歩兵演習キャンペーンのシナリオ2では、障害物の除去、白兵戦(Melee)、近接強襲(Close Assault)の方法を説明します。
キャンペーンの続行
シナリオ1終了後からの手順を簡単に説明します。
スコア表示画面を閉じ、念のためセーブしておいてください。
次に修復・アップグレード画面に移行しますが、そのまま何もせず閉じて下さい。
その後、サポートユニット購入画面に移行しますが、またも予算がないので閉じてください。
ユニット配置

次に"Human Deploy"ボタンを押して配置画面に入ります。
まずはマップ全体を見回してください。マップは3つのエリアに分割されており、一番下のエリアに"0"〜"4"までの数字が表示されたHEXがあるはずです。
購入した陸戦隊小隊ユニットのユニット番号(b0〜b4)に従って、各数字上に配置してください。4の擲弾筒を配置する場所だけ離れているので注意して下さい。
A0ユニットは配置する必要はありません。正しく配置すると右図のようになります。
これで配置作業は終了です。配置画面を終了してさっそくゲームを開始しましょう。
障害物除去演習
マップ最上部には"Obstacles Remove"と書かれたエリアがあります。最初にここで障害物の除去を行いましょう。
ここには「有刺鉄線(Barbed Wire)」「対戦車障害(Dragon Teeth)」「地雷(Mine)」という3種類の障害物が配置されています。このうち歩兵が除去できるのは、有刺鉄線と地雷だけです。
有刺鉄線

まず"C0"ユニットを選択すると、移動範囲が暗転表示されます。
周囲は開豁地なので本来なら移動範囲は完全な円形になるはずですが、有刺鉄線のあるHEXには移動できなくなっています。
これは
歩兵系ユニットは、必ず有刺鉄線の1HEX手前で少なくとも1ターン停止することを強いられます。さらに、有刺鉄線のあるHEXへ移動する場合は移動ポイントを全て消費するため、歩兵が有刺鉄線を通過しようとすれば、少なくとも3ターン必要だということです。
また、有刺鉄線HEXにカーソルをポイントすると、"Barbed Wire(10)"というように配置されている有刺鉄線の数が表示され、括弧内の数字が"0"になれば有刺鉄線を除去したことになります。
対戦車障害

次に"E1"ユニットを選択して下さい。
有刺鉄線HEXに隣接しているこのユニットは、有刺鉄線HEXに進入できることがわかります。右側には対戦車障害が配置されていますが、こちらにも移動可能です。つまり対戦車障害は徒歩移動するユニットには何の障害にもならないのです。また、対戦車障害も有刺鉄線と同じくポイントすると設置数が表示されます。
地雷

最後に"C1"ユニットを選択して下さい。
ここでは説明のため、地雷埋設HEXには"M"と表示していますが、右図のように地雷を示すドクロマークが表示されている場合とそうでない場合があると思います。
敵が敷設した地雷は発見しない限り見えません。地雷を発見した場合はドクロマークが表示されますが、上記2つの障害物と異なり、具体的な地雷数は表示されません。何個の地雷が埋まっているかは除去が完了するまでわからないのです。
地雷を発見する方法は、「探知」と「誘爆」の二種類があります。経験値の高い歩兵ユニットは地雷HEXに隣接するだけで図のように「探知」してくれる可能性があります。しかし、地雷に隣接していても"E3"ユニットのように経験値が低ければ探知できません。ただし、地雷HEX上にいる場合や、隣接HEXでも数ターン静止していれば探知確率は向上します。
経験の低いユニットでも地雷を発見できる方法が「誘爆」です。どんな新兵でも地雷を実際に踏んでしまえば「あ、ここには地雷があるぞ」と分かるのです。
地雷が爆発するタイミングは、地雷HEXに進入・退出する場合です。地雷HEXにいても静止していれば爆発しません。また、経験値の低いユニットほど地雷を踏みやすいので、この方法は装備・経験が貧弱で兵員だけは無駄に多い二線級クラスの歩兵ユニットに向いています。
障害物の除去

歩兵ユニット(工兵は除く)が障害物を除去するには、障害物のあるHEX上に1ターン以上留まることが必要です。ただし、地雷は発見しない限り除去もできません。
1ターンに除去できる障害物の数は、経験値・抑圧値などの要素によって異なります。抑圧が高すぎると全く除去できないので注意してください。
では実際に有刺鉄線と地雷を除去してみましょう。このエリアにいるユニットをそれぞれ最も近い障害物HEXに移動させて下さい(右図参照)。
有刺鉄線上に移動するには2ターンを要するので、除去が始まるのは2ターン目終了時点からです。
地雷を除去する場合は、まず発見することにつとめましょう。
"E3"ユニットは地雷を発見していないはずなので、"M"と表示されたHEX上をうろうろして下さい。遠からず地雷を踏んでしまい、結果的に発見できるはずです。
この方法は、兵員の犠牲を厭わなければ発見と同時に除去もできるのがメリットですね。
歩兵による障害物除去の説明はこれで終了しますが、これ以降はどのユニットが何個の障害物を除去したかがターン終了時に表示されるので、注意して見ておいて下さい。経験値の高いユニットほど除去する個数は多いはずです。
白兵戦演習
すでに説明したとおり、白兵戦(Melee)は歩兵独特の攻撃法で歩兵対歩兵の乱闘戦です。敵と同一HEXにいなければならないという制限があるので実行できる機会は少ないのも特徴です。本演習では白兵戦を体験するため、あらかじめ敵を同一HEXに配置しています。一発勝負の運試しの要素が強い攻撃方法ですが、ぜひ一度体験してみてください。
状況説明

まず状況を把握しましょう。
これから白兵戦を仕掛ける我が軍のユニット"EO"を右クリックしてください。
この民兵(Militia)ユニットの装備は、「竹槍(Bamboo Spear)」と「陶製手榴弾(Ceramic Grenade)」で、両方とも射程は"1"ですね。つまり敵に隣接しない限り攻撃をしかけることもできないのです。
それはともかく良い面を探しましょう。このユニットは兵員数が"30"です。そのほかには士気が80とやや高いことも付け加えていいかもしれません。
そうです。人数が多く士気が高いだけ。これが白兵戦に向いたユニットの特徴です。本当は経験値も高く、火炎放射器などの近接戦闘用の兵器を装備していれば白兵戦でも有利なのですが、そんなユニットは普通に戦った方が圧倒的に有利な戦いができます。白兵戦は勝敗に関わらず損害が多くなるので、優秀なユニットを使うのは勿体ないのです。
つまり、白兵戦は「まともにやっても勝ち目無し」というユニットだけにメリットがある攻撃方法なのです。

次に、敵ユニットを見てみましょう。敵ユニット上で右クリックすると、次のようなことがわかります。
敵は米軍の精鋭歩兵「レンジャー」で、SMG・BAR・携帯爆弾など圧倒的な火力を持っています。兵員数はわかりませんが、大所帯の精鋭部隊というのは存在しないので、我が民兵より少ないのは間違いありません。
つまり、敵と比較して我が民兵部隊は、「経験や兵器性能を含めほとんど全て負けているが、兵員数だけは勝っている」。これが理想的な条件です。
距離をとって戦えば、我が民兵が精鋭レンジャーに勝てる可能性は間違いなくゼロです。隣接して戦う場合でも、一対一の勝負なら返り討ちにあう可能性大です。この逆境にある民兵が唯一有利に戦える方法、それが白兵戦なのです。
突撃!!

白兵戦のやり方は簡単で、敵と同一HEXにいる状態で「Alt+M」を押すだけです。では渾身の力をこめてキーを押してください。
最高に運がよければ、「バンザーイ!」という効果音とともに、右図のようなメッセージが表示されます。これが日本軍歩兵の必殺技「バンザイ・アタック」です。白兵戦を仕掛けたユニットは「凶暴化」する可能性があり、日本軍が凶暴化すると「バンザイ・アタック」を仕掛けてくれます。凶暴化したユニットは敵を全滅させるまで白兵戦を続行するので、勝ちは決定です。
しかし「バンザイ・アタック」が発動される可能性は低く、ほとんどの場合はそれ以外の結果になります。
白兵戦を仕掛けた場合、最初に白兵戦を実行できるかどうかのモラルチェックが行われ、これに失敗すると一方的に返り討ちにあってしまいます。敵に接近して乱闘に持ち込む前にビビってしまったわけで、この場合はどうせ勝ち目のない相手だったとあきらめて下さい。

モラルチェックに成功すると"Militia Squad Charged Into Melee"と表示され、兵員数と装備兵器を元に損害判定が行われます。装備兵器を元にするということは、優秀な装備をもっている敵の方が有利だということですが、そこは兵員数で押し切りましょう。
ほとんどの場合は、図のように我が民兵の損害の方が多くなりますが、敵はもともとの兵員数が少ないのです。実は敵レンジャーユニットは10名編成なので、この例の場合の戦力は20対4になっています。ここまでくればあとは普通に攻撃するだけで充分です。竹槍で突撃して敵を蹴散らしてやりましょう。
白兵戦の実際
以上、白兵戦のやり方について説明しましたが、実際は白兵戦を仕掛けるために敵と同一HEXに位置することが最も難しい問題になります。何とか敵に隣接できたとしても、敵の状態が良ければ、無傷で同一HEXに位置に進入するのは不可能です。つまり、敵と同一HEXに位置できる可能性があるのは、敵が弾切れになっているか、抑圧が多すぎて臨機射撃できない場合だけでしょう。
上の例ではフル装備のエリートレンジャーを相手にしました。このように、まともに戦えばかすり傷一つ追わせることのできない相手に対しては、白兵戦は有効な戦闘法です(損害を無視すれば)。しかし逆に、ピストルくらいしか装備していない砲兵ユニットの砲手(Crew)も格好の白兵戦相手となるかもしれません。
また、ジャングル戦などの低視界戦闘、敵味方入り乱れる市街戦などの状況では、白兵戦は弱者が一発逆転を狙える唯一の方法かもしれません。日本軍やソ連軍など、装備は貧弱だが士気と人数だけは勝るユニットが多くある軍隊では意外と使えることを覚えておきましょう。
近接強襲演習
装甲を擁する敵に密かに隣接して一気に破壊する近接強襲は、歩兵ユニット最強の攻撃方法です。SPWAWでは歩兵の近接強襲で破壊できない地上ユニットは存在しません。近接強襲を習得することが「歩兵への道」の第一歩です。
状況説明

マップ最下部の実戦エリアを見て下さい。
すでに見えている敵は道路上のパーシング(Persing)1輌と重装トーチカ(Hvy Pillbox)です。これらの敵は陸戦隊の擲弾筒ユニットの視界に入っています。
この演習には、キャンペーンの最初に購入した陸戦隊小隊にくわえて「対戦車特攻兵(Suicide AT)」が参加します。
では特攻兵を右クリックしてユニットデータを見てみましょう。

"Suicide AT"を直訳すれば「自爆対戦車(兵)」になるとおり、このユニットは兵員1名で、射程1の「刺突爆雷(Lunge AT Mine)」を2発持っているだけです。
刺突爆雷とは特攻兵器の一種で、簡単にいえば棒にくっつけた地雷とでも思って下さい。棒をもって戦車に地雷の先端を突き立てれば爆発するというシロモロです。実際に使えばほぼ間違いなく攻撃する兵士も死亡するでしょうが、SPWAWではそこまで再現されていません。
この刺突爆雷は射程が1しかないという点が最大の欠点ですが、貫通力は140と有り余っているので、命中さえすればほぼどんな装甲標的でも破壊できる力を秘めています。
本演習ではこの対戦車特攻兵がトーチカに、そして陸戦隊がパーシングに近接強襲します。トーチカのデータを見ると、155mm砲・75mm砲・機関銃という強力な兵器を装備していることがわかります。一方、パーシングは移動不能状態(Immobilized)で、そのHEXには終了時500ポイントのVHがあります。パーシングを破壊してこのVHを取るのが本演習の目的です。
接近開始

まず擲弾筒を除く陸戦隊ユニットが1HEXずつ東に前進してください。
このシナリオは有効視界が30あるので、森の中でも2HEXまでは視界が通ってしまいます。敵に接近するときは、常に有効視界に気をつけながら1HEX移動することを心がけましょう。
次に特攻兵をそれぞれ"X"印のついているHEXに移動してトーチカに隣接させて下さい。
兵員1名でサイズ0のこのユニットは普通の歩兵より見つかりにくいことは確かですが、こちらも1HEX移動を心がけましょう。
この時点で特攻兵"D0"ユニットを選んだ状態でトーチカにポイントすると、命中率は55%と表示されます。しかしこれは通常攻撃した場合の命中率であり、近接強襲の成功率ではないことに注意して下さい。近接強襲の成功率は確実にこの表示より少なくなります。
近接強襲の成功率を上げる方法は、静止しておくことと改良状態をとることです。
では、改良状態の獲得を早めるために、特攻兵の体勢を"Defend"にしておいてください。これでようやく第一ターンは終了です。
辛抱

第二ターンでは、前回と同じように陸戦隊の4ユニットがもう一歩前進します。これで敵戦車まであと1HEXになりました。
一方、特攻兵はまだ"In Cover"状態になっていないはずです。命中率は92%に上昇していますが、ここは焦る気持ちをぐっと辛抱してもう少し待機しましょう。サイズ0のユニットは移動や発砲をしない限り、敵に隣接していても非常に見つかりにくいのです。この我慢ができるかどうかが近接強襲の成功率を左右します。
第二ターンはこれで終了です。
隣接移動
第三ターンでは、いよいよ陸戦隊が敵戦車に隣接します。しかし移動するのはちょっと待って下さい。
歩兵ユニットに比べると、戦車などの車輌ユニットは索敵能力が劣ります。優秀な歩兵が慎重に接近すれば見つからない可能性が高いのですが、敵の戦車兵が意外に優秀で発見されてしまう場合もあります。特に、静止している戦車に隣接する瞬間は、発見される可能性が少なくありません。
見つからないように隣接するにはどうしたら良いか?そもそも"Ready"状態の戦車は、砲塔にあるハッチを開けており車長が周辺を警戒していると想定されます。ならば車長にハッチを閉めさせれば良いのです。
車輌ユニットの状態変化は、歩兵ユニットと一点だけ異なります。歩兵ユニットの「釘付け("Pinned")」状態は、車輌ユニットでは"Buttoned"という状態に相当します。この状態の戦車は攻撃を避けるため砲塔ハッチを閉めているので、タダでさえ良くない視界が一段と悪化し、索敵敵能力が低下するのです。
そこで陸戦隊が隣接移動する前に、敵戦車に抑圧を与えて釘付け状態"Buttoned"にしておきましょう。この援護射撃役が擲弾筒です。この演習のような状況では、「軽迫撃砲クラス」に分類される擲弾筒は近接強襲できないので、陸戦隊を追いかけても全く役に立ちません。同じ小隊の一員として援護役に徹することこそ効率的な運用法です。
今回は擲弾筒が一本道の端というベストポジションに位置しており監視役と援護射撃役を兼ねますが、擲弾筒と小隊司令部が離れてしまうのはあまり望ましくないので、通常は監視役は他のユニットに任せて、擲弾筒は小隊司令部の付近から間接射撃で援護するという方法も考えられます。

擲弾筒では戦車に直射しても破壊することはできませんが、充分な抑圧を与えることは可能です。しかし擲弾筒は見つかりやすいことも忘れてはいけません。姿を晒さずに抑圧を与えなければいけないのです。
そこで射撃の前にユニットを右クリックして、兵器4のライフルを使用不能にしておきましょう。
ライフルのような小火器は戦車にとってはほとんど無意味です。抑圧を与えたとしても1か2くらいで、発見される危険を冒してまで撃つべき兵器ではないのです。
では、この状態で擲弾筒が援護射撃を開始してください。2〜3回射撃すれば充分でしょう。敵戦車の状態が"Buttoned"になったら、陸戦隊を隣接移動させてください。
4つのユニット全てが発見されることなく隣接できたはずです。ここでほっとして気を抜いてはいけません。4つの陸戦隊ユニットを全て体勢"Defend"にしておきましょう。
ここまでで第三ターンは終了です。
トーチカ強襲

第四ターンになると、そろそろ特攻兵は"In Cover"状態になったかもしれません。しかしここでは第五ターンまで待って強襲することにします。第五ターンまで進めて下さい。
敵をポイントして表示される命中率は変化しませんが、実際の近接強襲成功率は"In Cover"状態を獲得しているかどうかで大きく変化します。
さらに欲を言えば、2つの特攻兵の両方が"In Cover"状態になるまで待ちたいところです。どれだけ成功率が高くなっても、失敗する確率は0にはなりません。失敗するときは失敗するのです。万が一、一方のユニットが近接強襲に失敗した場合に備えて、2ユニット一組で強襲体制を整えておけば安全です。

第五ターンまで4ターンも待機すればかなりの確率で強襲が成功する・・・はずです。
ではいよいよ近接強襲を開始しましょう。やり方は簡単。普通の攻撃のように隣接する敵をクリックするだけです。
二つの特攻兵のうち表示される命中率が高い方から強襲を開始してください。"D1"ユニットは96%と表示されているはずです。
そして実際に強襲してみると・・・成功率は65%でしたが、みごとに成功しました。
近接強襲の成功率はユニットの兵員数を元に算出されるので、この特攻兵のように兵員数が少ないユニットはどうしても成功率が低くなりがちです。それを補うためにも、充分に待ってより良い状態をとっておくことが必要です。
さて、運悪く近接強襲に失敗してしまった場合は、まず最初に抑圧を回復しましょう。
幸いなことにトーチカなどの要塞ユニットは前方しか攻撃できないので、今回のような側面攻撃は反撃される心配はありません。近接強襲は一回失敗しても、抑圧を回復できれば同じターンで再び強襲できます。抑圧が低く弾薬がある限り近接強襲は可能ですが、回数を重ねるにつれて成功率は低下していきます。
とにかく二つの特攻兵を使って早い内に近接強襲を成功させ、第五ターンを終了して下さい。
戦車強襲

第五ターンを終了したとたん、戦車の移動音がしたはずです。マップをよく見ると、道路の東側から新手のパーシングが前進してきているではないですか!!
そうです。だから特攻兵は少なくとも第六ターンまでにはトーチカを破壊しないといけないのです。特攻兵はトーチカには反撃されないものの位置はバレているので、パーシングの視界に入れば一方的な攻撃をうけて壊滅してしまうでしょう。
トーチカを破壊できたら、特攻兵は北側に1HEX後退してください。
森の中でじっとしていれば戦車にみつかることはありません。この特攻兵のような弱小ユニットは一撃離脱を旨とすべきで、欲をかいていつまでも最前線にとどまっていればまず間違いなく壊滅してしまいます。
さて、トーチカは破壊できたら今度は陸戦隊の出番です。新手のパーシングが東から迫ってきているので、現在囲んでいるパーシングを何とかしなければいけません。そう、実際のゲームでもこのようにプレイヤーを焦らせる要素がてんこ盛りなのです。悠長に敵に隣接して何ターンも待機するなんてことはそうそう簡単なことではありません。
しかし、結局はこの緊張感に耐えて可能な限り我慢することが勝利への近道なのです。理屈でわかっていることと実際に理屈通りできるかどうかは全く別の問題ですが、ここではセオリー通りにやってみましょう。
陸戦隊は7ターンまで待機するのです!

第七ターンになると、右図のように4つの陸戦隊ユニットはほぼ"In Cover"状態を獲得しているはずです。さあ、勝負です。表示される命中率は全て99%になっていますが、実際の近接強襲成功率はもっと低いはずです。4つのユニットの中で最も成功率が高いのはどれでしょうか?答えはわかりません。
ただし、成功率は兵員数を基準とするので、人数が多いユニットの方が成功率が高いはずです。しかし、攻撃に参加する兵員数は単純な規定兵員数とイコールではありません。ユニットの経験・士気・抑圧、ユニット指揮官の歩兵指揮技能値などの要素によって、実際の攻撃に参加する人数が決まるのです。
いろいろな要素を考慮して近接強襲を最初に実行するユニットを決定し、近接強襲を決行して下さい。
一発で決まりましたか?失敗すれば反撃を食らうでしょうが、決して焦ってはいけません。落ち着いて抑圧を回復し、もう一度別のユニットで強襲してください。
このパーシングは最初から移動不能ですが、ここで敵を逃がすようなことがあれば今まで我慢した時間が無駄になってしまいます。
また、近接強襲した時点でそこに歩兵がいることは敵にバレ、近接強襲された戦車を救うべく敵の援軍が殺到するでしょう。集まってくる敵をどうするかはまた別の問題です。
待ち伏せ
以上のように、こちらから敵に忍び寄る近接強襲はかなり大変だということがわかったと思います。一番大事なのは強襲成功率を高めるために数ターンじっと耐えることで、理屈ではわかっていてもこれを実行するのは本当に難しいことです。
しかし、日本軍のように戦車性能がイマイチな軍隊にとっては、"Advance"や"Assault"の攻勢時に狙った敵戦車を確実に破壊する手段として歩兵の近接強襲に勝るものはありません。では"Delay"や"Defend"戦ではどうでしょう?防御戦では対戦車砲が有効になりますが、それさえもショボい日本軍は、やはり歩兵が敵戦車を待ち伏せて近接強襲を狙うことになります。
待ち伏せ(Ambush)は、歩兵が最も得意とする戦法です。歩兵はじっとしておけば戦車に発見される確率はほぼ皆無ですが、もちろん敵もそのくらいわかっているはずなので歩兵を伴ってくるでしょう。したがって戦車を待ち伏せする時のポイントは、敵の随伴歩兵にどう対処するかという点にあります。

能書きはともかく、ちょうど東からパーシングが前進してくるので、これを待ち伏せして近接強襲を狙ってみましょう。
まず右図のような距離まで敵戦車を引きつけて下さい。
敵戦車にポイントすると"Loaded"と書いてありますね。これはその車輌に別のユニットを載せているということです。もちろん何が乗っているのかまではわかりませんが、戦車に乗れるのは歩兵だけなので敵の歩兵ユニットがいるのだなと判断できます。
歩兵を乗せた戦車に近接強襲した場合、まず乗っている歩兵との戦闘になるので近接強襲が発生しない確率が高くなります。そして近接強襲が開始されても、その威力は軽減されてしまいます。つまり、最初にやるべきことは、近接強襲を実行する前に戦車に乗っている歩兵を引きずりおろすことです。

ここでもまた擲弾筒を使いましょう。使用不能にしておいたライフルを再び使用可能にし、パーシングを狙って2〜3発撃って下さい。
擲弾筒でもライフルでも一発でも命中すれば、敵歩兵は戦車から飛び降りてしまうはずです。その結果、乗っていたのは敵司令部ユニットだと判明しましたね。
敵歩兵を戦車から降ろすことに成功したら、今度は歩兵に照準を合わせて擲弾筒が射撃します。できるだけ敵歩兵の抑圧をあげておくことで、こちらの待ち伏せユニットが発見されることを防ぐのです。
この時、あまり射撃しすぎると擲弾筒が発見されるかもしれません。しかし今回はそれでも良いのです。敵にとっては擲弾筒は唯一の見えるユニットで、何とかアイツを排除すべしと考えるでしょう。運がよければ擲弾筒がオトリの役割を果たし、敵戦車が待ち伏せポイントに突っ込んでくるかもしれないのです。
待ち伏せは受け身の戦い方なので、敵が待ち伏せポイントに来てくれなければ全く無意味になります。そこでこのような「陽動作戦」を併用して、積極的に敵を待ち伏せポイントに誘き寄せる仕掛けをするのです。
このとき、戦車を攻撃しすぎてはいけません。集中攻撃は敵を警戒させてしまう上、抑圧をあげすぎると戦車といえども退却してしまう可能性があるからです。理想的なのは「このくらいの敵なら戦車だけでも大丈夫だろう」と油断させることです。

さて、これでターンを終了すると・・・
戦車に乗っていた敵司令部ユニットは、抑圧が高すぎて戦車に乗ることも移動することもできないはずです。そして仕方なく戦車が単独で突っ込んできて自動的に近接強襲が行われるでしょう。
近接強襲は臨機射撃のように射撃するかどうかの選択はできません。つまりこの場合は、一番東側にいるユニットが近接強襲することになりますが、どうしても近接強襲したくない場合は、全ての兵器を使用不可にしておきましょう。この方法で近接強襲するユニットをある程度操作することができます。
敵ターンで待ち伏せ近接強襲に失敗しても、敵戦車だけでは"In Cover"状態の我が陸戦隊を発見することはできないので反撃される可能性は低いはずです。
第八ターンが始まったらトドメを刺してやって下さい。さらに敵司令部を壊滅させ、VHを確保しておくことも忘れずに!
これでこのシナリオは大勝利で終了できるはずです。
まとめ
この歩兵演習キャンペーンを通して、基本的な歩兵の移動・戦闘方法が理解できたでしょうか?ここで紹介した以外にも細かなテクニックはいろいろあるでしょうが、これだけでもマスターすればかなり歩兵を上手に使えるようになると思います。
SPWAWは"Steel Panthers"という名前の通り戦車戦に焦点を当てたゲームですが、同時に「戦車は無敵ではない」という事実も再現されています。つまり、戦車・火砲・歩兵という要素がバランスよくまとまった部隊こそ最強であるという諸兵科連合戦力の概念が、SPWAWを楽しむ上で欠かせない考え方と言えるでしょう。
そして、この3つの兵科の中で一番柔軟性があるのが歩兵であり、戦車も火砲も歩兵なしでは真価を発揮できないのです。歩兵を使いこなしてもっとSPWAWを楽しめるようになって下さい!