<おしらせ1>
またまた、いつの間にか掲示板がダウンしていたようですね。ログを見ると、およそ2年半ぶりの改修です。
この間、何度かメールでご要望があったようですが、この度ようやく重い腰を上げて掲示板を修復いたしました。
管理不行き届きで申し訳ありません。

<おしらせ2>
サイト管理を楽にするために体裁を変更しています。
本サイトのメインコンテンツであったSPWAWの解説記事は以下からアクセス可能です。
SPWAW解説記事一覧


<5分で調べたSPWAW界の近況>

びっくりしたことーその1「Depot リニューアル」
SPWAW界を長年牽引してきた世界最大のファンサイトSPWAW DEPOTが、昨年の4月に閉鎖、13年の歴史に幕を下ろしたようです。
と同時にDepotメンバーの一人 Falconさんが新たなサイトSPWAW DEPOTを立ち上げたようですね(笑)。
まあ、中心メンバーが入れ替わって、こじんまりした感はありますが、実質的にはリニューアルって感じですかね。
旧DEPOTの遺産は相続されているようで、今後ともがんばって欲しいところです。
https://www.tapatalk.com/groups/spwawdepot/

びっくりしたことーその2「砲撃要請画面ラグ解消」
マルチコアCPUが普及した頃でしょうか、ある程度以上のスペックのPCでは、砲撃要請画面で挙動がおかしくなる不具合がありましたね。
それが原因でSPWAWを離れた・・という方もおられたような記憶がありますが、どうやらこの不具合、ついに修正されたようです。
これもDEPOTメンバーのおかげみたいですね。Matrix Games 公認(というか黙認ですね)のもと 、本体ファイル MECH.EXE をいじることに成功したようです。
https://www.tapatalk.com/groups/spwawde ... -t277.html


というわけで、この機会にもう一度SPWAWをやってみようかな、と思われた方は次のリンクからダウンロードをどうぞ。
DEPOTで全てのファイルのホスティングも始めたようです。
https://www.tapatalk.com/groups/spwawde ... es-t6.html

Enh 7th Armoured "Desert Rats" #23 Rats N2 7thRTR

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Nor
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Enh 7th Armoured "Desert Rats" #23 Rats N2 7thRTR

Post by Nor » 2008.Mar.29(Sat) 01:34

?*38- Enh 7th Armoured "Desert Rats" #23 Rats N2 7thRTR TummarW
?所要時間 3時間
?難易度 5/5
?設定 Spotting 80%, Art vs soft 120%
12/9/1940 1400 hour, T18, Tummar West, Desert, Hazy, V9 (450m)
UK Assault vs. Italy Defend


【編成】
テキストの指示に従って、"Fix All"ボタンさえ押さずに修復画面を抜ける。したがって、前回やられたマチルダ2両はそのまま破壊状態。その他2両のマチルダが Damage2 を負ったままになる。

そんなことには関わらず、Mr.Fixの修正は続く。兵員1名を失ったマチルダは、経験・士気値が(79,61)→(74,61)【-5,+2】となった。プラス修正になったのは今回が初めて。まあもともと大したことない値だったので、どうということもないけど。現時点での平均経験値は83(+5)、平均士気値は93(-1)。

【任務】
歩兵を支援して西ツマール駐屯地を攻略せよ。

【作戦】
前面から一切の修理・変更無しに続く戦い。前回シナリオとの時間差はわずか7時間で、これは史実を反映している。付属文書によると史実のマチルダ隊は地雷原で7両を失ったとあるので、2両しか損失のない我が隊は随分マシな戦力だと思うべきだろう。

配置時点で見えるVHは合計490点と価値が低い。これはVH奪取より戦力の温存を優先すべきか?いやいや、そりゃちょっとゲーミーな考えか。現実的には敵陣を一掃しなければ次の目標に進めないのだから、やはりVHを全部取りにいくべきだろう。

AUXの徒歩歩兵1個中隊ほどが、すでに敵陣西側に展開している。視界内に敵は見えない。それもそのはず、このシナリオは視界が9HEXしかない。これでは前回のように、マチルダ隊が陣地外縁から援護するという作戦は使えない。

配置ラインはマップ南端から北端までほぼ全域に配置できる。う〜ん悩む。やっぱり部隊を分散させて歩兵直協支援にあたるべきか。とりあえず配置を開始すると重大なことに気づく。前回やられたマチルダの1両はE小隊長だった。これでE小隊は隊長不在のまま戦うことになる。

砲兵戦力はまずまず充実。マップが広いので事前照準が10個も指定できる。これはやっておかなければ損だろう。事前砲撃はすべて煙幕展開に費やす。まずは全砲門でAUX歩兵が展開する敵陣北半分の正面をモクモクにしてやることにする。

【戦闘経過】
完全に敵陣からの視界を塞いだAUX歩兵は全速ダッシュで前進。しかし陣地外縁塹壕の前には有刺鉄線があり、一時停止しなければならない。塹壕に入るのも同様。その後も厳しい荒地地形が続く。もちろん敵歩兵もいるので、最初の塹壕線の一郭を突破するのに5ターンかかった。ここで気づいた。このペースでは、とても制限時間内に東端まで前進するのは不可能だ。

このシナリオの敵駐屯地は前のシナリオより広大なのに、制限ターンは同じ。ということは、前回と同じやり方では全VH確保は不可能ということだ。ここで作戦変更。コア戦車隊を三隊に分ける。一隊は陣地北側外縁を迂回して北側入り口から進入する。残り二隊は西正面を堂々と突破して、中央と南寄りに分かれる。しかし、AUX歩兵はほとんどが徒歩なので、マチルダ隊は戦車のみで敵陣に突入しなければいけない。大丈夫か?多分いけるはず。前面で判明したように、この時期マチルダの脅威は地雷だけなのだから。

急遽変更したこの作戦は大成功だった。マチルダでも敵歩兵から2HEXの距離に近づけば、だいたいの敵は見える。おまけに友軍の危機を間近に見て動揺している敵歩兵なら、一気に隣接しても近接強襲は発動されず、逆にパニック状態になって塹壕陣地を捨てて一斉に逃げ出す始末。この時期のイタリア兵には、まだタンクパニックが発生するのだ。これならいける!

作戦実施手順の詳細は次の通り。
1) 砲兵が煙幕展開により、X軸にして10〜20HEX程度に戦区を仕切る。
2) 砲撃命令に余裕があれば、60ポンド重砲を軸にして塹壕線を砲撃。
3) マチルダ隊はあえて塹壕に沿って前進し、塹壕に潜む敵兵をパニックに陥れる。
4) 時に銃撃、蹂躙攻撃を仕掛けながらも、マチルダ隊は逃げる敵兵を超越して前進。
5) 混乱した敵歩兵の掃討は、後続のAUX歩兵集団が担当する。

この作戦の利点は、何よりターンあたりの前進距離を稼げることであり、敵兵の掃討が容易になることだ。マチルダは移動を優先してほとんど射撃せず、塹壕から敵兵を追い出すことに専念する。そして塹壕が空になれば、敵兵を追い越して東に進む。後続のAUX歩兵は常に全速前進し、潰走状態の敵歩兵を攻撃する。つまり、敵兵はAUX歩兵とマチルダの間に挟まれて満足に逃げることも反撃することもできず、簡単に消散していくのだ。

とはいえ、やはり実際はそんなに簡単ではない。この作戦で難しいのは次の二点。
a) FOは2つあるが、砲撃命令が常に不足気味。
b) AUX歩兵の前進が捗らない。

前者については、A0分も含めてFOの命令を一旦完全に消費してしまうと、以後は1ターンに2〜3回しか砲撃命令が出せなくなってしまう。ただし、FOを使わずとも、命令ポイントの余っているユニットで遅延時間2.0くらいの砲撃命令を出しても構わないので、全然砲撃できないということにはならない。しかし、そのためには、常に2〜3ターン先の展開を見越して砲撃命令を出していく必要がある。

問題の深刻さとしては、後者の方が重大だ。AUX歩兵の中で自動車化されているのはほんの一部で、残りは全て徒歩移動しなければならない。これらは塹壕や荒地を越える際には1〜2HEXしか移動できないし、敵の抵抗に遭えば全く前進できないこともある。そして、シナリオ開始時から使えるこれら徒歩歩兵隊は、どんなに順調に進んでも、敵陣中央にある建物を超えるくらいまでしか前進できないはずだ。つまり、終盤の戦いにはほとんど参加できないのだ。

となると、終盤まで最前線で使えるのは、増援で登場する自動車化歩兵だけだ。ところがこの自動車化歩兵がまた使いにくい。付属文書によれば、このトラックはニュージーランド部隊のものであり、彼らは運転兵なのに、運んでいる英兵以上に積極的に戦闘に参加してしまったらしい。これを再現するために、トラックは英兵とニュージーランド兵を混在して積んでおり、ニュージーランド兵とトラックが同一編隊になっている。そしてその隊長はトラックユニット。ニュージーランド兵を戦闘に参加させつつ、編隊としてまとまって行動するには、トラック隊も前線についていく必要があるのだ。

トラック隊だけ独立行動できれば、徒歩歩兵のピストン輸送に従事させることも簡単だが、CCオンのこの状況ではそれは簡単ではない。それでも歩兵の前進を少しでも促進するには、できるだけ空になったトラックに後方の歩兵を乗せていく必要がある。この作業がまた煩わしいし難しい。2つのトラック隊を遊ばせることなく、歩兵輸送に従事させ続けるのは本当に至難の業だ。

前回シナリオの教訓から、自動車化歩兵を最前線で戦闘に参加させるには、最低でも2ターンの余裕をみなければいけない。まず、最前線のちょっと後方の安全な地点までトラックで移動して降車する。次のターンでは、歩兵小隊の隊形を整えて展開。実際に戦闘に参加できるのは、この次のターンからになるのだ。

そんなこんなで苦労しつつも、敵陣地の半分以上を制圧した。残りVHは東側の3箇所というところで最終17ターンを迎える。もはや砲撃計画は機能していなかった。プレイヤーの集中力の欠如が原因と言ってしまえばそれまでだが、FOや砲兵との断続的な通信不通も無視できない要因だ。戦区をVH周辺に限定できないまま最後の突撃を始める。

中盤までは無敵だったマチルダ隊も、開き直った敵歩兵の近接強襲と敵の大口径野砲の直射に晒されて半数が移動不能に陥っていた。詰め将棋のように使える部隊を総動員して、何とかVHまでの距離を詰めていく。VH1つは確保できた。しかし、残りの2つにはあと一歩、実際ほんの50Mの差で踏むことができなかった・・・。

【結果】
スコア 3554:855(MV)
英損害:Men109、AFV3、SV1
伊損害:Men852
コア損害:Matilda II x 1

【感想】
本キャンペーン初の最高難易度5を献上します。ただ闇雲に難しいというわけではなく、綿密な作戦を立て、それを完璧に実行できれば、おそらくDVも取れそうだという実に微妙なバランスが取れているシナリオです。その代わり、何も考えずにスチームローラーで進んでいくと、まず引き分け以下の結果に終わってしまいそうです。そういう点で面白さも過去最高でした。

今回は、おそらく史実でもこんな感じだったんじゃないかなと思うマチルダの運用を意識して作戦を立てました。一般的なゲーム上のTipsとしては、戦車は常に歩兵の監視下で運用しなくてはならず、できれば歩兵を先行させたいところですが、史実ではもちろん常にそのような戦車運用をしたわけではありません。

この時期の歩兵は強力な対戦車火器を持っておらず、対戦車砲でさえも37mmが主流という発展途上にあり、敵戦車に対する歩兵の恐怖心はどの国でも共通するものでした。特にアフリカ戦線のイタリア軍にとっては、マチルダという重装甲戦車を打ち抜けるのは大口径の野砲だけでした。

この時期の兵士のあり方を再現する方法として、SPWAWは「Tank Panic」という要素を用意しています。経験・士気が低く、敵戦車に対して有効に対抗できる兵器を持っていないユニットは、敵戦車が接近するだけで逃げ出してしまうのです。

今回は、このタンク・パニックをフル活用して、マチルダ隊を単独で歩兵に先行させて戦いました。しかし、全てのイタリア兵が逃げてくれるかというと、もちろんそうではありません。テキストでも触れられていますが、イタリア軍守備隊には対戦車歩兵中隊が存在します。どうやらこの部隊は対戦車用の飛び道具を持っているわけではなく、携帯爆薬などを装備しているようですが、こういった部隊は逃げずに近接強襲を成功させることもあります。

マチルダの損害は、最後に105mm砲の直射を受けて乗員もろとも炎上した1両だけでしたが、近接強襲は都合5回くらい受けたし、それで移動不能になったものが3両ありました。やはり戦車の単独行動に危険が伴うのは、この時期でも変わりありません。それでもこのシナリオでは、歩兵の進出を待って・・・という作戦が使えません。これは史実でもそうだったようで、ここがマチルダ隊指揮官であるプレイヤーの考えどころです。

戦車と歩兵をどう使うかという問題とともに、このシナリオでは砲撃計画も戦況を大きく左右する要素になっています。今回は煙幕弾で戦区を限定することを優先し、砲撃自体は余裕がある時しか行いませんでしたが、この方法にはもうちょっと工夫の余地があったと思います。

とまあ、バランスの良さはもちろんのこと、いろいろな制限がありつつ、プレイヤーの取りうる作戦の自由度も高いのがこのシナリオの特徴といえるでしょう。作戦の立て甲斐があり、何度でもやりたくなるようなシナリオで、キャンペーンとは独立にシナリオ化して欲しいくらいの出来映えです。
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