<おしらせ1>
またまた、いつの間にか掲示板がダウンしていたようですね。ログを見ると、およそ2年半ぶりの改修です。
この間、何度かメールでご要望があったようですが、この度ようやく重い腰を上げて掲示板を修復いたしました。
管理不行き届きで申し訳ありません。

<おしらせ2>
サイト管理を楽にするために体裁を変更しています。
本サイトのメインコンテンツであったSPWAWの解説記事は以下からアクセス可能です。
SPWAW解説記事一覧


<5分で調べたSPWAW界の近況>

びっくりしたことーその1「Depot リニューアル」
SPWAW界を長年牽引してきた世界最大のファンサイトSPWAW DEPOTが、昨年の4月に閉鎖、13年の歴史に幕を下ろしたようです。
と同時にDepotメンバーの一人 Falconさんが新たなサイトSPWAW DEPOTを立ち上げたようですね(笑)。
まあ、中心メンバーが入れ替わって、こじんまりした感はありますが、実質的にはリニューアルって感じですかね。
旧DEPOTの遺産は相続されているようで、今後ともがんばって欲しいところです。
https://www.tapatalk.com/groups/spwawdepot/

びっくりしたことーその2「砲撃要請画面ラグ解消」
マルチコアCPUが普及した頃でしょうか、ある程度以上のスペックのPCでは、砲撃要請画面で挙動がおかしくなる不具合がありましたね。
それが原因でSPWAWを離れた・・という方もおられたような記憶がありますが、どうやらこの不具合、ついに修正されたようです。
これもDEPOTメンバーのおかげみたいですね。Matrix Games 公認(というか黙認ですね)のもと 、本体ファイル MECH.EXE をいじることに成功したようです。
https://www.tapatalk.com/groups/spwawde ... -t277.html


というわけで、この機会にもう一度SPWAWをやってみようかな、と思われた方は次のリンクからダウンロードをどうぞ。
DEPOTで全てのファイルのホスティングも始めたようです。
https://www.tapatalk.com/groups/spwawde ... es-t6.html

Enhanced France 1940 (Hard) #6

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Nor
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Enhanced France 1940 (Hard) #6

Post by Nor » 2008.Apr.30(Wed) 09:04

?*35- Enhanced France 1940 (Hard) #6 5/15 La Horgne - The Sichels Cut
?所要時間 10時間
?難易度 4/5
?設定 Spotting 80%, Art vs soft 120%
5/15/1940 900 hour, T27, La Horgne, Summer, Clear, V26 (1300m)
German Advance vs. France Delay


【編成】
修理予算は普段の5割増しの150マルク。前回と前々回の壊滅ユニットを全部修理。次に、第1歩兵小隊の輸送トラック2両をハーフトラックにアップグレード。これでこの小隊は機械化歩兵小隊になった。さらに、2名編成の偵察兵を4名編成にアップグレード。これで偵察ユニットは全て4名編成に置き換わった。当初予定していたアップグレード計画がこれでようやく達成されたことになる。

さてさて、Mr.Fix の出番。前回修理しきれなかった四号2両は、このブランクの間に乗員がどっかいってしまったことになるので、完全破壊状態からの置き換えで、全員新兵扱いになる。その他、市街戦を戦った歩兵2個小隊と偵察部隊は軒並み修正が適用された。現時点での平均経験・士気値は、73(+2)と89(+2)。なるほどねえ。おそらく歩兵がコアの過半数を占める編成では、平均経験値はこのくらいずつしか上昇しないんだろう。

【任務】
敵防御線を一点突破した後、2本の橋梁を奪取せよ。

【作戦】
テキストでは敵戦線の「一点突破」が強調されている。配置範囲もマップ北東部と南東部しかない。どちらかにまとめて配置せよということか。戦線突破後の目標はマップ西方の小川にかかる二本の橋にはPPT。橋を結ぶ道路が交わる地点の建物にもPPT。これら3つのPPTは中立状態で始まるので、敵より先に確保する必要がある。

もちろん、そこまで行くにはいくつもの障害があるはずだ。まずPPTの手前(東側)には、しらじらしく"Artillery ?"と書かれた場所が3箇所ある。最大の障害は、さらに東側にある大きな市街地だろう。市街地の建物は微妙な高度差があるので、変なところから視線が通るはずだ。また、マップ全域にわたって要所要所に荒地&高地という絶好の「偵察ポイント」も点在する。監視されてひらすら砲撃というパターンは避けたい。

さてさて、以上を踏まえて北東と南東のどちらにコアを配置するか。北東部には市街北側をはしる道路があるし、中央道路にもすぐ乗り換えられる。これで敵の砲兵陣地まではスムーズに・・・いけるわけがない。市街地に踏み込んだら完全に足止めを食らうだろう。道路が使えず建物を乗り越えていくことになるなら機動力もいかせない。最北部を迂回しても、高い建物がある市街地から側面を狙われるのがオチだろう。この北東部の欠点は市街地に近すぎることだ。

一方、南東部は市街地からやや離れているため舗装道路はない。ただし、森・畑・果樹園などの間をグネグネと抜ける小道ならある。しかしこんな視界の悪そうな地域の曲がりくねった一本道は、まさに絶好の待伏せポイントでもある。こちらの南東部の欠点は、視界の悪さに加えて道のりも遠いという点にある。

困ったねえ。どちらも通りたくないというのが本音だが、どっちかに決めなくてはならない。ま、市街戦だけは避けたいので、やっぱり南東部かな。というわけで、指示された「一点突破」作戦を徹底するため、マップ南端4HEXにコア部隊を配置。以後、PPT周辺まではこの最南端の4HEXしか通らないことにする。隊列は先頭に戦車、二列目に歩兵2個小隊が両側面、その間に対戦車砲と機関銃と中隊長、三列目の側面には対空砲と歩兵砲、その間に司令部と迫撃砲、しんがりは歩兵第3小隊とする。

この隊形で西方のPPT付近までひらすらこっそり前進し、敵後方地で一気に散開してPPTを奇襲する。マップの端を利用するのは少々ゲーミーではあるが、この方法は最も効率的な一点突破法でもある。ただし、森やホカージュを突破する必要があるのでスタックが怖い。早々と戦車がスタックすると作戦は完全に失敗するが・・・冒険してみよう。

この作戦では、市街地を含めた大部分の攻略はAUX部隊が担当することになる。でもまあ、これもテキストの指示通りなんだから問題ないだろう。ちなみに参謀君の報告によるAUX戦力はものすごい。機械化・自動車化・徒歩の歩兵が各1個中隊、さらに機械化工兵小隊、機械化偵察中隊、弾薬輸送班、戦車中隊、その他諸々の支援部隊で、ユニット数でいうと実に159ユニット!!PPT以外は君たちに任せたよ(笑)。

事前照準はマップが大きいのに4箇所しか指定できないので、PPT付近に集中。偵察兼事前爆撃として、AUXのスツーカ全機を橋梁付近に飛ばす。コア迫撃砲は進路側面の視界が通りそうな場所に煙幕。

【戦闘経過】
このシナリオは何しろユニット数が多く、機動も複雑になったので、27ターン分の展開を順を追って語ることはできない。以下、時系列を無視してポイントのみ述べることにする。

偵察機が敵75mm砲をやっつけてくれる順調な滑り出し。コア部隊はAUX偵察部隊を先頭にしてじわりじわりと前進。序盤に登場するAUX部隊は全てコアの側面支援に使う。なお、AUX部隊の増援出現はゲーム終盤までずっと続く。あんまり増援が多すぎて、動かすのを忘れてしまうことも多々あった。一番最後に徒歩歩兵の増援があるが、終盤で出てこられても前線まで歩いていくのは無理。でもまあ、徒歩部隊だから到着するのも最後になってるんだろうなと、作者のコダワリにちょっと微笑む。

コア部隊が最初に直面した問題は、AUX迫撃砲が登場するまで煙幕展開にはコア迫撃砲を使わなければならないこと。つまり、迫撃砲を撃つには行軍を停止しなければいけない。ちょっと悩んで、迫撃砲にはしんがり歩兵小隊を随伴させ、残りはそのまま行軍を続けることにした。増援AUX部隊で周囲の安全が確認されたら、迫撃砲だけ残してしんがり歩兵も前進再開。迫撃砲はFO装甲車をお供にしただけで、戦線後方の森の中にポツンと取り残されたのだ。これが後に悲劇を生む。

中盤以降、敵の増援部隊がいろんなところから湧き出てくる。我が迫撃砲班はちょうどこの敵増援地点からみえる場所にいたのだ。結果から言えば、迫撃砲は生き延びたが輸送車はやられた。ただしこの攻撃で迫撃砲自体が故障し、以後砲撃できなくなった。敵の増援地点はそれほど「ズルい!」というような場所ではないし、ある程度予想できるクサイ場所なので、皆様もご注意を。

さて、「端攻め」戦法は順調に進み、6〜7ターンで先頭部隊は森林地帯を抜けた。物陰を利用してPPTに近づく。案の定、PPT付近には強力な敵が潜んでおり、かなりの損害をだしたものの10ターンに最初のPPTを取ることに成功。14ターンには全てのPPTを押さえた。総ターン数の半ばまでにPPTを押さえたことになるので、この状態を最後まで維持できればスコア的には勝てるはず。もちろん損害を減らす必要はあるが。

ちなみに、このシナリオのAUX砲兵支援は射程の短いの81mm迫撃砲班しかない。そして、マップ西方にあるPPT周辺を砲撃するにはある程度迫撃砲を前進させる必要がある。しかし、コアをあわせても4門しかない砲兵支援は貴重で、中盤までは毎ターンのように至急砲撃したい場所ができる。さらに今回は、コア迫撃砲輸送車がやられてしまったので、こちらは全く前進できなかった。AUXは忙しい。したがって、敵砲兵陣地への攻撃は、砲兵支援が全くない状態でやるしかなかった。これはかなり厳しかった。

敵陣地の位置を推定したら、対空砲・対戦車砲・歩兵砲・機関銃といった支援部隊をできるだけ遠方で、なおかつ敵陣地を視界に入れられる場所に設置。機械化歩兵は視界の通らない畑を通って距離を詰める。戦車は樹木などの遮蔽物を利用して時折姿を見せながらできるだけ高速で接近。10HEX程度まで近づいたら、安全な地点で偵察兵を降ろしておく。自動車化歩兵はやや遠方で降車して敵の視界内を徒歩で前進。ここで1ターン待つ。

次のターンでは、まず偵察兵が1HEX移動して陣地を視界に入れる。次いで自動車化歩兵と機械化歩兵が徒歩でわずかに前進。最後に戦車隊が一気に高速前進。敵砲の臨機射撃を誘い出し、その弾をかわせたら成功だ。姿が見えた敵砲は一撃壊滅の心配がない歩兵部隊で攻撃。歩兵の射撃で敵機関銃の臨機も引き出せる。こちらはハーフトラックか戦車で攻撃。敵が沈黙したら再び遠方部隊から距離を詰めていく。

敵陣地が幾重にも構築されている場合、この「じわじわルーチン」を何度も繰り返す必要がある。決して一気に勝負を決めようとして突っ込んではならない。沈黙した敵砲を潰そうと一気に突っ込むと、その奥の砲が撃ってきてせっかくの攻撃体制が崩れてしまう。しかし、じわじわやっても損害が発生する可能性は充分ある。それでも突撃戦術よりマシなことは確かだ。被る損害は最終的には運の問題だが、それは天命の領域。人知の部分で重要なのは慎重な機動であり、その究極目的は完璧な索敵だ。この砲兵支援なしで行う敵砲兵陣地攻略は、プレイヤーの技量がモロに露呈する状況だろう。

PPTを押さえて以降は、AUX部隊のみで市街全域を掃討する。AUX戦力はかなり豊富だが、そこかしこで激戦が繰り広げられる。街中を入り組んだ道路は複雑で、建物や土地の高低差も全く予測できない。下手に突出した部隊は三方から銃撃されて退却する羽目になる。できるだけ戦線をきれいに整えて進みたいが、砲撃支援を待つ必要がある箇所もあり、この理想も実現するのは難しい。

さらに中盤以降は集中力が切れかかって凡ミスが続出する。基本的なことだが、移動先をクリックすると、ユニットはその地点までの最短距離を移動してしまう。すると、ここはまだ通るな!というヤバイ交差点に突っ込んで見事待ち伏せを決められたりする。特に移動力の高いユニットはこの危険が大きいので、少しずつ経路を指定しながら何回にも分けて移動させていく必要がある。これでどのくらいの装甲ユニットを失ったことか。

PPTの確保という大目標を完了したコア部隊は、いくつかに分かれて行動開始。PPT周辺を守る部隊、さらに北側の砲兵陣地らしき地域に向かう部隊、市街地に引き返してAUXとの挟撃を狙う部隊。この辺りから、コア部隊でも頻繁に移動目標を変更する必要が生じる。今回は四号戦車の小隊長が変なカタチで消滅(敵砲兵の直射を受けた瞬間に乗員のみ消滅)してしまったので、編隊長が存在しなくなるというバグが発生した。これにより四号隊は一時移動目標の変更さえできない事態に陥った。数ターン後に司令部の命令を受け取って移動目標を変更できたが、ちょうどサプライズが発生したので冷や汗モノだった。

というわけで、終盤にはちゃんとサプライズが満載されているので、コア部隊もAUX部隊も最後までみっちりと楽しめた。こんなシナリオを作った作者はスゴイ!


【結果】
スコア 11134:1609(DV)
独損害:Men197、AFV9、APC4、SV6
仏損害:ネタバレ防止のため割愛
コア損害:Schuetzen Grp x 2、SdKfz 251/1 HT x 1、Krupp Kfz 69 x 3、SdKfz 6 x 1、Recon Gruppe x 1

【感想】
キャンペーンタイトルを冠しただけあって、ヒジョ〜によくできたシナリオ。膨大なAUX部隊を用意しながら、砲兵支援を極度に制限することで上手く戦力バランスをとっています。広大なマップには、一部平地グラフィックに建物地形が重なるというエラーはありますが、マップ作成ノウハウが確立していなかった時代のものということを考えれば、かなり精巧な部類に入るでしょう。

特に複雑な道路と視界の通り方の読めない市街地の部分は、上手く作ったなあ!とプレイしながら何度も唸らされました。このマップでは、一般的な市街戦マップのように単純に歩兵を並べて距離を詰めて建物を占拠していくだけでは、損害が多くなりすぎるでしょう。砲兵支援がほとんど使えないので、正面からのゴリ押しは厳禁です。視界の良い要所には常に長射程ユニットを配置するのはもちろん、機械化・自動車化歩兵は機動力を活かして積極的に迂回戦術をとると、拍子抜けするほど損害を抑えられます。これに気づくまでに何度も失敗を重ねたわけですが(笑)。

敵ユニットの種類、配置、出現場所などもウマイ!と感じさせます。AIでも上手に操作できる機関銃と長距離砲は本当に厄介な敵になります。また、至るところにFOが忍ばせてあり、これに見つかると間違いなく砲弾が雨あられと降ってきます。敵砲兵は多くが盤内ユニットなので、偵察機をできるだけ飛ばして早期発見に努めると被害を減らせられるかもしれません。

今回は少々ゲーミーな「端攻め」作戦を採用しましたが、それでも敵はきっちり待ち構えていました。結論から言えば、市街地はもちろん郊外でも敵の布陣に隙なしです。向きを変えた戦車の側背を狙えるように道の曲がり角には対戦車砲、対戦車砲を潰しにきた歩兵を撃退できるようにその傍には機関銃、視界が閉ざされた森の中や窪地には歩兵、視界の良い荒地には偵察兵やFO、森林地帯や小川を難なく越えて突如出現する騎兵、二重・三重に射線を重ねた砲兵陣地などなど。おそらく、どのルートを通っても、これらの難関を乗り越え踏み越えしなければPPTには辿り着けないようになっています。

とはいえ、今回の南端ルートは中盤まではまずまず楽な道のりで、もしも北部にコアを配置していたら・・・もっと恐ろしいことになっていたんじゃないかと思います。スコアから見れば、PPTを取るのは中盤以降でも問題ないようなので、あまり焦らず慎重にコアを前進させることが勝利の秘訣かもしれません。そういう意味では、あまり難易度は高くないのかもしれませんが、面白さとしては満点のシナリオでした。
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