<おしらせ1>
またまた、いつの間にか掲示板がダウンしていたようですね。ログを見ると、およそ2年半ぶりの改修です。
この間、何度かメールでご要望があったようですが、この度ようやく重い腰を上げて掲示板を修復いたしました。
管理不行き届きで申し訳ありません。

<おしらせ2>
サイト管理を楽にするために体裁を変更しています。
本サイトのメインコンテンツであったSPWAWの解説記事は以下からアクセス可能です。
SPWAW解説記事一覧


<5分で調べたSPWAW界の近況>

びっくりしたことーその1「Depot リニューアル」
SPWAW界を長年牽引してきた世界最大のファンサイトSPWAW DEPOTが、昨年の4月に閉鎖、13年の歴史に幕を下ろしたようです。
と同時にDepotメンバーの一人 Falconさんが新たなサイトSPWAW DEPOTを立ち上げたようですね(笑)。
まあ、中心メンバーが入れ替わって、こじんまりした感はありますが、実質的にはリニューアルって感じですかね。
旧DEPOTの遺産は相続されているようで、今後ともがんばって欲しいところです。
https://www.tapatalk.com/groups/spwawdepot/

びっくりしたことーその2「砲撃要請画面ラグ解消」
マルチコアCPUが普及した頃でしょうか、ある程度以上のスペックのPCでは、砲撃要請画面で挙動がおかしくなる不具合がありましたね。
それが原因でSPWAWを離れた・・という方もおられたような記憶がありますが、どうやらこの不具合、ついに修正されたようです。
これもDEPOTメンバーのおかげみたいですね。Matrix Games 公認(というか黙認ですね)のもと 、本体ファイル MECH.EXE をいじることに成功したようです。
https://www.tapatalk.com/groups/spwawde ... -t277.html


というわけで、この機会にもう一度SPWAWをやってみようかな、と思われた方は次のリンクからダウンロードをどうぞ。
DEPOTで全てのファイルのホスティングも始めたようです。
https://www.tapatalk.com/groups/spwawde ... es-t6.html

THE CASTLE ~domo戦記外伝3

シナリオAARの投稿
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夏ばてとは是最強の敵也

Post by JMA » 2008.Aug.25(Mon) 10:46

どうも・・・夏ばてでしばらくやられておりましたJMAであります・・・
少し涼しくなってきてSPWAWにも復帰したのでありますが、相変わらず対戦車戦に四苦八苦しております。
小口径砲をそこそこ使いこなせるようになってきたところで小口径迫撃砲の足の遅さにイライラしているわけでありますが・・・

今度は攻撃側ですか。
と書きつつスレを見直したら新投稿がきてるw
相変わらず作戦前の細やかな雰囲気作りが得意ですね〜
自分がやると編成⇒作戦立案⇒進行⇒結果を書いただけで終わるただの報告になっちゃうだろう

敵が我国ドイツなのがあれだけどパラレルワールドってことで納得して大いに応援しましょーw
両軍の本格的衝突に期待してます :pirat
ソ連に好かれているのかな

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Post by domo » 2008.Aug.26(Tue) 00:30

あ、どうもJMAさん、お久しぶりです。

なになに?今度は対戦車砲ですか

ふうむ・・・ふう・・ええと・・そのお・・
(すいません、いいオチが思いつかない)

ところで話は変わりますが、JMAさんにはおめでたい発表があります。
このたび、厳選なる結果、JMAさんが「domo戦記公認読者」に認定されました。

しかも第1号です。

これはdomo戦記を間違いなく定期的に読んで下さっているということが証明されたものでありまして、しかもそれだけでなく定期的にご意見を書いてくださることへの感謝の意を込めて今回選出されたものであります。

素晴らしいことじゃないですか、JMAさん。
おめでとうございます。

そんなに感動して泣かないでくださいよ。


あと、それから
[自分がやると編成⇒作戦立案⇒進行⇒結果を書いただけで終わるただの報告になっちゃうだろう
この流れで正しいような気がします。
というか、これこそ万人が求めるAARの鏡のような気もします。

AARに限らず文書を書くという作業は書き出すまでが大変ですが、書き始めると結構楽しいですよ。

そんで、AARを書いているいると、そのうちAARを書くためにゲームをやるようなカッコいい大人(中年)になれます。

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プライベートライアンのSEに感激

Post by JMA » 2008.Aug.26(Tue) 11:30

夜遅くにお疲れ様です

昨日はプライベートライアン見て「効果音が同じじゃないか!」とか「ティガーが怖すぎる!」とか…なんだか自分がSPWAWで市街戦やってる気分に浸ってました

独軍が敵だったのが残念 :porc

domo戦記公認読者ですかワーイ :cheers イィィィ・・・・・い? :scratch
ま、その…あれですね。今後とも気まぐれにレスしますのでがんばってください

AARの順序はそれで良いのかもしれませんが…どうにも臨場感が出せなくて。

そのうち何かAAR書いてみようかと思ってるので批評は辛口でお願いします :wink:

いつになるか分からないけれど…
ソ連に好かれているのかな

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Post by domo » 2008.Aug.26(Tue) 14:44

《3ターン》

このターンは砲撃で始まった。
アメリカ軍もドイツ軍もFO(前線観測員)が砲撃要請すれば、0.2~0.4以内で砲撃を要請できる。
先ほど第2中隊が村に侵入するということで、敵のいそうなところに60㎜迫撃砲で援護砲撃を要請したのだが、それと同時にドイツ軍も第2中隊に対して81㎜迫撃砲を落としてきたというわけだ。

「退避!!」
突然の攻撃
皆、地面に這いつくばり、わずかな遮蔽物に必死になってしがみつく
読者の方々は81㎜迫撃砲の砲弾はよほど近距離から砲撃されない限りそれ程恐くないとお思いであろう。
しかし砲撃されている兵士にとってはそんな言葉は耳に入らない。
誰もが思うことは砲弾が自分に命中しないでくれと願うだけなのだ。


「始まったな」

ジーンズ博士はそう言い、乗っているジープから身を乗り出した。
運転をしている俺は運転席で立ち上がっている博士をチラッと見上げた。
なんだか面白い冒険映画を観にきた子供のようだ。

これはインディージョーンズ4がそんなに面白くなかったことはここでは言わないでおこうと俺はふと思った。


「MOVE MOVE !!」

第2中隊の各小隊長から各分隊に命令が飛んだ。
じっとしていてはドイツ軍の砲撃の的になってしまうからだ。

「先ほどの砲撃は遅延時間0.2であったはずだ」
「とすれば残りの砲弾が必ず降ってくるはずだ」

ゲーム序盤というものはまだプレーヤーにとっても精神的余裕があるためか、様々な憶測をすることになる。
それが砲撃である場合、
「この砲弾はどこから飛んできたか」
「ここに0.2で着弾させたということはこのあとはどこか」

砲撃がうまくなるには対AIでは難しい。
お互いの裏をかきながら先を読むという醍醐味は対人戦でしか楽しむことはできない。
しかも逆に先を読まれて砲撃を喰らったときは抑圧どころか血圧まで上昇するおまけがある。


できるだけ部隊を前進させ土手を越えさせる。
次に戦車もあとを追う。
ギボンズ軍曹のシャーマン戦車が土手を越えようとしたときだった。

「GUAM」

75mmPAKの砲弾がシャーマン戦車の車体に命中した。
だが運良く跳ね返す。

もう1台のシャーマン戦車も土手を越えようとした瞬間またしてもPAKに撃たれた。
だがこれも命中したが跳ね返っていった。

「どこからだ!」

車内のペリスコープで前方を探すがPAKは見つからなかった。
そのため一旦、戦車は土手の後方に下がった。
Last edited by domo on 2009.Aug.13(Thu) 21:43, edited 1 time in total.

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Post by domo » 2008.Aug.27(Wed) 01:06

第1中隊は最初の攻撃目標である教会に近づいていた。
教会の手前には墓地がある。

偵察隊が畑を抜ける。

「やばそうな雰囲気だ」

嗅覚がそう感じるのであろうか。
それとも数秒後の自分の運命を悟ったのだろうか

案の定だった。
畑から顔を出した我々をドイツ軍は待ち構えていた。

右の偵察隊は対空砲と機関銃の十字砲火を浴びせられ反撃したが全滅した
左の偵察隊は正面のMG42に釘付けにされた。

MG42の銃弾が兵士が隠れる木々を噛み砕いていく。

動けない
まして下手に発砲すれば、たちまち穴だらけにされるだろう。

すぐに後方から歩兵部隊が援護に駆けつけた。
そしてMG42に気づかれないように側面に回り込もうとしたとき、今度はその反対側から別の部隊に狙われた。

あっという間に11名の分隊のうち7名が銃弾のえじきになった。

これを見て一部の兵士に動揺が走った。

「なんでSS部隊がこんなところにいるんだ!」
敵部隊の一部がSS擲弾兵であることにようやく気がついたのだ

「このままではあの墓地は俺たちの墓地になっちまうぞ!!」


長い一日が始まった。
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00269.jpg
VHのある教会の手前の薄気味悪い墓地。ここでドイツ軍は我々を待ち伏せしていた。
00269.jpg (13.93 KiB) Viewed 3718 times

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Post by domo » 2008.Aug.27(Wed) 14:51

《4ターン》

ドイツ軍の砲撃が激しさを増す。
81㎜に加え120㎜の砲弾が第2中隊のY小隊を直撃した。
前回のブダペスト攻防戦では使った側であった120㎜迫撃砲の殺傷威力は実証済みである。

一人また一人と兵士の体が宙に舞う。
81㎜とちがい着弾地点の付近(隣接へクス)にいるだけでも爆片でやられてしまう。
始めに遅延時間0.2の81㎜で足止め(移動力を減らし)しておいて、あとから0.4の120㎜で効果を増幅させたのであろう。

何もしないうちにY小隊は5名の死傷者を出した。


だが米軍にとってこのことよりもさらに重大なことが起こっている。
それはこの小さな村を守るドイツ軍の守備隊がSS擲弾兵を中心に構築されているということである。

何故この小さな村にSS部隊が駐屯しているのだろうか?

バルビン中隊長は司令部にこのことを報告した。
司令部の方も新たな事態を迎え慌てている。

昨日まではそのような報告はなかった。

それじゃあ夜のうちに移動してきたのか?

それにしても腑に落ちない
我々が攻撃してくることを予め知っていたのだろうか

だが今そんなことを考えても仕方がない。

バルビン大尉は目の前の戦場に目を向けることにした。
Last edited by domo on 2009.Aug.13(Thu) 21:44, edited 1 time in total.

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Post by domo » 2008.Aug.28(Thu) 17:37

米軍の戦い方の一つとしては、「怪しいところは砲撃で叩いてから歩兵を進ませる」がある。
ゲームではゲームバランスを考慮して弾薬やら砲の数などは制限されるが、実際は空軍や砲兵で支援された戦闘は戦場でのイニシアチブを握った。


第1中隊のバルビン大尉もそのように考えていた。

すなわち、
偵察隊が敵の火点を見つける→砲撃要請→砲撃→歩兵で攻撃

ということだ。
これは序盤の戦い方としては理想的とも言えるものであろう。
極力歩兵の損害を少なくでき、兵力を温存できる。
ただ一つ欠点があるとすれば、時間がかかるということだ。

どんな作戦であっても一長一短があることは事実だ。

人生に正解がないように作戦にも正解はない

戦場は絶えず動いている。
指揮官はその動きに対して敏感に対応していかなければならない。

ここにきて火点を見つける役の偵察隊が敵の反撃に遭い壊滅した。
(実際ならば多分、歩兵部隊から数名を選び、再び偵察隊を構成するのであろうが、ゲーム上部隊を再編成したり分割したりすることはできない)

そのため今後、歩兵が偵察隊の役目を果たさなくてはならなくなった。

血気盛んな読者の中には自分ならば戦車で強引に突破するのにとお嘆きの貴兄もおられるが、パンツァーファーストが恐くなければ、それでもいいだろう。
(In Cover状態(抑圧0)でのパンツァーファーストはほぼ命中するよ、知らないよ)

だが第1中隊のバルビン大尉はそうは考えていない。
ゲーム序盤で戦車を失っては持久戦を戦うのは厳しい。

多少、手間がかかるがまだ我慢すべきだと判断した。


「DOGAAAM」

突然、第1中隊とバルビン大尉の耳に爆発音が鳴り響いた。
戦車がPAKにやられ爆発した音だ。

「くそう!なぜ命令を守らん!」
中隊本部がざわついた。

「どこだ!どこでやられた!」

しかし確認してみたところ、やられたのは第1中隊の戦車ではなかったことが分かった。

第2中隊のM4A3シャーマン戦車がやられたのだ。
Attachments
00270.jpg
M4A3型シャーマン戦車。M4A3型には前期(75ミリ砲)、後期(75ミリ砲)、後期76ミリ砲の3種類ある。写真は後期76
00270.jpg (2.95 KiB) Viewed 3672 times

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Post by domo » 2008.Aug.28(Thu) 23:33

雨が落ちてきた。
路上には鉄くずと化したシャーマン戦車が燃えている。

発射音からして88㎜砲であろう。
シャーマン戦車の装甲では88㎜の砲弾を喰らえばひとたまりもない。
かろうじて脱出できたのは2名のみで、残り3名は鉄の棺おけと共にした。

問題はどこから撃たれたのかが全く見当がつかないことだ。
さきほど戦車が撃破されたへクスには直前に歩兵も入ったのだが、その歩兵に対しては全く射撃をしてこなかった。
近距離ではないだろう。
考えられることは、どこか視界の利く建物の中から中距離以上で撃ってきたのだろう。

ドイツ軍にベストポジッションのアビリティを持っている部隊がいるのかもしれない
(ありませんよ、こんなのは。フロントミッションじゃないし)

見えない敵から撃たれるというのは、精神的にいいもんじゃない。
恐怖が脳内で自己繁殖し、一歩も動けなくなる。
なんとかしようと、もがこうと思えば思うほど、さらに相手の思う壺にはまっていく。

こんなときこそ冷静な指揮官でありたいものだ。

第2中隊のドッブス(Dobbsだったので、ダブスから改名しました)大尉は、ウコンの力をグィと飲み干した。

そして
「気にするな、なるようにしかならん」
と焦る小隊長をなだめた。


第3中隊も戦闘に入った。
この中隊には年期の入ったおんぼろの軽戦車が4台しかなかった。
それでシュガー大尉は4台のスチュアート戦車を2台ずつにわけ歩兵を支援させることにした。
37mm主砲がプスンプスンとすかしっぺのような音を発するたびに歩兵がからかった。

「俺の屁の方が大きいぜ」

だがそんな主砲であっても優秀な戦車乗りが乗ると戦場を支配する。
瞬く間にMG42隊を壊滅させた。

「あまり張り切るなよ、イーストウッド中尉」
シュガー大尉が無線でそう呼びかける。
(はじめからこういう名前でした。改名したわけではない!)

「了解」
そう応えたイーストウッド中尉の腰には44マグナムが出番を待っていた。
(イーストウッドといえばダーティーハリーです)
Last edited by domo on 2009.Aug.13(Thu) 21:44, edited 1 time in total.

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Post by domo » 2008.Aug.29(Fri) 14:26

《5ターン》

「大尉!敵戦車です」

第3中隊の行く手に立ちはだかったのはパンターG型戦車だった。
2台のパンターが寺の本殿を守る仁王像のように我々に睨みをきかせているではないか。

「SHIT ! どこから現れたんだ」

そのうちの1台の視界にスチュアート戦車が入り主砲を撃たれたが、車体が小さいのかすばしこいのかスチュアート戦車はその場を逃れた。

読者の方々はすでにご存知であると思うが、一応両車の性能を述べておこう。

M5A1スチュアートは前面装甲44㎜(砲塔67㎜)である。
一方パンターG型の前面装甲は88㎜(砲塔116㎜)とスチュアート戦車の2倍もある。
そして主砲はスチュアートは37mmM6主砲で、パンターG型は75mmKwk42 L70(近距離ではタイガーの88㎜より威力があった)

「こ・・これは・・・」

シュガー大尉には日本の97式戦車(通称チハたん)でシャーマン戦車を相手にするのと同じような気がした。

「むごい・・むごすぎる・・」

「魔女の婆さんの呪いか。各車、敵の視界に入るな」

シュガー大尉は一応ベテランであった。
そして常々、命がほしければ勝ち目のない勝負はするなと部下に言ってきた。

しかし戦車の支援なくしては歩兵は前進できない。
この鉄道施設にはSS部隊のほか、強力な特殊部隊の山岳兵部隊も配属されていた。

パンターの視界に入らないように移動する。
そして歩兵部隊に37mm砲をぶっ放した。
Attachments
00271.jpg
2匹の豹に立ち向かう3匹のウサギたち。シュガー大尉車はどこにも見当たらない
00271.jpg (13.19 KiB) Viewed 3616 times
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Post by domo » 2008.Aug.31(Sun) 00:18

第3中隊が決死の戦闘を繰り広げている頃、第1中隊と第2中隊はじりじりとした前進を余儀なくされていた。
まだVHを一つも確保できていないどころか、最初のVHまでも近づけていない。

「大尉、司令部からです」
第1中隊のバルビン大尉は司令部からの連絡を受けた。

「大尉、戦況はどうだ?」

「ご覧のとおりです、将軍。頑強なドイツ軍の守備隊に苦戦しております」

「そのようだな、大尉。実はな、そのことなのだが」

「(ゴクリ)」

「昨夜の情報が偽の情報であったことが判明した」

「といいますと?」

「この村の全ての連中はドイツ軍に肩を貸しておるらしいのだ」

「ええっ、何ですって!」

昨夜までの情報だと村にいるドイツ軍は駐屯部隊のみで大したことはないということであった。だがそれは村人がよこした偽情報であったのだ。

「そういうことだ。なので村ぐるみで我々を待ち構えておる可能性が高い、十分注意してくれい」


とそれだけ言い無線は切れた。
なぜ村人はドイツ軍と手を組んでいるのか、その以上のことは一兵士には伝えられない。
大尉は釈然といかなかったが、自分の果たすべき任務をまっとうすることだけを考えた。


第2中隊のドッブス大尉も焦っていた。
思うように前進できていない。
次第に見方の損害が増えていく。

だがこのままモタモタするわけにはいかなかった。
次の6ターンにはノル城の背後にある川にレンジャー部隊が到着することになっていたのだ。

なんとしても遅れを取り戻さなければならない。
どうすればいい・・
何かいい作戦はないか・・
戦局を打開する手はないものか・・・

そうだ!
あれを使おう

ということでしばし作戦タイム

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Post by domo » 2008.Aug.31(Sun) 15:01

第5ターン米軍の終了時までの戦況

第1中隊
死傷者数:20名

第2中隊
死傷者数:13名(乗員は含まず)
M4A3(76)シャーマン戦車×1

第3中隊
死傷者数:15名

砲兵部隊
60㎜迫撃砲×1(故障)


一番被害が多いのは第1中隊であるが、これは偵察部隊の9名が占める割合が大きい。
そして全小隊にまだ壊滅した分隊が一つもない。
これはゲーム中盤に向けて兵力を温存しなるべく石橋を叩いて渡った結果でもあろう。

だが前にも述べたが、兵力を温存するとどうしても前進速度が落ちる。
戦車を含む装甲部隊がもっと多くあれば数に任せて突破できるのであろうが、各中隊の戦車が4、5台ではどうすることもできない。

ここまでのドイツ軍の抵抗は迫撃砲による砲撃ぐらいであとは、こちらのターン時の臨機射撃程度にとどまっていて、まだ反撃らしい反撃は一度もない。
しかしドイツ側に戦車があることが判明した以上、こちらの意表をついて反撃にでる可能性も出てきた。
即ち「攻撃は最大の防御」であるからだ。

そしていよいよレンジャー部隊が城を攻略するわけであるが、なんとしても敵の兵力をこちらに引きつけておかねばならない。

そのために司令部は新たな増援部隊を要請したらしい。
それがいつ到着するかわからないが、そのときまで各中隊生き残っていられるであろうか・・
Last edited by domo on 2009.Aug.13(Thu) 21:49, edited 2 times in total.

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Post by JMA » 2008.Aug.31(Sun) 16:06

ティガーにせよパンターにせよ・・・マウスなんていうのは論外にしても独主力戦車はものすごい巨砲肉厚ですよね。
あれを敵に回すのが嫌で対独シナリオはちっともやってない・・・w
ソ連に好かれているのかな

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Post by domo » 2008.Sep.01(Mon) 22:09

【ドイツ軍の5ターン】

ドイツ軍が反撃にでてきた。
2台のパンター戦車が獲物を探している。

一応見つけられないように林の中にいたのだが、敵歩兵によってあっさりと見つけられてしまったようだ。

2匹の豹に狙われる3匹のうさぎ
絶対絶命だ。

1台のパンターが悠然と前進してきた。
まるで恐れるものは何もないというかのように。

静まり返る車内。
だがナバーロ戦車長以下全ての乗員はそのときを待っていた。

最後の一発を撃つ瞬間を―

敵戦車が移動して視界に入ってきたら、一発はこちらが先に撃てるチャンスがある。

「だめでもいい。やれるだけのことをやるだけだ」
「砲手、全てまかせるぞ」


どうせスチュアートの37mm砲弾がパンターに命中したところで、やつはびくともしないだろう。
ならば好きに撃たせるほかない。

全てを一任された砲手のアンドリューは今日が誕生日だった。
ガムを口にほうばった。
そして少しだけ噛んだあと、そのガムを取り出し照準器の上にくっつけた。
これが彼のおまじないだった。

「来やがった bitch!!」

照準器の中にいきなりパンターの車体が入ってきた。

「でかい・・」

4へクスの距離で見るパンターはでかかった。

パンターはゆっくりと側面を見せて移動してきた。
そして獲物に向かって車体の向きを正面に旋回しようとしている。

「!!!」

時が止まった。
いや正確にいえば、照準器からパンターを見ていた砲手アンドリューだけの時間が止まったというべきだろうか。

とにかく一瞬・・ほんの一瞬、パンターは側面を見せたのだ。
アンドリューはパンター戦車の側面装甲は55mm(砲塔45mm)と薄いことを知っていた。

アンドリューは砲塔側面に照準を定めた。
汗が目に入る。

「FIRE !!」

「DOOOOOM」


パンターが爆発した。
スチュアートの放った37mm砲弾がパンターの砲塔側面を貫き、搭載してあった砲弾に引火したのだ。

奇跡が起こった。
(これまじです。ほんとに飛び上がりました。シンジラレナーイ)

「おい、アンドリュー!借りができちまったな」

ウサギが豹を倒したのである。


その一方、イーストウッド中尉の率いる2台のスチュアート戦車の方も敵に見つかった。
たった今、仲間がやられたのを見ていたもう1台のパンターが憎悪を燃やしながら、この2台に近づいてきている。

まさかスチュアートに撃破されては、おめおめと引き下がることもできない。
理性を失った豹は当然、報復しにくるだろう。

「来たぞ!FIRE !」

だが今度は当たりもしなかった。

「BOOOM」

パンターの75mm砲が正確にスチュアートを貫いた。

だがパンターの怒りはスチュアートを1台撃破したぐらいでは収まらないのか、今度はイーストウッドにも狙いをつけてきた。

「FIRE!!」

スチュアートの37mm砲がパンターに命中する。
だが今度は期待空しく砲弾は弾かれてしまった。

「脱出しろ!!」

イーストウッドがそう言うが早いかパンターから砲弾が撃ち込まれる。

「DOGAAAAN」

イーストウッドのスチュアートも撃破されてしまった。



全米が泣いた。窮鼠猫をかんだ映像がこれだ。1、2、3、
↓↓↓
http://jp.youtube.com/watch?v=8qb3EEqLrRI

スチュアートが撃破されたあとのアイコンが弾薬に変わるんですが、これはリプレイだけの出来事です。

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Post by domo » 2008.Sep.03(Wed) 13:42

パンター戦車を1台撃破したものの、こちらも2台の戦車を失った第3中隊。
ナバーロ軍曹がパンターを撃破したときは歓喜に沸きかえったが、今では兵士の士気が落ちてしまっている。

「大尉、まずいことになりましたよ」
車内では無線手が大尉の指示を待っていた。

「どうします?何か指示を出さなくては?」

シュガー大尉はよほどショックだったのか、何も言わずに酒を飲んでいる。
そしてふと立ち上がりハッチを開け、そのまま外に出て行ってしまった。

「あれ?大尉、どちらに?」

無線手は心配そうに大尉に声をかけたが、大尉は戦車の脇の草むらに入っていった。

「大尉の様子がおかしいな」
「ああ、何か思いつめてた感じだったな」

戦車の中で乗員があれやこれやと雑談をしていた。

「はっ!」
「なんだ、どうした!!」

「もしや大尉は2台の戦車を失ったことで責任を感じているんじゃないか」
「とすると・・」
「責任をとって切腹なんてことはないよね」
「ええ?・・・」
「今、指揮官が切腹している場合じゃないんだけど・・・」
「もしや・・・」

無線手は自らの口からでた言葉を呪った。
そして今しがた見た大尉の物寂しげな後ろ姿が脳裏を離れなかった。

「(間にあってくれ・・・)」

そう願いながら無線手は頭上のハッチを開け、そのまま車外に出た。

そして大尉が入っていった草むらに恐る恐る近づく。

だが足が前に進まない。

生い茂る草を掻き分けながら「大尉」と言ってみた。

しかし返事はない。

本当に心配になってきたそのとき、前方に大尉らしき人影があるのを発見した。

だがうずくまっているのかしゃがんでいるのかしているようで草むらに隠れて見えない。

もこれはもはや無線手の頭の中は最悪の事態を想定せざるをえなかった。

「(遅かったか・・)」

うずくまっている大尉に一歩ずつ近づく。

「すまんのう・・」

大尉が虫の息のような声で何かを言ったのを無線手は耳にした。

「大尉!!!」

無線手は必死で大尉の呼びかけに応えようとした。
その目からは涙が流れている。

「なんですか!!」

ようやく無線手は大尉のいるところにたどり着いた。

「紙もっとらんか?」

大尉はうずくまって野糞をしていたのであった。

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Post by domo » 2008.Sep.04(Thu) 17:50

《6ターン》

ついにレンジャー部隊が到着した。
米軍最強の部隊である。
それとともに他にも援軍が次々と到着してきているようだ。
さすがは米軍だ。
81㎜迫撃砲を搭載したM4ハーフトラックが4台我々の支援に来た。

これで当面砲撃が途切れることはないだろう。
(実は先ほどの5ターンで砲弾補給が追いつかず、このターンの砲撃要請はできなかった)(どんなに弾薬庫があるからと言っても続けて撃ち続けることはできない)
(どの砲を休ませるか、常に考慮すべきである)


「来たな」

第1中隊のバルビン大尉もレンジャー部隊の到着を確認した。

「ここからが本番ってわけだ」


一方、久々の登場となるジーンズ博士を乗せた俺のジープは第2中隊の後方にいるのだが、これ以上前には進むことができなかった。

下手に動き回って先ほどのシャーマン戦車のようにPAKに狙われることだって十分にありえるからだ。

かといって第3中隊の方に向かうのは危険すぎる。

「どうしましょう?」

俺は博士に尋ねた。

「鉄道が見てみたい」

博士は鉄道マニアらしく、ここに鉄道があることを知っていたらしく、どうしても写真が撮りたいと言い出した。

「言っておきますが、非常に危険ですよ」
「かまわんよ、行ってくれ」

俺はあきれ返り、肩をクイッとあげるポーズをした。

「じゃあ第3中隊とかけあってみましょうか」

こうして俺たちは第3中隊に向かうことになった。

(ゲームが全然進んでないですねえ、これがdomo戦記です)
Last edited by domo on 2009.Aug.13(Thu) 21:50, edited 1 time in total.

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