【Turn21】
<リプレイ>
・我が師団砲・重迫1・中迫3が教会周辺を砲撃
・我が中迫2が墓地に煙幕
・敵75mmが南集落の我が機関銃陣地周辺に煙幕
<分析>
またも戦闘は一切行われなかった。残り4ターン。敵は中央集落に大攻勢をかけてくるものと思っていたが、どうやらそうではない可能性が強くなってきた。もしかすると敵は攻撃を諦めたのかもしれない。
前ターン終了時に敵は75mmで中央集落に煙幕を張った。これは我が守備陣地を分断することを目的とした攻撃準備の煙幕だと考えられる。しかし、同時に100mmで南高地南東斜面を砲撃してきた。これは非常に不可解である。確かにそこには我が歩兵が密集しているので砲撃目標としてはおいしい。この付近が教会南東部にいる敵から見えている可能性はある。しかし、南高地の我が歩兵を直接攻撃できる敵部隊はいないはずだ。つまり砲撃で抑圧を与えても、トドメを刺す部隊が敵にはいない。
さらに今回のリプレイで、敵は再び75mmを使い、南集落最西端の機関銃陣地に煙幕を張ってきた。確かに、ここにいるマキシム重機2班は、南高地西側の敵に対してこれまで数々のハラスメントを行っている。ここに煙幕を張れば、南高地周辺の敵は安全を確保できるだろう。しかし、敵が中央集落を攻撃する分にはほとんど関係が無い地点である・・・。
これらの砲撃状況から考えられることは、敵は残りVHに対する攻撃を完全に諦め、これ以上の損害を出さないために防御に転じたという可能性である。こう考えると敵の砲撃は理解できる。ヤバそうなところに煙幕を張って攻撃されることを防ぎ、我が歩兵密集地を砲撃して未然に攻撃部隊の足を止めようということだろう。
しかし、VH群の確保状況から言えば敵は1:4で負けている。それなのに、まだ時間もあるのに攻撃を諦めるだろうか?攻撃したくてもできないくらい戦力が低下しているのだろうか?いや、控えめに見積もっても、敵にはまだ歩兵2個小隊、オートバイ小隊、工兵小隊、さらに戦車8両は残っているはずである。おまけに北部の支援部隊(HMG・AA・ATG・IG)はほとんど無傷のはずだ。
ただし、サトさんのプレイスタイルを考えると、この状況で攻撃を止めたとして不思議ではないような気がする。まず第一に、サトさんはゲーム上の勝敗にはこだわらない。そして第二に、いかなる状況でも勝利に繋がらない損害を出すことを非常に嫌う。したがって、全滅覚悟で全部隊突撃!や最終ターンで一か八かのVH踏みラッシュなんてことは絶対にしないだろう。
サトさんがこだわるのはリアルな戦場の雰囲気であり、本当に自分が現場指揮官だったらどうするか?という点だ。イタリア軍はすでに初期戦力の1/3以上の損害を被っている。これは実戦感覚で言えば、実質戦闘力を失った壊滅状態に相当するだろう。つまり常識的な指揮官ならば、もはや攻撃前進は不可能と諦め、これ以上の損害を出すことなく既に確保した教会を維持することを最大の目的とするだろう。
それでも、赤軍・日本軍・末期SSなら全滅覚悟で攻撃を続行してもおかしくは無いが、なんつってもヘタリア・・じゃないイタリア軍である。壊滅状態のイタリア軍が、損害をものともせずに赤軍を攻めまくるという展開はちょっとアレかな・・ともサトさんは考えているのではないか?
<今後の作戦>
敵は攻勢を諦めたという予想が当たっているなら、我々が積極的に行動しない限り残り4ターンの間に戦闘は起こらず、そのままゲームは終了して我がソ連軍はゲーム上の勝利を得るだろう。あくまでゲーム的に考えるなら、我々が取るべき作戦としては、ここ2ターンしてきたように、万が一の攻撃に備えて部隊を地味に再配置しつつ、砲兵隊だけフル稼働で阻止砲撃を行うというのがベストな選択だろう。
しかし、1942年8月、セラフィモヴィッチ橋頭堡の防衛と拡大を命じられたソ連第21軍第304狙撃師団の一大隊長ザモイロフ大佐としてはどうするべきだろうか?
我が大隊は、この名も無い高地一帯で遅滞作戦を展開することを命じられている。この地域には5つの戦略要衝があるが、敵に奪われたのは教会だけだ。我々の損失戦力は、約3個小隊分の歩兵と戦車1両である。そして、敵には1/3以上の損害を与えており、敵がこれ以上攻撃してくる気配はない。我々は独力でおよそ2時間持ちこたえれば、増援部隊なり新たな命令なりが来ることになっている。上級司令部からの伝令が来るその期限まであと30分弱。
戦況は我々が優勢だ。数々の間違いを犯し、それ以上の幸運に助けられたにせよ、現時点での結果を公正な神の視点から判断するならば、ザモイロフ大佐の采配は失敗ではなかったと言えるだろう。だがソ連邦に神はいない。赤軍指揮官の采配の妥当性を判断するのは神ではなく、軍事知識のない政治将校や前線の実態を知らない上級司令部なのだ・・・。
「同志大佐、敵は攻勢を諦めたようですね。墓地の北側に移動中の20mmAAが見えます。守りを固めているようです。」
「・・・」
「このままじっとしてれば任務達成ですね。いや、この苦しい戦いをよく切り抜けました。さすが大佐です!」
「・・・」
「正直言って、大佐のことを傲慢で自己中で見栄っ張りの低脳俗物野郎だと思ってましたが、完全に私の間違いでした。」
「・・・」
「こんなイヤミにも反応しないなんて・・まだ敵の攻勢を心配してるんですか?」
「・・敵は我々を油断させて何かを企んでいる可能性はあるな。」
「でも時間をかければ状況は我々に有利になるだけでしょう?じっとしてればいいじゃないですか。」
「君はこの状況に満足してるのかね?」
「もちろんです。この地域で遅滞戦を展開するという任務は成功目前じゃないですか!」
「言われたことだけやればいいという考えでは出世せんぞ。」
「・・・」
「我々はまだ勝利を手にした気になっているに過ぎん。確実にいえるのは、大敗北は免れたということだけだ。」
「まあ確かに敵の出方次第ではどうなるかわかりませんが・・。だからこそ守りに徹して優勢を確実にするべきでしょう。」
「いや、攻撃が必要だ。攻撃は最大の防御とも言うだろう?」
「馬鹿な!今さらどこを攻めるというんです?!敵は教会周辺の守りをガチガチに固めてますよ!」
「それはわかっている。もはや教会を奪還するのは不可能だ。しかしこのままジッとしているのも芸がないだろう?」
「この状況で攻めに出て無駄な損害を出すよりよほどマシです!その機に乗じて敵は一気に攻勢に出るかもしれませんよ。」
「そう。まさに目的はそこだ。このままでは敵は攻撃してこない可能性が高い。しかし我々が先に攻勢に出れば・・」
「偽装攻勢で敵を釣り出す?!」
「敵を攻める気にさせるにはそれしかないだろう。」
「・・・しかし・・損害を出した挙句、中央集落を取られる可能性もあるのでは・・」
「まあ絶対安全とは言い切れんな。下手をすると南集落まで急襲される可能性もある。」
「今回確認した北部AAは我が司令部を視界に入れましたよ。本陣も危険では?」
「本陣を襲える敵部隊はオートバイの生き残りと戦車だけで到達には2ターンはかかる。もはや本陣襲撃の可能性は低い。」
「だとすると敵が出てくるなら・・やはり中央集落ですか。」
「そうだ。敵は教会を中心に中央集落を包囲するように弧を描いて布陣しているはずだ。」
「そこに突っ込む部隊は全滅必至では?敵が誘いに乗らなかったらまるで無駄死にですよ!」
「もちろん正面から突入する気はない。損害は少ない方がよいのは当然だ。」
「ではどこを攻撃するのです?」
「南高地西側だ。タンクデサントを編成してロジーナ隊を使う。」
「確かに南高地は最も手薄でしょうが・・そんなとこを攻撃して敵は中央集落攻撃を決意しますか?」
「T-34が歩兵を連れて3両姿を現すのだ。つまり中央集落に我々の戦車はいないことになる。」
「そうか・・それに加えて若干の歩兵が突入すれば・・」
「それでも敵が動かない可能性は残る。しかし、これまでほとんど活躍していない敵戦車はウズウズするはずだ。」
「L6は対歩兵なら強いですしね。T-34がいないとわかれば・・最後のチャンスと見て出てきそうな気もしますね。」
「まあ最悪敵が出てこなければそれでも良い。ロジーナ隊が戦果を伸ばせば良いのだ。」
「T-34が3つもあれば南高地の敵を全滅させることも可能かもしれませんね。」
「当然リスクはあるが、じっとしているよりは魅力的な作戦だろう?」
「しかしなぜそこまで攻撃したいのです?」
「攻撃できるチャンスがありながら何もしなければ上級司令部は私の敢闘精神を疑うだろうからな。」
「結局は保身のためですか・・」
<攻撃準備>
「作戦を説明する。今ターンはわずかな偵察行動と砲撃・移動準備だけを行い、実際の攻撃は次ターン開始とする。」
「敵ターン後に砲弾が落ちるようにして、次のターンで歩兵とロジーナが一斉攻撃ですね。」
「作戦参加部隊はタンクデサントT-34×3、歩兵2個小隊、徴集兵1個小隊だ。」
「おお・・本格的な諸兵科部隊の攻撃ですね!」
「作戦成功の鍵は事前にATGを無力化しておくことだ。目標地域にはATGが3門いるはずだ。」
「そのほかの問題はIG2、セモベンテ2ですね。あとは軽迫とゾロターン、歩兵は2個分隊程度でしょう。」
「今ターン、南高地一帯には砲兵の大部分を使って遅延0.4で大砲撃を行う。撃ちもらす敵はわずかだろう。」
「師団砲も0.1で撃つより0.3の方がよくないですか?0.1だと敵ターンで抑圧回復されますよ?」
「いや、師団砲は常に0.1で砲撃している。ここで砲撃タイミングを変更すると攻勢を察知される可能性がある。」
「なるほど納得です。」
「さらに敵の攻勢を誘うために教会周辺の砲撃は中断する。」
「敵前線への砲撃はやめて動けるようにさせておくわけですね。」
「また、敵の攻撃に備えて重迫1門は中央集落最前線に浮動照準を置いておく。」
「なるほど。偵察兵が再び補給車を見つけたので、敵の反撃阻止のために南の迫撃砲も狙います。」
「本作戦の真の目的は、敵に中央集落への攻撃を決意させることにある。そこで二段階作戦をとる。」
「ほおほお」
「まず次ターンから始まる第一段階の目的は南高地周辺の敵を一掃すること。優先目標はATG、セモベンテ、歩兵の順だ。」
「なぜ歩兵が最後なのです?これまでどおり真っ先にベルサを叩くべきでは?」
「目標地域のベルサは壊滅状態で脅威ではない。それより対戦車戦力を奪うことで北のセモベンテに救援を決意させるのだ。」
「セモベンテは唯一T-34に対抗できる切り札ですからね。何もしないで戦友を見捨てるのは辛いでしょうな。」
「あくまで敵が動かなければ、教会南端まで北上しつつ攻撃を続ける。時間的にそこが限界だろう。」
「途中で敵が動いたら?」
「即座に第二段階に移行する。歩兵は現在地を守って南への突破を防ぎ、ロジーナは直ちに移動して敵戦車隊を粉砕だ。」
「ロジーナの再配置は間に合いますか?」
「運がよければ1ターンで中央集落まで戻れる。最悪でも2ターンだ。途中でスタックする可能性はあるがな。」
「歩兵部隊は大丈夫ですか?敵も砲撃するでしょうし・・・」
「敵には2個小隊分の壁を突破できる歩兵はないはずだ。次ターンの先制攻撃さえ決まれば南高地は安全だ。」
「う〜ん・・・何だか隙だらけの思いつき作戦のような気もしますが、コードネームくらい決めて格好をつけましょう。」
「では第一段階を『ミーシャ』、第二段階を『ミェドヴィエーチ』とする。」
「可愛い熊と凶暴な熊って感じですね。ま、悪くないでしょう。では準備に取りかかります。」
<ターン終了時>
・我が師団砲が南高地北部を砲撃
・敵81mmが中央集落建物を砲撃(命中)
Attachment: turn21.gif