一般に、工兵(Engineer)は橋梁・設備の構築を目的とする「施設工兵」と、より直接的な戦闘支援を目的とする「戦闘工兵」に大別されます。しかしSPWAWでは1シナリオのタイムスケールが1時間(20ターン)程度なので、架橋や建設といった要素は含まれません。したがってSPWAWに登場する工兵は全て「戦闘工兵」であると考えて良いでしょう。
戦闘工兵の役割は、敵弾の降り注ぐ最前線で地雷などの障害物を除去し、通常歩兵では対処できない強力な敵施設(トーチカなど)を爆破して友軍の進路を切り開くことです。「先駆者・開拓者」を意味する"Pioneer"の語源は、常に最前線で戦う戦闘工兵に由来しているのです。
工兵の機能

隣接HEXから障害物を除去できるユニットには、特殊能力として工兵能力(Engineer Ability)が付与されています。
この工兵能力を持つユニットには、工兵(Engineer)クラスに分類される歩兵系のものと、工兵戦車(Engineer Tank)や地雷除去戦車(Mineclear Tank)クラスに分類される車輌系のものとがありますが、以下では歩兵系の工兵ユニットを中心に説明していきます。
工兵は他のユニットにはない以下のような機能を持っています。
- 障害物の探知・除去能力に優れる
- 地雷を敷設できる
- 建築物や橋梁など、特定の構造物や地形を爆破できる
- 友軍ユニットの改良状態の獲得時間を短縮できる
地雷原の探知
SPWAWでは有刺鉄線、対戦車障害、地雷という3種類の障害物が登場します。有刺鉄線と対戦車障害は地上にあるので距離が離れていても発見するのは容易ですが、地中に埋設されている地雷は最も発見が難しい障害物です。
ほとんどのユニットにとって地雷の探知は難しく、偵察ユニットでも実際に地雷HEXに進入しないとその存在を探知できないことがほとんどです。
しかし、工兵ユニットは地雷HEXに隣接しただけで発見できる可能性が高くなっています。ただしこの探知確率は、経験・抑圧・移動速度によって左右される他、国籍特性によっても変化するようです(例.独は高くソ連は低いなど)。
また、工兵は1HEX移動で地雷HEXに進入すると高確率で地雷を探知でき、進入・退出時に地雷を爆発させる可能性も他のユニットより少ないという特典があります。
障害物の除去

工兵は、全ての障害物を他の歩兵ユニットよりも速く除去することができます。また、対戦車障害(Dragon Teeth)を除去できるのは、工兵ユニットだけです。ただし、他の歩兵と同じく、抑圧値が高いと障害物を除去できないことがあります。
工兵は、他の歩兵ユニットのように障害物のあるHEX内に進入するだけでなく、障害物に隣接したHEXに位置し対象HEXの方向を向くだけでも障害物を除去することができます。この機能は地雷除去の際には大きなメリットで、地雷を踏む危険を冒さずに地雷を除去することができます。
障害物HEX内で除去する場合は特別な操作は必要ありませんが、障害物HEXに隣接して除去する場合は、工兵ユニット上で右クリックして詳細画面を表示させ、"clear mines in front of unit"と表示されていることを確認してください。
さらに、必ず障害物の方向を向いておく必要があるので、工兵ユニットを選択した状態で、障害物のあるHEXを右クリックしておきます。
地雷の敷設

ゲーム中に地雷が敷設できるのは工兵だけの機能です。なお、配置画面での地雷敷設と異なり、工兵によるゲーム中の地雷敷設には、シナリオ開始前に地雷ユニットを購入しておく必要はありません。
地雷を敷設するには、工兵ユニット詳細画面で、"clear mines in front of unit"と表示されている欄をクリックし、"will place mines in front of unit"という表示にしておく必要があります。
この状態でターンを終了すると、向いている方向の隣接HEXに地雷を敷設し続けます。地雷を敷設する速度は、経験・抑圧・地形などの要素で異なりますが、通常は1ターンに0〜2個程度敷設します。
工兵が1ターンで敷設できる地雷は少ないため、事前地雷を配置できる防御(Defend・Delay)シナリオでは効果が薄いでしょうが、事前地雷を配置できないシナリオではこの機能が抵抗地点の強化に役立つかもしれません。
VH周辺や重要地点に工兵を配置してゲーム開始時から地雷を敷設し続ければ、ゲーム中盤には10個以上の地雷を敷設できるでしょう。
また、これはバグのようですが、工兵がゲーム中に敷設した地雷は地雷を除去する設定に変更しても、そのままでは除去できないようです。工兵が敷設した地雷を除去するには、一度その地雷HEXを誰かが踏んで、地雷の存在を再発見する必要があります。再発見後は通常通り除去できるようになります。
特定地形の爆破

携帯爆弾や火炎放射器を装備する工兵は、橋梁、木造・石造建築物、生垣(Hedge)・石壁(Stone Wall)などの特定の地形HEXを爆破・破壊できます。
破壊に成功するとこれらのHEXは荒地(Rough)になります。また、対象HEXに敵が潜んでいる場合は、構造物もろとも爆破することもできます。
破壊方法は、直接射撃(Direct Fire)モードで対象HEXに発砲するだけです。ツールバーの"Direct Fire"ボタンをクリックするか、キーボードでは"Z"キーを使います。破壊成功率には、経験値を含むユニットの質や移動速度などが影響します。
ちなみに火炎放射器を装備していれば、地雷HEXに発砲することで、地雷を除去することも可能です。また、爆薬や火炎放射器でHEXを直接射撃すると、対象HEXに火災が発生する可能性があります。
火災は風向きにしたがって延焼することもあり、士気の低いユニットは火災が発生するだけで抑圧が急上昇し状態が悪化します。したがって、敵が隠れていると思われる付近のHEXに「放火」するのも有効な方法です。
改良状態の獲得時間短縮
工兵は、友軍ユニットに隣接することで、そのユニットが"In-Cover"状態を獲得するのに必要な時間を短縮できます。
例えば、工兵に隣接している通常歩兵は、より速く"In-Cover"状態を獲得できます。この機能は、「工兵は地形分析能力に優れ、HEX内にある遮蔽物となるものを発見しやすい」という特性をシミュレートしています。
これは非常に地味な機能ですが、覚えておくと結構役にたちます。強力な要塞や塹壕にこもった敵歩兵に対する場合、接近した友軍歩兵が銃撃戦を開始する前などに、この工兵支援機能を積極的に利用しておくと、速やかに"In-Cover"状態が取れるので戦闘を有利に進めることができます。
工兵の戦闘方法
工兵は一見すると通常歩兵と同じようなユニットに見えますが、他の歩兵と異なる点も少なくありません。最大の違いは上述のような機能面にありますが、よく見ると装備も通常歩兵とはかなり違うことがわかります。装備が異なるということは、戦い方も異なるということです。工兵に適した戦闘方法を理解しておきましょう。
工兵の装備

ほとんどの工兵ユニットは、火炎放射器(Flame Thrower)や携帯爆弾(Sachel Charge)などの特殊兵器を装備しています。火炎放射器は、あらゆる地上ユニットを一撃で破壊できる可能性があり、歩兵の扱う兵器としては最も強力です。しかしこれらの兵器は射程が1しかないという点を忘れてはいけません。
右図は大戦初期の日本軍工兵ユニットのデータです。第一兵器は「ベ式短機関銃」ことベルグマン短機関銃(Bergmann SMG)、第二兵器は「九七式手榴弾(Type97 Granede)」、第三兵器は「九三式火炎放射器(Type93 Flame)」、第四兵器は「携帯爆薬(Satchel Charge)」をそれぞれ装備しています。
そしてこれら4種の兵器の射程を見ると、最も射程が長いのはベ式短機関銃の4HEX(200m)で、その他の兵器は全て射程1(50m)なのです。
すでに「歩兵への道」を読んでいる方は、通常歩兵と工兵の装備の違いがはっきりわかったはずです。通常歩兵は第一・第二兵器にはライフルや軽機関銃などの射程が10前後の中距離戦用兵器を装備しているのに対し、この工兵は近接戦闘用の兵器しか装備していません。
もちろん国籍や年代によって、工兵の装備する兵器には違いがあります。例えばドイツ軍の工兵は、第一・第二兵器にはそれぞれ短機関銃と軽機関銃を装備していますが、通常歩兵と比較した場合、兵器の射程距離は短めに設定されています。
つまり、工兵は通常歩兵のように距離をとって撃ち合うには適していないユニットなのです。
「歩兵への道」で説明したように、この工兵の「最適な交戦距離」を考えてみましょう。各兵器のACCを見ると、SMGだけ2で残りは全て1です。ならば2HEXで交戦するのが適しているといえるでしょうか?
確かにSMGの殺傷力(Kill値)は同時期のライフルより高いですが、2HEXで交戦するとSMGしか使えず、数値通りの効果は望めません。2HEXの距離で通常歩兵と撃ち合えば、まず間違いなく負けてしまうでしょう。
ということは、この工兵の「最適な交戦距離」は1HEXとみなすべきでしょう。こう考えると、工兵は強力な兵器を装備していますが、随分使いにくいユニットだと言えるでしょう。
近接強襲
以上のように考えると、少なくとも日本軍の工兵は距離をとった戦闘には適していない代わりに、敵に隣接すれば無類の強さを発揮できることがわかります。
隣接した場合の装甲貫通力(Pen値)は、火炎放射器が150、携帯爆薬が120で、これらの攻撃を浴びて生き残れる装甲車輌は皆無でしょう。もちろん対歩兵戦でも隣接して攻撃すれば、一撃で全滅させることも充分可能です。
そう言われても、「歩兵演習」を体験した方は近接強襲の難しさを実感しているはずで、近接強襲しかできない工兵ユニットなんて使えないと思うかもしれません。しかし、同じ近接強襲でも工兵がやる場合は、通常歩兵より簡単になるのです。
近接強襲において工兵が優れている点は、次の通りです。
- 改良状態の獲得時間が短い
- 強襲成功率をあげる強力な兵器を持っている
上記二点の他にも、一般的に工兵は、通常歩兵よりも経験値、射撃精度(FC;Fire Control値)が高いという点でも有利です。したがって、工兵が近接強襲を行えば、成功率は普通歩兵の場合より高くなることは間違いありません。
しかし、近接強襲はリスクが大きいのも確かです。近接強襲に失敗すれば膨大な抑圧を被り、さらに運が悪ければ反撃され損害が発生します。抑圧除去に成功しても、近接強襲は1ターンに連続2〜3回しか行えず、成功率はどんどん低下していきます。
工兵は普通歩兵より高価なので、できるだけ温存したいのが人情です。さらに、近接強襲はハードスキン相手にしか実行できません。
選択射撃
近接強襲の最大のデメリットは、成功か失敗かを一撃に賭けなければならないという点にあります。近接強襲では強襲が成功するか失敗するかの判定だけが行われ、個々の兵器の射撃効果は無視されます。
このシステムでは、火炎放射器や爆薬などの命中しなくてもダメージを与えられる兵器を持っているユニットは不利になることがあります。つまり、火炎放射器だけで攻撃した方が近接強襲に賭けるより敵に損害を与えられる可能性があるのです。
このように考えると、工兵にとっては「敵に隣接し近接強襲しないで攻撃する」という方法が効果的だとわかります。つまり、敵に隣接して、最も強力な兵器だけを使って攻撃するのです。敵に隣接した状態で敵ユニットをクリックすれば近接強襲になりますが、照準ボタンと兵器選択ボタンを使えば個別の兵器だけで攻撃することができます。
具体的な攻撃手順は、次の通りです。
- 照準ボタン(Tキー)を数回押して隣接した敵を選択する
- 兵器選択ボタン(Cキー)を押して、使用する兵器番号を入力する

照準ボタンで敵を選択すると、画面下部のユニット情報欄の左下にある"Target"欄に敵ユニット名が表示されます。一度照準選択すると、敵を見失うか照準を変更するまで照準は維持されるので、二回目以降の攻撃ではこの手順は省略できます。また、ターンを進めても照準欄に敵が表示されている限り、この手順は省略できます。

兵器選択ボタンを押すと、右図のようなウィンドウが表示されるので、使用したい兵器番号をキーボードから入力します。この時使用できる兵器は一回につき一つだけなので注意して下さい。また、照準が選択されていない状態では、この画面は開きません。
近接強襲 vs 選択射撃
選択射撃テクニックは、工兵以外のどのユニットでも使用できますが、工兵が近接強襲の発動を避けるために利用するのが最も効果的でしょう。特に、火炎放射器や携帯爆薬などの命中しなくても抑圧を与えられる兵器から使用した場合、最初の攻撃で膨大な抑圧を与えられるので、反撃される確率が大きく低下します。
近接強襲と比較して、この攻撃方法のメリットをまとめると次のようになります。
- 射撃回数のある限り何度でも攻撃できる
- 移動直後でも攻撃できる
- 一度に一つの兵器しか使用しないので発見されにくい
- 最も効果のある兵器から射撃することで、反撃確率を低減できる
- ハードスキン、ソフトスキンの両方に使用できる
- 近接強襲の失敗に伴う抑圧ペナルティをうけない(反撃されない限り抑圧を受けない)
- 数回の選択射撃後でも近接強襲が可能
戦車やトーチカなどのハードスキンを相手にする場合、見つかりにくいという点は大きなメリットです。近接強襲は失敗すればほぼ確実に見つかってしまうので、反撃される確率は非常に高くなります。ユニットの経験値にもよりますが、この選択射撃で攻撃すれば2〜3回は見つからずに攻撃できる可能性があります。
また、火炎放射器を持っている工兵が歩兵を相手に戦う場合もこの方法は非常に効果的です。ソフトスキンに対して普通に隣接攻撃する場合、兵器番号順に射撃が行われ、兵器ごとに射撃効果が算定されます。通常、火炎放射器は第三・第四兵器として装備しているので、運が悪ければ最も強力なこれらの兵器を射撃する前に敵が逃げ出してしまう可能性があります。
ソ連軍や日本軍の歩兵は、退却・潰走状態で攻撃を受けると釘付けや準備状態に復帰する可能性があるので、中途半端な攻撃を仕掛けるのは禁物です。隣接したら一番最初に火炎放射器を選択射撃して、立ち直れないくらいのダメージを与えておきましょう。「燃やしておいてタコ殴り」が合い言葉です。
運用上の注意点
どんなユニットにも弱点がありますが、工兵も例外ではありません。適切に運用するには、己の長所とともに短所も正しく知っておく必要があります。
銃撃戦
これまで説明したとおり、工兵の最大の弱点は通常歩兵に比べて交戦範囲が狭いということです。ドイツ軍や米軍の工兵などは軽機関銃を持っているので日本軍工兵に比べればはるかにマシですが、それでも通常歩兵と距離を取って撃ち合えば不利な戦いを強いられます。
通常歩兵に撃ち負けるのは、兵員数の少なさにも原因があります。通常歩兵分隊の定員は10名以上であるのに対し、工兵分隊はこれより少ないことが多いのです。また、工兵は通常歩兵より価格が高いことも忘れてはいけません。通常歩兵と撃ち合ってキルレシオが五分であっても、工兵は値段が高い分損をすることになるのです。
これらを考えると、工兵はできるだけ銃撃戦を避けた方が得だと言えます。そのためには、工兵を援護するユニットを同伴させておくことが必要です。
移動
工兵のもう一つの欠点は足が遅いことです。工兵は重装備なので、通常歩兵より移動力が1〜2ポイント少なく設定されています。この移動ポイント差の悪影響は、移動距離が長くなるほど顕著になります。
例えば通常歩兵と工兵の小隊が平地を横隊で前進すると、ターン経過とともに両小隊の距離は大きく開いていきます。工兵は敵に接近しないと威力を発揮できないので、前線への到達が遅れるのは致命的です。
足の遅い工兵が素早く移動するには、輸送用の車輌を用意する必要があります。車輌で移動することを前提にしてある工兵ユニットは、「自動車化工兵(Motorized Engineers)」や「機械化工兵(Armed Engineers)」というクラスに分類されおり、車輌とセットで購入できるものもあります。
機関銃を積んだハーフトラックやAPCを伴う工兵は、通常歩兵との銃撃戦で悩まされることもありません。安全な地点まで車輌で移動し、その後最前線までは徒歩移動するという方法で行軍すれば、工兵のメリットを最大限に発揮できます。
ただし、日本やソ連などの貧乏国は専用ハーフトラックを用意するのは難しいので、ただの非武装トラックに輸送させるしかないかもしれません。そうすると、工兵とトラックを守るためにさらに別の支援ユニットを用意する・・・という部隊の肥大化に繋がる恐れがあります。
工兵を支援する余力がない場合は、思い切って戦車に載せてしまうという手もあります。戦車の搭載量が少ない場合は余剰兵員を切り捨てる必要がありますが、もともと工兵は兵員数が少ないので無視しても構わないでしょう。こうすれば余分な輸送手段を用意する必要もなく工兵を速やかに輸送できる上、工兵を載せている戦車も近接強襲から身を守ることができます。
ただし、歩兵を戦車に乗せる場合はハーフトラックなどとは異なり、車輌内部ではなく外側に乗せることになるので、ちょっとした攻撃を受ける度に抑圧を受け降車してしまうという欠点があります。
障害除去
すでに説明したとおり、工兵の重要な役割は障害物の除去です。地雷なら気づかずに通過できる可能性もあり、百歩譲って運を天に任せて突っ込むという方法も取れますが、対戦車障害が張り巡らされている場合は、工兵が隣接して除去しない限り車輌は一切前進できなくなります。
ほとんどの場合、障害物は敵から見える地点に配置されているはずです。つまり、障害物を除去する工兵は、敵から狙い撃たれる地点にいることを忘れてはいけません。敵は工兵さえ撃退すれば障害物を効率的に除去できなくなると考えるので、直接射撃だけではなく間接射撃をも使って、工兵の除去作業を阻止しようとするでしょう。
敵の攻撃をかいくぐって障害物を効率的に除去するには、いくつかのセオリーがあります。大原則は、
1ユニットの工兵は1ターンに最低2個の障害物を除去できるとして、4ユニットからなる工兵小隊があれば、1ターンあたり8個の障害物を除去できます。通常、障害物は10個単位で配置されるので、2ターンあれば1HEX分の障害物を完全に除去できるでしょう。
もちろん、地形や友軍の配置と規模によっては、2ヶ所以上で障害物を同時に除去したい場合もあるでしょう。それでも障害物を除去するHEX数は常に最低限に抑えるべきです。1HEXでも進路を切り開ければ、行軍を続けられるからです。
複数の工兵ユニットを除去したいHEXに隣接させるには、どうしてもスタックさせる必要があります。工兵は移動力が少ないので、徒歩移動でスタックさせようとすると時間がかかってしまいます。
したがって、スタックさせる場合には移動力の豊富な輸送車両をフル活用しましょう。こうすれば一個小隊の工兵を1ターンで除去地点に配置することができます。
障害物を効率的に除去するには、集中運用の原則以外に次のような手順を踏む必要があります。
- 除去地点の前面(敵陣側)数HEXに渡って火砲が煙幕を張る
- 完全に除去地点の視界を封鎖したことを確認して工兵を配置する
- 除去作業完了前に突入部隊を待機させておき、その他は展開しておく
ポイントは、工兵の除去作業を邪魔されない環境を作っておくことと、除去作業が終了次第速やかに突入できる快速部隊(歩兵と装甲車輌からなる偵察部隊)を待機させておくことです。
除去地点が1HEX分しかない場合、全てのユニットがその地点を通過することになり、進軍がスムーズにいかないことがあります。部隊が混み合っている地点を敵火砲に砲撃されると致命的なので、除去地点付近には工兵と突入部隊だけを配置しておき、その他の部隊は安全な地点で待機しておくべきです。
ちなみに、対AI戦ではこの程度の手順で充分ですが、対人戦では除去地点を特定されないようにするため、煙幕で隠す地点を複数箇所用意しておいた方がよいでしょう。
しかし、どれだけダミー地点を用意しても、除去作業が始まると除去地点が敵に判明してしまう(障害を配置した敵には残り障害数が分かる)ので、できるだけ1ターンで全ての障害物を除去できる体制を整えておくことが重要です。