従来、編成を試行錯誤する上で大きな障害になっていたのは、SPWAWを起動して対戦状況を設定しないとユニットの正確な値段がわからない点でした。ユニットの値段は対戦年月によっても Preference 設定によっても変化するので、外部OOBエディタで示されるコスト値は全く当てにならないのです。
そこで、もっと便利に編成作業を悩みたい(?)と考えた当司令部は、外部OOBビューア兼編成シミュレータである "Mr.OOB" を開発するに至りました。自分で言うのもなんですが、これはなかなか使えるツールだと思います(笑)。
本稿では、具体的な対戦状況を想定し、"Mr.OOB" を使用して編成表を作成する過程を説明します。
編成演習
"Mr.OOB" を編成作業に利用するメリットは、SPWAW本体を起動せずに編成を試行錯誤することができるという点にあります。簡単にウリを説明すると、まず、対戦仕様を指定してやれば、ユニットのコストが正しく計算されること。次に、買いたいユニットを指定していくだけで、間接砲兵の合計ポイントや兵科別のポイント比率が自動的に算出されること。最後に、選択した購入ユニットのリストをテキストファイルとして出力できることです。
つまり、SPWAW本体を起動せずに編成のシミュレートができる上、面倒なポイント計算をする必要もなく、兵科バランスなども簡単に把握できます。そして、実際にゲーム上でユニットを購入する際は、"Mr.OOB" で作成した編成リストを見ながら全く悩むことなく購入作業を終えられるので、万全の態勢でプレイを始めることができるのです(笑)。
では、編成作業の詳細をみていきましょう。
対戦仕様
本例での対戦仕様は次の通りとします。
- PBEM、Enhanced2008使用
- 1941年9月
- ドイツ vs. ソ連、遭遇戦、2000点
- 小マップ、通常地形、視界20、天候晴、15ターン
- 10%砲兵、CCオン
- リアルっぽい編成を心がける
対人戦をはじめる時は、上記のような対戦仕様が明示されているはずです。まずは任務と地形を確認しましょう。今回は遭遇戦でマップは平凡な通常地形です。ここでいう通常地形とは、開豁地が主体で森や建物や点在するこれといって際立った特徴のないマップだと理解してください。
天候・視界・ターン数も最初に確認しておきます。本例ではクセのない一般的な条件なので、特に何かにこだわった編成をしなくても良い設定です。
次に確認するのは国籍と対戦年月で、本例では1941年9月の独ソ戦です。ここでは「リアルっぽい編成を心がける」というのが編成条件の一つになっているので、まずはこの時期の独ソ両軍の特徴が挙げられるだけの戦史知識があるかどうかが重要になります。つまりこの対戦年月と対戦国を見ただけで、「独ソ戦開始3ヶ月後」「バルバロッサ作戦」「タイフーン作戦直前」「電撃戦」「T-34ショック」「街道上の怪物」といったキーワードが思い浮かぶ方なら何の問題もありません。自分のイメージに従って編成すれば、史実に近い編成になるでしょう。
「そんな知識はさっぱり無いよ(泣)」といわれる方も・・・大丈夫です。本稿を全部読めばきっと途は開けます!気にせず読みすすめてください。
Mr.OOB の準備

まず、"Mr.OOB" をダウンロードして、ZIPファイルを任意のフォルダに解凍しておきます。
"Mr.OOB.exe" をダブルクリックで起動したら、左上のドロップダウンリストボックスから "70-German" を選んで、"Set OOB" ボタンを押します。
あとは左側のリストからユニットを選べば各ユニットの詳細が見られますが、ここでは実際の編成時と同様に「お買い物リスト(編成表)」を作りながら進めることにします。

次に、基本設定をしておきます。OOBを選んだ直後に設定することを忘れないでください。
メニューバーにある "Purchase Mode" ボタンをクリックします。すると Purchase Mode ウィンドウが表示され、メニューバーに "Setting" ボタンがあるので、これをクリックします。
新たに表示される Setting ウィンドウの3項目−バージョン、True Troop 設定、Histric Rating 設定−を正しく設定してください。
True Troop と Histric Rating 設定はオンでプレイするのが通常なので、大抵はバージョンだけ設定すればよいはずです。バージョン設定を間違えると、ユニットの価格が正しく計算されないので注意してください。
ここでは Enhanced 2008を使用するので Enhanced に設定して、OKボタンを押します。

次に、Purchase Mode ウィンドウで対戦年月を指定します。
ここではもう一項目"Branch(兵科)"が指定できます。この項目は以後適宜変更することになりますが、最初に"Artillery(砲兵)"を指定してください。編成は常に砲兵から行うのです。
ここまで正しく設定できたら、"Search" ボタンを押しましょう。
砲兵の選択
Purchase Mode ウィンドウで "Search" ボタンをクリックすると、メインウィンドウ左側のリストボックスに、指定条件に一致する編隊(Formation)が一覧表示されます。この場合は、1941年9月時点で購入画面の"Artillery"メニューから購入可能な編隊が全て表示されます。
まずは砲兵購入に使えるポイントを計算しておきましょう。今回は「10%制限」という条件があるので、総ポイント2000点×10%=200点まで砲兵を購入できます。
砲兵の購入は、盤外砲−盤内砲−FOおよび弾薬補給車の順で行います。FOや弾薬補給車はいわゆる「砲兵制限」には含まれませんが、砲兵と同時に最初に購入しておくことで買い忘れや所持金不足を防ぎます。
では、メインウィンドウ左側のリストボックスから、"1155 - Artillery Bty"(Bty は Battery;砲兵中隊の略) をクリックしてください。基本的に、盤外砲はこの砲兵中隊単位で購入します。

本例では、最初に "75mm FH Bty" が選択されていますが、実は他にも選択候補があります。メインウィンドウ右側のプルダウンリストをクリックすると、左図のように選択候補の一覧が表示されます。
ちなみに、"FH" は "Field Howitzer" で「野戦榴弾砲」、"FG" は "Field Gun" で「野戦(カノン)砲」です。SPWAWにおける両者の違いは、カノン砲の方が対装甲砲撃効果と命中率が高いことにありますが、この点に特にこだわる必要はありません。盤外砲の砲撃効果はほぼ口径に比例するように設定されているので、種類の違いよりも口径の違いを重視します。
盤外砲(榴弾砲)は口径によって、70mm以上・100mm以上・150mm以上の3クラスに分類できます。国籍によって微妙な違いはありますが、基本的にどの国もこの3クラスの砲を持ち、それぞれ軽・中・重砲と呼ばれます。
盤外砲を購入する場合、予算に余裕があれば各クラスから同数を購入するか、中砲を中核部隊として軽・重砲を少量取り混ぜるのがセオリーです。しかし、全クラスの砲を揃えるだけの予算がないこともあるし、揃えられたとしても盤内砲の分の予算が不足する場合もあります。
本例でも、75mm・105mm・150mmを各1個中隊ずつ購入すると197ポイントかかるので、盤内砲に回す予算がなくなってしまいます。盤外砲だけではバランスの良い編成とはいえません。
このような場合(実際の編成でもこういった「あちらを立てればこちらが立たず」的な事態が多発します)は、まず必要な盤内砲は何かを考えます。この答えはほとんどの場合一つで、80mmクラスの迫撃砲です。
ということは、少なくとも盤外榴弾砲を1個中隊と盤内迫撃砲を1個班は買わなければならないということです。この「盤外榴弾砲+盤内迫撃砲」という組み合わせはどのような状況でも砲兵の基本単位になるので覚えておきましょう。
本例でいうと、盤外砲の選択肢は75mm・105mm・150mmの3つ、盤内砲は81mm迫撃砲班か81mm自走迫撃砲かの2つです。これらを組み合わせてポイント制限の200点ギリギリまで購入することを目指します。
ちなみに、C&Cオンでのプレイを想定している場合、盤内砲は小隊(Platoon)単位ではなく、必ず班(Section)単位で購入します。これは、一編隊に含まれるユニットを減らして、利用可能な命令ポイントをできるだけ多くするためです。
結論からいうと、本例では具体的には次のような組み合わせが考えられます。
盤外 | 盤内 | ポイント | |
---|---|---|---|
例1 | 105mm Bty×2 | SP Mortar Sec×1 | 200 |
例2 | 75mm Bty×2 | Mortar Sec×2 | 200 |
例3 | 75mm Bty×1、105mm Bty×1 | SP Mortar Sec×1 | 192 |
例4 | 105mm Bty×1 | Mortar Sec×3 | 192 |
例5 | 105mm Bty×1、150mm Bty×1 | Mortar Sec×1 | 181 |
これら5つの購入例のうち実際にどれを選ぶべきかは、使用するマップの詳細と敵の出方を勘案して決定すべきでしょう。
例えば、マップ内に奪取すべき建物が多いなら、盤内迫撃砲の数が多いほうが有利なので例2や例4を選ぶべきで、敵が歩兵を多用してくると予想するならば、盤外砲の制圧力が必要になるので、例1や例5を選ぶべきでしょう。
また、本例は15ターンという短めの戦闘なので盤外砲の弾薬が不足する可能性は無視できますが、盤内迫撃砲は序盤から多用すると弾薬不足に陥る可能性があります。つまり、盤内迫撃砲を敵の対砲兵射撃から守りつつできるだけ多用したいと望むなら、自走迫撃砲が使える例1や例3を選んで、弾薬補給車も購入する必要があります。
ここに挙げた5つの例はどれもバランスが取れているのでどれを選んでも間違いではないと思いますが、私としては、制限ポイントギリギリまで消費した美しさ(笑)と105mm盤外砲に対する個人的な好みを重視して、例1の組み合わせを選ぶことにします。
ちなみに私が100mmクラスの盤外砲を好む理由は、広範な状況で利用できることに尽きます。具体的には、砲撃効果が充分で着弾範囲も広からず狭からず、接近戦になった場合でもさほど誤爆を恐れず使えるからです。それに対して70mmクラスは制圧力が非力で着弾範囲もちょっと狭すぎ、逆に150mmクラスは着弾のばらつきが大きすぎて接近戦になった場合には使用するのが怖いのが難点です。
ただし、150mm以上の重砲には最も射程が長いという点で他にはないメリットがあります。それは、盤外砲同士の対砲兵射撃に成功する可能性が高いことです。盤外砲同士の対砲兵射撃の発動は自動で行われるので、実際に発動するかどうかも成功するかどうかも運次第ですが、敵より大口径の盤外砲を持っていれば、一方的に攻撃できる可能性があるということは忘れてはいけないでしょう。
その他砲兵について
今回はあっさりと榴弾砲以外の盤外砲を購入対象から外してしまいましたが、これについて一言。
盤外砲として購入できるのは、榴弾砲以外に、カノン砲、迫撃砲、ロケット砲、艦載砲などがあります。カノン砲と迫撃砲はほとんど榴弾砲と同じ扱いなので、特に選択肢から排除する必要はありません。むしろその特徴を生かして積極的に利用すべきでしょう。しかし、残りの2つについては少し注意が必要です。
盤外ロケット砲は、盤内のものに比べると相当強力ですが、1回の砲撃で全弾を撃ち尽くしてしまうのが致命的な欠点です。コストを考えると、よほど自信のない限り購入対象にはならないでしょう。もちろん、起死回生の大逆転を最初から狙う場合や、ビッグサプラ〜イズのネタとしてとりあえず敵を驚かせたい場合はアリかもしれません(笑)
艦載砲には軽・中・重の3種があり、それぞれ駆逐艦・巡洋艦・戦艦の艦砲射撃とみなされます。これらはいずれも比較的安価な割に強力で、特に戦艦クラスの艦載砲は盤外砲の中で屈指の射程を持っているので、敵盤外砲との対砲兵戦を予想している場合には有効な切り札となります。
問題は、他の盤外砲より連絡不能事態の発生率が高いことと、リアリティを考慮すると使いにくいということです。何でもアリというルールなら構いませんが、今回のようにある程度リアリティのある編成を心がけるという条件がある場合は、史実でも艦砲射撃が行われた港湾・沿岸・島嶼マップでしか使うべきではないでしょう。
また、盤内砲については今回は80mmクラスの迫撃砲だけを採用しましたが、他にも使える盤内砲はいろいろあります。
80mmクラスの迫撃砲以外の選択肢としては、50mmクラスの軽迫撃砲、盤外砲と同じ70mm・100mm・150mmクラスの榴弾・カノン砲(固定・自動車化)、自走砲、ロケット砲(固定・自走)などがあります。
これらのうち70mmクラスの榴弾砲は、80mmクラスの迫撃砲の代替ユニットになりえます。つまり、何らかの理由で80mmクラスの盤内迫撃砲を購入しない(できない)場合は、70mmクラスの榴弾砲で代用が可能ということです。70mmクラスの榴弾砲は、砲撃の殺傷力では80mmクラスの迫撃砲に劣りますが、抑圧効果では勝り、着弾の正確性も遠距離砲撃ではほぼ同等です(20HEX以下では迫撃砲が勝る)。
その他の盤内砲はあくまで「盤外榴弾砲中隊+盤内迫撃砲」という基本砲兵セットの補助として使用すべきでしょう。
50mmクラスの軽迫撃砲は、歩兵の直接支援ユニットで、6HEX以下で砲撃すれば大きな殺傷効果がありますが、砲撃命令が専属の小隊長を通してしかできない点に難があります。また、この軽迫撃砲小隊は歩兵中隊に付属するものと同じなので、あえて砲兵用ポイントを消費して買うべきかどうかを考慮する必要があります(一般的なルールでは、歩兵中隊付属の軽迫分隊は砲兵とみなさない)。
盤外砲と同等の榴弾・カノン砲は、同種の盤外砲バージョンと比べると、抑圧効果より殺傷効果の方が高い、盤内砲なので弾薬補給が可能という特徴があります。また迫撃砲に比べると射程が長いことからも、20ターンを超える長期戦や大マップ戦であれば、これらの盤内砲を購入するメリットが生じると言えるでしょう。
これらを使用する場合は、砲兵陣地の安全を確保するために、移動手段付の自動車化バージョンを購入したり別途警備ユニットを配置するなど何らかの対策が必要になります。ただし、砲兵陣地の安全が保証されるなら、弾薬集積所(Ammo Dump)と組み合わせて恒久的な砲兵陣地を構築することも可能かもしれません。
自走砲(Self-Propelled Artillery)は何らかの装甲を持った自走榴弾砲です。移動力が豊富なので砲兵陣地転換の際に便利で、装甲があるので前線に出して直接照準で射撃することも可能です。難点は保有弾数がかなり少ないことで、必然的に弾薬補給ユニットとセットで購入することになります。しかしそれでもコスト的には魅力があるので、砲兵ポイントに余裕があれば購入を検討して損のないユニットです。
盤内ロケット砲は、値段が安く盤内砲の中で最も強力な殺傷力を持ちますが、着弾のばらつきが大きく一回の射撃で全弾を撃ちつくすのが難点です。したがって複数回射撃しようと思えば、弾薬補給ユニットとセットで購入することになります。しかし、ロケット砲は大口径のものが多いので弾薬補給速度は遅く、全弾補給状態の射撃でなければ砲撃効果も低下するので、一般的には補給車2台=集積所1個を用意するのがセオリーです。
確かにデメリットは多いですが、コストと威力と存在感を考えると、簡単に選択肢から捨ててしまうのは惜しいユニットでもあります。基本的には、長期戦時に基本砲兵セットの補助として少数だけ購入するのが望ましいでしょう。しかし実際の対戦でも「夢とロマンを求めて」盤内ロケット砲を砲兵の中核にしてしまう場合が多々見受けられます。言っても詮無いことですが、結果的に泣くことの方が多いのであまりオススメできない購入法です(笑)。
購入操作
では実際に、例1の組み合わせで砲兵を購入してみましょう。
メインウィンドウ右側のプルダウンリストから "144 - 105mm FH Bty" を選んだら、右端にある "Add to Cart" ボタンを押します。この作業を二回繰り返してください。
次に、左端のリストから "1072 - SP Mortar Sec" を選んで、同様に "Add to Cart" ボタンを押します。
もしも作業の途中で購入編隊の選択を間違えた場合は、Purchase Mode ウィンドウ右側のリストから、削除したい編隊名をダブルクリックしてください。ただし、編隊に含まれる一部ユニットのみを削除することはできません。

この時点で、Purchase Mode ウィンドウは左図のようになっているはずです。
リストに正しく購入編隊が登録され、"Artillery" ポイントの合計欄が "200" になっていることを確認してください。
"Mr.OOB" を使えば、このようにリアルタイムで兵科別に購入ユニットの合計コストが算出されるので、「え〜と、砲兵はあと何点分買えるんだっけ?」と悩まないで試行錯誤できるのが大きな利点です。
ここでもうひとつ、"Mr.OOB" の誇る強力な編成支援機能(笑)を紹介しておきましょう。
もう一度、メインウィンドウの左側リストから、"1155 - Artillery Bty" を選んでください。そして、メインウィンドウ中央に表示されている編隊構成表から、"75mm FH Bty x 1" という部分をクリックしてください。
すると、メインウィンドウの右半分を占めるタブが "Purchase" から "Unit" に切り替わり、"75mm FH Bty" ユニットの詳細が表示されます。

この時、画面の右上には "1/4" という数値と左右の矢印ボタンが表示されているはずです。この数値は、"Artillery Bty" として購入できる編隊の候補は4つあって、現在は一番目の候補を表示しているという意味で、左右のボタンで各候補ユニットの詳細を巡回表示することができます。
実際に右向きボタンを押して、"105mm FH Bty" − "150mm FH Bty" − "170mm FG Bty" の順に候補ユニットが表示されることを確認してください。
この機能を使えば、簡単に購入候補ユニットの詳細が比較できるので、編成作業に大いに役立つでしょう。たぶん。
候補ユニットの詳細表示を終えるには、メインウィンドウの "Purchase" タブをクリックするか、左側の編隊一覧をクリックしてください。
砲兵関連−FOユニット−の購入
砲兵を購入したら、ただちにFOなどの砲兵関連ユニットも購入します。後で買おうと思ったら必ず忘れるのでこれは鉄則です(笑)。
まずFOを何個買うべきか検討します。万全を期すなら購入した盤外砲中隊と同数、つまり本例では2個購入すべきです。
しかし、FOや弾薬補給車などは非戦闘ユニットであり、非戦闘ユニットが多くなるほど部隊の中核となるべき戦闘ユニットが弱くなることを考慮しなければいけません。特に購入ポイント総数が2000点以下と少ない場合は、無駄なユニットの購入がモロに戦力に跳ね返ってくるので要注意です。
したがって、ここでは非戦闘ユニットは極力ケチるという方針でいきます。この場合、購入すべきFOの数は「盤外砲中隊数−1」で求められます。つまり、本例では1個です。
ちなみに、FOには徒歩歩兵(Forward Obs)・装輪車両(Motorized FO)・装軌車両(Tracked FO)の3種類がありますが、よほどのことがない限り通常は徒歩歩兵タイプのものを選択します。
その理由は、何よりも徒歩歩兵タイプが「最も死ににくい」からです。もちろん徒歩FOはわずか2名編成のユニットなので、敵に見つかって攻撃されれば簡単に全滅してしまいますが、サイズが0なので視界内に敵がいても動かない限り見つかりにくい、歩兵なので砲撃をうけても壊滅しにくいという点が大きなメリットです。
それに対して車両タイプのFOは、いかに装甲があろうとも攻撃を受ければ一撃で死ぬ可能性があるし、何よりサイズが2〜3と大きいので見つかる危険も高いのです。したがって、どうしても車両タイプのFOを使いたい場合は、徒歩タイプのFOと併用して、徒歩FOは後方、車両FOは前方という具合に役割分担するのがセオリーです。
というわけで今回は、メインウィンドウ左側リストから "1087 - Forward Obs" を選んで、1個だけ購入してください。
砲兵関連−弾薬補給ユニット−の購入
FOの次に検討するのは、弾薬補給ユニットの購入です。
最初に考えるべきは、弾薬補給ユニットを買う必要があるかどうか。盤内砲が存在しない、戦闘期間が10ターン程度と短いなどの場合はそもそも買う必要がないでしょう。
本例では、盤内砲は自走迫撃砲が2両のみで15ターンという条件。15ターンという戦闘期間は短い方ですが、初期保有弾数を50発として、何も考えず最初から最後までガンガン砲撃すれば、毎ターン8発ずつ消費することになるので、理屈からいえば弾薬不足に陥る可能性は充分にありえます。
ただし実際には、任務の種類やマップの大きさによって、ゲーム開始から盤内迫撃砲の砲撃が必要になるまでのターン数にはかなり間があります。例えば3ターンで先鋒部隊が接敵したとしても、実際に迫撃砲のピンポイント砲撃が必要になるのは、拠点の攻防が始まるさらに数ターン後でしょう。さらに浮動照準や陣地転換に要する時間を考えると、実際に砲撃が必要かつ可能な期間は、制限ターンの半分程度と考えるのが妥当かもしれません。
こう考えると15ターンうち実際に砲撃するのは7ターン前後なので、初期保有弾が50発で一射撃で8発消費すると仮定すれば、本例の条件は砲弾がギリギリ足りるか足りないかというラインだと考えられます。ただし、一射撃の消費弾数はROF値で予測できますが、初期保有弾数は実際にユニットを購入して配置するまでわからないという点に注意が必要です。
したがって本例での結論としては、弾薬切れに対する安全策をとる場合には弾薬補給ユニットを買い、あくまで非戦闘ユニットに無駄遣いしないという方針を貫きたいなら買わないということになります。実戦では私は後者の案を採用すると思いますが、今回は編成演習なので、ここではちょっと贅沢に安全策をとる方向で進めていきます(笑)。
弾薬補給ユニットには、弾薬缶(Ammo Crete, Ammo Box, Ammo Cannister)、弾薬補給車(Ammo Carrier)、弾薬集積所(Ammo Dump)の3種類があり、さらに弾薬補給車には、非武装・無装甲タイプと武装装甲車タイプの2種類があります。
弾薬集積所の補給力を1とすると弾薬補給車と弾薬缶の補給力は1/2で、逆に言えば弾薬補給車と弾薬缶は2個で弾薬集積所1個分の補給力に匹敵します。
ただし、コスト面では弾薬缶≒非武装補給車<武装補給車<弾薬集積所で、弾薬補給車2両分のコストより弾薬集積所は高価なので、実質的に弾薬集積所を買う意味はありません。
移動力は、弾薬集積所は移動不能、非武装の弾薬補給車は馬車(Wagon)と同等、装甲車タイプの補給車はプライムムーバー並み、弾薬缶は移動力はないものの重量が105と軽量なので他のユニットで輸送可能なのが特徴です。
以上を総合すると、現実的な弾薬補給ユニットの選択肢は次表のようになります。
編成 | ポイント | 備考 | |
---|---|---|---|
例1 | 弾薬缶×2 | 60 | 固定 |
例2 | 弾薬缶×2、Pack Mules×2 | 66 | 輸送可、移動力12 |
例3 | 弾薬缶×2、Krupp Kfz 69×2 | 76 | 輸送可、移動力31 |
例4 | 非武装補給車×2 | 68 | 自走可、移動力18 |
例5 | 武装補給車×2 | 98 | 自走・交戦可、移動力30 |
ここでは全てセクション単位(2個、2両)で購入する例を示していますが、実際には1個単位でも購入できます。
ただし、例2・3に含まれる輸送手段は、常に2両単位でしか購入できない点に注意してください。つまり、弾薬缶を1個だけ買う場合は、固定して使うか輸送手段を余らせるしかありません。
また弾薬缶や補給車をセクションで用意すれば、80mmクラスの迫撃砲であれば、遅延時間0.2以下で撃ち続けても弾数はほとんど減りません。しかし弾薬缶や補給車が1つしかなければ、補給される弾数より消費する弾数の方が多くなります。つまり、一定の間隔で砲撃を中止して補給に専念するターンを作らなければならなくなります。このことから、弾薬缶や補給車は常にセクション単位で購入するべきでしょう。
例1は最も安価ですが、完全固定になってしまうのは安全面でいただけません。敵が絶対侵入できない地点に砲兵陣地を構え、対砲兵射撃も食らわない(食らっても耐えられるほどの地形効果がある)と確信できるならアリかもしれませんが、通常はまず無視できる選択肢です。
逆に、例5は盤内砲の補助ユニットとしてはオーバースペックで、コストを考えてももったいなさすぎます。武装補給車の性能を生かすには、最後方の砲兵陣地で使用するのではなく、前線付近に出して弾数の少ない大口径自走歩兵砲などの支援に回すべきでしょう。
例2や例3のように弾薬缶と輸送手段をあわせて購入すると、ボチボチのコストで陣地転換が可能な機動力が得られますが実際の運用はやや煩雑です。また、対砲兵射撃を食らった時に輸送手段だけやられてしまう可能性が高いことも欠点です。
ただし例2の組み合わせには、そうした弱点を考慮しても捨てがたい魅力があります。それは弾薬缶のサイズが0であることと、荷駄隊は建物に進入できることです。つまり、弾薬缶を堅固な建物の中に配置することが可能なのです。そうすれば建物の地形効果で攻撃耐性は高くなり、万一敵に接近されても発見される可能性はかなり低くなります。
さらに弾薬缶を配置するのが孤立した建物であれば、周囲に車両タイプの砲兵をはべらせて、対砲兵射撃が心配な時だけ砲兵のみ散開するという方法がとれます。また、車両タイプではない盤内砲と組み合わせれば、建物の中に砲兵陣地を全て入れ込むこともできるのです。
何より最大のメリットは、弾薬補給ユニットを持っているかどうかが敵にわからないことでしょう。敵斥候に砲兵の存在を捕捉されても弾薬補給ユニットが見えなければ、一時的な砲兵陣地とみなされ対砲兵射撃も甘くなるかもしれません。敵を混乱させ、強固な固定陣地を築くことも陣地転換も可能な例2は、検討する価値のある組み合わせと言えるでしょう。
しかし一般的に言えば、コスト的にもお手軽で状況を選ばず最も使いやすいのは例4の組み合わせです。難点は打たれ弱いことだけだと言ってよいでしょう。通常は最初にこの組み合わせを検討するべきです。
というわけで今回は、例4の組み合わせで補給車2両を購入することにします。
弾薬補給ユニットは "Artillery" メニューではなく "Misc." メニューに含まれるので、まずは Purchase Mode ウィンドウ の "Branch" 欄を "Misc." に変更してから "Search" ボタンを押します。次にメインウィンドウ左側リストから "1076 - Ammuntion Sec" を選んで、"235 - Ammo Carrier" を購入してください。
歩兵の選択 −中核歩兵−

現時点で Purchase Mode ウィンドウの左側は右図のようになっているはずです。まだ砲兵関連ユニットしか買っていないので "Arm" と "Inf" 欄は0で、消費ポイントの合計は478点です。あと1500点少々のユニットが買えることがわかります。
次に購入するのは、いよいよ戦闘部隊です。戦闘部隊の購入は、歩兵−装甲−その他という順番で行います。
理論編で述べたように、歩兵に割り当てる予算は砲兵購入後予算の約6割を目安とします。したがって本例では、1500点の6割で900点が歩兵購入予算の目安になります。
では歩兵部隊を選択するために、Purchase Mode ウィンドウ の "Branch" 欄を "Infantry" に変更してから "Search" ボタンを押してください。
歩兵には数多くの種類がありますが、最初に選ぶべきは質的にも量的にも戦闘力の中核となりうる部隊、具体的には中隊規模の歩兵部隊から検討します。
中隊規模で購入できる歩兵の種類には、最も一般的なライフル歩兵(以下、通常歩兵)をはじめとして、エリート歩兵、二線級歩兵、工兵、その他特殊歩兵があります。ここでいう特殊歩兵とは、空挺・山岳・スキー・騎兵・オートバイなど、潜入・降下・偵察・エリートなどの各種能力を併せ持つものを指します。さらに、派生型として自動車化・機械化バージョンのものもあります。
慣れないうちは種類が多すぎてどれを選ぶか悩んでしまいますが、実は中核歩兵の選択に悩む必要はほとんどありません。大抵の場合、中核歩兵には徒歩の通常歩兵中隊を選択するのがセオリーです。
例外は、マップが広い、ターンが極端に短い、地形が特殊(例えば雪原)などの場合だけです。言い換えれば、徒歩の通常歩兵の弱点は機動力が無いということで、制限時間内に目的地に到達するのが難しいと予想される場合のみ、その他の選択肢を検討すべきです。
本例では小マップ・15ターンの遭遇戦を想定しており、徒歩の歩兵でも充分戦闘に貢献する時間的余裕があると考えられるので、何も迷わずに(!)徒歩の通常歩兵中隊を購入します。
では実際に、メインウィンドウ左側リストから "1084 - Rifle Kp" を選んで1つだけ購入してください。

このとき、メインウィンドウ中央部には選択した編隊の構成図が表示されているはずです。中隊構成をわかりやすくするために、下位部隊の詳細を折りたたむと左図のようになります。
まず中隊司令部があって、その指揮下にはライフル歩兵小隊が3個と、さらに機関銃班・対戦車班と軽迫撃砲小隊が含まれます。これが通常歩兵中隊の基本構成で、だいたいどの国でも同じ構成になっています。
つまり、とりあえず通常歩兵中隊を買っておけば、最低限の対装甲火力(対戦車班)と歩兵制圧力(機関銃班・軽迫撃砲小隊)が手に入るのです。
歩兵の選択 −偵察歩兵−
さて、こうして徒歩のライフル歩兵1個中隊を購入すると、お値段は374円。予算からいえばあと500円少々は歩兵が買えることになります。ここからが悩みどころです。何か良さそうな部隊があるかどうかちょっと探してみてください。・・・スキー兵中隊は安いですね。210円です。予算的には556円の降下猟兵中隊もぴったりな感じです。
しかし、本稿は編成の基本を学ぶ演習なので、今回はあまり奇抜なユニットは使用しないこととします。しかしそうすると、ちょうど500点前後で買える都合の良い部隊は見当たらないかもしれません。
さきほど購入したライフル歩兵中隊を除けば、その他の中隊規模の部隊は特殊歩兵か、あるいは自動車化・機械化されているので、ほとんどのものがかなり高価です。中には、対戦車砲や歩兵砲、さらには突撃砲などの装甲車両まで持っている中隊もあって、こういうものは1000点以上もします。さ〜て、困りましたね。
ここで理論編で習ったことを思い出してみましょう。歩兵科のユニットは、さらに「偵察」「主力」「支援」という役割に分類でき、必ず一定割合は「偵察」役のユニットを買わなければならないのでした。そして遭遇戦という任務では、マップ中央にある中立VHに敵より早く到達することが重要で、そのために部隊の一部に機動力を持たせるのがセオリーでした。
ということは、Recon能力を持ったユニットか、ある程度戦闘力があって足の速いユニットを買えばよいことになります。この条件を同時に満たすのはオートバイ兵か騎兵です。
ただし、オートバイ兵はちょっと特殊なユニットで、外見は歩兵タイプのくせに移動クラスは装甲系に分類されるので、貫通力のあるHE弾を持つ兵器(重機関銃・AA・ATGなど)でしか臨機射撃が行われません。これはゲームの仕様なので仕方ないとはいえ、このような特性から対人戦(特にPBEM)で使うことが制限されることもあります。ということで、今回は使用を遠慮しておきましょう。
さて、騎兵は歩兵系ユニットの中ではオートバイ兵についで移動力があります。また森林や水域でも消費移動力が少ないので、実質的な移動力はかなり高いといえます。ただ、この時期のドイツ軍には騎兵中隊がなく小隊単位でしか購入できません。・・・まあいいか、ここは小隊単位で騎兵を買うことにしましょう(笑)。
それでも、部隊購入はできるだけ中隊単位で行うのが理想です。その理由は、C&Cオン下では中隊長分の命令ポイントが使えることと、回復(Rally)作業の際に中隊長が使える方が成功率が高くなるからです。
ということで、ここでは騎兵小隊を3個買うことにします。1個でも2個でもない理由は、中隊規模にすることに加えて、3という単位は作戦を立てる際に何かと便利だからです。3つで1セットと考えれば、右翼・左翼・中央と割り振ることも、右半分・左半分・後方予備として扱うこともできます。こういった考え方は、効率的にバランスを取るという点で重要なので覚えておいて損はないでしょう。
では実際に、メインウィンドウ左側リストから "1137 - Cavalry Plt" を選んで3個購入してください。
歩兵の選択 −作戦の明確化−
この時点で歩兵に要したコストは590点。予算は900点目安なので、まだあと300点程度は歩兵が買えます。今度の選択はさらに難しいですね。いったい何を買えばいいのでしょう。
このように編成の途中で「何を買ったらよいか悩むわ〜」というのは、作戦が明確になっていないことに原因があります。ここで購入の目的を明確にするため、基本的な作戦を見直しておきましょう。
遭遇戦における先攻側の定石は、次のようになります。
- 最も足の早い装甲車で確実に中立VHを先取する
- 歩兵を含む先鋒部隊が迅速に前進して最前線VH付近に拠点を構築する
- 装甲部隊と支援部隊が最前線を支援する態勢を築く
- 主力歩兵が前線に展開して不敗の防衛線を形成する
- 状況が許せば敵陣VHの奪取を狙う(オプション)
この作戦の大目的は、自陣VHを守りつつ、中央にある中立VHのうち少なくとも過半数(VH群数では2箇所以上)を確保することです。
そして今回の場合、2で必要な「歩兵を含む先鋒部隊」には3個小隊の騎兵が相当し、4で必要な「主力歩兵」にはライフル歩兵中隊が相当します。
3の「支援部隊」には、歩兵系ユニットである機関銃や対戦車銃などが含まれますが、これは先鋒部隊や装甲部隊で代用することも可能です。つまり、あった方が有利にはなるけど無くても構いません。
問題は5の段階にあります。敵陣最奥地にあるVHを狙うには結構な機動力が必要です。ほとんどの装甲部隊は充分な機動力を持っていますが、歩兵部隊はそれなりの輸送手段を確保しておかなれば、装甲部隊に随伴して敵陣に攻め入ることはできません。
つまり現時点で確実に足りないのは、敵陣奥地まで攻め込めるような機動力をもつ歩兵部隊だといえます。ただし、この5の目的はいわば努力目標で、達成しなければ必ず負けるという性質の目的ではありません。敵陣奥地を狙うかどうかは作戦の問題です。狙う作戦を立てるなら機動力のある歩兵が必要になり、最初から狙わない(中立VHの過半数確保だけを狙う)なら用意しなくても良いということになります。
このように、編成を考える場合は、まず作戦を明確にしておく必要があるということを理解してください。逆に言えば、
歩兵の選択 −歩兵機動力の必要性−
さて今回のような遭遇戦では、敵陣奥のVH奪取を視野にいれるか否かという点が作戦立案上の最大の問題点になり、ひいては最終的な編成を決定することになります。両者の違いをまとめたのが次の表です。
敵陣VH | 必須歩兵部隊 | メリット | デメリット | 確保目標 |
---|---|---|---|---|
狙う | 機械化歩兵 | 行動オプション拡大 | 主力歩兵弱 | 自陣+中央と敵陣の過半 |
狙わない | 特になし | 主力歩兵充実 | 行動オプション限定 | 自陣+中央の過半 |
どちらの作戦を採用するかを決定する際に、決定的に見過ごしてはならないのは、PPT(Point-Per-Turn)形式のVHがあるかどうかです。一般的には中央部のVH群がPPTの場合は、中央VH群から得られる得点が後方VHから得られる得点よりも圧倒的に大きくなるので、敵陣VHを狙う意義はなくなります(例えば、11個の中央VHがいずれもPPT20点で、5個ずつある両端VHの合計がそれぞれEOB1000点の場合、中央VH群から得られる得点は最大で220点x15ターン=3300点となり、自陣+敵陣VHの合計得点2000点を上回る)。したがって、中央VH群がPPTではない場合のみ敵陣VHの奪取を選択肢に入れるべきでしょう。
逆に、11個の中央VHがいずれもEOB100点(合計1100点)で、5個ずつある両端VHの合計がそれぞれEOB1000点になっているような場合は、敵陣VHの奪取を視野にいれた方が、VHの取捨選択オプションが増えるという意味で有利です。この場合、中央VHを全部捨てても自陣VHと敵陣VHを確保すればVHポイント的には勝てる(2000:1100)からです。
また、敵陣VHの奪取を視野にいれて機動力のある歩兵(例えば機械化歩兵小隊)を編成に加えておけば、臨機応変に対処しやすいというメリットも見過ごせません。例えば、中央VHの確保がうまくいけば予定通り敵陣を狙い、中央で劣勢を強いられた場合は予定を変更して機械化歩兵小隊を中央の増援に回すといったように、歩兵に機動力があることによって作戦に柔軟性がうまれます。
そして敵としても、相手が快速歩兵部隊を持っていると気づけば、それまで以上に本陣の防衛に注意を払わねばならなくなります。例えば前線から部隊を引き抜いて本陣守備に回したり側面迂回を警戒するなどの必要が生じ、常に相手の出方をうかがわなければならなくなるという意味で精神的にも劣勢にたち、総じて戦闘の主導権を握りにくくなるでしょう。
このように、機動力をもつ歩兵部隊を用意することのメリットは多々ありますが、ネックになるのはその高価さです。通常の徒歩歩兵のコストを基準にすると、トラックを装備する自動車化歩兵のコストは約1.5倍、ハーフトラックを装備する機械化歩兵はおよそ2倍かそれ以上になります。具体的にいえば、機械化歩兵を1個小隊買うポイントで徒歩歩兵2個小隊+偵察兵分隊が買えてしまうほどコストに差があるのです。
自動車化歩兵や機械化歩兵の購入する場合は、このコスト的なデメリットと結果的に主力となる歩兵戦力が弱体化してしまうことを充分に考慮して、本当に買う価値があるかを検討しましょう。もう一度まとめておくと、
歩兵の選択 −自動車化歩兵 vs 機械化歩兵−
今回はこれだけ能書きを垂れたので(笑)、もったいないけど機械化歩兵を買うことにします。自動車化歩兵ならもう少し安く買えますが、あえて高価な機械化歩兵を選択します。
自動車化歩兵と機械化歩兵の差異は輸送手段だけです。前者は中型トラック後者はハーフトラックで、この両者のおもな違いは次表のように装甲の有無・武装の有無・移動形式と路外移動力にあります。
装甲 | 武装 | 移動形式 | 路外移動力 | |
---|---|---|---|---|
中型トラック | なし | なし | 装輪 | 低 |
ハーフトラック | あり | 機銃 | 半装軌 | 高 |
簡単にいえば、中型トラックは純然たる輸送手段であるのに対し、ハーフトラックはある程度の防御・攻撃力を持ち、それ自体が交戦可能なユニットです。つまり、前者は敵の弾が飛んでこない地域でしか使えないのに対して、後者は敵中でも何とか生存を見込める性能を持っています。
もう一点重要なことは路外移動力の有無です。道路上の移動力ならば両者に大差はありません。しかし道路以外の地形を通行する能力は、圧倒的にハーフトラックが勝っています。
したがって、敵陣後方VHまで安全な道路だけを通っていけると考えるのであれば自動車化歩兵でも構いませんが、敵のいる地域を通ったり道路を離れた迂回機動をする必要があると考えるなら、絶対に機械化歩兵を選択するべきです。
ちなみに、自動車化歩兵も機械化歩兵も、敵の攻撃が予期される場合は直ちに降車するのがセオリーです。ただし自動車化歩兵は、脆弱なトラックの安全を確保するために、降車時期の判断を早めに下す必要があるでしょう。そして戦闘中のトラックは、敵から見えない安全な地点に退避しなければなりません。一方、機械化歩兵は攻撃を受けるギリギリまで乗車前進が可能で、戦闘中のハーフトラックは簡易火点として降車した歩兵の戦闘を支援できます。
こういった運用方法の違いを考えずに、値段だけを見てケチって自動車化歩兵を選んだりすると、あっさりトラックが全滅してせっかくの自動車化歩兵がただの徒歩歩兵になったりするので要注意です(笑)。確かに自動車化歩兵にもそれなりのメリットがあるのですが、機械化歩兵に比べると行動の自由度が小さく戦闘時の運用が難しいことに注意しましょう。
説明が長くなりましたが、いよいよ実際に機械化歩兵を購入することにしましょう。理想的にはこれも中隊規模か3個小隊単位で買いたいのですが、そうするとコスト的にあとあと厳しくなるので、ここでは1個小隊だけ購入してください。
あ、ちょっと待った。
したがって、まずはメインウィンドウ左側リストから "1082 - Rifle Plt" を選んで1つだけ購入して下さい。続いて Purchase Mode ウィンドウ の "Branch" 欄を "Misc." に変更してから "Search" ボタンを押します。次にメインウィンドウ左側リストから "1052 - Halftrack Plt 5" を選んで一つ購入してください。
ただしこういう買い方をすると、歩兵科に何ポイント消費したのかが把握しにくくなるのが難点といえば難点です。現時点で "Mr.OOB" 上の "Inf" ポイントは 672点になっているはずですが、機械化歩兵小隊をまとめて購入した場合は 777点になります。今回の歩兵購入ポイントの目安は 900点としましたが、こうした購入方法の違いによって、あと何点歩兵が買えるのかという判断が異なってしまう点に注意してください。
しかし、目安はあくまで目安です。歩兵系ユニットでも、オートバイのように "Misc." メニューで購入するものもあるので、どのメニューから買ったかという点にコダワリすぎる必要はありません。だいたいの感覚でいいんです(笑)。
歩兵の選択 −おまけ購入−
さて、機械化歩兵小隊を歩兵として購入した場合でも、まだあと120点くらいは歩兵に使えます。現時点の歩兵戦力は私の感覚では若干少ない感じがしますが、それもまたドイツ軍の特徴と考えることもできるでしょう。
ただし最後にもう一種類だけ歩兵ユニットを買っておきます。それは狙撃兵(Sniper)です。
偵察役の歩兵なら騎兵を3個小隊も買ったじゃないかと思われるかもしれません。確かに騎兵は Recon能力をもつ歩兵です。しかし細かいことを言えば、騎兵・オートバイ兵・スキー兵などは、狙撃兵・斥候(Scout)・偵察兵(Recon)とは役割が微妙に異なるのです。
前者は偵察能力と戦闘力を兼ね備えた歩兵で、どちらかといえば重点は戦闘力にあり、交戦を想定した威力偵察で使用されます。それに対して後者は、戦闘力は皆無に近いものの、サイズ値が0で敵に見つかりにくいという点では前者を圧倒するので、交戦を想定しない隠密偵察で使用されます。
したがって、偵察方法の選択肢を広げるためにも、偵察歩兵を買う場合はこの両タイプのものをともに購入するのが理想的なのです。なら騎兵を買ったときにそう言えよ!と思われるかもしれませんが、狙撃兵を最後に買うのには少し理由があります。それは狙撃兵や斥候などは最も安い歩兵であることと、すでに威力偵察用の歩兵を買っていれば無くても何とかなる(!)からです。
騎兵やオートバイ兵は戦力として計算して買うものであり、またそれなりの値段がするため最初から買うつもりで買わなければなりません。購入を後回しにして予算の都合上買えないことになると、もう一度最初から編成作業をやり直さなければならないのです。
それに対して狙撃兵などは買えなければ買えないでさほど困らないので、予算に余裕がある場合のみ帳尻合わせ的に購入しやすいユニットなのです。こういった「帳尻あわせ用」の歩兵には、狙撃兵・斥候・偵察兵以外にも、機関銃と対戦車歩兵があります。予算に余裕があれば値段をチェックして買い足しましょう。
狙撃兵・斥候・偵察兵の能力を相対的に比較すると、次表のようになります。
兵員数 | 見つかりにくさ | 遠距離攻撃力 | 近接攻撃力 | 移動力 | 攻撃耐久性 | |
---|---|---|---|---|---|---|
狙撃兵(Sniper) | 1 | 高 | 高 | 低 | 中 | 中 |
斥候(Scout) | 2 | 中 | 低 | 中 | 中 | 低 |
偵察兵(Recon) | 4 | 低 | 中 | 高 | 低 | 高 |
なお、表中に示した高・中・低という基準は、あくまでこの3種の中での相対的な指標だと考えてください。
これらのユニットは敵に見つかりにくいということが最大の購入理由なので、攻撃力は無視してよい基準でしょう。通常、これらのユニットは武器の使用をオフにするのがセオリーです。
総合的に見て最も優れているのは間違いなく狙撃兵です。狙撃兵にはエリート部隊として経験値ボーナスもつくので、隠密偵察用途として使用するなら迷う余地なく狙撃兵を選びます。あえて狙撃兵を選ばない理由があるとすれば、コストの問題かイザという時の近接交戦を想定する場合でしょう。国籍や時期の条件によって狙撃兵が高くなる場合は斥候を、近接交戦を想定するなら偵察兵を選ぶのがセオリーです。
今回はコスト的にも狙撃兵が最も安く、完全な隠密偵察任務を与えると想定するので、やはり狙撃兵を購入します。
ここでは予算に余裕があるので3単位の法則を守って狙撃兵を3個買います。では、メインウィンドウ左側リストから "1140 - Sniper" を選んで3つ購入して下さい。
これで、歩兵戦力としてはライフル歩兵1個中隊・騎兵3個小隊・機械化歩兵1個小隊・狙撃兵3個を買ったことになります。少なくとも歩兵系の偵察役と機動力を持つ予備部隊は確保できたといえるでしょう。歩兵全体の戦闘力でいえば、主力が1個中隊とやや心もとないものの、騎兵の戦闘力も期待できるし、イザとなれば機械化歩兵も救援に回せるので明らかに不足しているというほどではありません。
総合的にみれば機動力のある歩兵戦力なので、柔軟性に優れ使い勝手が良い大戦初期のドイツ軍らしい編成だといえるでしょう。では、歩兵部隊の購入はこれで終了し、装甲部隊の購入に移ります。
装甲部隊の選択 −偵察装甲車−
いよいよ装甲部隊の編成作業に入ります。まずは Purchase Mode ウィンドウ の "Branch" 欄を "Armor" に変更してから "Search" ボタンを押してください。
現時点での消費ポイントは 1315点で、残りポイントは685点です。感覚としては、この残りポイントのほとんどを装甲部隊につぎ込んで良いと考えてください。仮にポイントが少し余れば・・・歩兵の編成時と同様に適当な「帳尻あわせ」ユニットを購入すればよいのです。
装甲部隊の最も基本的な買い方は、装甲車(または軽戦車)と中型戦車(または歩兵支援戦車)から一種類ずつ購入することです。ポイントに余裕があればさらに、重戦車や特殊戦車の購入を検討します。
ではまず装甲車タイプのものから検討しましょう。このタイプの装甲ユニットの特徴は、移動力が高く Recon 能力を持っていることです。これらのおおまかな特徴をまとめたのが次表です。なお、表中に示した高・中・低という基準は、あくまで相対的な指標だと考えてください。
移動力 | 攻撃力 | 防護力 | |
---|---|---|---|
軽装甲車(Light Armored Car) | 高 | 低 | 低 |
中装甲車(Armored Car) | 中 | 中 | 中 |
重装甲車(Heavy Armored Car) | 低 | 高 | 高 |
軽戦車(Light Tank) | 低 | 中 | 中 |
偵察戦車(Recon Tank) | 低 | 中 | 中 |
重装甲車・軽戦車・偵察戦車はほとんど同じもので、国籍と時期によって存在しないことも多いユニットクラスです。本例でも、この時期のドイツ軍には重装甲車と偵察戦車は存在しません。装甲車でも戦車よりスペックが優れていることは珍しくないので、購入を検討する場合は「装甲車」や「戦車」という言葉に惑わされないようにしましょう。
これらを選ぶ際に最も重要な基準になるのは移動力で、攻撃力や装甲防護力は二の次です。特に本例では遭遇戦の先攻側を想定しているので、移動力だけを基準に軽装甲車クラスから選ぶことになります。
ちなみに、今回はドイツが先攻でソ連が後攻という設定ですが、遭遇戦で中立VHを先に確保しやすいのは常に先攻陣営で、後攻側は少々頑張っても中立VHを先取できる可能性は低いということを忘れてはいけません。つまり、先攻側は有利な状況を確実にするために軽装甲車クラスを購入するのがセオリーで、逆に後攻側は中立VHが敵装甲車によって先取されることを見越した作戦を立てなければいけません。
というわけで本例での選択肢は、軽装甲車クラスに属する2つのユニット− "SdKfz 221" と "SdKfz 222" −に絞られます。両者の主な違いは武装とコストで、前者は機銃のみで30円、後者は20mm砲と機銃で58円です(価格はセクション単位)。
コストと武装のどちらを優先するかはなかなか難しいところですが、今回は歩兵の数が心もとないので、歩兵支援用の武装を重視して "SdKfz 222" を買うことにしましょう。
装甲部隊も買う場合も歩兵と同様に、中隊規模で買えるなら中隊を、それが無理ならなるべく小さな単位で買うことを心がけます。つまりこの場合は、小隊単位(4両)ではなく分隊単位(2両)で買うことになります。またこれも歩兵購入時と同様に、なるべく3個単位で購入します。
では実際にメインウィンドウ左側リストから "1004 - Lt Armor Car Sc" をクリックし、画面右側のプルダウンリストから "002 - SdKfz 222" を選択して3つ購入して下さい。
装甲部隊の選択 −主力戦車−
この時点で装甲部隊に費やしたのは 174点で、総費用は 1489点になっているはずです。残りの 500点少々で主力となる戦車を買います。
ここで選択肢に含まれるのは、中戦車(Medium Tank)・主力戦車(Main Battle Tank)・歩兵支援戦車(CS Tank)などです。さらに、ドイツ軍ならば突撃砲(Assault Gun)、ソ連軍ならばレンドリース戦車(Lend-Lease Tank)なども含まれるでしょう。つまり、対歩兵・対装甲戦闘能力の両方をある程度もっている装甲車両の多くが購入対象になります。
ただしこれらのクラスに属していても、対歩兵・対装甲戦闘のどちらかに特化されているユニットや、とてつもなく足が遅いものは除外するのが賢明でしょう。
本例で対象になるのは、"1011 - Med Panzer Sec" に含まれる6種類と、"1020 - Support Pz Sec" に含まれる3種類の戦車です。理想をいえば、「敵の主力戦車と互角以上に戦えて、なおかつ歩兵支援もできる」ユニットを選ぶべきですが、実際にはコストを基準に選ぶことになるでしょう。ミもフタもない言い方をすれば、強い戦車は高すぎて買えないのです(笑)。
ここで重要なことは、ある程度の数量、つまり最低3個セクション(6両)は数を揃えることです。どんなに強いといわれる戦車でも、多数で囲まれてタコ殴りにされては乗員が生き延びられないし、数が少なすぎては手数が足りず歩兵支援にも役立ちません。戦車も歩兵と同様に、質よりも数を重視して揃えるべきなのです。
この観点から選択肢を絞るために、候補ユニットの値段をざっと調べて、1セクションあたりのコストが100点以下という基準を設けてみましょう。3セクションで300点ならば、残り200点少々でもう少し別の装甲ユニットが買えるからです。
この基準で残る選択肢は、主力戦車クラスの "PzKpfw 35(t)"、"PzKpfw 38(t)"、"PzKpfw 38(t)E"、"PzKpfw III E"と、歩兵支援戦車クラスの "PzKpfw IV C"、"PzKpfw IV D" です。まだちょっと絞りきれてませんね。これ以上候補を絞るには三つの方法があります。
最も手軽で誰でも利用できる方法は、コスト的にもっとも安いものと高いものを除外することです。すると一気に、84点の"PzKpfw 38(t)"と 94点の "PzKpfw IV C" の2つにまで絞れます。ここまで絞れれば、あとは両者のスペックを睨んで決めても一人ジャンケンで決めても良いでしょう。この決定方法はい〜かげんなように見えて、実は大ハズレが少ない意外に堅実な方法です。史実に詳しくなくてもSPWAW歴が浅くOOBを知らない方でもできるという意味でも貴重な決定方法でしょう。
二番目の方法もお手軽ですが、ある程度のSPWAW歴があるか実車スペックに詳しい方向きの方法です。ズバリ、単純に自分が一番好きな思い入れのあるユニットを選びましょう(笑)。ユニットの好き嫌いと、そのユニットが実際に使えるかどうかは全く関係がありませんが、メチャ弱で全然使えないユニットが好きな人はほとんどいないでしょうから、実際のお役立ち度は過去の経験や知識である程度担保されるはずです。実際、よく知らない思い入れのないユニットを使うよりも愛着あるユニットを使うほうがプレイも燃えるし、仮に失敗したとしても「好きなんだから仕方ない」で納得できるでしょう(笑)。
最後は一見最も理にかなった決定方法ですが、最も面白みがなくハズレの可能性も高い方法です。まず、敵軍が主力戦車として採用しそうなユニットを想定し、そのユニットのスペックを調べましょう。ただし、"Mr.OOB" は編成作業中には他国のOOBを閲覧できないので、SPWAWに付属のOOBエディタで調べるしかありません。それさえわかれば、あとはその敵戦車を余裕で撃ち抜ける主砲を持ち、なおかつこちらは撃ち抜かれない装甲があるユニットを選ぶだけです。ちなみに本例でいえば、敵の主力戦車として想定されるのは "T-34 m41" であり、上記候補の中にT-34を余裕で撃ち抜けるようなユニットも撃ち抜かれないようなユニットもありません(笑)。
ユニットスペックを厳密に比較して敵を上回るものを選ぶという方針は理にかなっていますが、実際にはスペックの比較自体が難しいのであまり役には立ちません。特に、装甲厚とPEN値で示される貫通力を鵜呑みにするのは危険です。実際の貫通判定で使用される装甲厚や貫通力は、彼我の地形の高低差やその角度および距離と装甲傾斜によって大幅に修正されるので、カタログスペックから簡単に推測できるものではありません。
同様にカタログスペックから命中率を予測することも実質的には不可能で、また対戦仕様に "Reduced Ammo" 設定が含まれる場合は、各種弾薬の保有弾数さえ不明です。したがってユニットのスペックを調べる場合は、「装甲B・対歩兵攻撃B・対装甲攻撃A」くらいの実に曖昧な性能を把握できればよいと考えるべきでしょう。
つまり結局のところ、装甲ユニットの選択基準としてある程度信用がおけるものは、コストか好き嫌いか過去のプレイ経験から得た体感データのいずれかになるでしょう。まあぶっちゃけた話、コストで範囲を絞ればある程度似たり寄ったりのユニットに収束するので、どれを選んでも大丈夫なのです(笑)。
さて、私の好みに従えばチェコ製38戦車を選ぶことになるのですが、ここではもっとポピュラーで誰もが納得するユニットとして、"PzKpfw III E" を購入することします。初期ドイツ軍装甲部隊の主力といえばやっぱり三号戦車ですね。
では実際にメインウィンドウ左側リストから "1011 - Med Panzer Sec" をクリックし、画面右側のプルダウンリストから "017 - PzKpfw III E" を選択して3つ購入して下さい。
装甲部隊の選択 −支援戦車−
これで総費用の合計は 1789点になり、残りはわずか200点少々になりました。でもまだまだギリギリまで買います。
すでに偵察用の軽装甲車と主力用の中戦車を買いましたが、次に買うのは支援用の装甲ユニットです。
ここでいう支援とは、部隊全体の対歩兵・対装甲戦闘力のうち、手薄な方を補う装甲ユニットを指します。選択肢に入るクラスは、重戦車(Heavy Tank)・駆逐戦車(Tank Destroyer)・自走砲(SP Gun)・火炎放射戦車(Flame Tank)など、先ほどの主力戦車の選択肢に入らなかったものです。
今回の例でいえば、わが部隊に、というよりこの時期のドイツ軍に最も欠けているのは対装甲戦闘力です。何しろ敵の主力戦車として出現が予想される "T-34 m41" を運に頼らず撃ちぬける装甲ユニットがいないのですから(泣)。
したがって、一般的にここで最有力の選択肢になるのは対戦車戦闘に特化した駆逐戦車クラスですが、場合によっては本来は歩兵支援用の自走砲や火炎放射戦車も選択肢に入るでしょう。命中率を高めるために敵戦車を待伏せて一撃必殺を狙わなければならない駆逐戦車よりは、とりあえず撃ちさえすればどんな敵にも損害を与える可能性がある大口径自走砲や、接近して先手さえとれば圧倒的に有利な火炎放射戦車の方が役に立つことが多いのは事実です。
大口径自走砲の欠点は、足が遅い・オープントップで装甲も薄いということ以上に保有弾数が極端に少ないことですが、すでに自走タイプの盤内砲兵と弾薬補給ユニットを購入しており、高視界で開豁地が多い場合は購入を検討してみるべきでしょう。砲兵陣地を通常よりやや前方に配置し、その付近に高地など前線への視界が大きく開けた地点があれば、そこから自走砲の遠距離射撃が可能になるからです。また、非常に安いのも大きな魅力です。
逆に火炎放射戦車は、市街地や森林など遮蔽物が豊富にある場合に購入を検討します。火炎放射戦車の生命線は敵に気づかれずに2HEX以内に接近することにあるので、だだっ広い平原マップなどではその長所を全く生かすことなく一方的にやられてしまうでしょう。そのかわり2HEX以内で先手さえとれば、かなりの高確率でどんな戦車も歩兵の鬼スタックも一撃で一掃できます。ただしコスト的には主力級戦車に匹敵するほど高価なので、簡単に買えるものではありません。
駆逐戦車は自走砲によく似た特徴をもつ対戦車戦闘用ユニットです。つまり、オープントップで装甲は皆無に近いものの、当たりさえすれば同時期の敵主力戦車の大半を貫通できる主砲を備えています。問題は命中率を高めることと射撃地点を確保するのが難しいことです。命中率を実用レベルに高めるためには完全に静止しなければなりません。また先手をとって射撃するには必然的に待伏せする必要があり、同時に敵の反撃を浴びる前に仕留めるには遠すぎず近すぎずの距離を確保することも重要です。装甲ユニットというよりも、移動装置と簡易装甲をつけた対戦車砲だと考えるのが妥当で、対戦車砲と輸送手段を買えば充分に代替できるといえます。
本例では、開豁地が主体の視界の良いマップを使用することを想定しており、またせっかく自走迫撃砲と弾薬輸送車を購入しているので、これらをいかすためにも自走砲を購入することにします。ただし購入数は1個分隊におさえ、残金で駆逐戦車の代わりとして別途対戦車砲と輸送手段を買うことにしましょう。
では実際にメインウィンドウ左側リストから "1039 - SP Gun Sec" を選択して1つだけ購入して下さい。
総合支援部隊の選択 −対戦車砲−
これで装甲部隊の購入も終了し、残るはその他の雑多な支援ユニットを購入するだけとなりました。
この段階で購入を検討するのは、"Artillery" メニューに含まれる対戦車砲・対空砲・歩兵砲などの直射砲兵ユニットです。まずは Purchase Mode ウィンドウ の "Branch" 欄を "Artillery" に変更してから "Search" ボタンを押してください。
ここでも装甲部隊の支援ユニットを買うときと同様に、現有戦力に欠けている戦闘能力を補うユニットを購入します。例えば、対戦車能力に劣っていれば対戦車砲で補強し、対歩兵能力が不足していると思えば対空砲や歩兵砲の購入を検討します。また、これらには自走式・輸送車両付・砲のみの3種類がありますが、機械化歩兵を購入した時と同様に実際に検討するのは自走式と砲のみの編隊で、輸送車両が必要ならば別途購入するのがセオリーです。
さて、本例では依然として対戦車戦闘力に不安があるので、予定通り対戦車砲を購入します。メインウィンドウ左側リストから "1165 - AT-Gun Sec" を選んでください。選択肢となるユニットは、28mm・37mm・50mm・75mm・88mm の5種類です。
一般的には対戦車砲の貫通力は口径に比例するので、大口径のものほど攻撃力は「強い」と考えて間違いありません。ただし大口径になるほど高価で、重量も口径に比例するので輸送手段用のコストもかかります。また、サイズも口径につれて大きくなるので、対戦車砲の理想的な攻撃方法である「姿を隠して一方的に射撃する」という運用が難しくなるのが大口径対戦車砲の最大のデメリットといえるでしょう。
もうひとつ前提知識として知っておいた方がよいのは、時期によって主流となる口径がある程度自動的に決まることです。簡単にいうと、第二次大戦期を三つに分けた場合の前期(39〜41)が 37mmクラス、中期(41〜43)が 50mmクラス、後期(43〜45)が 75mmクラスだと理解すればよいでしょう。このことから例えば、1942年の戦闘で37mmクラスの対戦車砲を使う場合は、性能が時代遅れでかなりの苦戦が予想されることになります。
ただしこの説明はあくまで一般論で、例外も多々あることに注意してください。例えばドイツの 28mm砲は、ゲルリッヒ砲という特殊な設計でAPCR弾のみを使用するので、37mmクラスのものより優れた貫通力を持っています。このように貫通力は使用する砲弾の種類によっても大きく変化し、一般的なAP弾を撃つ場合よりも、APCR弾やHEAT弾などの特殊弾を撃つ場合の方が、同一の砲でも貫通力は高くなります。
どの口径の砲を選ぶかの基準はだいたいこんな感じで、リアリティを重視するなら年代による主流口径だけを把握していれば問題ありません。本例は1941年の戦闘なので、性能よりもリアリティを求めるなら 37mmクラスを採用するのがベストですが、「いやいやウチの部隊は最新装備だから」と妄想するなら 50mmクラスでも良いでしょう。ちなみに 80mm以上の対戦車砲はあくまで例外的な存在であり、対戦ではゲームバランス維持のために購入数に何らかの制限がつけられるのが一般的です。
さて、本例では背に腹はかえられないのでリアリティよりも性能に重きをおいて(笑)、コストパフォーマンスの良い 28mmと、この時期の最新型である 50mmを各1セクションずつ購入することにします。画面右側のプルダウンリストから "118 - 28mm AT Gun" と "121 - 50mm AT Gun" を選択してそれぞれ購入してください。
総合支援部隊の選択 −輸送手段−
次に、忘れないうちに輸送手段も購入しておきます。28mm砲の重量は "10"、50mm砲の重量は "106"です。Purchase Mode ウィンドウ の "Branch" 欄を "Misc." に変更してから "Search" ボタンを押し、最も適当な輸送手段を探しましょう。
輸送手段は次表のように分類されます。
クラス | 移動方式 | 移動力 | 装甲・武装 | 輸送力 | 典型輸送ユニット |
---|---|---|---|---|---|
高機動車(Utility Vehicle) | 装輪 | 高 | なし | 6 | HQ |
偵察車(Scout Vehicle) | 装輪 | 高 | なし | 4 | FO・Scout・MG・ATR |
中型トラック(Medium Truck) | 装輪 | 中 | なし | 11x | 歩兵全般・中砲 |
大型トラック(Heavy Truck) | 装輪 | 中 | なし | 22x | 重砲 |
トラクター(Prime Mover) | 半装軌 | 高 | なし | 10x〜21x | 砲全般 |
半装軌車(Halftrack) | 半装軌 | 高 | あり | 11x | 歩兵全般・中砲 |
荷駄(Pack Animal) | 徒歩 | 低 | なし | 105 | 軽砲 |
砲牽引馬(Gun Team) | 徒歩 | 低 | なし | 212 | 砲全般 |
荷馬車(Wagon) | 徒歩 | 低 | なし | 112 | 歩兵全般・中砲 |
これらの中には最小購入単位が異なるものがあることに注意してください。具体的には、高機動車と偵察車は1両単位で購入可能で、荷馬車はなぜか4両単位でしか購入できません。残りは全て2両単位から購入可能です。
輸送手段を選ぶ際には、まず必要最低限の輸送力を持っているものを選び、その中から移動性能・速度・許容コストなどを勘案して検討します。
本例でいえば、28mm砲を輸送できるユニットのうち、大型トラック・半装軌車・荷馬車は輸送力とコスト面で無駄が大きいので最初に除外します。こうして選択肢に残るのは、中型トラック・トラクター・砲牽引馬です。通常の砲や歩兵部隊の輸送手段として候補にあがるのは常にこれら3種のユニットで、あとは移動特性や細かいコスト計算でいずれかを選ぶことになります。
中型トラックは欠点の少ないオールマイティな輸送手段ですが、路外での長距離移動が予想される場合は除外するべきです。トラクターは路外移動にも優れ移動力もピカイチですが、これらの中では最も高価なことが難点で、機動力がさほど必要でなければ除外しましょう。砲牽引馬は故障知らずで路外移動ができ建物にも進入できる点が強みですが、移動力は最も低くコスト的にはトラックとほぼ同等なのがデメリットです。移動距離が長い場合や馬匹系の移動特性が必要なければ除外してよいでしょう。
もっと単純に言えば、予算が余っているならトラクター、余ってないけど移動力が欲しいなら中型トラック、貧乏(を演出したい)なら砲牽引馬を選べばよいでしょう。
今回は 28mm砲と 50mm砲の輸送手段として、ともに無難な中型トラックを選びます。中型トラックの選択肢には "Opel Blitz" と "Krupp Kfz 69" がありますが、どちらも輸送力に不足はないため問答無用で安い後者を選びます。メインウィンドウ左側リストから "1056 - Med Truck Sec" を選択して2つ購入して下さい。
総合支援部隊の選択 −対空砲−
この時点で消費ポイントは 1939点となり、いよいよ残り100点を切りましたが、まだまだ買います(笑)。
対戦車砲の購入後に検討するのは対空砲や機関銃です。といっても敵の航空ユニットを撃ち落すのが狙いではありません。対戦車砲を守るのが目的です。
対戦車砲の弱点は敵歩兵の攻撃に対処することで、HE弾を持っていればそれなりに反撃はしますが執拗な攻撃にあえばやはり歩兵には敵いません。対戦車砲が敵歩兵の攻撃をうけて壊滅するような事態を避けるには、まず敵歩兵を近づけないこと、接近する敵歩兵を早期発見すること、それでも攻撃してきたら撃退できる手段を用意しておくことです。
つまり対空砲や機関銃は大事な対戦車砲に接近する敵歩兵の撃退手段として必要で、特に対戦車砲の相棒として適しているのは20mmクラスまでの小口径対空砲や歩兵ユニットに属する機関銃です。ただしお値段的には小口径対空砲の方が安いので、対空ユニットをメインに選ぶことになるでしょう。
対戦車砲と小口径対空砲(機関銃)をセットで配置すれば、対装甲・対歩兵戦闘力をあわせ持つ強力な陣地ができるという寸法で、さらに監視用の偵察歩兵まで揃えれば万全の対戦車砲陣地が構築できるというワケです。ですが今回はすでに狙撃兵を3つ購入しているので、監視兵はもう必要ありません。
では、Purchase Mode ウィンドウ の "Branch" 欄を "Artillery" に戻してから "Search" ボタンを押し、メインウィンドウ左側リストから "1070 - Flak AA Sec" を選択してください。
20mm以下のものを選ぶべきなので、ここで選択候補になるのは "20mm FlaK Gun" と "MG34 FlaKMG" ですが、歩兵殺傷力(Kill値)を比較すると圧倒的に20mm機関砲が勝るので、予算の制約などよほどのことがない限り常にこれを選ぶべきでしょう。
では "20mm FlaK Gun" を1つ買ったら、輸送手段として先ほどの対戦車砲と同じ "Krupp Kfz 69" を1個分隊購入してください。
最後の帳尻あわせ
これで消費ポイントは 1979点となり、あとはもう 21点しか残っていません。戦闘力のあるマトモなユニットを買う余地はありませんが、現実と同様に予算はできるだけ使い切るのが鉄則です。
余り予算の代表的な消化方法は、HQやFO用の移動手段を買ったり、あるいは追加のFO、狙撃兵などの監視用偵察歩兵を買うことです。今回は充分に偵察歩兵を購入しているので、移動手段を購入することにします。
ところで今までHQの存在を忘れていませんでしたか?そう、HQは自動的に編成リストの先頭に登録されるので、ついつい存在を忘れられがちです。しかし言うまでもなくHQは一番大事なユニットで、その緊急移動手段を確保しておくことは決して無駄ではありません。
先に説明したとおり、HQの輸送手段として最適なのは高機動車です。HQの構成兵員は常に6名で、高機動車クラスの輸送力もぴったり6名です。メインウィンドウ左側リストから "1043 - Utility Vehicle" を選ぶと、選択できるユニットは3つあります。性能はどれもほとんど変わりませんが、雰囲気重視で選ぶならやはり "Opel Kommand" にするべきでしょう。移動力は最も低いですが、なんつったってコマンドカーだから(笑)。
これで消費ポイントは 1983点になりました。お次はFO用の移動車両も用意してあげましょう。私のオススメは同じく高機動車の "Sdkfz 4 Stoewer" です。理由は何となく見た目がそれっぽいから(笑)。ともかくこれで、HQ・FO・盤内砲・弾薬補給ユニットの全てが機動力を持ったことになりました。素晴らしい!対砲兵射撃なんかもう怖くないですね。
いよいよ残りは12点です。もはや歩兵・装甲・砲兵メニューから買えるユニットはありません。しかし最後の最後に買うものにも定番があります。それは偵察車。偵察車は1両単位で購入できるので「帳尻あわせ」ユニットとして最適です。いちおう偵察目的の車両で Recon属性をもっており、中には機銃を装備しているものもあるので単騎で買っても使いみちは結構あるのです。
というわけで、メインウィンドウ左側リストから "1046 - Scout Vehicle" を選んで "Kuebelwagen MG" を限度額一杯の2個買いましょう。
これで消費ポイントはきっちり 2000点になったはずです。オメデト〜!!
常にこのように限度額いっぱいまで買い物ができるとは限りませんが、この最後の帳尻あわせを工夫するだけで余りポイントを10点以下に抑えることは充分に可能です。また、余りポイントが中途半端で気に入らなければ、もう少し段階をさかのぼって対戦車砲や対空砲の輸送手段を変更することも必要かもしれません。そして、このように1ポイントも無駄にしないために購入方法を試行錯誤することで、知らず知らずのうちにOOBの内容に詳しくなっていくというのがベテラン指揮官の辿る道でもあるのです。
編成リスト

さて、これで Mr.OOB を使った購入作業は終わりですが、作り上げた「お買い物リスト」を忘れずに保存しておきましょう。
Purchase ウィンドウの左上にある "Save as text" ボタンをクリックしてください。これで "Mr.OOB.exe" のあるフォルダに「お買い物リスト」がテキストファイルとして保存されます。ファイル名は "MyOOB.txt" です。
では念のため、 "MyOOB.txt" を開いてみてください。

先頭行には国籍と年月、最初の項目にはコストに影響する設定が記されています。これは確認用です。
重要なのは次の項目 "Overall" で、ここには消費ポイントの合計、間接砲兵の消費ポイントおよびその割合、そして購入メニュー別の比率が表示されます。
まず確認すべきは間接砲兵の消費ポイントで、これが対戦仕様で決められた制限の範囲内に収められていることを確認しましょう。
本例の砲兵制限ポイントは2000点の10%で200点だったので、今回はきっちり上限まで消費したことになりますね。
この点を確認したら、おもむろに兵科割合を眺めてみましょう。
歩兵メニューから購入したユニットの割合は37%、実際には機械化歩兵用のハーフトラックを別で購入しているので、その分とHQ分とを考慮すればだいたい5割が歩兵戦力だとみなせるでしょう。4割という最低基準は満たしていますが、6割という理想基準からすればやや歩兵の少ない編成であると言えます。
全体的にみれば、歩兵が5割、戦車が2.5割で、砲兵(直射砲含む)が2割、その他支援が0.5割という感じなので、偏りの少ないバランスの良い編成といえるでしょう。

次の "Breakdown of Artillery" の項は、間接砲兵の詳細を示しています。ここには直射砲は含まれないことに注意してください。
迫撃砲(Mortar)は全て自走式(SP : Self-Propelled)であること、野砲(Artillery)はすべて盤外砲(OBA : Off-Board Artillery)であることがわかります。って自分で買ったんだからわかってるはずですが、あくまで確認用です(笑)。

で、次の項目 "Order of Battle" では全ての購入ユニットが表示されます。見ればわかると思いますが、行頭のカッコ内の文字は購入メニューを、行末のカッコ内の数字はコストを示しています。
また、行末に "**" の印があるものは、間接砲兵と判断されたユニットであることを示しています。
これだけ詳しく表示されていれば、いざSPWAWを起動して本番の購入に挑む時も間違いようがありませんね。あとはこのテキストファイルを紙に印刷して、どの購入メニューから何という名前の何円のユニットを買ったのかを確認していけば、この「お買い物リスト」と全く同じ編成ができるはずです。
はい。ではこれで "Mr.OOB" を使用した購入シミュレート手順の説明は終了です。お疲れ様でした!
まとめ
- 「砲兵」−「砲兵関連」−「歩兵」−「戦車」−「その他」の順で買う
- 砲兵は「盤外(榴弾)砲中隊」+「盤内迫撃砲」のセットが基本
- FOの数は「盤外砲中隊数−1」
- 補給ユニットの基本は「弾薬補給車 x 2」
- 中核歩兵には徒歩の通常歩兵中隊を選択する
- できれば中隊規模で、無理なら最小規模を3個単位で
- C&Cオンなら輸送手段は本体とは別に買う
- 装甲ユニットのカタログスペックは過信しない
- ユニットの選択に迷ったら、コスト的に中間のものを選ぶ
- 不可欠な高いユニットから買い、安いユニットで帳尻を合わせる
- 余りポイントは10点以内に抑える
以上で購入演習は終了です。かなり細かいことまで書き連ねましたが、SPWAW歴が浅い方でも戦史に詳しくない方でも、本稿に書いてある事項に注意しながら編成すれば、ある程度リアリティがありゲーム的にも失敗しないユニット選びができると思います。
ただしここで示したユニット選択の考え方や編成例が、絶対的な「正解」というわけではありません。本稿ではセオリーという言葉を多用しましたが、セオリーとはあくまで「負けにくいやり方」であり、「必ず勝つためのやり方」ではありません。換言すれば、本稿に書いてあることは「大失敗しないための編成指針」と言ってもいいかもしれません。
特に対人戦では相手も人間である以上、敵もこちらと同じようなことを考えるとみなすのは当然です。編成だけで優位に立とうと思えば、本稿で示した数々のセオリーを元にしながらひとひねりもふたひねりもして、時にはあえてセオリーを崩すことで、相手の裏をかく必要もあるでしょう。
また、本稿では説明の煩雑さを避けるためにあえて深くは触れませんでしたが、本来、一回限りの戦闘となる対人戦などでは、編成は作戦を元に考えるものです。つまり、地形その他の戦闘環境を考慮して作戦を決定し、その作戦に見合った部隊編成を考えるのが順当な筋道です。この点は本稿では説明しきれませんでしたが、実戦の際には忘れないでください。
"Mr.OOB" をお供に試行錯誤を繰り返し、オリジナルの編成セオリーを編み出せるように精進してください!