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Posted: 2008.Feb.05(Tue) 23:21
by domo
いくつかの書物に目を通し突撃砲兵のことを調べながらゲームをしていくうちに僕の中でゲームの中の出来事と実際の戦記とがリンクし始めた。

何かに感情移入させながら書いていると、向こう側から僕に訴えかけてくることがある。
これはdomo戦記を書いていてよくあることだ。
(もちろん書くまではそんなことはわからない。あくまでも書いている最中にそうなるような気がする。特別に霊感が強いわけではないです)

どうしても気になることがあった。
それは突撃砲戦車というのは常に歩兵と共に敵の火点を制圧しなければならないということだ。そのようなことが規範として書いてある。

このことがずっと頭の中に引っ掛かった。

なので「ヒット&ラン」のような戦車の単独での行動はどうしたらいいものだろうか。
と考える日々が続いた。

だが戦場が答えを与えてくれた。
4ターンに敵の装甲部隊の突破により、駅中央を守る我が歩兵部隊は文字通りの近接強襲、肉弾攻撃を強いられた。
拠点に立ち篭り敵戦車の放つ主砲を容赦なく浴びる歩兵たち。
建物には榴弾が次から次へと撃ち込まれ機銃が乱射される。
そして彼らは絶叫した。

「戦車は?!!見方の戦車はどうした?!!」
「こちらH小隊!!大至急戦車を!!」


皆さんはこのような声を聞いたことがないだろうか。
歩兵の声を
もちろんゲーム上のサウンドにはそのような声はない。
しかし僕には聞こえたのだ。
歩兵の叫びが。
(本当なんですよ)

生死を共にし自分の命を他人に預ける戦場には絆というものがある。
突撃砲兵の突撃砲戦車と歩兵たちは常にその固い絆で結ばれていた。
彼らの叫びが聞こえたのだ。
こうなると戦車を後方でもて遊ばせるなんてことはできない。
危険を承知で前線に駆けつけさせた。

戦車が前線に駆けつけるキャタピラ音を聞いた兵士の心境はどうだったのだろう。
それだけで勇気がでたにちがいない。
結果的にはラボルペ4号車は撃破されたが、それによって戦場の絆は保たれたと思う。
そしてそのことによってラボルペ3号車の大活躍があったと考えたい。

これが命令無視につながった理由である。
(サト氏にもこのことを説明したら納得されてました。そしてサト氏も「歩兵の声」を聞いたことがあるそうです)

そしてラボルペ4号車の乗員は結局無罪となった。

Posted: 2008.Feb.07(Thu) 00:54
by domo
それでは戦闘が終わった戦場に目を向けることにしよう。

無傷の部隊などいなかった。
どの小隊も半数近くの死傷者をだした。

目標のVH数には達しなかったが、駅舎の確保は絶対的なものになったことで、ヴォルガ河にまた一歩近づいた。


だが今の俺には気になることが2つあった。
それは生け捕った敵の司令官とサトーニ中尉の生死だ。

サトーニ中尉に関しては爆破した車内からまだ死体が見つかっていなかった。

そして最後までサプライズの連続を演出したあのソ連軍の指揮官は誰なのか。

俺の足は現場に急いだ。

激戦が繰り広げられた「くぎ工場」はまだくずぶっている。
勇気ある工兵隊が側で一息ついていた。

そして敵の司令官らしき人物の周りには数人の兵士が取り囲んでいた。
一応、敵の司令官には敬意をはらう。

そして側にいた兵士に尋ねた。

「どうだ?はいたか?」
「いいえ。まだ何も」

やはり敵の司令官は何もはかないつもりだ。

「名前は?」
「それもまだ」

なんというやつだ。

「はかせろ」
「ハッ」

少々痛い目に遭わせるがやむをえない。

バコ!バコ!

「どうだ?」
「だめです」

むむ・・じゃあこれはどうだ。

こちょこちょこちょ
全身くすぐりの刑だ!
今まで全身をくすぐられてはかなかったやつは少ない。

「どうだ?」
「だめです」

むむむ、手ごわい。
じゃあこれはどうだ。
恐怖の鼻毛の生抜きの刑だ。
これは過去にも数度しか行われていないほど恐ろしいものだ。

「ブチッ ブチッ!」

ぐわあああ

悲鳴がこだました。

「やつが口を割りました!」
「な、なに!!」

Posted: 2008.Feb.08(Fri) 15:22
by domo
「おい、お前の名前はなんだ!」
「うるせえ、俺のケツをなめろ!!」

「くそ!」

全くなんてやつだ。
強靭な精神力を持ってやがる。

「中隊長、これ以上は無理です」

残念ながらここではこれ以上捕虜に尋問することはできなかった。
もし敵の司令官がここにいることが知れたら反撃を受けることも考えられる。

速やかに後方に連れて行かなくてはいけない。
だがやつはそこでも口を割らないだろう。

「捕虜を連れて行け」
俺はそう指示を出した。

敵の司令官らが立ち上がり歩き始めた。
ちらりとやつと目があった。

捕虜たちが去ったあと、俺はタバコを取り出し火をつけた。

「中隊長、こんなものが」
捕虜たちのいた場所に落ちていたものらしい。
副官がそれを拾い上げて俺に渡した。

これは・・
それは粉末のスープのようなものだった。
多分あいつらはこれを食料にしていたのだろう。

俺は袋を開け中身を確かめてみた。
やはりスープに間違いなかった。

「これは単なるスープだろう」
そういえば腹がへった。

「これを食ってみるか」
今拾ったスープに水を注ぎ食べようとしたときだった。

俺はある事実にようやく気付いた。

「ま、まさか・・・」

Posted: 2008.Feb.09(Sat) 12:31
by domo
さきほど拾った敵の司令官が残した粉末スープ
中身も何の疑いのない普通のスープであった。

俺は袋を開け容器に注ぎその上から水を注いだ。
本来は湯を注ぐのであるが今はそのような湯はない。

そして腰掛けて食べようとしたのであるが、地面に捨てられたスープの袋に目が行った。

「?」
「どうかしました?」

副官が何か異変でもあったのかと思ったらしく俺に尋ねた。

俺は黙って地面のスープの袋を見つめている。

「クノールスープか・・」
「ええ、一般に市販されているやつみたいですよ」

「クノール・・クノール・・Knorr・・nor・・」

「副官!!これは!!」

俺は思わず立ち上がった。

「おい!さっきの捕虜が無事に到着したか確認するんだ」
慌てて副官にそう指示をだす。

俺の脳裏に不安がよぎった。
もしあの司令官が俺の思ったやつならば・・

そのとき無線機に連絡が入った。
副官がその無線に出る。

「中隊長!!捕虜の司令官が脱走したそうです」
「!!!」

一歩遅かった。
俺としたことが・・
あの司令官の正体にもう少し早く気がついていれば。

そういえば奴の額に刻まれた「人柱募集」という刺青を思い出した。

「中隊長、敵の司令官を逃がしたのは痛いですが、しかたのないことです」
「慰めはいらんよ」
「いえいえ、慰めではありません。あの司令官はもう最近では全くゲームをしてないんですから、こちらも油断してました」

「まあな、だがやつをどうやって捕らえる?」
「一応、人柱募集に応じるビラを散布しましょう。多分やつはそれに目を通すはずです」

だがその甲斐も空しく二度とあの司令官は姿を現すことはなかった。

Posted: 2008.Feb.12(Tue) 14:09
by domo
もう一つの気がかりのほうも見ておかなければならない。

サトーニ中尉の撃破された駅中央の現場に足を向けた。

あちらこちらにソ連軍の戦車が鉄の残骸となっている。

「中隊長、こちらです」

サトーニ中尉の乗っていたラボルペ1号車が見えた。
恐る恐る近づく。
ひょっとしてまだ生きているのではないかという期待をよせて。

車体の上にあがった。
車体の外はあまり外傷はない。
だがそれよりも車内の方はめちゃくちゃになっていた。

モロトフカクテルを車内に投げつけられたからであろうか。
それにしても車内の損傷が激しい。
搭載している砲弾への誘爆があったのだろうか。
調査している兵士に訊いたところ主砲の故障により砲弾は全て捨てられていたためそれはあり得ないという。

じゃあこの燃えの原因はなんなのだろう。
先ほどの兵士に訊いてみた。

「これはアルコールによる発火に間違いないですね」
「というと?」
「これは推測ですが、車内に大量の酒を持ち込んでいたのではないかと思われます」
「それに引火したのか・・」

「で、サトーニ中尉の死体は見つかったか?」
「それが、どこにも見当たりません」
「というと?」
「今のところ不明です」

「これも推測ですが、中尉は脱出したのではないかと思われます」
その可能性が高くなった。
だがそうだとしてもかなり負傷をしているので、そんなに遠くには行けないはずだが。




夜を徹しての捜索にもかかわらず結局サトーニ中尉は見つからなかった。
敵に捕まってしまったのだろうか・・


現場から少し離れたところで見つかったサトーニ中尉の物と思われる煙草入れを手渡された。

煙草入れには文字が刻まれていた。


『チュニジアより愛を込めて  MauFox』








             - THE END -

さようならSPWAW

Posted: 2008.Feb.13(Wed) 21:26
by domo
全世界1000万のspwawファンの皆様

今回もdomo戦記外伝をお読みくださりありがとうございました。

無事に終えることができましたのも全て皆様がご愛読してくださったおかげであると心から思う次第でございます。

なぜか戦記を書くたびにどんどん長編化していき、このまま長編化したら今後一体どうなるのだろうという懸念もありますが、それもまた一興でしょう。


ええと今日はこの場をお借りして読者の方々からいただいたご質問にお答えしたいと思います。

Q1 domo戦記とdomo戦記外伝の違いはなんですか?(匿名希望:ゲッツ石松さん)

早速お答えしましょう。外伝のコンセプトとして新しく導入した「domoルール」でプレイするというものがあります。この「domoルール」についてはまた後ほど詳しい説明をすることとしますが、「人生楽しく生きようよ」=「ゲームは楽しんでやるものでしょ」という考えから自己満足のためだけにこういうルールを作りました。(結果としては大満足です)なのでこれからも外伝を中心として進めると思います。


Q2 なぜいつもH2Hでプレイされるのですか?(ペンネーム:ムーミン刑事さん)

現在SPWAWは大きく分けるとH2H、無印8.403、エンハンスドの3つに分けられると思います。
その中でも主流はエンハンスド>8.403・・・・・・・・・・>H2Hということになるでしょう。
いやもうほとんどの方がH2Hをプレイしておりません。
そこが狙い目なのです!!
(度重なるエンハンスドの改善があまりいいと本気で思っていない)
それ以上にH2Hのアイコンとサウンドが気に入っているからなのでして、エンハンスドのタイガー戦車のアイコンを見るとやる気がでなくなってしまうのです。
それから今回のように年代と月を決めてAIにランダムに購入させると、エンハンスドは毎回ほとんど同じ部隊を購入するが、H2Hは毎回ランダムでサプライズが楽しめるためです。


Q3 domoさんに会うにはどうしたらいいですか?(HN:杉の木花粉さん)

ええと個人的にお会いしたいのならば、メールください。
僕の人生、結構暇です。
都心ならばいつでも会えます。(年下の方のみおごります)

Q4 domoさんは一体どんなお仕事をされているんですか?(匿名希望:うんこちびりさん)

ええと実は十数年海外で生活をしておりまして、日本に帰国してようやく3年が経ちました。ですがそのうちの1年は交通事故のリハビリ生活ということもあり、まだ日本の社会がよくわかってない!!
もちろん今は仕事を始めましたが、もうからない○○家です。


なんだか戦記以上に疲れる。
この辺にしましょう。

それではみなさままたお会いしましょう。

Posted: 2008.Feb.18(Mon) 15:21
by domo
長い沈黙を破りdomo氏が再び動き出した!
domo戦記外伝2のテストプレイに入っているとの情報有

今回の戦場はどこなのか?
行方不明になったあの男はどうなったのか?
はたまた脱走したあの指揮官は?

とにかく新たなる情報を待て!!



ええと前回のdomo氏への質問でdomo氏の仕事は○○家ですということでした。
これに対してたくさんの質問が寄せられました。

もう正解を発表しちゃいます

正解は ドキドキ ドキドキ


愛猫家です!!

こっそりです、こっそり

Posted: 2008.Feb.22(Fri) 02:27
by domo
今回使用したマップをあげておきます。
もちろんこっそりです。

誰も気付かないと思います。

圧縮ファイルになっておりますので、解凍してから
spwawのMapsのフォルダの中に放り込んでください。

なお番号が206になっており、これは私のファイルの番号で、
皆様の206番が空ならばいいのですが、もしすでにマップが入っておりましたら適当に変えてください。

これはシナリオではありませんので、バトルモードでドイツ軍でプレイしてください。

「バトルモード」→「1942」「September」「Custom map:As Designed」を選択→
「continue」→マップ選択で〈domostation2〉を選択しLOAD(多分後ろのほうにある)→購入→部隊配置

それから「PREFERENCE」は先に変更しておきましょう。

購入ポイントはドイツ軍1100〜1300(エンハンスドや8.403でも同じ)
初めての場合は1300から始めるのがいいでしょう。

ソ連軍はAIによる購入でポイントは基本的にドイツ軍の2倍にしてください。
(1100なら2200、1300なら2600)

航空機は「XXX」
(ドイツ軍は航空機など購入する余裕はないのでソ連軍のみになるでしょう)
ただし天候をランダムにするために晴ではない場合はAIも購入できない

「PREFERENCE」はこれだけです。

購入は私が購入したように中隊一つと小隊1、工兵隊1、迫撃砲、そして残りは戦車がいいんではないでしょうか
ただ戦車の購入でなににするか相当悩まれるかと思いますが。

このほかなんかよい購入パターンがあればお知らせください。


勝利条件は「domoルール」に基づきます。

勝利条件はターン数によるVH確保数
(ターンはランダムですが大体10〜12ターンになると思います)

10ターン、14個(駅舎7+P7)
11ターン、16個(駅舎7+P9)
12ターン〜、18個(駅舎7+P11)

この条件をドイツ軍が満たない場合はソ連軍の勝ちとなります。

購入ポイント1100であれ、1300あれかなり厳しい戦いになると思います。
半分くらいの確率でドイツ軍は全滅するかもしれません。
ですが何度もトライしたくなるように作ってみました。


それでは壮絶なスターリングラードの駅舎の戦いをお楽しみください