Victory Condition

Last updated on May. 12, 2007

ゲームの終了条件

次の条件のいずれかを満たすと、シナリオが終了します。

制限ターン

turn limitation

各シナリオは制限ターン数が決まっており、ゲーム画面右上の風景が表示されている情報ウィンドウにカーソルをポイントすると表示されます。しかし、制限ターンぴったりに必ず終了するとは限らず、前後1〜2ターンのブレがあります。例えば、右図の例で言えば、制限ターンが12なので、だいたい10〜14ターンの間で終わるということです。ということは、現在9ターン目なので、あと1ターンで終わってしまうかもしれないし、あと5ターン続くかもしれないのです。

これは、「戦闘の終了時期が正確にわかるのはリアルじゃない!」というコダワリからくるSPWAWの仕様です。いつ終わるかわからないと、プレイヤーは早め早めに行動することを強いられます。また、終了ターンがはっきりとわかってしまうと、後攻プレイヤーが最後のターンにいわゆる「ラッシュ」をかけることができ、先行プレイヤーには為す術がないというターン制ゲームの欠点を補う意味もあるようです。

ただし、シナリオによって制限ターンに対する「本当の」終了ターンの幅はかなり違うようです。最も大きく影響するのがマップの大きさで、大きいほど終了ターンが長くなる傾向があり、ランダムバトルではこの傾向が最も強くなります。また、片方の陣営が一つも勝利ヘックスを確保していない場合は、次に説明する「士気崩壊」による早期終了に繋がってしまいます。


士気崩壊

Morale Broken

士気崩壊(Morale Broken)は、全軍の士気が極度に低下して戦闘が継続できない状態をシミュレートするもので、制限ターンに関係なく一定の条件が整えば発生します。

士気崩壊が発生する条件は次の通りです。


この条件が整った時点で、勝利目標(Victory Objective)を一つも確保していないと画面右下の情報ウィンドウに、"xxx Force Morale Broken!"(xxxは国籍名)と表示され、即座にシナリオが終了してしまいます。

1個以上の勝利目標を確保している場合は、士気崩壊が発生してもシナリオは終了しませんが、それ以降のターンでは、ターン終了時の自動回復が始まる直前に、全ユニットに抑圧値が9づつ加算されていきます。したがって、士気崩壊発生以降は、指揮官能力が低いユニットは最低でも釘付け状態になってしまい、苦戦することになります。

降伏

Surrender

ゲーム中に"F9"キーを押すと、"Do You Really Want To Surrender?"という確認メッセージが表示され、さらに"Y"キーを押すと、降伏することができます。
この降伏の申し込みを対戦相手が受け入れた場合、即座にゲームは終了します。この場合、たとえ得点で勝っていたとしても、降伏を申し入れた陣営が壊滅的敗北(Crushing Defeat)になります。


ゲームの勝利条件

SPWAWの勝利条件は、対AI戦か対人戦かによって異なりますが、基本的にはゲーム終了時点での勝利ポイント(Victory Point)の獲得率によって勝敗が決定します。勝利ポイントを多くとった方が勝ちではなく、あくまで相手とのポイント比率により決定される点に注意してください。

対AI戦での勝利条件

対AI戦(コンピュータ戦)での勝利条件は、下表の通りです。勝利ポイント比率の項は、「人間側プレイヤー:AI側プレイヤー」の比率で、結果の項は「人間側プレイヤーから見た結果」を示しています。

人間側プレイヤーが勝利を収めるには、最低でも獲得勝利ポイントに3倍の差をつけなければいけず、決定的勝利を収めるには6倍もの差をつけなければいけないのです。勝利目標地点を確保し、敵ユニットをより多く破壊するのはもちろん、自軍ユニットの被害を如何に抑えるかが勝利の鍵になるでしょう。

ただし、全てのシナリオがこの原則に沿っているわけではありません。シナリオによっては5.*:1でも決定的勝利になることもあるようです。

勝利ポイント比率結果
1:3以下Crushing Defeat(壊滅的敗北)
1:3〜3:1Draw(引き分け)
3:1〜6:1Minor Victory(やや勝利)
6:1以上Decisive Victory(決定的勝利)

対人戦での勝利条件

対人戦での勝利条件は、下表の通りです。勝利ポイント比率の項は、「プレイヤー1:プレイヤー2」の比率で、結果の項は「プレイヤー1から見た結果」を示しています。

対AI戦の勝利条件に比べて、わずかに勝敗比率は小さくなっていますが、それでも決定的勝利を収めるには6倍以上の差をつけなければいけません。相手のレベルにもよりますが、AIのように行動パターンが読めない人間相手にこれだけの差をつけるのは至難の業でしょう。

勝利ポイント比率結果
1:2以下Crushing Defeat(壊滅的敗北)
1:2〜2:1Draw(引き分け)
2:1〜6:1Minor Victory(勝利)
6:1以上Decisive Victory(決定的勝利)

勝利ポイントの獲得方法

勝利ポイントを獲得するには、次の2種類の方法があります。

勝利目標

勝利目標ヘックスには"End of Game"・"Control"・"Exit"・"Strategic"・"Reactive"の5種類があり、それぞれ勝利ポイントを獲得する仕組みが違います。詳しくは別の機会に説明しますが、ここでは代表的なもの2つだけを説明します。

EOB VH

最も多用される勝利目標ヘックスの種類は、"End of Game(EOB)"式です。これは、シナリオが終了した時点で確保している陣営に勝利ポイントが加算されます。通常、1シナリオには勝利目標が21箇所あり(実際に有効なものはもっと少ないことが多い)、各目標にはあらかじめ独自の勝利ポイント値が設定されています。全てを確保するのが理想的ですが、戦況によっては一部しか確保できないこともあるでしょう。そういう場合は、勝利ポイント値の高い目標から優先的に確保しましょう。


PPT VH

シナリオの中には、勝利目標を確保したターン数に応じて、勝利ポイントが与えられるものもあります。これは"Point per Turn(PPT)"と呼ばれる種類の勝利ヘックスを使用しています。勝利ヘックスをポイントすると、右図のように"20 Per Turn"という具合に、1ターンあたりに獲得できる勝利ポイント数が表示されます。この場合、なるべく速く占領し、長期間確保しておく必要があります。


ユニットの破壊・損害

Unit Value

ユニットの価値(Value)は、ユニット上で右クリックして表示されるユニット詳細画面の"Value"の項に示されます。右図はドイツ軍のオートバイ分隊の例ですが、"25×1=25"のように表示され、「コスト25のユニット×価値修正値1=ユニット価値25」ということを意味しています。

ほとんどの場合、ユニット購入画面で表示されるユニットコスト(Cost)が、そのままユニットの価値となり、勝利ポイントとして加算されます。つまり、図の例では価値25のオートバイ分隊が全滅すれば、敵の勝利ポイントに25が加算されます。

また、全滅しなくても、ユニットの一部が損害をうけるだけでも、相当するコスト分が敵の勝利ポイントに加算されます。図のオートバイ分隊は、現在員を示す"Men"の項には9、"Damage"の項に"1"とあるように、10人編成の部隊に1人死傷者が発生していることがわかります。この場合、全体の価値25を10(人)で割った2.5ポイントが敵に加算されることになります。

歩兵だけを例にとると分かりやすいのですが、ユニットに対する損害は全て勝利ポイントに変換されることに注意してください。忘れやすいですが、戦車などの車輌乗員、火砲の砲手、マップ上に表示されない盤外火砲や航空機の損害も含まれます。また、放棄された(Abandoned)車輌や砲は、ゲーム終了時点で勝利ヘックスの過半数を確保している陣営の勝利ポイントに加算されます。これは、「戦闘地域を支配している陣営のみ、戦闘が終了して敵が退却した後に、放棄された敵兵器を捕獲できる」という現実をシミュレートしたルールです。

ただし、シナリオによっては、シナリオ作成者によってユニットの価値が修正されており、コスト=勝利ポイントとならない場合があります。また、"True Troop"設定を有効にしている場合は、ユニットのコストに経験値が考慮されることにも注意してください。