【シナリオ解説】
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このシナリオは、極小マップでユニットも極端に少ないものの、戦後の強力な戦車が殴りあうのが特徴です。全体に散らばるEOB50VHの価値はかなり低いですが、3箇所のPPT10はできる限り押さえたいところです。
しかし、VHにばかり気を取られていると、最終的な勝利は望めません。何しろ、登場する戦車のほとんどが1台で200点超とA0司令部よりも高価なので、圧倒的なポイント差勝利を狙うには、敵戦車を全滅に追い込むことに加えて、自軍戦車の損害を極力減らすことが必要になります。
【予想される作戦−米軍】
米軍戦力は、はっきり言ってやや不利です。ソ連戦車を正面から打ち抜けるのは、ジャクソンとパットンの計4両だけ。チャフィーとバズーカ装備のM20は、まともに勝負すると絶対に勝ち目がありません。一方、歩兵でも近接強襲が通用しそうなのは1ユニットだけです。
さらに悪いことには、頼みのジャクソンは3ターン、パットンは5ターンで増援されます。ということは、最初の2ターンの間は、M20と歩兵だけで何とか対応しなければなりません。参考までに、2ターンまでに出てくるソ連軍戦車は、T-70×1、IS-4×1、ISU-122×2です。
そんな米軍に唯一味方するのは、地形です。主戦場になりそうなPPTのある台地は、米軍開始地点から近く、この台地の東、北東、北には高地があります。また、台地周辺の低地帯に位置すれば、ソ連軍の視界から消えることも可能です。
序盤2ターンを何とか凌ぎ、3ターン以降はこれらの地形を利用して、必ず西から来ると分かっているソ連軍をどれだけ待ち伏せ、狙い撃ちできるかが米軍勝利のキモでしょう。
【予想される作戦−ソ連軍】
ソ連軍戦力は、数でも質でもかなり有利です。T-70を除けば、どの戦車でも米軍戦車を簡単に打ち抜けるものばかりで、その数実に9両!おまけに、突撃歩兵3ユニットは近接強襲も余裕でこなせる装備です。
あえて言うなら、ソ連軍の不利は、地形、後手番であること、増援が逐次投入されることでしょうか。最悪の展開は、強力な戦車がバラバラに、PPTの台地を囲むように待ち構える米軍の火網の中に飛び込んで、各個撃破されることでしょう。
戦車の数を考えると、1vs1で潰しあっても最終的にはソ連軍が生き残るはずですが、実際はそうならないことの方が多いかもしれません。In-Coverを取ったジャクソンや、遠距離からいやがらせしてくるチャフィー、装甲も充分なパットン、これらがまとまって待ち受けている所に飛び出て行くのは、いくら硬いソ連戦車でも分が悪いです。
そこで、ソ連軍としては、ある程度まとまった数の戦車を、密集させて一気に投入するのが理想的でしょう。数の優位をいかすには、どこから撃たれても常に2~3両で反撃できるようにポジショニングしておくことが不可欠です。
【各プレイヤー戦力分析】
<米P1>
米軍の序盤は、このP1の活躍如何にかかっているといっても過言ではないでしょう。何しろ序盤で使える対戦車ユニットを全て持っているのです。先手番の有利をいかして、PPTをかっさらうか?M20のバズーカでT-70を潰せるか?歩兵を隠すのは台地の斜面か?それともPPT北西の森か?この辺が見所です。
増援チャフィーは、それ自体は大した戦力ではありませんが、ジャクソンとパットンを活躍させるには、このチャフィーの使い方が重要になるでしょう。くれぐれも犬死せぬよう・・・。
<米P3>
担当するのはわずか4ユニット。ただし、B0の Platoon HQ は、おそらくC部隊の歩兵達を回復できる中隊長だと思われます。非常に地味ですが、この戦力にならないB0をどこに配置するかが最初のビッグイベントでしょう。
3ターン目にジャクソンが登場すると、一躍ヒーローになれる可能性が生じます。パットンがでてくる5ターンまで戦線を支えられるか?湧き出すソ連戦車を何両撃破できるか?ジャクソンは攻撃力は充分なものの、装甲は皆無に等しいのが特徴。ジャクソンにIn-Coverを取らせられるかどうかが、P3指揮官の最大のポイントかもしれません。
<米P5>
A0司令部はP3担当のHTに乗っているので、まずはどこに配置させるかをP3と相談しましょう。2ターンでは、このシナリオ唯一の迫撃砲が登場します。やっかいな敵歩兵を速やかに無力化できるか?あわよくば戦車まで沈黙させられるか?P5指揮官の序盤のキモは、この迫撃砲の運用でしょう。
5ターンでパットンが登場すれば、一気に主役です。おそらく不利であろう5ターンから、残り7ターンでどこまで劣勢を挽回できるか?ただし、チャフィーやジャクソンと協力しないと、パットンの実力を発揮させるのは難しいかもしれません。
<ソ連P2>
7ユニット担当ですが、うち3つは他プレイヤーの歩兵を運ぶHTです。ただし、序盤の攻防の鍵を握るのは、間違いなくこのP2でしょう。米軍がほとんど対戦車手段をもってない2ターンまでに、T-70とIS-4でどこまで有利な状況を作り上げられるか?ここがP2指揮官の腕の見せ所でしょう。
6、7ターンでは、さらに増援のIS-4が2両登場します。残り5ターンで勝利を確実にできるか?はたまた予想外の劣勢を挽回できるか?最初と最後に活躍できるでしょう。
<ソ連P4>
ソ連軍歩兵部隊の指揮官。D3〜D5の突撃歩兵は、P2担当のHTに乗っているのであらかじめ作戦を相談しておきましょう。序盤のソ連歩兵の役割は、監視、敵歩兵掃討が主になるでしょう。しかし、後半に予想されるPPT争奪戦では、歩兵が重要になるはずです。また、米軍が万一後方に浸透を図った場合も考慮しておくべきかもしれません。
4〜5ターンで、中盤の要T-44が3両登場します。ただ、不思議なことに、このT-44は先の歩兵3ユニットと同一編隊で、しかも隊長は後にでてくるT-44です。この点は、気をつけておかなければならないでしょう。
<ソ連P6>
担当ユニットは3ターンまでに勢揃いします。まずはA0司令部をどこに配置するか、2ターンからは強力なISU-122をどう活躍させるか。3ターンからは、敵ジャクソンとの死闘が始まるでしょう。ISUがあっさりジャクソンにやられるようだと、後続のソ連軍戦車隊は厳しい戦いを強いられるでしょう。序盤の優位を確実にできるか否かは、このP6指揮官の活躍次第です。