装甲を持つAFVが含まれます。
- その他ユニット(Misc.)
- オートバイ、輸送車両、飛行機、要塞、弾薬補給ユニットなど補助的なユニットが含まれます。また、歩兵支援火器を組み合わせた武器小隊(Weapon Platoon)や、各種偵察ユニットを組み合わせた偵察部隊などの変則的な編隊が用意されていることもあります。
キャンペーンにおける兵科割合
バランスの取れた部隊とはいかなるものか?まず、多くのキャンペーンでは推奨編成例が示されているはずです。これをそっくり真似するか、若干の修正を加えた編成にすれば大コケすることはないはずです。以上。・・・と、これではわざわざ本稿を書く意味がないので、ここではどんな戦場でも通用する基本的な編成指針を提示してみましょう。
いきなり肝心な点からいきます。
では、なぜ歩兵の数を優先的に揃えなければならないのでしょうか?敵戦車を破壊するのに必ずしも戦車を用意する必要はありませんが、敵歩兵を片付けるためには絶対に歩兵が必要だからです。誤解を恐れずに言えば、歩兵は戦車の代わりになれる可能性があるが、戦車は歩兵の代わりにはなれないのです。
したがって、編成における第一の要諦は、歩兵の数が足りないという状況だけは絶対避けること、つまり最初に歩兵を一定割合は買っておくことです。
対人戦における兵科割合
キャンペーンでは、砲兵ユニットの購入制限はないので、上述の基本兵科割合(予算の1/4)を意識しておくだけで問題はありません。しかし、PBEMやオンラインなどの対人戦では、直接攻撃目標にならない盤外砲兵を極端に多くするとゲームバランスが崩れることを危惧して、砲兵ユニットの購入は予算の10〜20%といった制限が設けられることが一般的です。
ちなみに、一般的な砲兵制限ルールでは、弾薬補給車やFOなどの砲兵支援ユニットは「砲兵」の範疇に含まれません。購入制限の適用を受けるのは、間接攻撃が可能な砲兵ユニットだけだと覚えておきましょう。
砲兵の購入制限が設けられた対人戦では、この制限ギリギリまで砲兵を買うのが基本です。つまり対人戦における部隊購入は、最初に上限一杯まで砲兵を買って、残りの予算を歩兵と装甲その他に割り振ることになります。この場合も、歩兵と装甲の兵科割合は、最低でも6:4程度の比率で歩兵優先とするべきでしょう。
例えば、予算2000点で砲兵10%制限であれば、最初に200点分の砲兵を買い、残る1800点のうち6割程度の1100〜1200点を歩兵に、600〜700点を装甲に割り振る感じです。こうすると全体の割合は、歩兵5:装甲3:砲兵2となり、上記の基本比率とほぼ同等になります。ただし実際は、対戦車砲や輸送車両などの補助ユニットも必要になるので、この割合はあくまでもだいたいの目安だと考えてください。
役割別の構成割合
これまでは「歩兵」「砲兵」「装甲」という主要三兵科の構成割合という観点から見てきましたが、各兵科に所属するユニットは、その役割によってさらに細かく分類できます。そして部隊を編成するにあたっては、主要三兵科の構成割合に留意するとともに、各兵科内の役割別の構成割合も考慮しなければなりません。
役割別分類
兵科/役割 | 偵察 | 主力 | 支援 |
---|---|---|---|
歩兵 | 狙撃兵・偵察兵・騎兵など | 通常歩兵 | 機関銃・ATRなど |
装甲 | 装甲車・軽戦車など | 中・重戦車 | 自走砲・駆逐戦車など |
ユニットの役割は「歩兵」「装甲」科では、右表のように3つに分類できます。
この中で重要なのは偵察役で、
純粋な索敵力からいえば、歩兵のReconは車両のReconより優れているので、歩兵の偵察ユニットは常に一定数を揃えておく必要があるでしょう。逆に、装甲の偵察ユニットは状況によっては必要ないかもしれません。
ただしC&Cオンでプレイする場合は、命令ポイントを消費せず自由に移動できるという点で、Recon能力を持ったユニットは非常に重宝します。このような場合は、装甲の偵察ユニットも揃えておく必要があるでしょう。
兵科/役割 | 一点制圧 | 面制圧 | 支援 |
---|---|---|---|
砲兵 | 盤内迫撃砲 | 盤内迫撃砲以外の間接砲 | FO・弾薬輸送車 |
「砲兵」科ではユニットの役割が少し特殊です。ユニット購入段階でいう「砲兵」とは間接射撃が可能なものものなので、対戦車砲や対空砲などの直射砲はここでは「砲兵」の範疇から除いておきます。
間接砲は、一点制圧を目的とする迫撃砲と、より広い面制圧を目的とするその他の砲に分けることができ、その砲撃任務を支援するものとしてFOを考慮します。
役割別の構成割合
「歩兵」科については、常に全歩兵ユニットの1〜3割程度を「偵察」役、つまりRecon能力を持っているものにするのが良いでしょう。これには、狙撃兵(Sniper)・斥候(Scout)・偵察班(Recon)・騎兵(Cavalry)・スキー兵(Ski)などが含まれます。これらは自軍の「眼」となるユニットなので、簡単にはすり潰されない規模である必要があります。
また、C&Cオン下では自由な機動を確保するために、ある程度戦闘力を兼ね備えた「偵察」役のユニット(騎兵・スキー兵)で「主力」部隊を編成するという方法も考えられます。一方、「支援」役のユニットの割合にはこだわる必要はありませんが、常に1割程度は混ぜることを心がけておくと戦闘形態に幅が生まれるでしょう。
「装甲」科については、C&Cの有無によって「偵察」役の重要性が大きく異なります。「装甲」科における「偵察」役は、その名に反して索敵よりも自由な移動ができるという点が最大の目的です。したがってC&Cオンの場合には必ず「偵察」役が必要で、できる限りその割合を大きくする必要があります。
また、国籍と年代を考慮して、自軍装甲部隊の無線配備率が低ければ(例えば大戦初期のソ連軍など)、あえて機動が困難な「主力」を減らして、装甲部隊の大部分を「偵察」役にするといった工夫も必要になります。移動が不自由な点では「主力」も「支援」も変わらないので、ここでも両者の割合にはこだわる必要はありません。
「砲兵」科については、まず砲兵購入ポイントの6〜7割を「面制圧」役に、残りを「点制圧」役とします。ただしこれはキャンペーンなどでの汎用的な購入基準で、対人戦などで使用マップが確定している場合は、地形にあわせて修正する必要があります。例えば、多くの建物を攻略する必要があるマップの場合は、盤内迫撃砲の割合を大きくする必要があるでしょう。
そして「面制圧」用の砲兵のうち、盤外砲中隊の個数によってFOの購入数を決めます。C&Cオンであれば、FOの命令ポイント不足を避けるために、盤外砲1個中隊につきFO1個を購入するのが基本ですが、命令ポイントに余裕のあるユニット(Recon能力のあるユニットや直接戦闘しない後方支援ユニット)があって浮動照準の使用を基本にするのであれば、FOの数をケチっても良いでしょう。この場合FOの役割は既存照準の修正のみで、新規照準は命令ポイントに余裕があるユニットに任せることになります。
いずれにせよ、FOは安くないので盤内砲の砲撃命令はFOは使わず盤内砲が自力でやるという姿勢が常に必要です。またC&Cオフであれば、FOはHQのそばに1個だけでも、HQのそばと前線に1個ずつというカタチでも構いません。
任務別の編成
上述のように、全体の兵科割合と各兵科内の役割別割合をともに考慮すると、どんなキャンペーンでも通用するバランスの良い部隊編成ができるはずです。
しかし1回限りの戦闘である対人戦では、どんな状況でも通用する編成ではなく、その時々の状況に特化した編成を心がける必要があります。特に自軍が担当する任務によって、編成の要点が異なることに留意しましょう。
任務 | Assault | Advance | Meeting | Delay | Defend |
---|---|---|---|---|---|
自軍VH群 | 0 | 0 | 1 | 5 | 5 |
購入ポイント比 | x1.5〜2.0 | x1.2〜1.5 | x1 | − | − |
備考 | 要輸送手段 | 要輸送手段 | − | − | 障害物・要塞 |
任務による初期保有VH群数と購入ポイント比をまとめたものが右表です。
以下、この表をもとに各任務の編成ポイントを紹介していきます。
Assalut / Advance 任務における編成
Assault・Advance 任務での一般的な編成要点を一言で言えば、
Assalut vs Defend と Advance vs Delay の攻撃側は初期保有VH群数が0で、つまりこれらの戦闘では5つのVH群はすべて防衛側が保有しているのが特徴です。その分、攻撃側は購入ポイントにハンデが与えられますが、攻撃側のユニット配置ラインから目標VHまでは距離があるのが普通です。
つまり Assalut・Advance任務では、限られたターン内に一定の距離を前進し、敵陣に突入してVH群を奪取する必要があるわけで、進撃に時間をとられすぎることは敗北を意味します。また、マップが広い場合は盤内迫撃砲(特に81mmクラス)をあまり後方に配置すると、前線の移動につれて射程が足らなくなる可能性があることも忘れてはいけません。
このような状況を避けるためには、砲兵をも含めた部隊全体の機動力を高めるような編成をする必要があります。具体的には次のような編成方針を検討すべきでしょう。
- 装甲車・軽戦車などの装甲科「偵察」ユニットの数を揃えて快速部隊を作る
- 足の遅い歩兵科「主力」ユニットには、輸送車両を用意する
- 盤内砲およびその関連部隊(補給車・FO・HQ)を自走化、または自動車化する
しかし、購入ユニット全ての機動力を確保しようとするとコストがかかりすぎます。そこで、部隊を3分割して各ユニットの役割を明確化した上で、機動力を重点的に確保しましょう。
先遣隊 | 本隊 | 後方支援・予備 | |
---|---|---|---|
役割 | 偵察・敵拘束 | 敵撃滅 | 砲撃、増援 |
機動力 | 高 | 中 | 低 |
輸送手段 | Recon付HT、高機動車 | トラック、プライムムーバー | 馬匹 |
担当ユニット | 装甲「偵察」、歩兵「偵察」「支援」 | 歩兵・装甲「主力」「支援」 | 砲兵など |
上表は、「先遣隊」「本隊」「後方支援」という3部隊に分割した例です。「先遣隊」は充分な機動力を確保した部隊で、全軍に先駆けて前進し、敵の捜索および「本隊」到着までの拘束を任務とします。「本隊」は「先遣隊」にやや遅れて後続しつつ敵を一掃していき、さらにその後方に「後方支援」部隊が続きます。
各隊の戦力比は4:4:2か3:5:2程度を基準にします。最も損耗が激しい「先遣隊」の戦力を充分に確保しておくことが何よりも重要です。
「先遣隊」は、歩兵・装甲科の「偵察」ユニットを中心とした快速部隊です。この部隊の高機動化にはコストを惜しんではいけません。マップが大きい場合は、足の速い歩兵科「偵察」でも移動が困難な場合が多いので、Recon能力を持つ車両ユニット(偵察車や高機動車)を別途輸送手段として用意する必要があるでしょう。また、ある程度の戦闘力を持たせるために、さらに機関銃やATRあるいは小口径ATGを加えても良いでしょう。
「本隊」は、通常歩兵や中戦車からなる歩兵・装甲科の「主力」部隊です。前進のネックとなるのは歩兵の機動力ですが、ここではなるべくコストをケチりましょう。主力歩兵の輸送手段は高価なHTではなく通常の中型トラックをメインにし、戦車に随伴させる必要がある一部歩兵にのみプライムムーバーを購入するなど工夫しましょう。
「後方支援」には、HQ・FO・盤内砲関連部隊や予備隊を含みます。これらは「主力」と離れすぎなければ良いので、多くの輸送手段は必要としません。安全のためHQには専用車両を用意しても良いですが、砲兵関連部隊にはわずかな馬匹輸送部隊だけ用意してピストン輸送するなど、ケチれるだけケチりましょう。
Delay / Defend 任務における編成
Delay・Defend任務での編成の要点は、
これら防衛側は比較的狭い範囲に自軍をまとめて配置できるので、攻撃側のように大規模な輸送手段を必要とすることはありませんが、その分総ポイントでハンデを負っているので無駄にできるポイントはほとんどありません。攻撃時以上に各ユニットの役割を明確にし徹底しましょう。
ここでも部隊を3つに分割して考えます。
牽制 | 守備隊 | 反撃部隊 | |
---|---|---|---|
役割 | 偵察・敵拘束 | VH・戦略要地の維持 | 反撃 |
機動力 | 低 | 低 | 高 |
輸送手段 | なし | なし | Recon付HT、高機動車 |
担当ユニット | 歩兵「偵察」「支援」 | 歩兵「主力」「支援」 | 歩兵・装甲「偵察」「主力」 |
上表は、「牽制」「守備隊」「反撃部隊」という3部隊に分割した例です。「牽制」部隊は最前線に配置して敵の進撃をいち早く察知し、あらゆる手段で邪魔をして時間を稼ぐのが目的です。この部隊はいずれ完全消滅することを最初から覚悟しておきましょう。「守備隊」は通常歩兵をメインとするVHや戦略要地の防衛部隊です。この部隊の役割は、敵に損害を与えることとVHや戦略要地を最終的に確保することです。この部隊も半数は消滅することを覚悟しましょう。「反撃部隊」はいわば決戦部隊です。機動力をいかして弱体化した敵軍を適宜打ち砕くことが目的です。
「牽制」部隊は捨て駒なのでコストをかけてはいけません。歩兵「偵察」およびMG・ATR・小口径のAA・ATGなど安価な「支援」ユニットで編成します。ポイント比でいうと目安は2〜3割です。どうせ全滅するので機動力も気にする必要はありません。ただし狙撃兵、斥候・偵察兵、騎兵などを使用すれば、臨機応変に後退させることも浸透させることも可能でしょう。
「守備隊」も半数は死ぬ運命だと諦めて質よりも量を優先しましょう。基本は安い歩兵とMG・ATR・AA・ATGを組み合わせたものが主力です。ただし、Defend戦では地雷などの障害物と各種要塞ユニットが購入できるので有効利用しましょう。この部隊も機動力はほとんど必要ありませんが、AAやATGは自走化するか輸送手段を用意して後退可能な部隊としても良いでしょう。ポイント比は全体の3〜4割を目安にします。
「反撃部隊」は防衛側の主力部隊です。いつでも好きな時に好きなように動けることが肝心なので、この部隊だけは充分な機動力を備えた歩戦協同部隊とすべきです。C&Cオン下の防衛側は移動目標の設定と変更が難しいので、「偵察」ユニットを反撃戦力の中心とすべきでしょう。歩兵でいえば騎兵などのある程度戦闘力がある「偵察」ユニットを使用すると輸送手段分のコストを削減できます。ポイント比は全体の3〜5割程度を目安としますが、勝敗は投入時期の決断にかかってきます。
Delay戦でもいえることですが、Defend戦では特に、VH群や戦略要地の全てを固定した「守備隊」で守ろうとするのは愚策です。勝利するために守るべきVH群を厳選し、そこに至る経路に「牽制」部隊を配置し死守地点に「守備隊」を配置するという具合に、捨てるべきユニットと捨てるべき場所の割り切りが必要になるでしょう。
Meeting Engagement 任務における編成
遭遇戦は Advance vs Advance の戦いで、購入ポイントも初期保持VH数も、配置ラインから中央の中立VHまでの距離もほぼ同一という互角の条件での戦闘形式です。基本的には Advance 任務における編成と同じで、編成上の要点を挙げるとすれば、敵よりも先に中立VHを確保するために前衛部隊に機動力を持たせることと、さらに敵陣最奥部のVH群を奪取するかどうかを決めておくことくらいでしょうか。
遭遇戦における具体的な編成方法は、後述の「実践編」で示します。
地形別の編成
キャンペーンでは多様なマップを転戦していくので、どんな地形でも対応できる部隊編成を心がけなければなりませんが、一回限りの対人戦などでは、戦う地形(マップ)に適した編成をする必要があります。
以下、特徴的な地形で戦う場合の編成上の注意事項です。
市街地
- 質を犠牲にしてもある程度の量を確保する
- 「歩兵」科を主力とする
- 迫撃砲を多めに揃える
- 後方輸送車両を用意する
- 火炎放射器を用意する
1.建物の多い市街地は当然視界が悪く、1ユニットでカバーできる範囲は最悪隣接6HEXだけになります。したがって敵を討ちもらさずに前進するには、標準的な地形で戦う時よりもユニット数を多く用意する必要があります。また砲兵支援がない場合は、建物に陣取る防御側が有利なので、マップ上の建物が多いほど攻撃側はユニット数を多く揃える必要があります。
2.市街地にある車両は、射界が限定され移動が極度に制限される上に、隣接する建物からの近接強襲や交差点での待伏せを食らう危険性が高いので、開豁地での戦闘と比べると「装甲」科ユニットの活躍できる余地はかなり限定されます。したがって、市街地では一撃壊滅しない「歩兵」科を主力とし、「装甲」科は支援役に徹するのが基本です。
3.市街地では特定の建物を制圧しないと前進できないという事態が多発します。このような場合の最も安全な攻撃方法は、盤外砲で一帯に煙幕を展開して敵の視界を完全に塞いでいる間に攻撃部隊が多方面から接近し、建物への突入直前に迫撃砲のピンポイント砲撃で敵を制圧します。しかし盤外砲は連絡が不安定で煙幕が足りなくなる恐れがあるので、最悪でも突入直前の制圧射撃は確保できるように迫撃砲は多めに用意しましょう。また、50〜60mmクラスの小口径迫撃砲は6HEX以内で撃てば強力な効果があるので大いに活用しましょう。
4.上述のように、一撃死の可能性が高い車両ユニットを市街地最前線で使うのは難しいのですが、前線のヤバそうな部分に速やかに増援部隊を送ったり、敵の不意をついた迂回機動を試みたりするためにはある程度の機動力が必要で、このような機動力を持っているかどうかで戦勢が大きく左右されます。足の遅い小口径迫撃砲や機関銃・ATRといった補助部隊を主力歩兵の進撃から脱落させないためには、ジープなどの小型機動車を活用しましょう。またマップが大きい場合は、歩兵1個小隊を一気に輸送できるプライムムーバーやハーフトラックを後方に用意しておくのが良いでしょう。
5.隣接HEXしか見えず複数ユニットのスタックもあり得る市街戦において最も強力な兵器は、火炎放射器です。火炎放射器を装備する工兵は高価ですが、勝負を決める決戦部隊として1個小隊は用意したいところです。また、危険を冒してでも最前線で使いたい「装甲」科ユニットは火炎放射戦車です。これも最低1セクション(2両)は欲しいところです。火炎放射戦車が装備する火炎放射器の射程は2HEXあるので、敵が2HEX以上の対装甲兵器(例えばATR)を持っておらず先制攻撃されない限りは無敵ユニットです。
ジャングル
- 「歩兵」科を主力とする
- 後方輸送車両を用意する
- 迫撃砲を多めに揃える
- 射程の長い直射砲(AA・ATG・MG)は少なめに
ジャングルでの編成の要諦は市街地とほぼ同様です。ただし、ジャングル内に「小道(path)」がなければ、歩兵でも速やかな移動は困難なので、輸送部隊が必要になるでしょう。装輪車両はかなり高確率で足回りに故障が発生するので、輸送手段は装軌車両(プライムムーバーやハーフトラック)やスピードを重視しないなら馬匹部隊を用意しましょう。また、森でも水域でも地形を選ばず機動力のある騎兵ユニットを活用しましょう。
ジャングル戦が市街戦と異なるのは、市街地には視界の通る直線道路があるのに対して、ジャングルにはそれさえないことが多いことです。特にマップの大半がジャングルに覆われている場合は、高射程の兵器はほとんど無意味になるので買ってはいけません。
砂漠
- 目くらまし用の偵察車両を用意する
- 直射砲を多めに揃える
- 戦車に随伴できる機械化(自動車化)歩兵を用意する
- 煙幕を張れる盤外砲を用意する
砂漠では車両の移動痕跡が砂塵として対戦相手にわかるのが特徴です。また、遮蔽物が少なく移動力消費が大きいので徒歩歩兵が使いにくい、高視界でAA・ATGといった直射砲が活躍できるのも特徴です。ただし、最近のマップでは一見平坦に見える砂漠に微妙な高低差をつけているものが多いので注意が必要です。
1. 移動痕跡から進軍経路を悟られないようにするためには、移動力に優れた偵察車両(装甲・非装甲問わず)を使います。主力部隊が移動する前にこれらを縦横無尽に走らせておけば、あたり一面モウモウの砂煙に包まれて主力の移動経路を隠蔽することができます。
2. 視界の良い砂漠戦では必然的に遠距離交戦の機会が多くなります。装甲部隊は動き回って敵の発砲を誘いかつ避けることになりますが、それを後方から支援する部隊が必要です。これにはATG・AA・MGが最適で、特に中口径のものに輸送車両を組み合わせれば、敵の砲撃をものともせず支援を続けられます。敵の発砲を監視する偵察歩兵までセットで用意できればカンペキです。
3. 高視界をいかして敵も当然ATGやAA陣地を用意しているはずなので、これを潰す部隊が必要です。装甲部隊が敵火点からの発砲に対し一撃を加え沈黙させたら、即座に前進して敵陣地を潰すのは機動力のある歩兵部隊の役割です。あるいは、敵火点を発見したら煙幕で目隠しして一気に接近する場合にも機動力のある歩兵部隊は不可欠です。
4. 遮蔽物がなくどこにいても敵の監視下におかれるような砂漠では、砲兵の展開する煙幕だけが安全な前進を保証します。何はなくとも砲兵だけはケチってはいけません。
雪原
- 戦闘部隊の移動力を確保する
- スキー兵を多用する
雪原では、ほとんどのユニットが移動力を大きく損ないます。さらに悪天候であればなおさら。敵と戦闘することよりも、敵陣にたどり着くことの方が難しい場合さえあります。積雪マップで常に最も役にたつのはスキー兵です。
まとめ
- 歩兵は多めに確保する
- 状況に応じて輸送部隊を確保する
- あとは適当にバランスをとる(笑)
以上いろいろと書きましたが、結局のところ編成の要点は
この鉄則に従って最初に充分な歩兵を揃えておけば、あとは状況にあわせて残りの部隊のバランスをとるだけです。どんな戦車を買うかとか、どんな砲兵を買うかとかいうことは、どちらかといえば些細な問題なのです。とにかく一番大事なのは歩兵の数!これだけ覚えてください。
とはいうものの、いざユニット購入画面を目前にするとあれこれと些細な選択で悩んでしまうのも事実です。しかし、キャンペーンや対人戦で一番面白いのは編成作業であり、編成作業の面白さはこの「あれこれと悩む」過程にあると思うので、どうぞ存分に悩んでください!(笑)
いやいや、これだけじゃあ冷たいですね。究極のところ編成に「正解」はないので、何をどう買おうと自由なのですが、やはり購入の順番やユニット選択の基準にもセオリーらしきものが存在します。
そういった詳細は次の「実践編」で詳しく説明します。