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Turn11

Posted: 2006.Oct.30(Mon) 22:30
by Nor
【Turn11】

<リプレイ>
・北高地南東部で敵が前進、我が前線部隊と交戦開始
・最初に突っ込んできた敵斥候は壊滅させたが、歩兵1個分隊が損害4を出して退却中
・北高地南西部でも敵が前進、我がモロトフ投擲部隊3が全滅
・我が砲兵が北高地頂上と南高地西側を砲撃
・敵75mmが教会北東に煙幕

<北高地状況>
・高地頂上部に敵影なし

<教会北西部状況>
・教会から10HEX内外に斥候2、ベルサ3、MMG3、中隊長1を視認

<南高地状況>
・南高地西側6〜9HEXにMMG1、ATR2、ATG1、小隊長1を視認
・さらに後方に大型トラック2を視認

<南集落状況>
・最前線から3HEXの建物にMMG1を視認


<分析>
前ターン終了時の対砲兵射撃とともに北部で第二期攻勢が始まった。これは予想より1ターン早い。しかし攻撃準備射撃がなかったことから、次ターンでより本格的な攻勢が始まる可能性も高い。敵の予想以上に我々の抵抗線が前にあったということかもしれない。いずれにせよ、北部での全面攻勢開始は赤軍崩壊の序章になることは間違いない。我々としては、いかに粘り、いかに一矢報いるかだけが問題になる。

今回、教会北西部でそのものズバリ中隊長(Company HQ)が視認された。これで、この方面がベルサリエーリ1個中隊を擁する第三攻勢軸であることが確実になった。つまり、北部にはベルサが2個中隊いるということだ。そして、この第三軸が教会を北西から攻略することになるのだろう。さらに、北高地上の部隊は明らかに南東方向へ向かっている。これも予想通り、教会の背後を一掃することを目的としているのだろう。

ベルサ2個中隊を阻止するだけでもほとんど不可能だと思われるが、さらにマズイ事態になる可能性もある。北高地の敵は、高地東側に我が陣地があると予想しているだろう。しかし実は何も無いw。したがってあと数ターンは慎重に移動するだろうが、遠からず我々の陣地が存在しないことに気づくはずだ。その時、後方突破の可能性が出てくる。現時点での率直な感想は、「あ〜、T34があと2両欲しい!」である。でもな・・今更言ってもどうしようもないよなw。

一方、南部については前ターンの先手攻勢で我が軍が有利になった。敵は積極的な対策を打ってこなかったようだ。おそらく、対戦車砲が移動をやめてDefend体勢に移り、セモベンテも南から見えない地点に隠れたと思われる。これで敵の南部攻勢は半分頓挫したと言ってもいいだろう。セモベンテは側面攻撃が怖くて高地にも登れまい。さらに、我々は高地西側を師団砲を含む砲兵で砲撃しているから、中核戦力であるベルサ2個小隊は釘付けになっているはずで、今更移動目標を変更するのも不可能なはずだ。ここであと一押しして敵の士気を挫きたいところである。


<北部対応>
目下の焦点は、教会北西部の第一線陣地だ(添付図参照)。我々は木造橋周辺のワジにモロトフ投擲部隊3を潜伏させておいたが、ベルサ小隊の果敢な突撃によりあっさり一掃されてしまった。これで対人モロトフ攻撃は終了である。でもまあ、視界内で敵が横並びに立ち止まってくれただけでも有難いと思わなければなるまい。まずこの敵に一太刀浴びせておく必要がある。

ここを攻撃できるのは、教会のマキシム重機1挺と教会背後のリムスキー隊だけである。マキシムの視界には斥候を含めた敵4がいるので、撃ってしまえば高確率で見つかるだろうが、見つからなくても目隠し煙幕&砲撃で役立たずになってしまうだろう。どっちにしてもこのターンの終わりか次のターンでこの位置は使えなくなる可能性が高い。一方、リムスキー隊が攻撃するには煙幕を超えて西に進まなければならず、ATGの遠距離狙撃が心配である。まあ当たるとは思えないが。どっちも上手い攻撃ではないが、ここで反撃しておかないとジリ貧になるのは目に見えている。

まずリムスキー隊が攻撃する。結果、ベルサ2個分隊が西側崖下に後退、斥候は壊滅した。これでマキシムの視界には無傷のベルサ1個分隊だけである。・・・悩む。攻撃したのも残っているのも同一小隊のはずだ。西に2個分隊、東に1個分隊。いまや両者の距離は5HEX。崖下の退却地点にはこのターンの終わりに我が81mmが降り注ぐ予定だ。とすると、退却部隊が完全に回復するのは難しいし、こんなバランスの悪い隊形で前進を続けるには無理な機動が必要だ。・・こいつ等はもう一度オイシイ目標になってくれる可能性がある。今存在を気づかせる必要はない。結果、マキシムはまだ撃たない方が良いと判断!


<南部対応>
南部では南集落沿いでできるだけイヤラシイ攻撃を仕掛け、敵をイラつかせる必要がある。少しずつでも戦力を削って側面と背後に注意を集中させて、南高地を万全な体勢で攻められないようにするのだ。それでも南高地を無理に攻撃したら、側面支援とともに正面から堂々と撃破するのが最終目標だ。

今回、おいしい目標を発見した。線路沿いの建物に5mphで侵入したMMGである(添付図参照)。移動中の機関銃は反撃できないから、狙撃兵2個分隊がコイツを3〜4HEXで一方的に撃てる。さらにこの建物には地雷を仕掛けてあるから、敵が退却してもドカンといく可能性がある。一番他に視界が届かない狙撃兵分隊が攻撃開始!二射撃目で退却に追い込んだ!そしてドカン!死者2名を出してそのまま壊滅!完璧な展開!撃たれて全滅するのと地雷を踏んで全滅するのでは心理効果が全く違うはずだ。

続いての目標は・・付近の見えない敵である。ここ数ターンの状況からすると、南集落の北西10HEX以内にはかなりの敵がいるはずだ。大事な主力は南からの視界が通らない地点へ隠れたはずだが、一部の機関銃やATRは我々の反撃に対処しようと待ち受けている可能性が高い。問題はどうやって位置を割り出すかだが・・ここで再び徴集兵の出番である。

すでに本隊の指揮範囲外に出てしまった徴集兵第一分隊を果敢に(無謀に)2HEX前進させる。案の定、3HEX北西の建物から臨機を受けて1名死亡。敵はここにもMMGを置いている。しかしコイツは動いてない。我々が8ターンで撃退したMMGがすぐに戻ってきたのだろう。それを見越して前ターン終了時に50mm軽迫を打ち込んで建物を倒壊させておいたが、抑圧も回復したらしい。

このMMGを撃てる歩兵部隊は多いが、反撃されるのは困る。まだ見つかってない歩兵の位置を晒すのも避けたい。一番良いのはT-34で攻撃することだが、クバエフ隊はこのターンでできるだけ北に戻っておきたい。よって、徴集兵にスタックして余分な移動力は使いたくない。スタックしないで撃てそうな地点はいくつかあるが、敵ATGに撃たれる危険がある。

う〜ん、悩む。しかしここでもう一度クバエフ隊の姿を見せておけば、我々が積極的に側面攻撃を狙っていると思わせることができるだろう。たぶんATGは当たらないし。うん。そう信じよう。クバエフ2が2HEX北上。西側の視界は開けているが・・撃たれなかった。さっそく攻撃!一発撃てば抑圧充分だろう。移動力を節約するためにあまり撃ちたくない。続いて徴集兵が攻撃!・・あか〜ん!目標に反撃されて2名死亡。ああ、無駄な損害を出してしまった!まだMMGの抑圧は充分ではなかったのだ。仕方が無いのでクバエフ2がもう一発!あっさりMMGは壊滅した。最初からケチらずに撃てばよかったよ・・

このミスによって損害は3名に増えたが、MMGを2つも壊滅させれば充分な戦果だといえるだろう。あと一つベルサの小隊長が見えているが、ちょっと遠い。今回はこれで攻撃終了としよう。結局、二回も射撃したせいでクバエフ隊が南集落から出られなかったのは残念だが・・。


<ターン終了時>
・敵100mmのカウンターが続く。どうしても我が砲兵を無力化したいらしい。
・敵82mmが教会と南高地の我が偵察兵に砲撃。完全にバレている。
・敵82mmが教会北西部高度30を狙う。しかしそこには誰もいない。
・敵82mmが南集落と南高地の境目に煙幕。
・我が砲兵も全力で南北を砲撃。効果不明。
・このターンで初めて敵は82mmを4門同時に使った。やはり12ターンが山場か?

Turn12

Posted: 2006.Oct.31(Tue) 23:27
by Nor
【Turn12】

<リプレイ>
・南集落で突出した徴集兵がMMGとセモベンテに攻撃されて退却
・北高地南東部を守る歩兵小隊がベルサ2個小隊とL6の攻撃をうける
・我が砲撃が南北に降り注ぐ
・北高地中西部で敵歩兵が地雷を踏む
・敵軽迫が南高地の我が偵察兵を砲撃
・我が師団砲が敵75mmにカウンターを受けて退却!!
・どこかでベルサ分隊が退却


<北高地>
・高地頂上中東部にベルサ2
・南西ワジ付近にベルサ2、小隊長1、工兵1

<教会>
・教会正面200m以内にベルサ1個小隊
・教会北西10HEX以内にベルサ1、MMG2、軽迫1

<南高地>
・南高地上に斥候1、ベルサ1
・西側斜面にベルサ1
・西側5HEXにMMG1

<南集落状況>
・北西5HEXの森にMMG1とセモベンテ1(移動不能)


<オルスキー少尉の戦闘報告>
1400時、小官の狙撃小隊は北高地南東部に配置された。
1430時、戦車を擁する大部隊が北高地攻撃開始の一報を受ける。
1450時、第二分隊が敵歩兵の攻撃を受けた。同分隊は敵斥候を撃退したが、2個分隊の集中攻撃を受けて退却した。

1500時、再び第二分隊が襲われ、直後に我が小隊本部と左翼の第三・第一分隊も攻撃を受けた。敵は正面から軽戦車と歩兵、北側面から歩兵が同時攻撃。正面からの歩兵攻撃は後方150mにいる機関銃分隊の支援もあって退けたが、側面攻撃にはなす術がなかった。敵は北側の煙幕が晴れたことを抜け目なく利用した。左端の第三・第一分隊には正面から軽戦車が執拗に20mm機関砲を撃ってきたが、我々の抵抗が強固だとわかると突然射撃を止めて後退していった。

最も重要な左端の危機は切り抜けたが、我が本部と両隣の分隊は大混乱に陥っていた。そこへ機関銃分隊とT-34が援護射撃を開始し、敵1個分隊を壊滅、残り1個も退却させることに成功した。ロジーナを見て安心した我が本部は何とか混乱を収めたが、第三分隊はまだ混乱が続いている。目下の所、小隊の損害は10名。何らかの対応がない限り、我が小隊は10分持ちこたえられるかも怪しい。

戦車隊のリムスキー中尉と協議した結果、小隊右翼と機関銃陣地を放棄し、より重要な南西方向に100mほど転進することを決断した。歩兵分隊は密集したために砲撃には弱くなったが、近接戦闘に持ち込むべく煙幕を張って高地からの視界をことごとく遮断した。機関銃はT-34とともに後方300mの位置まで移動した。(添付図参照)


<オイストラーク軍曹の回想>
私の重機班は教会北側を一望できる地点にマキシムを設置しました。同時に、命令があるまで絶対に撃つなといわれました。あれは戦闘がはじまってちょうど1時間くらいでしょうか、遂に射撃許可が出ました。私の視界には4つの敵分隊が見えました。ベルサリエーリが2個、その小隊長が1個、工兵が1個です。距離は300〜400mでした。しかし小隊長分隊だけは直前の砲撃で混乱しているようだったので、目標には入れませんでした。ええ、そんなの撃っても当たりませんから。

私が最初に狙ったのは左端のベルサ分隊です。目標の重要度としては橋の地雷を除去しようとしている工兵が一番なんですが、工兵には反撃される心配がありません。ヤツらは短機関銃しかもってないでしょうから。その点、ベルサは目も腕もいいし装備も優秀です。だから見つかると怖い一番近くのベルサを最初に撃ちました。

一射目で手応えがあり、人影が倒れるのも見えたような気がしました。敵は一斉に地面に伏せたと思います。こうなるとなかなか当たらないんです。そこで私は次に右端のベルサを狙いました。こちらも一射目で数人が倒れました。もともとこの分隊は人数が少なかったようです。だから私は工兵は後回しにして、先にコイツらを三回撃とうと思いました。ええ、三連射が限界です。経験から言えばそれ以上撃ってもほとんど効果はありません。

二射目も手応えがあり、三射目で誰も動かなくなりました。たぶん全滅したはずです。私は予想以上の結果に喜びました。ええ、付近の部隊が全滅すると、周りにいるヤツらはそれだけで不安になりますからね。誰か一つを全滅させれば、他のヤツらを一回ずつ適当に撃ったくらいの効果はありますよ。

最後に工兵を狙いました。工兵はやっぱり撃っておく必要があります。ヤツらは離れていれば怖くないですが、近づかれると凶悪ですからね。この場合は地雷を除去しようとしてたから、なおさらです。だから工兵に最後の二連射を浴びせました。おそらく2人くらい倒れたと思います。これで充分目的は達したと判断しました。頭を下げさせておけば、地雷は除去できませんから。

こうして私は一気に6回も射撃したんですが、これは原則から言えば間違いです。敵が動き出したとき効果的に反撃するには1〜2回は射撃数を残しておかないといけません。それに見つからないことを優先するなら、3回くらいしか撃たない方がいいんです。しかし、あの時は仕方ありませんでした。何しろいつ砲撃を受けるかわからなかったし、煙幕でも降ってきたら完全にお手上げです。ですから私はあの一回が最初で最後のチャンスだと思って全力で撃ったんです。

撃ち終わってからは逃げるかどうか迷いました。マキシムの擬装は完璧だったので見つかっていないとは思いましたが、盲砲撃の対象にはなると思いました。それに左手300mにはベルサ小隊が迫っていたんです。しかし私は逃げないと決断しました。いや、祖国のためにとかそういうのじゃありません。運がよければ、もう一回敵に一泡吹かせるチャンスがあるかなと思っただけです。


<ボルドフスキー軍曹の手紙>
愛する母さん。この手紙が届くとは思わないけど、僕の最期を知らせたくて書くことにする。僕は今、オニオンドームと呼ばれる教会の尖塔にいる。ここは高くて眺めがいい。何時間か前、僕は北部偵察チームに配属された。1チームは3班で、僕は第三班の班長になった。でもこの1時間で他の2班はやられてしまって、残っているのは僕と伍長の2人だけだ。

配置につく時、大佐からここは一番大事な監視所だから良く見張れと言われたけど、僕は直前に眼鏡を落としてしまったことを言えなかった。目が悪い偵察兵なんて冗談みたいだけど、実際僕はこの1時間で接近する敵をほとんど発見できなかった。でも皮肉なことに今は良く見える。眼鏡がなくても100m先の敵はさすがに見えるんだ。

さっき迫撃砲の砲撃を受けた。その瞬間はパニックになったけど今は何とか落ち着いた。いや、正直に告白するとまだ足が震えている。それに砲撃の瞬間、僕はここを逃げようとしたんだ。でもすぐに無理だと気づいた。僕達のすぐ後ろには工兵分隊がいて、知らないうちに僕達の足元に地雷を仕掛けていたんだ。諦めて窓の外を覗くと、さっきまで見えなかった完全武装の敵歩兵1個小隊が100〜200mに迫っていた。敵は精鋭だと聞いていたけどまるで魔法みたいだよ。でもこれは僕の責任だ。

もう最後の報告を済ませて無線機は壊した。僕達は発砲を禁じられているけど、このまま何もせず終わりたくはない。前は敵、足元は地雷、後ろには工兵と機関銃でどこにも逃げ場は無い。敵が50mに迫ったら最期の抵抗をするつもりだ。2人ではほとんど役に立たないだろうけど、せめて敵の斥候と刺し違えたい。後退させられて地雷を踏むのだけはご免だ。


<ダニレフスキー少尉の日記>
砲兵連絡員の私のもとには多くの情報が集まる。いよいよ状況は危機的だ。敵は前進開始から1時間、1500時をもって大規模な攻勢を各所で始めた。ところが大佐は自分の予想が当たってご満悦だ。予想通り攻撃が始まり、予想通り北部が壊滅的な状況になったとして、何が嬉しいのだ?指揮官の責務は敵の作戦を予想することでなく、予想に基づいて実効力のある対策を立てることだ。しかし大佐の頭にあるのはFO圧死作戦とか糞の役にもたたない対策ばかりだ。

次々に悪い情報が入ってくる。5分前、師団砲が敵の75mmにカウンター砲撃を浴びて退却中との報告が入った。この30分で2回もカウンターを食らったというだけでも驚きなのに、さらに相手が同口径砲とは!!これも全ては大佐のせいである。たった1個中隊を連続で使うからこんなことになったのだ。師団砲なら122mmが一般的なのに、わざと格好をつけて75mmを選択しやがって。それに加えて、砲弾だけは三倍にしろなどと無理な注文を付けた。こんなことなら普通に75mmを2個と122mmを1個中隊揃えた方がよほど役にたったのだ!

まだ大佐には伝えていないが、10分に及ぶ敵100mmの我が迫撃砲陣地砲撃のせいで、82mm迫1門が故障した。今のところ抑圧も含めて他の損害はないが、このペースで砲弾が降り続けるとどうなるかわからない。しかし、この件は私の胸のうちにしまっておくべきだろう。逆上した大佐に責任を問われかねないからだ・・


「同志少尉、また師団砲はカウンターを食らったそうだな。」
「はい。誠に不運としか言いようがありません。」
「師団砲は南高地の敵歩兵を食い止めていたというのに、このタイミングで使えなくなるとはな・・」
「しかし同志大佐、迫撃砲陣地には被害は一切出ておりません。その点は幸運といえるでしょう。」
「うむ。では迫撃砲には適当に砲撃命令を出してくれたまえ。南高地はもう手薄になって構わんぞ。」
「では教会周辺と北高地に砲撃を集中させます。それから同志大佐・・」
「何だ?」
「今後の砲撃方針はどのように・・」
「ふむ。いよいよ対砲兵射撃を狙う。今からがチャンスだ。攻勢を始めた敵は連続砲撃支援を必ず行う。」
「では不動照準を用意しておきますか?」
「まだ早い。次のターンで見えた硝煙を狙うのだ。慌てなくても0.4で撃てば良い。」
「なるほど。今ターンでは既に移動している可能性がありますもんね。」
「うむ。次ターンは対砲兵射撃を優先する。敵にも一番大事な時に砲兵が使えない痛みを味わわせてやる。」
「同志大佐、流石です!素晴らしい対策だ!」


<その他>
・南高地の偵察兵は抑圧除去に失敗。最期の抵抗を試みる。
・南高地に上がった敵偵察兵を教会の狙撃分隊が始末。
・南集落の狙撃小隊は北上
・撃たれた徴集兵は抑圧除去に失敗。
・クバエフ隊はこっそり北上。中央集落に隠れる。


<ターン終了時>
・敵81mmが北高地南東部の機関銃陣地を砲撃。しかし移動済。
・敵軽迫が北高地南東部の歩兵陣地最左翼を砲撃。命中。
・敵81mmが南高地東側(中央集落)に煙幕。
・敵軽迫が南高地上のクサイ地点3箇所を砲撃。2箇所で命中。
・我が迫撃砲がいろいろ砲撃。効果不明。

Posted: 2006.Nov.01(Wed) 02:02
by STRAND
下士官視点も面白いですねw

砲兵観測員の日記に爆笑

Turn13

Posted: 2006.Nov.02(Thu) 00:06
by Nor
【Turn13】

<リプレイ>
・教会の偵察兵がベルサ一人を道連れに全滅
・教会のマキシムが敵MMGを壊滅
・我が迫撃砲が南北高地を砲撃(戦果1を確認)
・敵75mmが教会のすぐ真南に煙幕
・敵75mmが北高地南東部の我が陣地を砲撃(ほとんどハズレ)
・敵81mmが中央集落に煙幕
・北部でベルサと小隊長各1が退却

<北高地>
・高地中東部、我が陣地の北3HEXにベルサ1
・南西ワジ付近にベルサ2

<教会>
・教会正面200m以内にベルサ1、斥候1
・西側10HEX以内に20mmAAと大型トラックが各2

<南高地>
・南高地上に斥候1、ベルサ1
・西側斜面にベルサ2、小隊長1

<南集落>
・何も見えず


<オルスキー少尉の戦闘詳報>
1505時、敵75mm砲の砲撃を受けるも損害なし。しかし最左翼の第三分隊に数発の至近弾あり。同分隊は5分前より混乱を抜け出せず、この砲撃でパニックに陥った。戦線崩壊が危ぶまれたが、幸いなことに敵歩兵および戦車の攻撃無し。

我が小隊を支援するT-34リムスキー隊は、北に数百メートル移動して敵歩兵3個分隊を退却、LMG分隊を壊滅せしめた。戻り際に最右翼の第二分隊を乗車させ、小隊本部の50m右に配置。これで我が小隊は高地斜面沿い150m幅まで戦線を縮小し、歩兵5個分隊とT-34が極めて狭い範囲に密集したことになる。砲撃も心配だが、今敵の突撃が始まるとリムスキー隊も危ない(図参照)。


<オイストラーク軍曹の回想>
昨日の続きをお話しましょう。あれから私は敵の様子をじっと見ていました。おそらく5分もなかったと思いますが、それはそれは長い時間に感じました。敵はゆっくり動き出しました。私に撃たれた左端のベルサと工兵はすぐに見えなくなったので、たぶん50m前方のワジに入ったのだと思います。しかし、混乱状態だった敵小隊長は煙幕を張って後退しました。

さらに後方から来た新手もワジに入っているようでした。いや、見えないんです。当時は雨が降っていたし距離は300mあった。そして教会からの視界は非常に狭い線上に限定されていた。さらに敵はベルサだった。ヤツらは50mくらいの移動だったら全く物音も立てず姿も見せません。ですから正確に言うと、移動しているような「気がした」んですな。しかし、この予測は当たっていると思います。

気配はしても見えなければ撃てない。正直こりゃ手がつけられないと思いましたよ。でも敵の機関銃だけは見逃しませんでした。その姿を視界に捉えた瞬間、私は無意識に引き金を引いていました。バタバタっと倒れてあっさり全滅です。5分前に逃げなくて良かったと心から思いました。

そして私はもう一度決断を迫られました。その時見えていた敵は、左手300mにベルサが2個分隊。1個は混乱して、もう一個は万全の状態に見えました。当然私は混乱してない方を撃ちましたよ。ただし今度は二連射です。わずかな手応えしかありませんでしたが、逃げ出す敵兵も見えたから混乱状態には陥れたと思います。

実はもう一回撃てたんですが、三回撃ってしまうと今度は私が逃げられない。敵としては私のマキシムは非常に厄介だったはずです。しかし姿が見えないから砲撃するしかない。私は5分前に撃ち始めたから、もういつ迫撃砲が降ってきてもおかしくない状況だった。それに、直前に小隊長から敵の軽迫が教会西側400mに接近中との連絡も入っていました。たかが50mmの軽迫と言っても300mくらいから撃たれると一発で全滅する可能性もあります。少なくとも一度撃たれると、もう移動も射撃もできなくなる。

だから私は撃ち終えたら即座に教会から走り出ました。同時に教会の南側に位置していた小隊長も、結局一発も撃たないまま陣地を捨てました。ええ、機関銃兵ってのはそんなもんなんですよ。砲撃を食らって為す術なく死ぬより、潔く位置を移動して次のワンチャンスを狙うのが信条です。我々がマキシムを担いで50m走って教会から出たとき、迎えの荷駄隊が走ってくるのが見えました。


<リシーキン軍曹からの無線連絡>
こちら南部偵察チーム第二班リシーキン軍曹。敵南部迫撃砲の硝煙を視界に捉えた。目標までの距離は1.1km。敵影見えず。さらに接近を続ける。以上。


<ダニレフスキー少尉の日記>
教会西端の偵察部隊が全滅した。敵の進撃状況を見極める目が無くなるのは砲兵にとって大損害だ。しかし南高地廃墟の偵察部隊は深刻な混乱から奇跡的に回復し、南高地の状況を克明に報告してきた。これは非常に貴重な情報だ!この地点からは南高地上だけでなく教会西側も見える。5分前に混乱を抑えることに成功して退却していれば、この重要情報は手に入らなかった。全く何が幸運だか終わってみるまでわからない。

報告によれば、5分前に突如教会西端に姿を現したベルサ小隊は、我が偵察兵を全滅させた後、意外にも真っ直ぐ教会に突入せず、進路をやや南に変えているようだ。我が工兵が教会内部にせっせと敷設した地雷の存在が砲撃でバレたのだろうか?敵は地雷を恐れて正面突入を躊躇し、南側面に回り込もうとしているのか?南高地の敵部隊はベルサ2個小隊とやや手薄なので、支援に向かったのだろうか?せっかく教会正面の奇襲に成功しておいて??

敵の思惑がどうあれ、事態が深刻になっているのは確かだ。迅速かつ的確な砲撃が我が軍の死命を制する。砲兵将校としては、教会の西・南・北西と北高地を全砲門で徹底的に砲撃する必要アリと判断する。特に敵軽迫の接近を許してはならない。教会偵察部隊の最期の報告によると、軽迫1門が北西のワジに入ったことが確認されている。この周辺を砲撃して軽迫を自由に撃てないようにしておかなければ、教会の各区画は易々と敵の手におちるだろう。

ところが!ところがである!あの大佐はこの非常時に及んで、対砲兵射撃をすると言い出した。信じられない愚鈍さである。我が砲兵のどこにそんな余裕があるというのか!師団砲はいまだ退却中であり82mmも1門壊れている。師団砲が使えず南部の砲撃が手薄になった途端に、敵は南高地に登ったではないか。北高地の我が歩兵陣地正面に敵が突っ込んでこないのも、砲撃を集中しているからなのだ。攻撃部隊に対する砲撃こそが敵の前進を阻んでいるという現状を、あの俗物は全く理解していない・・。


「やあやあ同志少尉、対砲兵射撃の準備は万全かな?」
「もちろんです同志大佐。しかし偵察班が硝煙を視界にいれたものの、敵影は確認できていないのですが・・」
「1km以上離れた迫撃砲が見える方が不自然だろう。」
「いや、迫撃砲は見えないでしょうが、輸送部隊も見えないのが少し気になりまして・・」
「地形を良く見ろ。硝煙のすぐ北側は開豁地の北向き斜面ではないか。トラックはここだな。」
「なるほど・・しかし・・そもそも敵は間違いなくここにいるのでしょうか?」
「間違いない。北部の硝煙は遠すぎる。撃ったのは間違いなく南部だ。」
「すでに移動した可能性は?」
「無い。敵は12ターンに遅延0.4か0.5で煙幕砲撃を指定した。我が12ターンの後と敵13ターンの後に煙幕が落ちたからな。」
「つまり?」
「敵13ターンの後、つまり我が現ターンの直前に落ちたということは、敵は13ターンで移動しなかったということだ。」
「では・・・150mにわたる硝煙のうち南端の(26,45)にいるという根拠は?」
「君は本当に砲兵将校かね?我が迫撃砲陣地を見たまえ。硝煙は北北東に流れている。何よりの証拠だ。」
「しかし・・・今我々が遅延0.4で狙っても、次のターンに敵が移動すれば無駄に終わるのでは?」
「その可能性はある。しかし私は次のターンも移動しない可能性が高いと見ている。」
「なぜですか?!その根拠は?」
「理由は二つある。一つには敵は今回82mmを1門しか使ってないということ。もう一門は照準修正中の可能性が高い。」
「いやあ、別々に移動してるだけかもしれませんよ。とすると今撃ったやつは次で移動しますよ。」
「確かにな。しかしそれも二つ目の理由で否定される。南部では我々が優勢で敵迫撃砲はあまり前に出られないのだ!」
「おお・・確かに・・今回中部で20mmAAが見えましたが、あれよりは後方にいたいでしょうね。」
「おそらく南の迫撃砲は開始ラインの橋を超えるのを躊躇っていると思う。しかし前線は着々と東に進んでいる。」
「だから橋のギリギリ手前に止まってるというわけか・・」
「そして仮に対砲兵射撃が外れたとしても充分効果はある。狙ってるぞ!と敵に思い出させるだけでな。」
「敵は陣地転換を強いられてこの大事な局面で連続射撃できなくなるというわけですね。」
「その通り!やっと君もこの作戦の重要性が理解できたようだな。」
「・・・さすが同志大佐!我が軍の生死はこの対砲兵射撃にかかっていますな!さっそく命令を出します!」
「君も砲兵将校ならもっと基本を学ぶべきだな。君の教育も兼ねてその他の砲撃は君に一任する。」
「くっ・・・」


<その他>
・南高地でクバエフ隊が反撃。ベルサ1を釘付け、ベルサ1を撃退、斥候1を壊滅
・クバエフ隊は後退時に南高地の偵察兵を回収・後送。
・南集落の狙撃小隊は依然北上中


<ターン終了時>
・敵75mmが北高地南東部の歩兵陣地を砲撃。かなり命中。
・敵81mmが北高地南東部の歩兵陣地最右翼を砲撃。移動済。
・敵100mmが教会背後の墓場北側に大煙幕!ビックリ!
・我が迫撃砲2門が微妙な砲撃。効果不明。
・我が北高地南東部の歩兵陣地で最左翼分隊が抑圧過多退却!

Turn14

Posted: 2006.Nov.05(Sun) 06:19
by Nor
【Turn14】

<リムスキー中尉の無線連絡>
「敵の煙幕砲撃。場所は我々の背後数百メートル。墓地の北側だ。」
「75mmの砲撃・・歩兵陣地に命中弾多数!損害は・・歩兵小隊の左翼が壊走した!」

「ベルサリエーリを北300mに視認。歩兵小隊と交戦中・・」
「北のベルサは1個小隊規模・・・北西からも来た!」
「ベルサ2個小隊と交戦中・・・友軍歩兵の一部は沈黙したが陣地はまだ持ちこたえている。」
「歩兵にかなり損害が出たようだ・・・しかし我々は健在。敵は撃退し・・」

「いや、まだだ。北から撃たれた!視認できず。おそらく対戦車ライフルだ。」
「西からL6軽戦車!交戦距離は100m!歩兵が次々とやられていく!!」
「セモベンテも来た!!敵は50mまで接近!!ダメだ・・」
「フェドロフスキー車がやられた!!いや、車両は無事だ。乗員は離脱した模様!」
「L6とセモベンテは合計10両程度!北と西から一方的に撃たれている!!!」
「・・・我々は生き延びた・・歩兵の被害は甚大だ・・救援求む・・」

「また来た!!今度はオートバイだ!残った歩兵が一掃されていく!!」
「まだ来るぞっ!!敵オートバイは中隊規模!!」
「歩兵小隊は全滅!離脱したフェドロフスキーもやられた!我々は完全に包囲された!!」
「・・・・・・・・・・」


<バクーニン少尉の報告>
「対戦車砲第一小隊バクーニン少尉、現状を報告せよ!リムスキー隊は見えるか?!」
「見えます。凄惨な戦闘です。生存部隊はT-34が1両のみ。歩兵は全滅。」
「・・・視界内の敵を報告せよ。」
「T-34の500m北に75mm歩兵砲とトラック、300m北に47mm対戦車砲とトラック・・」
「・・・」
「その周辺にゾロターンATRと無傷のオートバイ1個小隊・・」
「・・・」
「T-34の100m内にセモベンテ3、L6戦車3、ATR1、オートバイ6、歩兵2、トラック1」
「・・・」
「視認できるのはそれだけですが、おそらくもっといます・・」
「T-34の様子はどうだ?退却できそうか?」
「現状では無理そうです。南側はオートバイ2、北と西ではL6が1、セモ2、ATR1が隣接しています。」


<ダニレフスキー少尉の日記>
恐れていた瞬間がついに訪れた。カタストロフが始まったのだ。我が北高地南東部陣地はわずか5分で壊滅した。歩兵小隊だけならまだしもT-34も1両失った。生き延びたもう1両も退却できるかどうかわからない。敵はT-34が高地に接近しすぎた瞬間を見逃さなかった。我が歩兵のパニック退却も攻撃開始を決断させた一因に違いないが、背後への煙幕と陣地を狙った砲撃を見る限り、この攻撃はある程度計画的なものだったとも思える。

そして我々の油断によって発生した一瞬の隙をついて、敵は持てる全戦力を一気に投入してきたのだ。判明している限りでも敵の投入部隊は、ベルサ2個小隊、L6軽戦車1個小隊、セモベンテ1個小隊、オートバイ1個中隊、その他支援部隊多数である。ベルサだけなら攻撃不発、戦車投入でも我が陣地は半壊で済んでいた。しかし、オートバイ中隊(!)の投入がトドメを刺した。これで我が歩兵は完全に一掃され、戦車も逃げ道を塞がれたのだ。敵将の時機を見る力と決断力は恐るべきものだ。

しかしそれ以上に驚嘆するのは、この中盤過ぎまでオートバイ中隊という大サプライズを隠しおおせたことだ。我々はオートバイが存在することなどつゆ知らず、サプライズは騎兵だとばかり思ってきた。サヴォイア騎兵の活躍という、あの愚劣な大佐の妄想に踊らされていたのだ!それにしてもオートバイが荒地と弾孔だらけの北高地を越えてくるとは!ハンニバルのアルプス越えもかくやという衝撃だ。敵将は恐るべき忍耐力と緻密な計画性を備えている。とてもあの低脳大佐がかなう相手ではない!

・・・もはや私の命も危うい。オートバイならあと5分でここまで来れる。しかし我々には予備戦力が皆無だ。惜しむらくは・・せめて・・せめて・・歩兵がモロトフを持っていれば!!モロトフの真価は恐るべき破壊力にあるのではない。最初の攻撃で防火壁を築いて視界を塞ぎ、同方向からの第二・第三攻撃を阻止できることにあるのだ!今回の歩兵にモロトフがあれば、敵の攻撃は途中で頓挫したはずだ。モロトフの重要性は明らかだったのに、師団砲の選定理由と同様、ヤツは自分が格好をつけるためだけに歩兵のモロトフ装備を禁じたのだ!ヤツはこの大失態で更迭されるべきだ。もう我慢できない。私が引導を渡してやる!

「ザモイロフ大佐、北部陣地は壊滅しリムスキー隊の生還も絶望的ですな。この責任は・・」
「ふむ。君にあるな。」
「?!」
「私は大粛清を生き延びた将校だぞ。君の背任行為に気づかんと思ったか?」
「背任・・」
「君は82mm砲の損失を報告しなかったな。正確な報告があれば私の対処は確実に変わっていた。」
「そんな・・・」
「まあ私も鬼ではない。君の態度次第では政治将校に報告しないでおくことも可能だが・・」
「私は・・まだ何も・・もちろん大佐の命令は絶対正しいと信じております!!」
「よろしい。では当面の問題を片付けようか。」
「片付けるって・・・何か対策があるのですか?!」
「当然だ。プランBを発動する!」


<リムスキー救出作戦>
まず状況を整理しよう。北高地南東部の歩兵小隊は文字通り全滅。残っているのはリムスキーのT-34が1両だけ。しかしリムスキーは抑圧54を抱えている。この状態でいきなり抑圧回復を試みるのは危険だ。よってここはちょっと放って置く。南部方面の損害は、教会南側の石壁にいたATRがやられただけだ。これは正面から来たベルサ1個小隊が南側に回りこんだという報告を裏付けている。別の小隊は北側面から突入するのだろう。教会攻撃は南高地の攻撃と連動しておそらく2ターン以内に始まる。

北高地での攻撃も、本来は数ターン後に開始する予定だったのではないか。北高地東側で視認できた敵は、オートバイやATG・IGなどのほとんどが高速移動している。これは充分な準備を整えた攻撃ではなかったことを示している。おそらく、ちょっと戦闘を始めてみたら我々が意外に弱いことがわかったので、一気に突っ込んできたというところだろう。

確かにオートバイを中隊規模で持っていることは完全なサプライズだった。これまで敵に欠けていたのは速さだった。ベルサがいくら強くても、1〜3HEX単位で移動する限り砲撃で捉えられるしT-34でも簡単に嫌がらせができた。我々は敵と5HEX程度の距離を取っている限り、一気に突破される可能性は無かったのだ。しかし、敵は遂に無類の機動力を誇るオートバイを使用した。姿を見せた以上もう我慢しないだろう。一部は後方突破を計るかもしれない。そして我々にこれを止める術は無い。突破が確実になれば、迫撃砲が直射で対抗できるように砲撃を止めるしかない。

しかし今回の敗北の明るい面は、敵戦力をほぼ完全に把握できたことだ。北高地の敵戦力は、
・ベルサリエーリ1個中隊
・工兵1個小隊
・オートバイ1個中隊
・セモベンテ×4
・L6軽戦車×5
・75mm歩兵砲×2
・47mm対戦車砲×4
・20mm対空機関砲×2

これに対して我々は、歩兵1個小隊とT-34が2両だけで抵抗していたと思うと愕然とするが、実は問題になるのは歩兵だけだ。戦車と支援部隊だけでは攻められないのだから。すでにベルサ中隊の戦力は1.5個小隊ほどに半減しているはずだ。残りも今回の攻撃の損害で次のターンはほとんど使えないはずだ。工兵は西側の橋付近にいるのでとりあえず無視できる。あとはオートバイだ。つまり我々がここで踏ん張れるか否かは、このオートバイ中隊をいかに無力化するかにかかっている。最優先目標はオートバイである。ATGでもIGでも戦車でもない。絶対にこの点を忘れてはいけない。

そしてオートバイに対応できるのはT-34だけなのだから、まずリムスキーを確実に救出する必要がある。リムスキーの運に全てを賭けるのは簡単だが、敵に包囲された現状での回復成功率はかなり低いはずだ。ここは多少の危険を冒しても、少しでも回復成功率を上げる条件を整えなければならない。つまり、リムスキーの周囲にいる敵を−最低でも南側のオートバイを−排除し、友軍の姿を−できれば戦車の姿を−間近に−せめて100mほどには−見せてリムスキーを勇気づけなければならない。しかる後に乾坤一擲のRボタン右クリックである。それでも回復できるかどうかは運だ。まず人事を尽くそう。


<オイストラーク軍曹の回想>
どこまで話しましたかな?ああ、そうそう。私が教会を出ると荷駄隊が来たんです。ところが彼らは1台だけだった。もう一台はATGの運搬に必要だから来られなかったというんですな。つまり私と隊長のどちらかしか乗れないということです。乗るのは当然隊長でしょう。私は重いマキシムを抱えて走らなきゃならないと思ってウンザリしていました。

その時です。北東方向から銃声がしました。北高地南東部に我々の歩兵陣地があることは知っていたので、そこで戦闘が始まったんだと気づきました。銃声は次第に大きくなり機関砲や戦車砲の音も聞こえてきました。その音から判断して、敵の大攻勢が始まったんだと思いました。教会の裏手には並木道があったので、敵の姿は見えませんが銃声はどんどん近づいてきました。我が軍の手榴弾の音も散発的に聞こえました。もしかすると歩兵陣地は壊滅するかもしれないと嫌な予感がしました。

一瞬の静寂の後、我が軍の反撃が始まりました。SG43や聞きなれたマキシムの音が聞こえました。続いて並木道に指揮所を置いていた歩兵中隊本部が東側に姿を消して射撃を始めました。やがて2台のT-34が並木道を南から北へ走っていきました。これはただ事じゃない、もしかして我々は包囲されるのかと不安になりましたが、同時に私はこれで長距離を走らなくて済みそうだとも思ってホッとしました。

私はさっそく飛び出そうとしましたが隊長に止められました。今並木道に出ると敵に見つかるというのです。私は動転していたんですな。確かに隊長の言うとおりです。我々は存在を見られると意味がなくなる。並木道からの視界に入りそうな敵は戦車とATGが何とかしてくれるということでした。実際、75mm戦車砲と45mmATGの砲声がしばらく聞こえ、T-34が戻ってくる音が聞こえました。そこでようやく隊長から移動許可がでたので、私は並木道まで100m走りました。

すぐに北東方向を窺いましたが敵は見えません。歩兵が退却時に炊いたらしき濃い煙幕が見えるだけでした。そしてさっき見た2両のT-34は3両になって私から100mの位置に戻っていました。南から来たT-34は戦友の救出に成功したんだと気づきました。いやあ、嬉しかったですよ。さすがロジーナだと感動しました。私はさっそくマキシム設置に取り掛かりました。ロジーナが3両も前にいたのでそれまでの不安はさっぱり吹き飛んでましたね。

隊長は直前に砲撃を受けていたので並木道までも移動できないようでした。そこで荷駄隊が役に立った。隊長のマキシムはロバに牽かれて私の南側に位置し、ロバはさらに南の坂を下って姿を消しました。結局、荷駄隊は1台だけで良かったんです。ともかく我々はこうして意外に早く新たな射撃位置につきました。隊長と射撃距離を調整し、敵が煙幕から顔を出したら撃ちまくろうと誓いました。


「というわけで、機関銃2・歩兵1・ATG2・クバエフ隊を駆使して何とかリムスキー救出作戦は成功したぞ。」
「かなり不安は残りますが一時的な反撃態勢もできましたね・・・それよりプランBとは何ですか?」
「君はモノを知らんな。プランBとは代替案のことだ。」
「・・はぐらかそうとしてますね。」
「普通はプランB発動!と格好つけて言う時は、今から対処を考えようということだな。」
「やっぱり・・・」

「とりあえず、これからのカギは煙幕だな。」
「こちらから積極的に視界を制限する必要はありますね。」
「我々のターンには煙幕があっても、敵ターンになると薄れるようだ。どうもそこを突かれているからな。」
「そうですね。で、どこに煙幕を張ると?」
「まず教会をモクモクにしよう。教会を維持するには工兵が確実に接近戦に持ち込む必要がある。」

「敵はもういつでも後方突破できるんですよ。今となっては教会は大した問題じゃないでしょう。」
「そんなことはない。T-34の側面は教会だ。教会が落ちればT-34も抵抗できなくなる。」
「そりゃそうですがオートバイは中隊ですよ。1個小隊は東に走るとみるべきでしょう。」
「まあな。しかし敵はオートバイのみで迫撃砲陣地を襲うような真似はしないんじゃないかとも思うんだがな。」
「なぜです?それなら最初からオートバイは買わなかったでしょう?買ったからには突っ込む気ですよ。」
「私も確信はないがね。しかし今回敵はオートバイで戦車を一切攻撃しなかったぞ。」
「確かにそうですが・・・でも奴らは同士討ちも辞さない激しい攻撃を見せたのも事実です。」
「敵を勢いづかせたのは間違いないな。しかし煙幕展開の状況を見る限り東側を恐れているようでもあるしな。」
「架空陣地に頼るしかないのか・・」
「突破の可能性を憂いても今できることは無い。次のターンまで様子を見るしかないな。」

「こうなったら敵の迫撃砲だけは潰しておきたいですね。」
「前ターンのカウンターは外れた。それは良い。しかし困ったことがおきた。」
「?」
「砲撃リプレイ中に敵トラックが見えたのだ。」
「じゃ迫撃砲の位置も・・」
「トラックにスタックしているのは確実だ。しかしこんなインチキ情報を利用するのは気が引ける。」
「それは我が偵察兵の視界に入っていたから見えたのでは?」
「違う。偵察兵からは見えない地点だ。したがって南部迫撃砲狙いは一時中断する。やむを得まい。」

Turn15

Posted: 2006.Nov.05(Sun) 06:34
by Nor
【Turn15】

<ワゼムスキー少尉の戦闘報告>
我が狙撃第一中隊第一小隊は教会防衛を担当した。教会敷地北側の防衛の要は第4分隊であり、同分隊は工兵分隊とともに教会建物の50m北東に簡易陣地を構築した。さらに50m北側には第3分隊を配置した。当初、その南50mの教会建物内には重機班と工兵がいたが、1505時には教会を離脱していた(注.小官はこの撤退について事前連絡を受けていなかった)。工兵2個分隊は着陣直後から地雷敷設作業を開始していたので、教会北側敷地内にはかなりの地雷が埋設されていた。

1510時、第4分隊は敵迫撃砲の猛砲撃を受けた。その直後にベルサリエーリ数個分隊が西から突入してきた。砲撃で混乱していた同分隊は何の抵抗もできず、敵の連続攻撃に後退を重ねるのみだった。結果的に、第3・4分隊と工兵はT-34のいた後方150mまで後退した。さらに敵オートバイが突入してきたが、T-34がこれを撃退した。

この攻撃で我々は死傷者9名を出したが、敵に与えた損害は皆無である。この惨敗の一因は作戦計画の不備にあると思われる。当初の計画では、突入してきた敵は50mまで引きつけて地雷原と工兵の爆薬で一気に粉砕する予定だった。しかし、途中で我々より敵の方が索敵力に優れていることが判明した。敵は100mの距離で我々を発見できるが、我々は50mまで引きつけないと察知できない。先制攻撃が不可能だと知った小官は、早急な対策を大隊司令部に求めた。

1505時、大隊司令部はこの対策として、迫撃砲を使って教会敷地内に煙幕を展開する「教会モクモク作戦」を発動した旨を連絡してきた。我々は煙幕展開が間に合わないことを危惧したが、実際には敵の突入直前という完璧なタイミングで煙幕が展開された。しかし、発煙弾の着弾地点は完全に無意味なものだった。教会北側では我が陣地の後方(東側)に煙幕が張られ、南側では敵最前線の後方(西側)に着弾した。この拙劣な煙幕展開で先制攻撃の機会を逃したことが、敗北の大きな原因であることは疑う余地がない。

すでに敵は教会西側300m以内に軽迫撃砲を設置している。今回、重機班がいた教会建物もこの軽迫で狙われた。すでに重機も工兵も撤退済だったため損害は無かったが、今後も敵軽迫は教会を一区画ずつ砲撃することは確実である。今回の敗北で、砲撃直後にベルサが突入してくれば、タコツボも地雷も工兵も何の役にも立たないことがはっきりした。我が小隊は命令とあれば最期まで教会を死守するが犬死は本望ではない。大局を分析し早急な善後策を乞う。


「確かに惨敗でしたがずいぶん批判的な報告ですね。こんなヤツは犬死させましょう。」
「どいつもこいつも責任転嫁ばかりだな。最大の敗因はそもそも自分の歩兵が弱いことだろうに。」
「それならモロトフを奪ってさらに弱くすることはないのに・・」
「モロトフがあっても今回は負けていた。そんなセコい手に頼るのは赤軍歩兵失格だ。しかしこの分析には見所もあるな。」
「砲撃直後の突入はパターン化してますからね。教会を死守するのはもはや無理そうですね。」
「・・・よし。決断した。今度こそプランBを発動する!」


<戦況分析>
今回の敗北で明らかになったことは二つある。敵が勢いづいていることと、もはや教会は持ちこたえられないことである。そして重要なのは前者だ。そもそもこの惨めな状況の発端は、2ターン前にリムスキー隊が北高地に接近しすぎたことだった。それまでの数ターン、我々はT-34の機動力を駆使してみみっちいヒットエンドランを繰り返し、ある程度成功を収めてきた。そう。成功は油断を生み、油断は失敗をもたらす。あの時も北高地の敵には大きな動きが見られず、リムスキー隊はヤバいと思いながら比較的長距離を移動して積極的に攻撃した。そのせいで安全な地点まで戻れなくなった。警戒心が緩んでいたのだ。

しかし今、敵は2ターン前の我々と同じ心理状態にある。もはや半分勝った気でいるに違いない。敵司令部は楽観的な気分が支配しているだろう。それは敵の攻撃方法を見れば明らかである。敵は明らかに前半とは違う戦い方を始めた。北部では歩兵をどんどん前進させ、一気に距離を詰めて我が陣地を粉砕しようとしている。また、南部でも歩兵のほとんどが高地に登り、セモベンテさえ高地に登って攻撃に参加し始めた。もはやT-34は北に3両しかいないことに気づかれたのは間違いない。この2ターンの連続勝利で勢いに乗った敵は、北でも南でも一気にケリをつけようとしているのだ。

ただし敵将はもともと慎重派だ。それが楽観的になるにはそれなりの根拠がある。一つにはこれまでバラバラだった3つの戦線が繋がったこと。もう一つは砲兵支援が充分にできるようになったことだ。砲兵について言えば、敵の盤外砲は連絡不能が多く満足な支援ができなかったに違いない。盤内の82mmも4門しかなく、カウンターを避けるために南北2門ずつが交互に移動を繰り返しているので、こちらも充分な支援はできなかっただろう。しかしこの数ターンで遂に軽迫撃砲が絶好の位置まで前進した。軽迫撃砲はおそらく9門あり、3つの戦線を等分に支援しているはずだ。我々はこの軽迫を最大の脅威と考えこの数ターン砲撃してきたが、結果をみる限り効果は捗々しくない。

軽迫が潰せない限り教会は維持できない。教会を攻める敵はほぼ完全なベルサ3個小隊なので、これを砲撃で抑えるのも不可能だ。さらに教会の北東からはオートバイ1個中隊とベルサ1.5個小隊も迫っている。つまり教会を含めた北部で固定陣地に篭って抵抗することは不可能だ。しかし敵の士気は何としても阻喪させなければならない。ここで一発思い切った攻撃を実施し、まだまだ我が軍の士気は衰えていないことを教えてやるのだ。そこでようやくプランBである。


<プランBとは?>
まず教会守備隊は全面撤退する。このターンの終わりにも砲弾が落ちてくることは間違いないからだ。T-34は付近の敵を撃退しつつ、教会守備隊を守りながら南東に後退する。つまりプランBとは北部および教会の完全放棄と遅滞戦術への全面移行である。この作戦のキモは教会守備隊を温存しながら撤退し、中央集落を基点とする南部戦線とリンクすることにある。

そしてこれを妨げる可能性があるのは、教会西側と北高地から来る敵歩兵、そして砲撃である。敵歩兵はT-34が全力で撃退するしかないだろう。そして砲撃には絶対に捕まってはいけない。撤退中の歩兵部隊は密集しがちで砲撃には極めて脆い。砲撃を積極的に防ぐには対砲兵射撃しかないが、我が砲兵にその余裕はないしこれまでの経過から言って効果もあまり期待できない。何より厄介な盤外砲には対処しようがない。

そこで消極的な手を打つ。敵の砲撃目標を散らすべく南部で小規模な攻勢に出るのだ。生贄となるのは2箇所の機関銃陣地と歩兵3個分隊である。南端のマキシムが南高地背後のATGを撃ちまくる。あえて見つかるように全射撃数を使い果たす。次に中央集落の機関銃が、副武装であるライフルもオンにして同様に敵歩兵を射撃。この敵はなぜか前方に退却したので歩兵でも撃ちまくる。

お次は南高地南端斜面を歩兵が前進。当然セモベンテに見つかってあっさり撃退される。しかしめげずに別の分隊が違うルートを前進。敵ATRを見つけて殲滅。その場で留まる。こいつを撃つには次にセモベンテが高地を西側へ降りる必要があるはずだ。せっかく上がった高地を降りるのは嫌だろうが、他に攻撃できる部隊はいないはずだ。念のため、その地点に軽迫の照準を遅延1.0でセットしておく。海老で鯛を釣る作戦である。とりあえずこれで、敵の砲撃選択肢を5箇所に増やしてやった。

教会守備隊はひっそりと持ち場を離れる。ところが南側の工兵から100mの石壁に敵MMGと斥候がいた!移動力を残して全力射撃を試みる。幸いにして両方とも全滅。この距離なら短機関銃は強い!撤退の注意点はあまり急ぎすぎないこと。撤退を悟られるのは遅い方が良い。したがって教会建物を出た地点で停止。敵が追いかけてきたら即座に反撃できることが重要だ。

教会後方のATG2部隊も後退。前ターンではこのATGを囮にオートバイを粉砕するつもりだったが、敵もこちらの意図をちゃんと読んでいたようだ。移動力を残して見えているオートバイは撃っておく。ロバを残しておいた東側のATGは南東の墓地付近まで後退できた。機関銃1部隊も場所を変える。さっきの敵突入で見られた可能性が高いからだ。

最後はT-34である。撤退の成否はここでロジーナがどれだけ敵歩兵を撃退できるかにかかっている。前ターンのリムスキー救出作戦でもある程度オートバイを撃退したが、今ターンの敵攻撃を見るとT-34の攻撃は全然足りなかったようだ。1両犠牲になっても構わないと覚悟して、多少の危険は冒して積極的に攻撃しなければならない。なにしろリプレイを見る限り、すでに敵歩兵は現在地から100m以内にいるはずだから。最低でも彼我の距離は250m程度には保ちたい。5HEXあればオートバイ以外の敵歩兵は追いつけない。そして最初のオートバイをT-34で撃退すれば、戦車も突っ込んでこられないだろう。


<クバエフ中尉の無線連絡>
「クバエフ隊前進を開始する!50m先まで歩兵に先導させてくれ」
「先行歩兵が敵LMGを発見粉砕。ではこれから突入する!幸運を祈ってくれ!」
「100m前進したところだ。火炎瓶の攻撃!・・外れた。オートバイは勝手に逃走した。周囲を偵察中・・」
「南西50mに釘付けベルサ。北西50mに火炎瓶。その奥に工兵。北東100mにL6とベルサ・・」
「西100mに機関銃オートバイ。200mにベルサ・・敵だらけだが攻撃はない・・」
「敵歩兵はほとんど全速移動中だ。攻撃を開始する。目標は火炎瓶・・粉砕した。」
「さらに西へ50m進む・・オートバイがまた逃げた。どうやら敵歩兵は戦車が怖いらしい。」
「南西ベルサを粉砕。さらに西へ進む・・・斥候1、ベルサ2、工兵1、中隊長も発見・・隣接した工兵は怯えている。」
「どうやら敵は前進を焦りすぎたようだ。クバエフ2、リムスキー1とともに一気に攻撃する!!交信終わり!」


「というわけで敵もやはり我々と同じ人間だったな。これだから対人戦は面白い。」
「あの冷静な敵将でさえ、相次ぐ成功に油断すれば歩兵を高速移動させるというミスを犯すんですね。」
「歩兵があれほど何もできないとは予想外だっただろうな。待伏した火炎瓶も命中率はかなり低そうだ。」
「我々にとっても予想以上に敵歩兵は戦車にはトコトン弱かったですね。こりゃT-34だけで敵中突破も可能なのでは?」
「敵のターンになればタコ殴りに合うから無理だ。敵も弱いが我々も弱いことを忘れてはいかん。」
「しかしこれでかなり敵歩兵を撃退できました。撤退作戦は成功しそうですね。」
「馬鹿な!その油断が命取りだと言っただろう!ここで手を抜いてはいかん。まずはきっちり砲撃だ。」

「前回は照準転換と煙幕に費やしたことも敵の高速前進に貢献したんでしょうね。」
「そんな効果までは予想してなかったがな。しかしこれからは常に1〜2ターン後を考えて砲撃する。」
「撤退部隊を隠す煙幕も重要ですね。」
「とりあえず今回の砲撃で南高地と教会付近の敵は止まるだろう。やはり問題は北だな。」
「北の敵は横に広がってるから砲撃しにくいんですよね。」
「ま、煙幕でごまかしつつT-34が飛び出すと見せかけて撤退というパターンが有効かな。」

Turn16

Posted: 2006.Nov.11(Sat) 17:51
by Nor
【Turn16】

「大佐!ここ数日どこに?!」
「うむ。温泉でカニを食っておった。戦士には休息が必要だ。」
「・・・それはそれは・・心身ともに休息してさぞ名案が浮かんだでありましょうな。」
「うむ。浮世の垢と共に記憶も流れてしまったようだ。何をしていたかさえすっかり忘れた。」
「対戦中に持ち場を離れるから・・」
「ま、とりあえず前回のDARは読み返した。次はリプレイでも見ようか。」


<リプレイ>
・我が軍の師団砲、重迫1、中迫4が砲撃
・敵軽迫1が南高地東側を砲撃
・どこかでベルサ1が自動退却


「全戦線で敵の攻撃は一切ありませんでした。どうやら敵は攻勢を一時中止したようですね。」
「前回の我々の反撃で怯んだのは確かだろうな。しかし慎重さを取り戻した敵は恐ろしいぞ。」
「我々が教会を放棄しつつあることに気づいているのは間違いないでしょうね。」
「北部の敵主力は体勢を立て直しているだけだろう。まもなくT-34を目標に大砲撃があるはずだ。」
「それをどう防ぎますか?」
「まずこのターンで敵の前線を確認する必要があるな。近すぎればまた一太刀浴びせたいが・・」
「二回目は通用しないんじゃないですか?さすがに敵も用心してるでしょう。」
「いや。敵にできるのは工兵やATRを前に固めることだけだろう。北のATGが一気に南下してもまだ撃てないしな。」
「しかしT-34の嫌がらせだけってのも芸が無いですよねえ・・」


<南部対応>
「ま、とりあえず簡単そうな南部から考えよう。こちらは積極策を続ける。」
「了解。まず単騎偵察中の斥候班ですが・・南高地背後のトラックやATGなんかは見えますね。」
「機関銃でATGを撃っておけ。南部の軽迫まで教会支援に回ると厄介だからな。砲撃目標増加作戦続行だ。」
「ATGはさらに人数が減ったので壊滅間近でしょう。ま、あんまり意味はありませんが。」
「次の目標は移動不能のセモベンテとスタックしているMMGだ。徴集兵を使ってあぶり出せ。」
「了解!予想通りMMGは見えるようになりましたが・・同時にスゴイもので撃たれましたよ。」
「さらに後方に75mm歩兵砲がいるな。偵察兵を動かして見つけ出せ。」
「かなり近くの線路上に発見しました。こりゃ南集落から攻勢をかける際に厄介ですね・・」
「今撃てるのは徴集兵が2つだけか・・勝ち目は無いな。とりあえず放っておいてMMGだけ攻撃だ。」
「MMG対決はこちらの勝ちですね。マキシムで先制して徴集兵がトドメを刺しました。」
「セモベンテは撃ってこないから見えないが・・まあ放っておいてもよいだろう。」

「大佐!さらに移動した偵察兵が遂に見つけました!!」
「迫撃砲か?」
「いえ・・移動中の補給車です!敵は迫撃砲2門につき補給車を1台つけてるようです!」
「贅沢な!迫撃砲をかなり大事に使っていると思っていたが、弾薬補給のためにも砲撃を中断していたのか!」
「どうします?遂に正々堂々とカウンターを狙いますか?」
「そうだな。今は移動直後だ。このチャンスを逃すな。補給車の北東50mに遅延1.0で照準だ。」
「しかし・・なぜ迫撃砲はワジに入らずこんなめちゃめちゃ見える平地に?」
「ここ数回の移動軌跡を見ると南の迫撃砲は北西に3HEXずつ移動している。これが行動パターンだ。」
「なるほど〜(ホンマかいな)」

「南部での反攻がホンキだと思わせるにはもう一押し必要だな。よし。歩兵分隊をデストラップに突入させろ!」
「え!あの地雷原の家に自ら入るんですか?」
「それくらい危険を冒して攻めようとしてると思わせるのだ。本当の目的は軽迫陣地と南高地の状況を掴むことだ。」
「命令一下、地雷原に突入とは赤軍魂ですなあ。案の定撃たれまくりで何もできずですが・・」
「ATGがもう一つ近くにいるな。軽迫は見えずか・・。しかし南高地南端は良く見えるぞ。」
「ベルサ小隊にセモベンテが3つですね。ゾロターンが2ついるのも見えますね。」
「我々が戦況を有利に運ぶには南高地の敵を無力化する必要がある。この超強行偵察は意味があったぞ!」
「次のターンでこの突入部隊は全滅してるでしょうね・・」


<北部対応>
「で、北部ですが、とりあえず墓地にいる偵察兵を動かしてみると・・ベルサ発見!近いです!」
「ロジーナ出動だ!250mラインから敵歩兵を追い出せ!」
「またもや火炎瓶の強襲を受けましたが命中率9%でハズレです。ベルサ2と火炎瓶1を壊滅させました。」
「うむ。充分だろう。歩兵と工兵はどんどん後退だ。ロジーナも安全圏まで下がれ。」
「問題は教会西側の敵ですね。ここは250mも余裕がありませんから。」
「教会敷地内には地雷が一杯あるから大丈夫だろう。」
「でも工兵の埋めた地雷はほとんどの地点で10個もありませんが・・」
「敵には地雷の数は見えん。ドクロマークが見えればできるだけ踏みたくないはずだ。」
「そうであれば良いんですが・・」


<砲撃計画>
「砲撃は適当にな。重要なのは北部の煙幕だ。さらに敵の前進地点を予測して重迫に遅延0.4で撃たせろ」
「予測?しかしどうやって?」
「そのために煙幕を張るのだ。敵は煙幕までは安全だと思って出てくる。そこで移動後をいきなり砲撃だ。」
「なるほど。素晴らしいですね。」
「これぞ煙幕ホイホイの術だ。」
「その名前はいただけませんが・・・南部はいかがしましょう?」
「歩兵砲の視界を煙幕で切れ。南集落の徴集兵はそろそろ北上する。」


<ターン終了時>
「大佐!!敵の大砲撃です!」
「う〜む。敵はこちらの作戦を完全に見通していたようだな。75mmと100mmで後退中の北部主力が捕まったな・・」
「さらに敵は北部と中部の軽迫を総動員して教会とその東側一帯を虱潰しに砲撃してます。」
「どうやら敵は教会に守備隊を残しつつ退却していると考えているようだな。」
「その点は助かりましたね。こんな砲撃を食らっては守備隊全滅は確実でしたね。」
「退却部隊は抑圧急上昇だろうが、おそらく次の敵ターンでは追いつかれないはずだ。まだ生き延びるチャンスはある。」
「敵の照準がやや北寄りなのが幸いしましたね。一刻も早くこの砲撃網を抜けなければ・・」

Turn17

Posted: 2006.Nov.11(Sat) 18:11
by Nor
【Turn17】

<リプレイ>
・南部で突出しすぎた歩兵と徴集兵がタコ殴りにあって退却
・北部で敵オートバイの突入をT-34が撃退
・我が軍の重迫3、中迫2、軽迫1が砲撃
・敵75mm、100mm、軽迫1が砲撃
・敵ベルサ2、ATR1、ATG1が自動退却

「南の突出部隊は本当に全力で撃退されましたね。全滅しなくてラッキーでした。」
「おかげでセモベンテは高地を降り、軽迫の位置までわかったから充分損害に見合っただろう。」
「北ではオートバイの威力偵察がありましたね。撃退しましたが、これで我々の居場所は完全にバレましたね。」
「最大の問題は今回の砲撃による教会撤退部隊の抑圧だな。これを確認するのは胃が痛いが・・」
「ヒドイ順に言いますと・・・76、52、44、43ですね。あとの歩兵は一桁です。T-34は無傷です。」
「・・・・正念場だな・・・もっと詳しく報告したまえ。」
「抑圧の高いものから順に、工兵小隊長、狙撃分隊、狙撃小隊長、機関銃分隊です。」
「小隊長が捕まったのは最悪だな。狙撃小隊の回復には中隊長が使えるからまだ望みはあるが・・」
「工兵小隊長が回復できるかどうかは完全に運ですね。」
「ま、嫌なことはとりあえず忘れて今回も簡単そうな南部からやろうか。」


<南部対応>
「南部でも徴集兵が抑圧93と33、狙撃兵が33ですね。」
「ま、こっちはやられてもいいからな。敵も突っ込んでは来られないし。北で負けてる分こっちで押す必要がある。」
「しかしセモベンテは高地を西側に降りましたよ。下手したら南集落に向かうのでは?」
「それは絶対に無い。セモを支援できるベルサは1個小隊だ。軽迫がヤバくなったからセモが動いただけだろう。」
「ならば敵は南高地では攻勢に出ないんですかね。」
「目的はあくまで北の主力の側面支援だろう。ただし南高地の北半分は教会と連動して出てくる可能性がある。」
「そこにはベルサが2個小隊いるはずですね。」

「まず手薄そうな中央部の様子を探ってみるか。やられかけの狙撃兵を一歩前進させてみろ。」
「おお!何といきなり対戦車砲ですよ!Rout状態ですね。もう一つ何かスタックしてますが見えません。」
「ATRかLMGか斥候だな。とりあえず対戦車砲を攻撃だ。」
「LMGだったようですね。一撃で後退しました。引き続きATGを攻撃します・・あっさり壊滅です。」
「南高地の敵は我が師団砲の連続砲撃で目を回しているのだろう。今がチャンスだな。もっと威力偵察だ。」

「では斜面に隠れている狙撃兵を移動させて・・・西50mにベルサ発見!砲撃による抑圧で撃ってきません!」
「チャ〜ンス!!ベルサ相手に先手を取れるなんて幸運は二度とないかもしれんぞ!撃て!」
「一撃で南西に後退させました!!」
「よし。一気に壊滅させるぞ。別の分隊を高地に上げろ!」
「ホントにいいんですか?高地に上げると敵の後方支援部隊に撃たれますよ?」
「まず前進斥候を移動させて高地裏側を監視しろ。何か撃ったらすぐ見つけられるようにな。」
「それだけでは・・」
「構わん。歩兵の数ではこっちが優勢だ。赤軍は損害を厭わず!突っ込め!」
「では・・撃たれました。北西150mにベルサ小隊長です!さらに何かスタックしてますが見えません。」
「おそらくゾロターンだろう。退却ベルサは無視して小隊長と交戦だ!」
「・・損害2を出しましたが敵小隊長を高地の裏に後退させました!」

「ヨシ!続いて隣接ベルサを撃て!」
「一撃でさらに南西に後退させました!!」
「う〜む。さらに別の分隊を高地に上げろ!何としてでも仕留めるのだ!」
「次は他のベルサとセモがスタックしてるはずですが・・もう知りませんよ〜・・・おおお!!」
「どうした?!」
「西50mにベルサ2分隊とセモ、北西150mに20mmAAです!しかし誰も撃ってきません!」
「隣のセモには軽迫が砲撃したばかりだからな。ベルサは2つとも退却・壊走状態か・・」
「何を撃ちますか?ここが勝負ですよ!」
「ここは迷わずベルサだ。ベルサさえいなくなればセモもAAも何もできん!」

「うぉおお!やっぱりAAとセモに反撃されました!」
「怯むな!中隊長を連れてきて抑圧回復だ!こうなったら手近な歩兵を全部使え!」
「単なる偵察兼嫌がらせじゃなかったんですか・・・」
「馬鹿者!今こそ南部の主導権を掌握するチャンスだ。セモもライフルで撃ちまくれ!オープントップを狙え!」
「う〜ん・・・どしどし損害が出てますが・・・」

「というわけで、結果的には狙撃2個小隊と徴集兵1個小隊を全部使ったな。損害はだいたい10〜15名というところだな。」
「戦果は・・・ATG1、AA1、セモ1ですね。肝心のベルサは1分隊だけ壊滅したかもしれません。」
「う〜ん。ベルサに逃げられたのは痛いな。でもまあ戦力としては使い物にならんだろう。」
「問題は残りのセモ2ですね。ベルサ無しでは出てこられないでしょうが・・」
「とりあえず中迫で砲撃だ。ATRも前進させておけ。次のターンにケリをつけるために後方のATGの視界も煙幕で塞ごう。」

「砲撃と言えば・・我が斥候の視界から補給車が消えましたが・・」
「斥候に見えないのはもはやワジだけだ。敵はワジに隠れたのだろう。しかしなぜ1ターン遅らせたのかは謎だな。」
「行動パターンなんて意味無いじゃないですか!そもそも補給車は見せ球で、我々の偵察兵に気づいているのでは?」
「う〜ん。その可能性も無いとは言えんが・・・とにかく照準をワジに移して砲撃は続行だ。」


<北部対応>
「さて、いよいよ問題の北部です。南部が結構上手くいっただけにここで失敗したくないですね。」
「最終的に回復できるかどうかは運だが、操作次第で何とかなる部分もある。まず右クリックは絶対使うな。」
「了解。運に頼った一発勝負は禁止ですね。」
「次に狙撃兵は小隊長から回復すること。抑圧が13以下になればそこでストップだ。」
「なぜ13なんです?」
「だいたい抑圧13程度ならT-34に乗せられるからだ。それ以上回復を試みて運を消耗する必要はない。」
「了解です・・・小隊長は2回目で失敗しましたが、中隊長が支援して抑圧11になりました!」
「小隊長が失敗するとは幸先が悪いがそこでストップだ。次は抑圧76の第三分隊だな。」
「・・・軍曹自ら3回回復に成功して抑圧9に低下!」
「次は機関銃分隊だ。」
「こちらも2回目で失敗しましたが、中隊長が支援成功で抑圧10に低下しました!」
「良し!とりあえずこれで狙撃小隊は後退可能になった。後は本当の運試しだ。自力移動できるまで回復せよ。」
「了解・・最終的に小隊長以外は全て自力移動可能になりました!」

「次は工兵小隊だな・・こちらは中隊長も使えず一発勝負の運しかない。やれ!」
「いきます!!1回目・・成功!2回目・・成功!3回目・・失敗!!しかし抑圧13でギリギリT-34に乗車可能!!」
「素晴らしい!!ではロジーナ隊が再び牽制に向かうぞ!」
「今回はホントにヤバいんじゃないですか?ATGも絶対待ち伏せしてますよ。」
「ま、一発目は当たらんだろう。撃たれたらすぐ逃げるし。今回はちょっと覗くだけだ。」
「そんな適当でい〜んですか??」
「だって少しでも偵察しとかにゃ敵の前進ラインもわからんだろうが。次の作戦のためにも必要なのだ。」
「しかしここでT-34がやられたら元も子もありませんよ。」
「まあ近接強襲避けに歩兵を積んでいこう。どうせ工兵隊長は積まないと移動できんからな。」

「敵はかなり接近してますね。ATRとかLMGとかを前進斥候に使ってますね。」
「うむ。残念ながら敵主力の位置は把握できなかったが仕方ない。」
「工兵隊長の火炎放射器で敵工兵を燃やせましたしね。敵に与えたショックは充分でしょう。」
「戦果は・・ATR2、LMG1、工兵1、オートバイ1ですね。あとベルサ1が退却。」
「教会の内部はもう全然わからんな。西から来る敵が一番ヤバイな。そのためにも歩兵はできるだけ下がらせよう。」
「退却ラインは教会東側の斜面ですね。」
「しかし斜面でも視界が通るところがあるな。」
「歩兵が煙幕張りましょう。煙幕。張ってから動くならいいでしょう。」
「う〜ん、一歩移動しかできんからさらに密集してしまった気がするな・・・ここに砲撃がきたら・・・」


<砲撃計画>
「まず南部は迫撃砲にカウンター。南高地西側のATGに煙幕。セモのスタックに砲撃。これは決まりだ。」
「そろそろ重迫の弾が10発台まで減ってきましたが・・」
「師団砲との連絡も切れたし厳しいな・・。ヨシ!思い切って重迫2門は1回休ませよう。」
「この大事な局面でですか?!」
「まだ7ターンある。それに北と教会の敵は大きく動いたようだ。今回は軽迫が1門しか撃ってこなかったからな。」
「では北部は重迫1門と中迫2門だけにしますか・・」
「いや、北部は重迫1門だけだ。中迫は南高地中央を狙う。次のターンで南高地の南半分を制圧するのだ!」
「おおおおお!大それた作戦だあ!!」


<ターン終了時>
・敵中迫と軽迫が教会VH後方および墓地北側の斜面要地(荒地・森)を徹底的に砲撃。
・我がカウンターはほとんど目標地点に着弾せず
・南高地で我が歩兵が自動退却

Turn18

Posted: 2006.Nov.14(Tue) 01:15
by Nor
【Turn18】

「・・・リプレイを見らんでも何があったか一目瞭然だな。」
「毎度のことですが、このファイルを開いて前線を見る瞬間って寿命が縮まる思いですね。」
「うむ。そしてリプレイで崩壊の様子を逐一見るのは本当に胃が痛い。」
「・・・ま、それでも一応見ておきましょう。」


<リプレイ>
「まず南部でATG、AA、軽迫によって狙撃1個小隊が撃退された。これは想定範囲内だ。」
「セモベンテに逃げられたのは痛いですね。そして軽迫はホント邪魔ですね。」
「後は全部北部だ。再び敵は全戦力で大攻勢をかけてきた。ちょっと説明する気にならん損害だな。」
「一言で言うと・・教会退却部隊の半数以上が攻撃を受けて抑圧過多ですね。」
「敵は予想以上に戦力を残していたな。特にオートバイだ。」
「墓地の北から2個小隊、教会裏から1個小隊ですね。もともと4個小隊いたんですかね?」
「だな。MGオートバイ小隊があることは完全に盲点だった。てっきり3個小隊だと思っていた。」

「損害は・・ちょっと数えられませんね。退却部隊の戦力半減くらいでしょうか。」
「だな。壊滅部隊は機関銃一つだけのようだが。T-34まで再びタコ殴りにされてしまった。」
「もう敵は一気に勝負をかけてきたみたいですね。ATGをT-34の目の前に置いてきましたよ。」
「何だか敵のほうが赤軍ぽい戦い方だな。南高地で我々が反撃した分をきっちり倍返しされたぞ。」
「なんつ〜か、こう・・・敵は強いですねえ。もう・・降伏を考えましょうか?」
「・・・ちょっとSSを取れ。一晩かけて作戦を立て直す必要がある。」


<第4四半期の作戦>
まず今回の大損害の原因は、斜面に隠れた部隊が2HEX以上の距離から攻撃されたことにある。我々もこの危険性には気づいており、そのために歩兵が煙幕を張ってから後退した。しかし、それでも視界は塞げなかったのだ。またも敵ターンで煙幕は薄れたのである。われながら同じミスを3回も繰り返すとは不覚の極みである。

それはそれとして、工兵を歩兵とともに置いたのも失敗だった。工兵は損害覚悟で最前線で待ち伏せしなければならなかった。工兵の強みである爆薬や火炎放射器を使うには近接戦しかないからだ。しかし我々は無事に逃がすことばかりを考えたため、工兵を効果的に使えなかった。以上2点が今敗北の主要原因である。その結果、教会撤退部隊は大損害を受け、T-34を含めた半数が抑圧過多に陥った。

さて、悲観ばかりしてもいいことはないので、ここでマップを縮小して全体を眺めてみる。友軍部隊の配置だけをみると、実は結構いい感じの防御ラインができている。現状での防御線は、南集落−南高地東斜面−中央集落−教会東南斜面−墓地−果樹園と見事に繋がっている(添付図参照)。中央集落を中心とするコンパクトな防御陣と言えよう。教会撤退部隊を除いても、この狭い範囲に我が軍は5個小隊の歩兵、支援機関銃4、ATG4、ATR5を持っているのだ。

では敵はどうだろうか?まず南高地の南半分。ここには戦力半減以下のベルサ3個分隊、20mmAAが1、ATG1、セモベンテ2、軽迫3がいる。さらに後方にATG1、75mm歩兵砲が2いることもわかっている。しかし、高地に登って攻撃できる戦力はベルサ2、セモ2がいいところだろう。ここでは圧倒的に我々が優勢だ。ただし、南高地の北半分にはほぼ無傷のベルサ1個小隊がいる。ATGもいるだろう。その北側、隣接する教会南端には、さらにベルサが1個小隊いる。この付近には、若干の工兵とベルサがもう1個小隊強いるはずだ。つまり、教会を攻めた第三軸のベルサ中隊はまだ2個小隊分の戦力を無傷で残しているのだ。

そして今回、教会東側の並木道からオートバイ1個小隊弱とセモベンテ・L6戦車が突っ込んできた。さらに東側の墓地の北側にはオートバイ2個小隊弱とMGオートバイ小隊、さらに1個小隊弱のベルサがいる。セモベンテやL6の一部とATGも見えている。ここのオートバイは早めに潰しておかないと我が本陣が危うい。

しかし、こうして大局をみると、双方の歩兵戦力はほぼ互角か我々が若干有利、戦車戦力はT-34の回復次第ということになる。少なくとも開戦当初より戦力差は確実に縮まっている。そして5群のVHのうち敵に渡したのはまだ1つだけだ。あと7ターンの間に中央集落のVHは渡しても良い。その過程で泥沼の消耗戦に持ち込み、残り3つのVH群は死守する。我々がこれから取るべき作戦はこれだろう。

冷静に考えれば、さほど悲観する状況ではない。落ち着いてリプレイログをみると、敵はベルサ2、小隊長2、オートバイ3が自動退却している。今回の敵攻勢は我々に大損害をもたらしたが、敵も大きな犠牲を払ったのだ。自分が厳しいときは敵も厳しい。だとすれば、先に精神的に折れた方が負けだ。


<南部対応>
「というわけで、今回も南高地から始める。」
「・・・ホントに今ターンで高地南半分を制圧するつもりですか?」
「いや、計画変更だ。建物に隠れたATGの煙幕目隠しに失敗した。このまま攻めるとさらに損害が出る。それはマズイ。」
「我々の煙幕は敵の正確な着弾とは違ってことごとく外れますな。まあ、大人しく高地の東側に隠れておきましょう。」
「ダメだ。せっかくAAに砲撃したのだ。それに敗残ベルサも始末できるヤツは始末する。」
「それじゃやっぱり攻めるんですか?さらに動いて損害を出すと南集落の維持も危なくなりますよ。」
「大丈夫。場所は特定できている。2個分隊を捨てる。それ以上の犠牲は出さない。」

「では・・移動不能セモにスタックしているはずのベルサを見つけるために、毎度おなじみの徴集兵を飛び込ませます。」
「2HEXで撃ってきたが・・・敵はCrewじゃないか!セモの乗員は離脱したのか!」
「おおお!これは僥倖ですね。じゃ、片付けましょう。Defendの徴集兵から撃ちます。」
「・・・!!見えないベルサと小隊長が壊滅したぞ!敵はここに3スタックもしていたのか!」
「ラッキーですね。乗員の始末はマキシムで完了しました。このマキシム陣地は最高ですね。」
「ちょっと待て。偵察兵を動かしてみろ。歩兵砲はどこにいった?」
「・・・1門姿を消しましたね。もう1門も一歩移動して、すぐ後ろにトラックが来てます。前進させるつもりですね。」
「マキシムで一回だけ歩兵砲を撃っておけ。抑圧除去に失敗したらトラックに乗れないようにな。」
「そんな小技ばっかりですね・・」

「ところで迫撃砲の姿を捉えました。トラックと補給車も見えます。カウンターに焦ってまた移動してますね。」
「もう南の迫撃砲は我が偵察兵の視界からは逃げられんだろう。移動を続ければ撃つ暇もないしな。」
「ま、詳しくは砲撃の時に・・。次は高地上のAAですね。最も戦力の少ない歩兵を使って攻撃します。」
「おお!!ここにはAAとベルサとATRがスタックしてるぞ!みんなRoutだ。」
「どれを攻撃します?やっぱベルサですか?」
「いや、AAだ。ATRもベルサもライフル一発で逃げる可能性がある。AAは逃げないから他の敵にも付随ダメージを与えられる。」
「では・・一撃でベルサとATRが逃げましたよ・・・ベルサ狙った方がよかったじゃないですか!AAだけ全滅です。」
「またもベルサを逃がしたのは痛い!しかしこの攻撃部隊は確実に全滅するだろうな。」
「ま、これで南のAAは全滅ですから良しとしましょう。他の部隊はどうします?」
「高地東斜面に退け!西からはしばらく攻められないだろう。北からの攻撃に備えるのだ。」


<北部対応>
「最初に果樹園にいるSG43がオートバイを撃て。敵は東側に機関銃がいると思ってないはずだから焦るだろう。」
「オートバイ1個は全滅、中隊長は退却です。SG部隊は9ターンから待ち続けた甲斐がありましたね!」
「じゃ、いよいよT-34が回復だ!もう祈るしかない!」
「えい!!・・10〜20くらい抑圧は残ってますが射撃も移動もでき・・・大佐!!クバエフ隊が・・」
「何と!!命令ポイント0か!!移動目標は・・・まだ北高地に指定したまま・・」
「つまり後退不能ですね。敵の真っ只中に突入するか、ここに踏みとどまって戦うか・・ですね。」
「やむを得ん。踏みとどまろう。ちょうど迫撃砲の照準を墓地の北に置いたところだから煙幕で1ターンは凌げるはずだ。」
「ま、アンパイ切ってクバエフ2はATGを狙い、クバエフ1は周辺の歩兵を掃討します。」
「最後はスタックしろ。歩兵も可能な限り集めろ。敵はセモベンテで北と西から挟み撃ちしてくるはずだ。」
「クバエフ隊の全滅は覚悟した方が良さそうですね・・・」
「もはやどうしようもないな。後は敵をどれだけ道連れにできるかだ。」
「ところでリムスキーは目の前のL6を潰しました。唯一の朗報です。」
「退却部隊のほとんどは抑圧を残したな。動けない部隊もいるし・・」
「リムスキーは歩兵を積んで下がります。T-34が1両助かっただけでも良しとしましょう。」


<砲撃計画>
「まずカウンターだ。北の迫撃砲は一回も狙われてないから油断しているだろう。今回は北と南の両方狙うぞ。」
「そろそろ盤外砲の弾も尽きてきたはずですからね。ここで迫撃砲を潰せればかなり有利ですね。」
「あとは北を重点的に狙え。しかし焦るな。いつでも煙幕を張れるように遅延1.0で照準しておけ。」
「重迫は我々がドツボにハマった教会裏の並木道付近に照準しておきます。敵も同じ目にあわせてやりましょう。」
「ここで師団砲が使えればな・・という時には絶対連絡不能だな。弾があっても使えないんじゃ全く意味がないぞ!」
「あんたが選んだんでしょうが・・」


<ターン終了時>
・敵の迫撃砲が墓地周辺に降り注ぐ。工兵1分隊が吹っ飛ぶ。
・我が迫撃砲が墓地北側に煙幕を展開。今度は着弾も良くATGの視界は塞げたようだが・・
・我が工兵と歩兵が自動退却。

Turn19

Posted: 2006.Nov.14(Tue) 01:21
by Nor
【Turn19】

<リプレイ>
・南集落で突出した徴集兵が全滅
・我が重迫1・中迫3が北部一帯を砲撃


「・・・敵は北部で一切攻撃してきませんでした。砲撃も無しです。クバエフ隊は九死に一生を得ました!!」
「なぜだ?!敵は憎むべきT-34を2両も仕留める最大のチャンスをなぜ見逃した?」
「一応クバエフ隊は射撃も移動もしましたから、まさか抑圧がたまってるとは思わなかったとか・・」
「クバエフ隊が逃げなかったことから罠があると深読みしたのか?」
「ホントは逃げられなかっただけなんですけどね。あるいは敵も攻め手がなかったとか?」
「確かに墓地北側の歩兵戦力は残り少ないかもしれん。しかしセモベンテは無傷だったはずだが。」
「きっと今までの撃ちあいを見て、セモの射撃は当たらないと思ったんじゃないですか?」
「しかし前ターンでは何発か命中していたぞ。当たっても壊れなかったのは事実だが・・」
「まあいいじゃないですか。これで北部崩壊の危機は逃れたんですから。」
「敵は相次ぐカウンターで砲撃支援が切れたから攻勢を一時中止したと見るべきか。」
「軽迫も移動したみたいですし、また大攻勢が来そうですね。」


<北部対応>
「撤退部隊の抑圧状況はどうだ?」
「クバエフ隊は万全です。リムスキーは抑圧12。工兵が22と37、最大は偵察兵の74です。」
「回復しろ。この隙に安全圏まで後退だ。」
「・・・リムスキーは抑圧3。工兵はともに失敗。偵察兵は2まで戻しました。」
「結局、工兵は3個分隊13名まで戦力低下して、救出できるのは小隊司令部の5名だけか・・実質全滅だな。」
「狙撃小隊の残りは4個分隊31名と機関銃ですね。」
「定員は5個分隊で50名くらいだから4割の損害か。支援重機も1班失ったし前回の攻撃はやはり痛かったな。」

「とりあえずどこに後退するか考えましょう。墓地に留まるのは明らかに危険です。」
「支援重機と狙撃分隊はクバエフ1に積んで果樹園に後退。ATRはクバエフ2で中央集落だ。」
「墓地は完全放棄ですか?」
「工兵隊長は残り2個分隊の中間点に移動。工兵隊はDefend体勢で臨機距離1。墓地を死守せよ。まあ何もできないだろうがな。」
「全滅同然の部隊ですから爆薬を一発でも撃ってくれれば御の字ですね。」
「狙撃小隊は中央集落に後退。クバエフ隊は果樹園と中央集落の間に配置。やっと開けた場所で戦車が活躍できそうだな。」
「あとはリムスキーですが・・」
「教会南東部にちょっかいを出すという手もあるが・・撃たれると抑圧回復もできないしな。安全策でさらに後退だ。」


<南部対応>
「南部は・・南高地東側沿いに2個小隊が密集してます。抑圧を残してるのは小隊長で回復も失敗と。」
「こんなにズラリと縦に密集すると盤外砲の砲撃一発でモロ打撃だな。ジワリと下がれ。敵は西からはまだ来ない。」
「しかしここで予定外の方向に後退すると大隊司令部の命令を使うことになりますよ。」
「それも困るな。砲撃命令分は残しておく必要があるしな。先に砲撃計画を練ろう。」


<砲撃計画>
「3ターンぶりにようやく師団砲と連絡が取れました。まだ弾は41発もありますね。」
「ようやく普通の盤外砲の規定量か。25ターン程度の戦いでOS砲を使うのは無駄だったな・・。」
「やっと自分の失敗を認めましたね。こんなもん買うくらいなら普通の75mmを3つ買うべきでしたよ。」
「我々が効果的に煙幕を張れないのも盤外砲が一つしかないせいだな・・」
「全くその通りです。ま、反省は戦闘終了後にして今は作戦を立てましょう。」

「師団砲は南高地の北半分。重迫は教会南東と教会東側の並木道。敵歩兵が一番残ってるのはそこだからな。」
「敵迫撃砲に対するカウンターは?」
「もう逃げただろう。だがこの大事な時期に撃たせなかっただけでカウンターは成功だ。」
「南の迫撃砲はいったいどこに逃げたんですかね?逃げ場はないはずですが。」
「川の中だろう。偵察兵に見えないのはそこだけだ。」
「偵察兵に追わせますか?」
「今は動くな。敵は正確なカウンターが続いたから斥候の存在に気づいたはずだ。プレッシャーを与えるだけで充分だ。」
「では中迫が2門空きますが・・」
「墓地の北側に煙幕集中だ。工兵も無駄死にさせる必要はない。煙幕で囲んで爆薬を撃たせる機会を作れ。」


<ターン終了時>
・敵75mmが墓地と並木道周辺を砲撃
・我が重迫2門が教会南東部と並木道を砲撃。セモにトップヒットがあったような・・
・我が工兵などが自動退却

Turn20

Posted: 2006.Nov.14(Tue) 17:29
by Nor
【Turn20】

<リプレイ>
・我が師団砲・重迫1・中迫2が北部一帯を砲撃
・我が中迫3が墓地北側に煙幕
・敵軽迫2が教会南東斜面に砲撃


戦闘は一切発生せず。こんなことは何ターンぶりだろう。敵に残された猶予は残り5ターン。敵はあと5ターンで中央集落ともう一群のVHを奪取しなければいけない。狙われる可能性があるのは南集落と我が本陣がある農場だが、距離的・時間的なことを考えると、中央集落から一気に南集落に攻め込む可能性が一番高いはずだ。

今回、敵軽迫は教会南東部の斜面に砲撃した。我が最前線歩兵はもう少し南にいるからこの砲撃は無駄だったが、やはり敵が攻めてくるのはこの方面だろう。教会周辺にはベルサ2個小隊と工兵小隊がいるのは間違いない。さらに東にはオートバイがまだ2個小隊分くらいは残っているはずだ。そしてセモベンテとL6軽戦車もそれぞれ3〜4両ずついるはずだ。

現状では敵影は一切見えない。しかし敵は確実に攻撃準備を整えており、次のターンにも最後の大攻勢が始まるはずだ。この2ターンの不気味な静けさは、盤外砲を含めた砲撃準備と部隊の再配置に費やしているのだろう。敵はこれまでどおり、盤外砲で大煙幕を張って我々の守備陣を分断してから攻撃を開始するに違いない。そして、その準備砲撃はこのターン終了ボタンを押した瞬間に始まるはずだ。

過去の例を振り返れば、我々の最前線歩兵を隠している煙幕が晴れた瞬間に敵の攻勢が始まっている。そして今回も、教会に最も近い歩兵周辺の煙幕は今にも晴れそうである。最前線の歩兵はIn-Coverを捨てても後退しておくべきだろうか?いや、これ以上後退してはいけない。狭い範囲に密集して盤外砲で一網打尽にされるのは最悪だ。それならばピンポイントで砲撃された方が良い。敵の砲兵に捌ききれないくらい多数の砲撃目標を与えてやるのだ。

ここからは、どれだけ味方がやられても退却も救出もしない。各自持ち場を死守するのだ。いや、持ち場など捨てても構わない。中央集落のVHは奪われても良いのだ。最も大事なのは、敵歩兵を見つけたら全滅覚悟で一発撃つことだ。敵の歩兵さえすり減らせば、戦車の前進は止められる。そのためならどんなに損害が出ても構わない。お互いに歩兵が削りあう展開になれば、他のVH3群は維持できる。


「同志大佐、南部斥候班から報告です。歩兵砲1門は教会南西部までトラックで逃げました。周辺にトラックが2両見えます。」
「他には?」
「その南側、南高地の中央部西側にセモベンテ1両を確認。南集落の方を向いています。」
「迫撃砲は?」
「見えません。川沿いの低地帯に入っていることは間違いないでしょう。」
「良し。斥候は西にゆっくり進め。あと2ターンで迫撃砲の位置を特定できるようにな。」

「あとはわずかに部隊を再配置するだけですね。といっても命令ポイントの関係であまり動けませんが。」
「いよいよ中央集落のATGにも発砲許可を与える。臨機距離の調整を怠るな。」
「砲撃は?」
「師団砲は続行。重迫2門は砲弾を温存して煙幕弾を撃て。中迫は適当に煙幕を織り交ぜて教会周辺を砲撃だ。」


<ターン終了時>
・敵75mmが中央集落内に煙幕。予想通り。
・敵100mmが南高地南東斜面に砲撃。なぜこんなところに?ここを攻撃できるのか?
・敵軽迫2門がリプレイ時と同地点を砲撃。ハズレ。
・我が師団砲が南高地北部一帯を砲撃。ものすごい弾着の散らばり。
・我が重迫2門が教会周辺に煙幕。
・我が重迫1門が教会東側並木道を砲撃。手応えアリ。

Turn21

Posted: 2006.Nov.16(Thu) 17:09
by Nor
【Turn21】

<リプレイ>
・我が師団砲・重迫1・中迫3が教会周辺を砲撃
・我が中迫2が墓地に煙幕
・敵75mmが南集落の我が機関銃陣地周辺に煙幕


<分析>
またも戦闘は一切行われなかった。残り4ターン。敵は中央集落に大攻勢をかけてくるものと思っていたが、どうやらそうではない可能性が強くなってきた。もしかすると敵は攻撃を諦めたのかもしれない。

前ターン終了時に敵は75mmで中央集落に煙幕を張った。これは我が守備陣地を分断することを目的とした攻撃準備の煙幕だと考えられる。しかし、同時に100mmで南高地南東斜面を砲撃してきた。これは非常に不可解である。確かにそこには我が歩兵が密集しているので砲撃目標としてはおいしい。この付近が教会南東部にいる敵から見えている可能性はある。しかし、南高地の我が歩兵を直接攻撃できる敵部隊はいないはずだ。つまり砲撃で抑圧を与えても、トドメを刺す部隊が敵にはいない。

さらに今回のリプレイで、敵は再び75mmを使い、南集落最西端の機関銃陣地に煙幕を張ってきた。確かに、ここにいるマキシム重機2班は、南高地西側の敵に対してこれまで数々のハラスメントを行っている。ここに煙幕を張れば、南高地周辺の敵は安全を確保できるだろう。しかし、敵が中央集落を攻撃する分にはほとんど関係が無い地点である・・・。

これらの砲撃状況から考えられることは、敵は残りVHに対する攻撃を完全に諦め、これ以上の損害を出さないために防御に転じたという可能性である。こう考えると敵の砲撃は理解できる。ヤバそうなところに煙幕を張って攻撃されることを防ぎ、我が歩兵密集地を砲撃して未然に攻撃部隊の足を止めようということだろう。

しかし、VH群の確保状況から言えば敵は1:4で負けている。それなのに、まだ時間もあるのに攻撃を諦めるだろうか?攻撃したくてもできないくらい戦力が低下しているのだろうか?いや、控えめに見積もっても、敵にはまだ歩兵2個小隊、オートバイ小隊、工兵小隊、さらに戦車8両は残っているはずである。おまけに北部の支援部隊(HMG・AA・ATG・IG)はほとんど無傷のはずだ。

ただし、サトさんのプレイスタイルを考えると、この状況で攻撃を止めたとして不思議ではないような気がする。まず第一に、サトさんはゲーム上の勝敗にはこだわらない。そして第二に、いかなる状況でも勝利に繋がらない損害を出すことを非常に嫌う。したがって、全滅覚悟で全部隊突撃!や最終ターンで一か八かのVH踏みラッシュなんてことは絶対にしないだろう。

サトさんがこだわるのはリアルな戦場の雰囲気であり、本当に自分が現場指揮官だったらどうするか?という点だ。イタリア軍はすでに初期戦力の1/3以上の損害を被っている。これは実戦感覚で言えば、実質戦闘力を失った壊滅状態に相当するだろう。つまり常識的な指揮官ならば、もはや攻撃前進は不可能と諦め、これ以上の損害を出すことなく既に確保した教会を維持することを最大の目的とするだろう。

それでも、赤軍・日本軍・末期SSなら全滅覚悟で攻撃を続行してもおかしくは無いが、なんつってもヘタリア・・じゃないイタリア軍である。壊滅状態のイタリア軍が、損害をものともせずに赤軍を攻めまくるという展開はちょっとアレかな・・ともサトさんは考えているのではないか?


<今後の作戦>
敵は攻勢を諦めたという予想が当たっているなら、我々が積極的に行動しない限り残り4ターンの間に戦闘は起こらず、そのままゲームは終了して我がソ連軍はゲーム上の勝利を得るだろう。あくまでゲーム的に考えるなら、我々が取るべき作戦としては、ここ2ターンしてきたように、万が一の攻撃に備えて部隊を地味に再配置しつつ、砲兵隊だけフル稼働で阻止砲撃を行うというのがベストな選択だろう。

しかし、1942年8月、セラフィモヴィッチ橋頭堡の防衛と拡大を命じられたソ連第21軍第304狙撃師団の一大隊長ザモイロフ大佐としてはどうするべきだろうか?

我が大隊は、この名も無い高地一帯で遅滞作戦を展開することを命じられている。この地域には5つの戦略要衝があるが、敵に奪われたのは教会だけだ。我々の損失戦力は、約3個小隊分の歩兵と戦車1両である。そして、敵には1/3以上の損害を与えており、敵がこれ以上攻撃してくる気配はない。我々は独力でおよそ2時間持ちこたえれば、増援部隊なり新たな命令なりが来ることになっている。上級司令部からの伝令が来るその期限まであと30分弱。

戦況は我々が優勢だ。数々の間違いを犯し、それ以上の幸運に助けられたにせよ、現時点での結果を公正な神の視点から判断するならば、ザモイロフ大佐の采配は失敗ではなかったと言えるだろう。だがソ連邦に神はいない。赤軍指揮官の采配の妥当性を判断するのは神ではなく、軍事知識のない政治将校や前線の実態を知らない上級司令部なのだ・・・。


「同志大佐、敵は攻勢を諦めたようですね。墓地の北側に移動中の20mmAAが見えます。守りを固めているようです。」
「・・・」
「このままじっとしてれば任務達成ですね。いや、この苦しい戦いをよく切り抜けました。さすが大佐です!」
「・・・」
「正直言って、大佐のことを傲慢で自己中で見栄っ張りの低脳俗物野郎だと思ってましたが、完全に私の間違いでした。」
「・・・」
「こんなイヤミにも反応しないなんて・・まだ敵の攻勢を心配してるんですか?」

「・・敵は我々を油断させて何かを企んでいる可能性はあるな。」
「でも時間をかければ状況は我々に有利になるだけでしょう?じっとしてればいいじゃないですか。」
「君はこの状況に満足してるのかね?」
「もちろんです。この地域で遅滞戦を展開するという任務は成功目前じゃないですか!」
「言われたことだけやればいいという考えでは出世せんぞ。」
「・・・」

「我々はまだ勝利を手にした気になっているに過ぎん。確実にいえるのは、大敗北は免れたということだけだ。」
「まあ確かに敵の出方次第ではどうなるかわかりませんが・・。だからこそ守りに徹して優勢を確実にするべきでしょう。」
「いや、攻撃が必要だ。攻撃は最大の防御とも言うだろう?」
「馬鹿な!今さらどこを攻めるというんです?!敵は教会周辺の守りをガチガチに固めてますよ!」
「それはわかっている。もはや教会を奪還するのは不可能だ。しかしこのままジッとしているのも芸がないだろう?」
「この状況で攻めに出て無駄な損害を出すよりよほどマシです!その機に乗じて敵は一気に攻勢に出るかもしれませんよ。」
「そう。まさに目的はそこだ。このままでは敵は攻撃してこない可能性が高い。しかし我々が先に攻勢に出れば・・」
「偽装攻勢で敵を釣り出す?!」
「敵を攻める気にさせるにはそれしかないだろう。」

「・・・しかし・・損害を出した挙句、中央集落を取られる可能性もあるのでは・・」
「まあ絶対安全とは言い切れんな。下手をすると南集落まで急襲される可能性もある。」
「今回確認した北部AAは我が司令部を視界に入れましたよ。本陣も危険では?」
「本陣を襲える敵部隊はオートバイの生き残りと戦車だけで到達には2ターンはかかる。もはや本陣襲撃の可能性は低い。」
「だとすると敵が出てくるなら・・やはり中央集落ですか。」
「そうだ。敵は教会を中心に中央集落を包囲するように弧を描いて布陣しているはずだ。」
「そこに突っ込む部隊は全滅必至では?敵が誘いに乗らなかったらまるで無駄死にですよ!」

「もちろん正面から突入する気はない。損害は少ない方がよいのは当然だ。」
「ではどこを攻撃するのです?」
「南高地西側だ。タンクデサントを編成してロジーナ隊を使う。」
「確かに南高地は最も手薄でしょうが・・そんなとこを攻撃して敵は中央集落攻撃を決意しますか?」
「T-34が歩兵を連れて3両姿を現すのだ。つまり中央集落に我々の戦車はいないことになる。」
「そうか・・それに加えて若干の歩兵が突入すれば・・」
「それでも敵が動かない可能性は残る。しかし、これまでほとんど活躍していない敵戦車はウズウズするはずだ。」
「L6は対歩兵なら強いですしね。T-34がいないとわかれば・・最後のチャンスと見て出てきそうな気もしますね。」

「まあ最悪敵が出てこなければそれでも良い。ロジーナ隊が戦果を伸ばせば良いのだ。」
「T-34が3つもあれば南高地の敵を全滅させることも可能かもしれませんね。」
「当然リスクはあるが、じっとしているよりは魅力的な作戦だろう?」
「しかしなぜそこまで攻撃したいのです?」
「攻撃できるチャンスがありながら何もしなければ上級司令部は私の敢闘精神を疑うだろうからな。」
「結局は保身のためですか・・」


<攻撃準備>
「作戦を説明する。今ターンはわずかな偵察行動と砲撃・移動準備だけを行い、実際の攻撃は次ターン開始とする。」
「敵ターン後に砲弾が落ちるようにして、次のターンで歩兵とロジーナが一斉攻撃ですね。」
「作戦参加部隊はタンクデサントT-34×3、歩兵2個小隊、徴集兵1個小隊だ。」
「おお・・本格的な諸兵科部隊の攻撃ですね!」
「作戦成功の鍵は事前にATGを無力化しておくことだ。目標地域にはATGが3門いるはずだ。」
「そのほかの問題はIG2、セモベンテ2ですね。あとは軽迫とゾロターン、歩兵は2個分隊程度でしょう。」

「今ターン、南高地一帯には砲兵の大部分を使って遅延0.4で大砲撃を行う。撃ちもらす敵はわずかだろう。」
「師団砲も0.1で撃つより0.3の方がよくないですか?0.1だと敵ターンで抑圧回復されますよ?」
「いや、師団砲は常に0.1で砲撃している。ここで砲撃タイミングを変更すると攻勢を察知される可能性がある。」
「なるほど納得です。」
「さらに敵の攻勢を誘うために教会周辺の砲撃は中断する。」
「敵前線への砲撃はやめて動けるようにさせておくわけですね。」
「また、敵の攻撃に備えて重迫1門は中央集落最前線に浮動照準を置いておく。」
「なるほど。偵察兵が再び補給車を見つけたので、敵の反撃阻止のために南の迫撃砲も狙います。」

「本作戦の真の目的は、敵に中央集落への攻撃を決意させることにある。そこで二段階作戦をとる。」
「ほおほお」
「まず次ターンから始まる第一段階の目的は南高地周辺の敵を一掃すること。優先目標はATG、セモベンテ、歩兵の順だ。」
「なぜ歩兵が最後なのです?これまでどおり真っ先にベルサを叩くべきでは?」
「目標地域のベルサは壊滅状態で脅威ではない。それより対戦車戦力を奪うことで北のセモベンテに救援を決意させるのだ。」
「セモベンテは唯一T-34に対抗できる切り札ですからね。何もしないで戦友を見捨てるのは辛いでしょうな。」

「あくまで敵が動かなければ、教会南端まで北上しつつ攻撃を続ける。時間的にそこが限界だろう。」
「途中で敵が動いたら?」
「即座に第二段階に移行する。歩兵は現在地を守って南への突破を防ぎ、ロジーナは直ちに移動して敵戦車隊を粉砕だ。」
「ロジーナの再配置は間に合いますか?」
「運がよければ1ターンで中央集落まで戻れる。最悪でも2ターンだ。途中でスタックする可能性はあるがな。」
「歩兵部隊は大丈夫ですか?敵も砲撃するでしょうし・・・」
「敵には2個小隊分の壁を突破できる歩兵はないはずだ。次ターンの先制攻撃さえ決まれば南高地は安全だ。」

「う〜ん・・・何だか隙だらけの思いつき作戦のような気もしますが、コードネームくらい決めて格好をつけましょう。」
「では第一段階を『ミーシャ』、第二段階を『ミェドヴィエーチ』とする。」
「可愛い熊と凶暴な熊って感じですね。ま、悪くないでしょう。では準備に取りかかります。」


<ターン終了時>
・我が師団砲が南高地北部を砲撃
・敵81mmが中央集落建物を砲撃(命中)

Turn22

Posted: 2006.Nov.18(Sat) 00:39
by Nor
【Turn22】

<リプレイ>
・我が師団砲・重迫1・中迫3が南高地一帯を砲撃
・我が中迫が敵迫撃砲と北東部のAA陣地に砲撃
・敵75mmが南集落の我が機関銃陣地周辺に煙幕


「やはり敵に攻撃の気配は見られないな。今回も煙幕だけだ。」
「その煙幕も1発しか落ちませんでした。遂に75mm砲の煙幕は切れたようですね。」
「我々の攻撃準備砲撃はどうだ?クサい地点にはだいたい命中したようだが・・」
「中迫主体なだけにもうひとつ不安が残りますね・・どうします?ミーシャ作戦は発動しますか?」
「ためらう時間は無い。断固作戦開始だ。」
「大隊司令部から各部隊へ・・。森でミーシャにあった。森でミーシャにあった・・。」


<戦闘経過>
「徴集兵小隊司令部から各分隊へ。ミーシャ作戦が発動された。まず第二分隊から前進を開始せよ。」
「200m北上。敵に撃たれたが回復成功。敵は対戦車砲。300m北北西。状態Ready。指示を請う。」
「了解。攻撃開始。撃ちまくれ!」
「ウラ〜!!ああっ!・・・一回撃ち返されたがその後反撃なし。状態Pinned。」
「第四分隊。第二分隊を超越前進せよ。」
「了解。ATG以外の敵影なし。攻撃を開始する。・・・一切反撃なし。戦果もなし。」

「大佐、どうやら準備砲撃はあまり効いてないようですね。開豁地にいるATGがReadyでしたよ。」
「う〜む。こりゃ厳しそうだな。徴集兵じゃ攻撃には役立たんな。狙撃兵を使ってATGを潰せ。」
「テビャキン小隊、第三分隊を前進させてATGを攻撃させろ。」
「第三分隊は西に100m移動。ATGの背後200mにトラック発見。ATGを攻撃する・・敵は全滅!」
「おお!意外とあっさりですね。」
「このATGはマキシムが壊滅寸前に追い込んでいたヤツだな。その50m西の建物にもATGがいるはずだ。」
「視界は通ってますが見えませんね。撃ってもきません。」
「砲撃でピヨったんだろう。狙撃2個小隊を前進させてさらに様子を探れ。」

「こちらシャリポフ小隊。破壊したATGの南東50mにセモベンテを発見。状態Retreating。」
「了解。そいつは無視して抵抗があるまで前進を続けろ。」
「こちらシャリポフ小隊。第三分隊が100m北西にセモベンテとベルサを発見。状態はButtonedとPinned。」
「これでセモベンテを2つとも見つけましたね。どうします?」
「クバエフ2を使ってButtonedのセモを排除せよ。」

「クバエフ2へ。シャリポフ第三分隊の位置まで前進してセモベンテを攻撃せよ。」
「?!目標の50m手前でもう一つのセモベンテの攻撃を受けた。損害なし。敵は退却中ではないのか?」
「・・・当該セモはなぜかやる気を出した模様。現在位置で歩兵を降ろしてから交戦を開始せよ。」
「ダー!二発目で正面装甲に命中させるも撃ち返された。損害はないがこれ以上の攻撃不能。」

「敵戦車の弾がほとんど当たらないのはわかってましたが、どうやらこっちも全然当たりそうにないですね・・。」
「歩兵を相手にしている分には問題なかったが、戦車相手だと主砲が二発しか撃てないっつーのは痛いな。」
「先に見えているベルサをやっつけておきましょう。」
「そうだな。まずシャリポフ第三分隊にベルサを攻撃させろ。撃ったらセモの弾も吸ってくれるだろう。」
「・・・ベルサの反撃であっさり撃退されました!セモは撃つ必要さえありませんでした。」

「クバエフ1を投入せよ。セモを始末するのだ!」
「セモ2両を相手にするのですか?」
「構わん。敵戦車の射撃を回避して肉薄!即座にタンクデサントが強襲する!これぞ赤軍の戦い方だ!」
「・・・え〜と、初弾が命中してタンクデサントは抑圧急上昇で自動降車&自動後退です・・」
「リムスキーも投入だ!!瀕死のセモなんぞに手間取るとは何事だ!!」



「というわけで・・はっきり言ってミーシャ作戦の出足は失敗ですね・・」
「戦果と損害を報告せよ。」
「戦果は、ATG1・セモ1・ベルサ1が全滅。ベルサ1と小隊長1を後退させました。損害は歩兵10名程度ですかね。」
「悪くないではないか・・」
「何をおっしゃる。わかってるくせに。次の敵ターンで大変な反撃を受けますよ。」
「敵の残りはATG1・セモ1・IG2だろ。セモは歩兵でバリバリ撃ったから乗員離脱する可能性が高い。」
「ATGは砲撃続行で何とかなるかもしれませんが、IGは全く居場所がつかめてません。それに・・」

「別のベルサ小隊がすぐ北側にいるな・・」
「そこですよ!!リムスキーは裸で最前線にいます。近接強襲連発を食らうと外れても乗員離脱しますよ。」
「そういえばゾロターンや軽迫なんかも見えてないな・・」
「北側のシャリポフ小隊はほとんど抑圧を残してるし、クバエフ2も抑圧11で裸単騎・・」
「今さら悲観しても仕方ない。砲撃で敵の反撃を封じるしかない!」

「一つ朗報があります。斥候が迫撃砲の正確な位置を掴みました。」
「迫撃砲は封じておく必要があるな。何より南高地周辺を砲撃だ。」
「師団砲は連絡不能です。しかしどっちにしても前線が近すぎて北側の砲撃は無理です。」
「う〜ん・・・あとは回復や射撃の運次第だな。」
「しかしこの攻撃失敗によって、敵の総攻撃を引き出すという本来の目的は達せられるかもしれませんよ。」
「・・・ふん。その通り。このヘタレな攻撃はまさにそれを意図したものなのだ。」
「・・・ま、そういうことにしておきましょう。」


<ターン終了時>
・南高地周辺の砲撃を続行。
・カウンターと北東AAへの砲撃も続行。
・敵100mmが中央集落へ砲撃(命中弾多数)

Turn23

Posted: 2006.Nov.19(Sun) 01:43
by Nor
【Turn23】

「ちょっと待て。前線は見るな。先にリプレイを見よう。」
「その方が心労が少なそうですね。では再生します・・」
「・・・おおっ!!・・ええええええ!!!・・ああぁぁぁ・・・」
「我が軍の心情を表現するならそんな擬音になりますね。」
「・・・概要を簡潔にまとめたまえ。」

「敵は総攻撃に出てきました。そして我が軍の前哨ラインは壊滅。損害は歩兵・工兵・機関銃あわせて5個分隊30名程度ですね。」
「それは中央集落の損害だな。南高地は?」
「リムスキーがATGに撃たれて離脱。きっちりトドメもさされました。あとは歩兵の損害が10名少々ですかね。」
「敵はやはり南高地にT-34が3両現れたのを見て、総攻撃を決意したようだな。」
「ですね。リムスキーを血祭りにあげて士気を鼓舞したのでしょう。教会から墓地まで全戦線一斉に南下してきてます。」
「守りに入った敵を動かしたのだから、リムスキーの犠牲はやむを得んだろう。」

「展開は完全に大佐の目論見どおりです。問題はこれからですが・・・当然敵を粉砕する作戦もあるんですよね?」
「え?」
「え?じゃないですよ。この成行きを期待したんだから、当然解決策も考えてあるんでしょ?」
「う〜ん・・まずクバエフ隊がだね・・」
「ちなみにクバエフ2は軽迫と歩兵砲2門に挟撃されて抑圧25です。クバエフ1は9。」
「そういえば!何で歩兵砲が南西に残ってるんだ!斥候はだいぶ前に逃げたと報告してたじゃないか?!」
「事実1門は教会の傍にいます。南西の線路にいるヤツは実はずっと移動してなかったようです。斥候の見落としですね。」
「・・・完全に裏をかかれたな。無線もないはずの歩兵砲が3HEX以上離れるとは・・」

「そんなことより大方針を決めましょう。計画ではここでミェドヴィエーチ作戦に移行するはずですが。」
「当然だ。予定通り第二段階作戦に移行する。全部隊に発令せよ!」
「司令部から全部隊へ。ミーシャは蜂蜜を見つけた。ミェドヴィエーチは鮭を狩る・・。」


<ミェドヴィエーチ作戦−南高地>
「まず南高地の方針だ。歩兵は砲撃を避けるため散開しながら前進を続ける。」
「現在地を死守じゃなかったんですか?」
「いや、敵の出方を見るにこれは総攻撃だ。教会にもほとんど部隊を残していないはずだ。その隙を狙う。」
「そりゃ無理でしょ・・」
「確かに教会奪還は不可能だが、それでも襲う姿勢を見せることが大事だ。敵が総攻撃を続ければ我々の損害は莫大になる。」
「しかし敵が動かなければ・・この作戦の意味もないのでは?」
「もう敵は前進を始めた。一斉に体勢変更して移動目標も変えたはずだ。もはや後退もDefendに戻すのも不可能だろう。」
「なるほど。In-Coverのベルサと戦ったら絶対勝てないですからね。Advanceで移動中のベルサなら少しは有利に戦えると。」

「まず線路脇にいる歩兵砲の片割れが問題だ。徴集兵で撃て!」
「400mくらい離れてますよ。一方的にやられるだけでしょ・・」
「臨機を吸うだけも意味がある。徴集兵なんぞ最初からそのために存在するのだ。つべこべ言わずに撃て!」
「!!おおおおお!!」
「臨機発動の瞬間・・歩兵砲が壊れた・・」
「こりゃすごい確率の幸運ですよ!!初めて見ました!」

「ヨシ!次はセモベンテだ。歩兵で撃って砲撃もしたのに、こいつはまだButtonedで残っているではないか!
「やはりT-34で撃ちますか?クバエフ2が回復に成功すれば距離50で撃てます。二発のうち一発は当たるでしょう。」
「ダメだ。ロジーナの命中率も信用ならんし、それ以前に敵が近くにいては回復さえ危うい。歩兵を使え!」
「では歩兵で交叉射撃を試みます。距離100で南・東・北から撃ちまくります・・おお!」
「乗員離脱に追い込んだな。始末しろ!」

「これで残りはATG2門とIG1門。位置はだいたいわかっている。前進のために適当に敵歩兵を蹴散らせ!」
「・・・かなり一方的に蹴散らされてます!!ここのベルサはほぼ無傷でLMGやMMGがだいぶ残ってます!」
「クバエフ隊出動だ!抑圧など気合で回復せよ!!」
「ウラァァァァ!!・・戻しました!!しかしあまり移動できません。とりあえず高地東側に戻ります。」

「ちょっと教会への前進は厳しいな。敵歩兵も予想以上に残っているようだし・・」
「ちょうど師団砲との連絡も復活したので、西側に煙幕を張って一時退避してはどうでしょう?」
「それ採用!とりあえず南高地の戦闘はここで中止する。最大の問題は中央集落だ。」



<ミェドヴィエーチ作戦−中央集落>
「敵はきっちり前哨を粉砕してきました。教会からはベルサ。墓地からはオートバイと戦車です。」
「工兵の奮闘でオートバイはほとんど無力化したな。爆薬をバンバン投げてくれて実に嬉しかった。感状を授けよう。」
「残ってる工兵は1個分隊4人だけでまもなく壊滅ですよ。でも援護射撃もあって工兵は予想以上に活躍しましたね。」
「ここにきて果樹園に潜ませたSG43と教会背後から逃げたATGが効いたな。ATG1門は大破したが。」
「中央集落のATGとあわせて南と東から撃てましたからね。L6を1両失って、さすがの敵戦車も墓地で止まりましたね。」

「まず見えているオートバイ2個分隊を片付けろ。墓地に入ったATGとトラックもSG43で仕留めろ。」
「実に簡単な仕事ですな。しかし次のターンはきっちりやられるでしょう。」
「墓地の中にはセモベンテが4つとL6が3つくらいかな。しかしT-34が来るのは次のターンになるな。」
「ATGは撃っちゃったので、このターンの終わりには砲撃が来るでしょうね・・」
「少しずつでも足止めせねばならん。といってもATGの射線には入ってないし・・ATRを使おう。」
「ATRも撃てませんよ。前進させるんですか?」
「当然だ。ATRは赤軍の生命線である!今こそATRが活躍できる最初で最後のチャンスだろう。」
「タダでさえ当たらないのに動いたら絶対当たりませんよ!」
「気合で当てろ!100m北上してスタックしてるセモベンテを撃つのだ!」
「一発目・・ハズレ。二発目もハズレ。三発目もハズレ。四発目もハズレ。五発目もハズレ。最後の六発目・・」
「当たった!!おまけにサスペンション損害だ!見ろ!!!!やはりATRは我が赤軍の誇りだ!!」
「このATRは間違いなく死亡しますが、セモベンテ1両の足を止めたのは大きいですね。」

「あとは教会から出てきたベルサですね。とりあえずクバエフ隊で少しだけ撃退しましたが・・」
「ここが一番厳しいな。ここのベルサを止められたら中央集落は守れる。」
「しかし敵の全容もまだ見えませんし・・・クバエフ隊と砲撃に賭けることになるでしょう。」
「集落内の部隊は全て現在地に留まれ。砲撃の後にベルサの突撃があるだろうが、一発でも反撃すれば良しとする。」


<ミェドヴィエーチ作戦−砲撃>
「他にできることはないか・・」
「砲撃だけですね。南高地はATGだけ撃って、あとは師団砲の煙幕で逃げましょうか。」
「いや、見えている歩兵スタックも撃っておけ。我々はさらに前進するつもりがあると思わせる必要がある。」
「そのほかの砲撃は?」
「教会から墓地にかけて横に広く砲撃だ。」

「カウンターは?敵は一斉に砲撃してくるでしょうから動かないはずです。」
「そうだな。続行しよう。いや、待て。斥候をさらに前進させろ。迫撃砲の姿を確認させろ。」
「そろそろ危険な距離ですよ・・・100m前進して迫撃砲2門を視認。目標までの距離150mです!」
「撃て。」
「え?」
「斥候で撃て。ライフルを使え。」
「斥候が撃ったら隠密偵察を続行できませんよ!」
「構わん。3回も砲撃されるなら刺し違えた方がマシだ。迫撃砲が斥候に直射すれば砲撃はできんからな。」
「・・・その判断は・・やってみます・・おおおお!!」
「迫撃砲1門全滅!!これでスタックしてるもう1門も抑圧過多で撃てないはずだ!」
「これで敵の迫撃砲は2門脱落ですね!これは大きな戦果です!」
「しかしカウンターは続行する。反撃を許すな。砲撃で補給車まで破壊できれば最高だ!」

「とりあえずできることは以上ですか。しかし最後の最後にお互い激しい戦闘を始めましたね。」
「問題ない。消耗戦に持ち込めば数の多い我々が有利だ。」
「消耗戦なんかしなくてもじっとしておけば勝てたのに・・」
「勝ち負けは二の次三の次だ!互いに持てるリソース全てをぶつけて戦う!これぞ対人戦の醍醐味だ!」
「確かにお互いノーガード戦法みたいになってきましたね・・」


<ターン終了時>
・敵75mmが果樹園西側を砲撃(ぼちぼち命中)
・敵100mmが中央集落南側を砲撃(かなり命中)
・敵軽迫3門が中央集落の最前線をきっちり砲撃(全弾命中)
・敵中迫2門が中央集落のATGを砲撃(一つ命中)
・我が重迫2門が南高地と教会南東を砲撃
・我が師団砲が南高地に煙幕を展開
・我が中迫がいろいろ砲撃

Turn24

Posted: 2006.Nov.19(Sun) 03:52
by Nor
【Turn24】

1時間前に送ったファイルがもう返ってきた。あまりの早い反応に驚き、反射的にファイルを開く。敵は最後の攻勢を成功させようと執拗に前進してくる。中央集落の第一歩兵線はあっさりと壊滅した。ベルサ・工兵・L6・ベルサ・・攻撃は延々と続く。やはりベルサは強い。それとも我々が弱いのか。我が歩兵は建物でIn-Coverをとっていても何もできない。どんどん削られて後退。さらに追い討ちをかけられて消滅する。

敵も死に物狂いで戦っていることがよくわかる。あの冷静なサトさんのプレイとは思えない。我が斥候に襲われた迫撃砲は離脱した砲手と輸送車の運転兵が撃ってくる。敵は本気だ。こちらも出来ることは全てやる。斥候が撃ち返し、機関銃を失った機関銃兵はライフルで応戦する。南高地でも100m以内で激戦が続く。一歩前進しては撃退され、撃退されては再び前進する。敵も味方もどんどん壊滅していく。

中央集落のVHに迫ったベルサ小隊を撃退するためにT-34が移動。突如現れるセモベンテ。側面を撃たれるが外れ。このセモベンテは墓地にいる3両と離れてここで待ち伏せしていたのだ。シブイ!しかしT-34は相手にしない。この戦いでは戦車同士の砲撃戦はどちらにとっても実りが少ない。どっちも当たらないのだ。それにセモベンテは歩兵だけでも倒せる。T-34はセモベンテを無視してベルサ撃退に向かう。

もはや歩兵は消耗品だ。抑圧回復などほとんど成功しない。小隊長も中隊長も自ら戦っているので部下の回復支援もできない。前線部隊の多くは10〜30の抑圧を抱えて交戦している。硝煙と抑圧で敵の姿もまともに見えない。ここで我々が頼れるのはT-34だけだ。T-34が2両、壊滅した歩兵陣地の後方に移動する。セモベンテはまだ3両動ける。L6も硝煙の中のどこかにいるはずだ。工兵もすぐ目の前にいる。T-34だけで次の敵ターンの突撃を守りきれるか・・・

いや、我々にはまだ戦場の神である砲兵がいる。共産主義に神はいなくても戦場にはいるのだ。しかし重迫は相次ぐ照準転換で弾切れ寸前。中迫の照準を狭い範囲に集中させて敵歩兵の粉砕を狙う。再補給を終えた軽迫はセモベンテに砲撃。今や戦闘に参加していない部隊はごくわずかだ。眠気と興奮で朦朧としつつ、わずか10分でプレイを終えファイルを送る・・。