障害戦

Last updated on May. 12, 2007

「いかに障害物を効果的に使うか」、これが障害戦の醍醐味です。最強パターンはあらゆる障害物を自陣営内の全HEXに50個ずつ埋設することですが、これでは効率的とは言えませんし、現実味も薄く対人戦では喧嘩になること必至です。

以下では攻撃側、防御側に分けて、地雷を中心とした各種障害物の効果的な突破法・構築法を説明します。障害物の基本事項は「障害構築術」を参照してください。

障害突破法

SPWAWのシナリオは人間プレイヤーが攻撃側に立つことが多く、地雷原を含めた各種障害物を突破する技術は必要不可欠でしょう。

シナリオ作成者にもよりますが、大抵の場合、障害物は非常に巧みに配置されており頭を悩まされます。また、自動生成キャンペーンでも、AI側の任務が"Delay"や"Defend"の場合、AIはかなりの確率で地雷を含めた障害物を配置してきます。

どんな障害物でも発見しないと対処のしようがないので、攻撃側の最初の課題は発見に全力を尽くすことです。障害物を発見した後は、そこを迂回するのか、除去するのか、強行突破するのか、を選択します。

この選択は障害の規模、残り時間、彼我の戦力に基づいてなされるべきで、除去する場合でも、最小の戦力を使って最短時間で達成することが目的になります。

ここでは具体例を示しながら、工兵を使った一般的な地雷除去方法を紹介します。

状況説明

状況説明

右図の通り、自軍は川の左岸におり対岸に侵攻しようとしています。

狙撃兵による偵察の結果、橋のふもとにはドラゴンティース20個が発見されましたが、対岸に敵の姿は発見できていません。

川の左岸沿いには樹木が並んで視界を妨げていますが、右岸後方一帯は高地になっています。

画面左上に機械化工兵1個小隊、左下には火炎放射器装備の工兵戦車1個小隊が待機しています。

探知砲撃

本例の場合、まず橋のふもとのドラゴンティースを除去しなければいけません。しかし橋の上は見通しが良くLOSが通るため、不用意に近づけば対岸の高地にいるだろう敵の攻撃をうける危険があります。さらに、橋を渡った建築物付近には地雷や敵ユニットが潜んでいることが予想されます。

砲撃01

そこで、大口径火砲を使って侵攻ルート上の地雷を発見します。砲撃目標地点はなるべく分散させ、広い範囲を砲撃対象に含めます。

この目的は、侵攻ルートに地雷があるかどうかを調べると同時に、工兵がドラゴンティース除去作業を速やかに開始するため、対岸からのLOSを塞ぎ抑圧を与える役割も兼ねています。

1回目の砲撃後に工兵部隊が移動した結果が右図です。砲撃により着弾地点に煙が発生していますが、イマイチ薄いし地雷も発見されていないので続けて砲撃します。

砲撃02

着弾地点を修正し砲撃した結果、対岸の橋のふもとに地雷を発見できました。

左岸のドラゴンティースの除去も完了したので、これ以降は煙幕弾の砲撃で確実に敵のLOSを塞ぎ、発見した地雷の除去に取り掛かります。

おそらく右岸にいる敵は2度の砲撃でかなり被害を受けていると思われます。このように、敢えて煙幕弾ではなく通常砲撃を行うことで、速やかな進撃ができます(ただし運が良ければ!)。

除去

3ターンの展開

右図は3ターン後の展開です。

本例の場合、橋の上には車輌ユニットは2つまでしかスタックできないという制限もありますが、どのような場合でも徒歩移動の工兵を先に前進させるべきです。

どちらも地雷探知能力は優れていますが、車輌ユニットは万が一地雷を踏んだり敵の攻撃にあった場合取り返しがつかないのに対し、歩兵ユニットなら全滅することはなくすぐに挽回できるからです。

地雷除去部隊の目的はあくまで侵攻ルートを切り開くことですが、本例では火炎放射器を装備した工兵戦車に除去任務を任せ、徒歩工兵部隊は横隊に展開して主要ルート沿いの地雷探知を行います。

4ターンの展開

もう1ターン後は・・・このようになりました。

地雷原の後ろにはそれを防御する何らかの敵ユニットが待ち構えていることも覚えておきましょう。

こうして先遣隊が地雷の有無を確認しつつ後方の本隊が安全ルートを切り開くことで、地雷原の切れ目や迂回路を素早く発見でき、後から来る戦闘部隊の移動可能範囲を広げられます。

だいたいの地雷分布地域が判明したら、先遣隊は後方に戻り、侵攻ルートの切り開きに協力しましょう。

障害防御法

防御側に立った場合、障害物をどのように使えば効果的なのでしょうか?理想的には、最小限の障害物で最大の効果を発揮させることです。そのためには地形を最大限に活用しなければいけません。

さらに、障害物それ自体は大した防御効果を持ちません。障害物の役割は、敵部隊を足止め・誘導し自軍に有利な展開を作り出すことです。

障害物はあくまで敵を立ち往生させるための存在で、それを役立たせるには、背後に敵を攻撃できる自軍部隊を配置しておかないと意味がありません。

以下に具体的な各障害物の配置法を紹介します。

地雷

例えば100個の地雷を配置する場合、50個ずつ2HEXに配置するよりは、20個ずつ5HEXに配置した方がずっと効果的でしょう。なぜなら、人間もAIも、一度踏んだ地雷HEXは二度と踏まないからです(例外は退却時のみ)。

ならば10個ずつ10HEXに配置したほうが良いのでは?と思われるかもしれませんが、地雷の爆発率はHEXあたりの埋設地雷数に比例するという点も考慮しないといけません。数が少なければ広い範囲に配置できますが、その分1HEXあたりの地雷の効果は低下し、運が悪ければ敵は何事もなく通過してしまうかもしれません。

この相反する要素を勘案すると、同じ100個の地雷を配置するなら、最前列10個、2列目20個、3列目30個、4列目40個という具合に配置するのが最高の方法かもしれません。

このように配置すれば、敵が前進するほど地雷の爆発率が上昇し、なおかつ最前列の地雷は発見されにくいので後続の敵部隊も地雷原に踏み込みやすくなると考えられるからです。

また、地雷をマップの上から下まで帯状に配置するには大量の地雷が必要になり、費用対効果という点からみれば最悪の方法です。地形にもよりますが、敵が大軍だとしてもマップ全域から横隊で前進してくる可能性は非常に低いと考えられるからです。

むしろ敵の侵攻路を数箇所予想して、地雷埋設場所を分散させる方が敵の混乱度も高められ、使用する地雷数も減らせるので効果的だと言えるでしょう。

具体的には、地形を有効利用できる抵抗拠点を数箇所想定し、各拠点の前方に地雷原を配置していきます。

地雷配置例

先ほどの例では、抵抗拠点を2箇所にわけ、図のように地雷を配置することで容易に近寄れない陣地を作ることが出来ます。まあこんなに都合の良い地形も珍しいですが、なるべく地形を活かすのが肝心です。

さらに、地雷はあくまで抵抗拠点の支えであることを忘れずに、地雷の背後には対歩兵・対戦車兵器を用意しておくことが一番重要です。

一般的には、地雷原後方には機関銃、掩蔽壕、対戦車砲などを配置するのが常套手段で、敵が地雷原を除去するのをできるだけ遅らせ、可能ならば地雷原の発見さえさせないように発砲し抑圧値を高めます。

しかし敵も煙幕を張って目隠ししてくることが予想されるので、その場合は火砲を使用して砲撃します。この時大口径砲で砲撃すると、砲弾が散らばって地雷原の位置がばれたり、余計な煙を立てて防御部隊の視界を塞ぐことになるので、なるべくピンポイントで狙える迫撃砲を使用しましょう。

ドラゴンティース

ドラゴンティースは、車輌ユニットを完全に停止させることができるので、上の例で示したように、橋のふもとなどここさえ押さえれば敵車輌の進行を止められる、という場所にピンポイントで配置するのが基本です。

工兵か工兵戦車・地雷除去戦車しか除去できないので、配置場所を分散させると除去が非常に困難になります。これは進路を塞いで敵車輌の進行を遅らせるという使い方ですが、敢えて完全に進路を塞いでしまわず、誘導通路を作るのも有効な方法です。

ドラゴンティース配置例

例えばこのように配置すると、敵車輌は図のような軌跡を描きながら移動せざるを得ず、臨機射撃で側面や背面を狙い撃つことができるようになります。

有刺鉄線

有刺鉄線配置例01

歩兵ユニットの移動を阻害しますが、1ターン待てば超えられてしまいます。複数列並べて歩兵部隊の移動を遅らせるのが基本です。

特に近接強襲に弱い掩蔽壕の前面を有刺鉄線で覆うとほぼ無敵の拠点になります。

有刺鉄線配置例02

また、ドラゴンティースと同様に、歩兵の移動経路を誘導しいわゆる「キル・ゾーン」に誘い込む方法もあります。

右図のように見えにくい機関銃部隊をVHに置き、そこを中心に弧を描くように有刺鉄線を配置すれば、VHを取りにきた敵歩兵を殲滅することができます。

複合障害物

各障害物は単独で使用するより、組み合わせたほうがより効果的になります。組み合わせには無数の方法が考えられるので、ここでは2つだけ紹介します。

複合障害物配置例01

地雷原の前面に有刺鉄線とドラゴンティースを組み合わせたもの。こうすれば徒歩工兵も地雷除去車輌も近づけないので、地雷除去に必要な時間が倍増します。

複合障害物配置例02

右図は、上側の橋付近に見える地雷原を使った囮地雷原を配置しています。このように、敵侵攻予想路の一方に見える地雷原を仕掛け、もう一方は見えない地雷原を配置することでキルゾーンに敵を誘いこみます。

ここまでバレバレだと人間の場合逆を衝いてくることも考えられるので、見える地雷原の後ろに見えない地雷を仕掛けるなど応用は可能です。その先は・・ひたすら化かし合いですね。

まとめ

攻撃側にとって障害物は本当にやっかいな存在です。全ての障害物を除去できるのは工兵系のユニットだけなので、少なくとも徒歩移動する工兵だけは常に用意しておきましょう。

しかし多くの場合、障害の数に対して工兵の数が足らなくなります。こういう場合は火砲を効果的に使って障害を除去しましょう。最低でも侵攻路を1箇所開けば目的達成なので、広い範囲の障害を除去するよりは、一点に集中運用するべきでしょう。

防御側にとって障害物はこの上ない戦力になります。繰り返しますが、まずは地の利を活かした防御拠点を何箇所か想定し、その前面に障害を配置するのが基本です。障害物を先に配置し、その後ろを防御拠点にするのは本末転倒です。

また、マップ縦方向に隙間無く帯状に障害を配置してしまうと、自軍が反攻に移ることもできなくなってしまいます。反攻経路は必ず確保しておきましょう。