Enhanced France 1940 (Hard) 総評
Posted: 2008.Jun.08(Sun) 19:36
Enhanced France 1940 (Hard) 総評
【キャンペーン結果】
プレイVersion Ver8.403 + Enhanced 2008
設定 Spotting 80%, Art vs soft 120%
総プレイ時間 約92時間
シナリオ数 13
キャンペーンスコア DV(DV8:MV2:Draw3)
【キャンペーン概要】
ドイツ軍によるフランス侵攻を扱ったキャンペーン。1940年5月11日のアルデンヌ突破から始まり、ダンケルク、最後はパリ侵攻へ取りかかるおよそ1ヶ月の戦いを再現します。いくつかのシナリオでは結果によって分岐が発生しますが、どのルートを通ってもシナリオ数は変わらず全13面を戦うことになります。
ダンケルクで停滞するまではほぼ毎日戦闘が行われた史実の雰囲気を出すために、シナリオ間の修復ポイントは極度に制限されています。100点程度のポイントでは破壊されたユニットを修理するのがやっとで、満足にアップグレードを行うことはできません。つまり、最初から「まともに」戦えるだけのコア部隊を編成して、戦力を維持しながら戦い続けることが最低限の目標になります。
修復ポイントが用意されていないシナリオはないので、理屈からいえばコア損害が少なければ毎回アップグレードすることも可能です。しかし実際には、毎回かなりの激戦になるので損害を抑え続けることは難しいでしょう。事実、今回のプレイでは、直後の修復フェイズで修理しきれなかったユニットが溜まっていくことさえありました。コア戦力を維持し続けることが最大の焦点となる、この点が本キャンペーン最大の特徴でしょう。
今回プレイしたのは Hard 版ですが、別に Easy 版もあります。両者の最も大きな違いは最初のコア編成ポイントにあるようです。簡単に言えば、Hard 版の推奨コア編成の中核部隊は自動車化歩兵中隊であるのに対し、Easy 版では機械化歩兵中隊になります。したがって、Hard 版ではトラック輸送の自動車化歩兵をハーフトラック輸送の機械化歩兵にアップグレードするのが当面の目標になるわけですが、私は1個小隊しかこのアップグレードができませんでした。
今回のプレイでの初期編成と最終編成を表にまとめてみました(添付図参照)。まともにアップグレードできたのは、前述の機械化歩兵小隊、自走迫撃砲小隊、偵察小隊だけです。歩兵砲と対空砲も自走化したかったのですが、中途半端で終わってしまいました。この表を見れば、どの程度アップグレードが行えるかがわかると思います。
修復ポイントを少なめにしているのは、連日の戦闘の最中に装備を変更することの困難さを再現するのが目的です。現実的に考えれば、充分な準備を期して始めたフランス戦が開始されてすぐに装備の変更などは行われるはずはないのですが、このキャンペーンではそういったリアリティよりプレイアビリティの方が優先されています。最終的にアップグレードを行うか否かはプレイヤーに任せ、作者としては最低限の自由度を確保しておくといった考え方でしょう。
このような柔軟な立場は随所に見られ、ほとんどのシナリオが史実に基づきながら敵戦力・マップの縮尺・具体的な任務などプレイアビリティに直接関わる要素では微妙な修正がなされているようです。余談ですが、個人的にはガチガチのリアル志向よりも、このようなプレイアビリティ尊重志向のキャンペーンの方が好みです。
【Enhanced Mod バージョン違いによる注意事項】
本キャンペーンは、Ver8.x用のシナリオをいくつか集めて、それをEnhanced FV.1 用に改編したもののようです。したがって、推奨MODは当然 Enhanced FV.1 なのですが、すでにこのバージョンは入手困難な状態になっています。
そこで今回のプレイでは Enhanced 2008 DVRN を使用しましたが、各シナリオのAAR に記したように、敵ユニットの装備兵器が凶悪なものに変更されてしまうバグが頻発しました。この不具合はほぼ間違いなくMOD バージョンの差異によるものだと考えられます。
当初は「バグのせいで多少敵が強くなってもいいか」くらいに考えていましたが、敵歩兵の装備する戦車砲や大口径迫撃砲に味方の戦車がズバズバ撃ちぬかれていくと、だんだんそうも言っていられなくなりました(笑)。まじめに言えば、こういった不具合は勝ち負け以上に、シミュレート精度をウリにするSPWAW自体の面白さを損なうという点で問題だといえるでしょう。
バグが発生するシナリオは結構あり、修正を要する箇所も少なくないので、シナリオプレイ前に敵装備をチェックしてちゃっちゃっと修正するというやり方は現実的ではありません。そもそも、プレイ前にチェックするということは、敵の編成や配置までわかってしまうことになるので、プレイの興味を削ぐことにもなります。Enhanced Fv1 でプレイできれば問題ないのでしょうが、それが不可能なら、残念ながらいずれ修正版が出るまでEnhanced 2008でのプレイは控えるというのが現実的な選択肢になると思います。
このキャンペーンもそうですが、やはり Enhanced用に改編されたキャンペーンはまだまだ不具合が多そうです。ユニットが全く別物に化けてしまうような不具合はリリース時にチェックされているようですが、微妙なユニット化けや装備化け、ひいてはバランスチェックなどは、一部のプレイヤーが多いキャンペーンを除けばほとんどテストされていないのが現状のようです。進んで人柱プレイを望む方以外は、できるだけもともとの無印バージョンでプレイした方が無難といえるかもしれません。
【キャンペーン結果】
プレイVersion Ver8.403 + Enhanced 2008
設定 Spotting 80%, Art vs soft 120%
総プレイ時間 約92時間
シナリオ数 13
キャンペーンスコア DV(DV8:MV2:Draw3)
【キャンペーン概要】
ドイツ軍によるフランス侵攻を扱ったキャンペーン。1940年5月11日のアルデンヌ突破から始まり、ダンケルク、最後はパリ侵攻へ取りかかるおよそ1ヶ月の戦いを再現します。いくつかのシナリオでは結果によって分岐が発生しますが、どのルートを通ってもシナリオ数は変わらず全13面を戦うことになります。
ダンケルクで停滞するまではほぼ毎日戦闘が行われた史実の雰囲気を出すために、シナリオ間の修復ポイントは極度に制限されています。100点程度のポイントでは破壊されたユニットを修理するのがやっとで、満足にアップグレードを行うことはできません。つまり、最初から「まともに」戦えるだけのコア部隊を編成して、戦力を維持しながら戦い続けることが最低限の目標になります。
修復ポイントが用意されていないシナリオはないので、理屈からいえばコア損害が少なければ毎回アップグレードすることも可能です。しかし実際には、毎回かなりの激戦になるので損害を抑え続けることは難しいでしょう。事実、今回のプレイでは、直後の修復フェイズで修理しきれなかったユニットが溜まっていくことさえありました。コア戦力を維持し続けることが最大の焦点となる、この点が本キャンペーン最大の特徴でしょう。
今回プレイしたのは Hard 版ですが、別に Easy 版もあります。両者の最も大きな違いは最初のコア編成ポイントにあるようです。簡単に言えば、Hard 版の推奨コア編成の中核部隊は自動車化歩兵中隊であるのに対し、Easy 版では機械化歩兵中隊になります。したがって、Hard 版ではトラック輸送の自動車化歩兵をハーフトラック輸送の機械化歩兵にアップグレードするのが当面の目標になるわけですが、私は1個小隊しかこのアップグレードができませんでした。
今回のプレイでの初期編成と最終編成を表にまとめてみました(添付図参照)。まともにアップグレードできたのは、前述の機械化歩兵小隊、自走迫撃砲小隊、偵察小隊だけです。歩兵砲と対空砲も自走化したかったのですが、中途半端で終わってしまいました。この表を見れば、どの程度アップグレードが行えるかがわかると思います。
修復ポイントを少なめにしているのは、連日の戦闘の最中に装備を変更することの困難さを再現するのが目的です。現実的に考えれば、充分な準備を期して始めたフランス戦が開始されてすぐに装備の変更などは行われるはずはないのですが、このキャンペーンではそういったリアリティよりプレイアビリティの方が優先されています。最終的にアップグレードを行うか否かはプレイヤーに任せ、作者としては最低限の自由度を確保しておくといった考え方でしょう。
このような柔軟な立場は随所に見られ、ほとんどのシナリオが史実に基づきながら敵戦力・マップの縮尺・具体的な任務などプレイアビリティに直接関わる要素では微妙な修正がなされているようです。余談ですが、個人的にはガチガチのリアル志向よりも、このようなプレイアビリティ尊重志向のキャンペーンの方が好みです。
【Enhanced Mod バージョン違いによる注意事項】
本キャンペーンは、Ver8.x用のシナリオをいくつか集めて、それをEnhanced FV.1 用に改編したもののようです。したがって、推奨MODは当然 Enhanced FV.1 なのですが、すでにこのバージョンは入手困難な状態になっています。
そこで今回のプレイでは Enhanced 2008 DVRN を使用しましたが、各シナリオのAAR に記したように、敵ユニットの装備兵器が凶悪なものに変更されてしまうバグが頻発しました。この不具合はほぼ間違いなくMOD バージョンの差異によるものだと考えられます。
当初は「バグのせいで多少敵が強くなってもいいか」くらいに考えていましたが、敵歩兵の装備する戦車砲や大口径迫撃砲に味方の戦車がズバズバ撃ちぬかれていくと、だんだんそうも言っていられなくなりました(笑)。まじめに言えば、こういった不具合は勝ち負け以上に、シミュレート精度をウリにするSPWAW自体の面白さを損なうという点で問題だといえるでしょう。
バグが発生するシナリオは結構あり、修正を要する箇所も少なくないので、シナリオプレイ前に敵装備をチェックしてちゃっちゃっと修正するというやり方は現実的ではありません。そもそも、プレイ前にチェックするということは、敵の編成や配置までわかってしまうことになるので、プレイの興味を削ぐことにもなります。Enhanced Fv1 でプレイできれば問題ないのでしょうが、それが不可能なら、残念ながらいずれ修正版が出るまでEnhanced 2008でのプレイは控えるというのが現実的な選択肢になると思います。
このキャンペーンもそうですが、やはり Enhanced用に改編されたキャンペーンはまだまだ不具合が多そうです。ユニットが全く別物に化けてしまうような不具合はリリース時にチェックされているようですが、微妙なユニット化けや装備化け、ひいてはバランスチェックなどは、一部のプレイヤーが多いキャンペーンを除けばほとんどテストされていないのが現状のようです。進んで人柱プレイを望む方以外は、できるだけもともとの無印バージョンでプレイした方が無難といえるかもしれません。