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たらこスパゲティとSPWAW

Posted: 2007.Jul.05(Thu) 20:11
by domo
そうこうしているうちに、俺のティーガーの砲塔の横を砲弾が通り抜けていった。
「きたぞ!85mmだ!気をつけろ!」
だが発射光が先ほどのSU-85がいた位置の付近であったために、砲手も見当がついた。
「見えました!あと5度修正!!」

これ以上指示は必要なかった。砲手に全ても一存する。
砲手は1発でSU-85を撃破。
見事な腕だ。
「大したものだな」
「domo少尉。まだまだ、これからですよ」


中隊長からついに両翼の小隊への前進命令が出た。
俺たちの作戦を説明してしんぜよう。
まず中央のドーラ小隊が前進し、敵の攻撃を中央の一点にひきつける。
もちろんこれはティーゲルの装甲とそれを援護するパンテルがあってこそできることだ。
そして敵の強力な火点をおびき出しつぶしたあと、右翼と左翼のジグラ―小隊とワグナー小隊が両側面から一気に丘を占領するのだ。
この両翼の小隊はⅣ号戦車が主体である。
対戦初期においてこそ活躍したⅣ号戦車だが、43年になると次第に戦場では主役から脇役に追いやられていき、毎日SPWAWばかりやっている暇なSPWAWプレーヤーにも性能のわりには値段が高いと鼻で笑われているのが現状である。
だがⅣ号H型及びⅢ号突撃砲戦車は、あくまでも歩兵支援戦車としての役割を持たせる(守らせる)ことで、再び日の目を当てさせてあげることはできないだろうか。
(歩兵を支援し戦場で活躍する突撃砲兵(Ⅲ突)が大好きなのです)
(「突撃砲兵」という本があります。高すぎです。ほしいです。誰かください)


ジグラー小隊、ワグラ―小隊それぞれ前進する。
だがジグラー小隊が手前の丘を上がって前進したとき、ひまわりの草原に身を隠した敵歩兵からの攻撃を受けた。
「擲弾兵!前へ!」
歩兵の隊長からすかさず指示が出る。
戦車の後ろを走っていた装甲車から擲弾兵たちがバラバラと降車する。
そしてそのまま戦車の前に出た。

今日も昼間からSPWAW

Posted: 2007.Jul.06(Fri) 09:56
by domo
【3ターン】
ソ連軍の82㎜迫撃砲だ。
前線の偵察兵の付近に砲弾が着弾する。
だが常に移動していれば、当たることはない。

さあ、いくぞ!
弾幕の中を抜け出れば、今度はPAK(対戦車砲)が待ち伏せているだろう。
わかりきっていることだ。

クルスク戦が始まって以来、ソ連軍は大規模なパックフロントを作り上げ、防戦してきた。
モーデル将軍の北部戦線は、その頑強な防御陣地の前に今や完全に停滞してしまい、クルスクへの進出は絶望となっている。
南部でもケンプフ隊の遅れの遅れが目立つ。
我々、SS装甲擲弾兵師団のみが快進撃を続けたのだ。

オボヤン街道はクルスクへ続く道だ。
もはや敵の陣中深く進出しているため、我々を苦しめたあの煩わしい防御陣地はどこにも見当たらない。

その代わりソ連軍は、大量の戦車を投入して我々を迎え撃とうとしてきている。

ぐずぐずしている時間などなかった。
立ち止まることなど許されない。
そのような隙を見せることは、相手に勝機を与えることに他ならない。

「domo少尉、何か言いました?」
「?」
俺は何を一人でぶつぶつ言っているんだ・・・

読者の方も俺がぶつぶつ言っていることが何なのか、気になって気になって仕方がなくなっているであろう。
わかる。Domo氏があなたの悪口を言っているのだと思うと、気が気で仕事もゲームも手がつかなくなってしまっていることだと思う。
わかるわかる。
だが、俺が今ここでぶつぶつ言っているのは、あなたに対する悪口ではない!

敵の姿が見えない対戦車砲に対して、砲撃要請をしようかどうかを考えているのだよ、諸君。
セオリー通り、安全な道を選ぼうとするなら、ここで砲撃を要請し、敵の対戦車砲があろうと思われる箇所を砲撃してから、前進―突撃するのがいいと思われる。
が!
人生はセオリー通りに行かないものなのだ。
そして人生にマニュアルはない。
だから面白い。


話を戻そう、
①砲撃を要請して対戦車砲にある程度の抑圧を与えてからセオリー通りに前進するか
②砲撃要請をすると1ターン無駄にするので、敢えて犠牲を覚悟でも戦車と歩兵で突撃して対戦車砲をやっつけるか

一応、中隊長と相談してみよう(ということで作戦タイムだ)

フラバン茶とSPWAW

Posted: 2007.Jul.07(Sat) 20:23
by domo
①か②か。
そのちがいはどこにあるだろうか。
よく考えてみると、どちらも正しいような気がしてくる。
だが、君は指揮官なのである。
また参謀であり、軍師でもなければいけない。

戦術級ゲームとしてのSPWAWには作戦級ゲームの持つじっくり考えながら駒を動かすというような楽しみ的要素が欠けるところはある。
作戦級ゲームならば、あなたは決して砲弾など飛んでこない安全な司令部で、ブランデーを入れた紅茶をすすりながら、またはマルボロのメンソールでもスパスパしながら、(中には焼酎のオンザロックとか缶ビールとか、もうとにかくアルコールの助けを借りなければいけないとおぞましい指揮官も存在するという)ぶよぶよになってしまったお腹をさすりながら、地図を眺め、前線から逐次届く戦況に赤い駒と青い駒を押したり引いたりしていればいいのだろうが、そんなトンデモかん違い指揮官に一言言いたい。

「事件は会議室で起きているんじゃない。現場でおきているんだ」

SPWAWでは戦場を駆け巡る指揮官にならなければいけないのだ。
上からのVHを確保せよという命令に対しては絶対的であり、どんな困難な状況においても与えられた戦力でなんとか活路を見出そうとするのがあなたの任務である。
しかしあるときは部下を鼓舞し、士気をあげ、自らが先頭にたち敵陣に突っ込んでいく勇気を持ち合わせていなければいけない。
そう、ロンメル将軍のように。


話を戦場に戻そう。
?を選択するべきか、?にするべきか。
ちょっと考える。
ふむふむ
ほうほう

これは一休さんしかない!
ポコポコポコポコ チーン !   ←続けて読まないこと

両方でいいじゃん

これに決定!!
あくまでも戦車での突撃を主体にして、砲撃の要請もしちゃえ!
ただフンメルの150mm砲とワスペの105mm砲は着弾にばらつきが相当あるので、あまり期待できない。

ということで今回は正解者はいませんでした。

残念!!

「早くゲームやれ」ですか! 
わかりやした〜次こそは

今日も朝からSPWAW

Posted: 2007.Jul.08(Sun) 08:41
by domo
3ターンのプレイを再開する。

右翼のワグナー小隊に目を移そう。
敵陣に潜りこんだ4名の偵察隊が丘の上に配備してある76.2㎜対戦車砲を発見した。
「どうします?」
偵察隊のシュルツは無線で小隊に報告したあと、隊長に尋ねた。
「やるか」
隊長は自信満々だ。
丘の斜面を気付かれないように登る。
シュルツも無線機を背負って後を追う。
2へクスに近づいた。だが、まだ撃ってこない。
急な斜面になっているので、こちらに気付いてないのだろう。
対戦車砲には6名の兵士がいる。
こちらは4名。幸いこの対戦車砲の周りには歩兵部隊はいない。
ライフル銃と手榴弾しか武器は持っていないが、砲兵の対人火器となら十分である。
2へクスの距離で銃撃戦が始まった。
ライフル銃で敵兵が倒れる。6名の敵が4、5名になった。
「よし」
隊長がこれを見てさらに前進しようとしたとき、
「DOGAN !!」
いきなり頭上で砲弾が炸裂した。
敵が対戦車砲に榴弾をこめてぶっ放してきたのだ。
「散開しろ!頭をだすな、じっとしてろ!」

だがこの砲撃が合図になったのか、ワグナー小隊が動き出した。
2台のⅣ号戦車がギヤをトップに入れ、全速力で近づいてくる。
「遅いぜ!ったく」
Ⅳ号戦車は4へクス(約200m)まで接近し榴弾を発射した。
榴弾は中距離や遠距離で射撃してもほとんど殺傷能力がない。(抑圧はあがるが)
そのため敵に大きなダメージを与えようとするならば、できるだけ近づいたほうがいい。
この距離なら十分だった。
対戦車砲も反撃しようとしている。それを見て偵察隊も敵兵を撃つ。
2台のⅣ号戦車による射撃で敵の対戦車砲は全滅した。
これを見た残りの戦車、歩兵を乗せた装甲車が砂煙を上げて前進してくる。

ドトールのジャーマンドッグとSPWAW

Posted: 2007.Jul.09(Mon) 08:45
by domo
丘の右翼でワグナー小隊が敵の防御網をこじ開けたことが他の小隊にも伝わる。
「ワグナー小隊に続け!!」
序盤ではあるが兵士の士気は高揚した。

中央ではドーラ小隊のパンテルが丘を駆け下りて低地を全速で前進する。
だがこの機動力に優るパンテルにティーゲルが追いつけない。
このためティーゲルを先頭にした陣形、パンツァーカイルの足並みが乱れてしまう。
(ティーゲルの速度に合わせるという手もありますが、やはり戦車の持つ機動力を生かしたい)

中隊長から無線が入る。
前方の丘の上に狙撃兵が対戦車砲を発見したらしい。
俺の戦車からもその対戦車砲が視界に入った。
VHの後方の見晴らしのいいところで掩蔽されている。
パンテルに遅れをとった3台のティーゲルは、前を行くパンテルを援護するべくこの対戦車砲に対して射撃を行った。


問題は左翼のジグラー小隊だ。
先ほどの攻撃からすると、敵はすぐそばに潜んでいる可能性が高い。
装甲車から降車した擲弾兵たちは、慎重に前進しながら敵をくまなく探している。
突然、発砲音。
いた!
敵の偵察部隊と思われる部隊を発見。
すぐさま直脇で待機している戦車長に報告する。
Ⅳ号戦車が榴弾を放つ。
ひるんだところを擲弾兵がきれいに片付けた。
だがまだどこかに潜んでいるのは確かだ。

1へクス1へクス、擲弾兵を前進させ、そのあとを戦車が前進という形で前に進む。
ここには見方の偵察隊がいない。
偵察隊がいないだけで、片目を失ったように感じるのは俺だけだろうか・・

「イビカイエ」 見てきました。最高っす!!

Posted: 2007.Jul.10(Tue) 08:54
by domo
【4ターン】
嫌な予感がそのままになった。

中央のドーラ小隊。
5台のパンテルのうちのバックマン曹長の03号車が再び敵の砲弾を一手に引き受けるはめになってしまった。
「回避しろ!狙われているぞ!!」
まだ新米の戦車長が、このような危機的状況を回避するには荷が重すぎた。
敵の照準から回避するには、ベテランの戦車乗りでも骨が折れることだ。
マニュアルには敵が砲弾を発射したあと次に砲弾を装填するまでの時間を冷静に読み取り、なるべくジグザグに回避移動を行うなんて言うことほど簡単なものはない。

左側面にほぼ垂直の角度で数発被弾。
パンテルは全く動かなくなった。
「何してる!爆発するぞ、早く脱出しろ!」
新米の戦車長を心配し、無線で他のパンテルから呼びかけている。
だが誰も脱出してこない。いやできなかったのだ。
砲弾が砲塔と車体に命中していたため、5名の乗員全員が負傷しているか意識を失っているのだろう。
無線にも応答がなかった。


左翼のジグラー小隊。
ソ連軍の歩兵に取り囲まれていることに気付いたのはこのターンのリプレイを見たときだった。
額のこめかみの辺りから汗が流れる。
暑いからではない。
脳がやばいと感じたからだ。
ソ連軍歩兵は前方と左のそれぞれ隆起した地形をうまく利用してこちらを待ち伏せした。
最初の一撃で2名がやられる。
それを見たⅣ号戦車が主砲をぶっ放し、すぐさま応戦した。
だがその瞬間、Ⅳ号戦車に敵の対戦車砲の砲弾が炸裂した。
乗員が車外に出るやいなか、戦車は擲弾兵の後方で爆発する。

Ⅳ号戦車ではソ連軍の76.2㎜砲を跳ね返すことは難しい。
撃破までいかなくても、当たればほとんど無傷など有り得ない。

だが序盤に戦車を失うことは極力避けなければならない。
俺たちには持ち駒が限られているのだ。

大河小説domo戦記

Posted: 2007.Jul.11(Wed) 20:04
by domo
先ほど対戦車砲を破壊し敵の門番を片付けた右翼のワグナー小隊が、ついにパーティーに招待された。
手厚く、また手荒に。
さあ、パーティー会場はこの丘の上だ。行こう!
対戦車砲のあった陣地を偵察隊が調べる。だがもう奴らはここにはいない。
ここからは丘に向かってはあまり見通しもよくない。
一応、フンメルの150mm砲弾を数発くれてやったが、どこに敵がいるかわからない。

戦車の護衛をつけた擲弾兵を乗せた装甲車が先を行く。
すると、案の定撃ってきた。

「対戦車砲、発見!!」
前方にまたもや76.2㎜の対戦車砲。
Ⅳ号戦車がすぐ駆けつけ、榴弾をぶち込む。
そして2台のⅣ号でありったけの砲弾と銃弾をぶち込み、こいつをやっつけた。

丘の中腹にあるVHに向かって、Ⅲ突が3台で前進する。
途中、丘の上から砲台化されたT34が撃ってきたが、なんなく撃破する。
そして最初のVHを奪った。
「よし!!」


今度は丘の制圧をしなければいけない。
丘を占領するために、丘にいる敵を一掃するのだ。
装甲車が丘を前進する。
一瞬の隙だった。(VHを取ると人間は油断するものです)
「BAGOOM」
とてつもない爆発音が響き渡った。
(地雷を踏んだときの音も心臓に悪いですが、爆薬の音もよくない)
装甲車が待ち伏せしていた敵歩兵部隊の近接強襲を受けたのだ。
爆薬か何かの音なのだろう。
乗車していた擲弾兵分隊はなすすべもなく、散り散りバラバラになって後退し、目の前で分隊は消滅してしまった。(こんなの初めてみました。無傷の分隊(10名)が、後退し4名になり、そのあとすぐに全員消滅してしまった)

うぐぐぐ・・雨のせいだ
(domo戦記7.0 、長編化しそうです。書いてて面白いんです。気長に勝手に適当にお付き合いください)

マザーフ@@カー SPWAW

Posted: 2007.Jul.12(Thu) 08:41
by domo
ドーラ小隊のパンテルは、先ほど砲弾を食らい乗員の安否が確認できない03号車を残して前進することになった。
ドーラ小隊の最初の目標地点であるVHを目指す。
パンテルが既に前にいた偵察兵に追いついてしまったため、偵察兵を乗車させる。
そしてそのままVHまでたどり着いた。
このVHは中腹にあるため、幸いにも敵の抵抗はなかった。
だがこの中腹を登りきると、ソ連軍は待ち伏せしているのちがいない。
そして無線でVHを確保したことを歩兵の隊長に告げると、擲弾兵を乗せた装甲車が後方からすっ飛ばしてやってきた。
この丘の中腹を登るには、歩兵の援護が不可欠であるのだ。

このパンテルとは別に、3台のティーゲルは進路を左にとることにした。
小隊の前方には2つのVHが左右に分かれているため、右をパンテルが左をティーゲルがそれぞれ確保することになっている。
「ドーラ1」の中隊長車が狙撃兵を乗車させ、VHに接近する。
このVHの後方に塹壕が確認されており、ここに対戦車砲があるにちがいないと我々は判断していた。
76.2㎜ではティーゲルの前面装甲はよほどのことがない限り貫通しない。
だがぎりぎりまで敵は撃ってこないだろうから、こちらとしては見つけるのが困難である。


こんなとき狙撃兵は重宝する。
毎日SPWAWばかりだらだらとやっている皆さんは、この狙撃兵をどのように使っているだろうか。
「プライベートライアン」のジャクソンのように戦場でしているだろうか。
残念ながらSPWAWにおいては狙撃兵が主役とか脇役として活躍できる戦場は用意されていない。(作ろうと思えばできるんですが、地味~なシナリオになっちまいます)
まず見つからないことが何よりも前提であり、見つかって歩兵に攻撃されれば大抵やられてしまいます。
こんなゴキブリみたいな奴らにも何とかいい思いをさせてやりたいと願っているSPWAWオタクの方々もいらっしゃると思います。
そんな方々に一言言いたい。
狙撃兵は絶対撃つな!!
狙撃という任務を与えてはいけないのである。
狙撃兵から銃を取り上げてるか、弾をとりあげてしまえ。
そうすればこいつらは目利きの仕事をしてくれます。
はい。いい仕事します。


このティーゲルに乗った狙撃兵はベテランの狙撃兵であった。
階級は少尉であったが、多くの修羅場をくぐりぬけてきた感じであった。
ティーゲルに乗っているときも終始無言で、口数の少ないタイプの人間かのように思われた。
だが、そいつの目が一瞬キラリと輝いた。
敵の対戦車砲を発見したのだ。
すぐティーゲルに知らせる。
2台のティーゲルが交互に対戦車砲に88㎜砲をぶち込み対戦車砲は壊滅した。
そしてティーゲルはVHを確保した。

ね、いい仕事したでしょ

台風が来てもSPWAW

Posted: 2007.Jul.13(Fri) 08:59
by domo
【4ターン】
左翼ジグラ―小隊も前進する。
だが敵は全く反撃してこない。
こうなるとこちらも慎重にならざるを得ない。
1へクス前進させるのに、ものすごい時間がかかったりする。
そしてこうなったら装甲車を突進させて、敵の臨機をおびき出すか!などとついアンフェアーなことを思い立ったりするものだ。
だが装甲車の兵士の名前を見てしまうと、どうしても「行け!」などとは言えない。

擲弾兵を前進させる。
対戦車砲が撃ってきた。
だが見えない。戦車からはもちろん、歩兵でも見つけられない。

「どうだ?敵の位置はつかめたか?」ジグラー隊長が無線で聞き出す。
「いいえ。敵も巧妙に姿を消してます」
「ふん、こしゃくなアカどもめ。C2車、接近して敵をおびき出せ」
「ヤボール」
ジグラーは移動力が残っていたC2車のテルナール曹長に命令をだした。
テルナール曹長は了解し、戦車を進める。
その他の戦車は対峙している丘の上から射撃準備態勢に入っていた。

C2車が丘に3へクスまで近づいたとき、ようやく敵は撃ってきた。
その発射光を擲弾兵が見つける。
「いました!あそこです」
ようやく敵の対戦車砲を発見した。
C2車は2発撃たれたが、幸いに命中弾はなかった。
これを待ちかねたように数台の戦車が対戦車砲に射撃を加える。
そしてとどめに後方で待機していた擲弾兵を乗せた装甲車を一気に突っ込ませる。
やはり対戦車砲をつぶすには歩兵で攻撃することが鉄則だ。
擲弾兵たちはすぐさま降車し、その場で砲兵に対して攻撃した。

このターンで3つのVHを確保することができた。
序盤から飛ばしているように思っている方々もおられるが、そうでもない。
目標は5ターンまでに5つのVHを確保することなのである。
7つのVH中、5つのVHをいかに早く確保するかが、この戦闘の勝敗を左右すると我々は考えている。
これはこの5つのVHをどの時点で確保できるかによって、残りのVHを取りに行くか、または放棄するかが決まってくるためである。

なぜならゲーム中盤からソ連軍の無尽蔵のような増援が始まるのである。

何も考えずにゲームをしているような指揮官とはちがうのだよ、諸君。
ふははは・・・

雨とブラックコーヒーとSPWAW

Posted: 2007.Jul.14(Sat) 12:05
by domo
【5ターン】
5ターンを迎えた。
毎回、新たなターンを迎えるたびに敵の反撃におびえる。
何をせずにやられていく自軍を見ながら、心臓は脈打つ。
そして口を半ば開け、目を充血させ、無意識に髪の毛をかき、タバコに火をつけようとしてもなぜか手が震えてしまっているそんな姿になっている中年の姿をどう思われるだろうか。(←俺じゃない)

みなさんもこれまでの戦記をお読みになってお気付きになっておられるが、これまで一方的にかなりの敵をやっつけたものだと思っていた。
だがどうだろう、まだ敵には抵抗する気力が残っている。

さあリプレイの結果から話を進めよう。
左翼のジグラー小隊。
先ほど対戦車砲を壊滅させ、意気があがるのも束の間であった。
またしてもどこからか砲弾が戦車に向かって飛んでくる。

「BAGOOM]」

アッという間に一台の戦車が爆発し、2人の乗員が脱出した。
それがジグラー車だったことが分かったのは、リプレイが終わってからであった。
「くそう・・・」

ジグラー小隊は小隊長を失い、代わりにテルナール曹長が指揮を執ることになった。

ソ連軍はさらに攻撃を仕掛けてくる。
これまで姿を隠してした歩兵が襲い掛かってくる。
装甲車からも機銃で必死に応戦する。
そして、
「左からT34が2台!!」
「何ぃ!!」

突如、2台のT34がジグラー小隊の左前方から現れた。
その2台のT34は砂煙を巻きあげながら、そのままジグラー小隊の側面に回りこむつもりだ。
「各個射撃!T34を絶対に撃ちもらすな!」
ジグラー小隊の4台のⅣ号戦車が突進してくるT34に向かって75mm砲を撃つ。
だが、この2台のT34はいつもとは少し違っていた。
うまく我々の照準を外しながら、近づいてくる。
ベテランの戦車乗りであることはすぐにわかった。
こちらが撃った弾が当たらない。
そして対戦車砲弾でC3車が被弾した。

「SHIT !!」

ブラックコーヒーとSPWAWは同じ味がする

Posted: 2007.Jul.15(Sun) 11:51
by domo
【5ターン(その2)】
突撃してくる2台のT34。
わずか4〜500mの距離なのに当たらない。
「外れた!敵の砲弾が来るぞ」
一転、形勢が逆転する。
仕留めることができなければ、今度はこちらがやられる番だ。


ジグラーに代わって指揮を執るテルナール曹長が岩陰から1へクス移動して、敵の視界に飛び込む。
突然、目の前に見慣れたT34のシルエットが飛び込んできた。
その距離約200m。

「今日はついてないな」
先ほども対戦車砲に突進していったテルナール曹長はつぶやいた。
「こんな日をありますよ」
砲手はあきらめ口調で答える。

「頼むからこの距離で外すなよ」
テルナールは砲手に念を押した。
一発目は当たった、だが、T34の曲線の車体に跳ね返される。
「何してる!よく狙え」

逆に先頭のT34が撃ってきた。
「GUAM」
車体のどこかに当たった。
車内の電灯が消え、騒然とする。
テルナールも頭をぶつけ、一瞬目から星がでる。
「うう・・被害状況は!?」

すばやく「R」キーを押す。抑圧がさがった。
「被害なし。いつでも撃てます」
「よし!挽きたて微糖ファイヤー」
「BAGOOM」
起死回生の一発が先頭のT34の砲塔に命中しT34は炎上した。

「あと一台か」
これ以上射撃ができない。
「ここまでか・・」

と、そこへ中隊長から無線が入る。
「テルナール曹長、安心しろ。ティーゲルを一台そちらに向かわせる」
「了解!」

BOO SHIT SPWAW

Posted: 2007.Jul.17(Tue) 07:43
by domo
【5ターン(その3)】
ティーゲルのエンジン音が聞こえてきた。
ドーラ3号車のクラウセ軍曹のティーゲルがジグラー小隊の救援に駆けつける。
ティーゲルはまるでT34に気づいてないかのようにどんどんT34に接近していく。
撃ち漏らしのないように確実に仕留められる距離まで近づくのだろう。
約300m前で停止し、8888㎜砲が火を噴いた。
T34の乗員はティーゲルを見た瞬間に、自分たちの相手ではないことを悟ったのだろうか。
多分、そうだ。
あれほどの経験をつんだやつらだ、ティーゲルのことも熟知していたはずである。
88㎜はT34の乗員に苦痛を与えることなく1発で葬った。


「パンテル03号車から、ドーラ1へ」
中隊長のもとに先ほど集中砲火を浴びたバックマン曹長から無線が入る。
「こちらドーラ1、損害状況は?動けるか?」
「ひどくやられましたが、自力で後退できます」
乗員に被害はないが、主砲は故障し動力系もいかれているらしい。
「了解」


ドーラ小隊の4台のパンテルは丘の斜面を登る。
「DOOM」
偵察兵がいきなり砲弾が降ってくる。
やはり丘の上には敵が待ち伏せていた!
「構うな!前進!」
パンテルは丘をあがり、砲塔だけを見せているT34を撃破する。
「注意せよ!まだ敵はどこかにいるはずだ」
塹壕の中に車体を隠し、砲台になっているT34を見つけるのは至難の業だ。
敵の発砲をおびき出さねばならないからである。
だがVHはすぐ目の前にある。(あと3へクス)
気持ちがはやる。
どんなベテランプレーヤーでも、VHまであと一歩というところまでくると、気持ちがだけが先に行ってしまう。
これまで幾多の戦場を駆け巡った名指揮官が、最後の最後にVHまであと1へクス届かなくて、その場で号泣してしまった「ふにゃチン指揮官」のことを思い出す。

VHを確保して、この苦痛から早く開放されたいという思いが、もし地震が来たら何を持って逃げるのかという問いとなって返ってくる。
「そうだ!地震が来る前にVHを確保しなければいけない」
と、とっさに理性が回答を導き出す。

パンテルをVHへ。
そのときだった。
「BACOM !」
04号車が被弾した。
至近距離からT34の砲弾を喰らった。
「BOO SHIT !!」
乗員はからくも脱出したものの、また一台パンテルを失った。

Re : BOO SHIT !!

Posted: 2007.Jul.17(Tue) 18:50
by domo
【5ターン(その4)】
右翼ワグナー小隊は目標のVHを確保したあと、VH付近に潜伏する敵の駆除に手を焼く。
だがジグラー隊やドーラ隊と比較すれば、ここまでのワグナー隊は比較的順調であった。
このターンも敵の歩兵3分隊と交戦、難なくこの3分隊を退ける。
また、ここまでワグナー小隊において歩兵の損害(1分隊とMG隊の壊滅)はあったが、戦車の損害はなく完璧とでも言える展開でもあった。


「先を急ぎましょう」
D1号車のセイベルト軍曹は性急な性格から、ワグナー小隊長に進言した。
「まあ、待てよ、軍曹。俺だってそうできるならそうしたいさ」
歩兵がまだ後方にいるのだ。
ワグナーがセイベルトをなだめていると、中隊長から連絡が入った。
「4つめのVHを確保した」
パンテル隊が無事4つ目のVHを確保したのだ。


だが5つ目はどうなった?
左翼は何をしている?

domo戦記を毎日を生きる糧として欠かさず楽しみにお読みのなられる心身共に健全な方々ならば当然ご存知であるだろうが、
戦場においては自分たち以外の戦況は知る由がない。
(もちろん無線封鎖しているだろうし、戦闘中の他の部隊間とのやり取りなんてなかったのでしょう)


最終目標である残り2つのVHがある丘まであと約1キロ(20へクスほど)
先頭はVHに一番近いワグナー小隊になる。
だがワグナーには気がかりなことがあった。

肝心なドーラ小隊のティーゲルは1台がジグラー小隊の援護に、単独でVHを確保した中隊長車とdomo車と3台が分散してしまっていたことだ。
そうなれば最悪の事態はワグナー小隊のみでVHに向かわなければならなくなる。

過去の経験から一つの部隊の突出は確実に死を招くことだった。
それにワグナー小隊にはⅣ号戦車とⅢ号戦車しかない。
これらでソ連軍の戦車の真っ只中に突撃するにはそれ相応の覚悟がいるということである。

「ふふ。俺の運もここまでかもな」
ワグナーは覚悟を決めた。

Re: Re : BOO SHIT くたばれspwaw

Posted: 2007.Jul.18(Wed) 19:05
by domo
【6ターン(その1)】
第2幕が始まる。

これまでの戦いでドイツ軍は初期目標の5つのVH確保のうち、4つを確保した。
80%の達成率である。
ここまではドイツ軍は比較的有利に進める展開となっている。
左翼のジグラー小隊の遅れが幾分目立った形となったが、それは右翼のワグナー小隊の奮闘があったからなおさらであろう。

だがクルスクを目指してきた彼らにとって、ソ連軍の反撃がこの程度のものだなんて誰も思っていなかった。

ソ連軍は粘り強い。
3度目を迎えるロシアの夏で、ソ連軍も多くを学んでいる。
そしてこの母なる大地は常にソ連軍に見方している。

これからが本番なのだ。


さあリプレイから見ていこう。
ソ連軍の122㎜番外砲と82㎜迫撃砲が我々のいる丘に雨のように降り注ぐ。
122㎜砲弾は地面に穴をあけるだけでなく、ロシアの大地から死者の霊を呼び起こすかのように大地に突き刺さり、そのたびに地面は悲鳴をあげた。

対峙する丘からも徹甲弾が飛んでくる。
前からも頭上からも。
各戦車長はハッチを閉め、敵の攻撃に備えた。

そのときであった。
ワグナー小隊の先頭にいた車輌に敵の砲火が集中する。
しかもあのずぶとい音は85mmだ。
この口径はドイツ軍の88㎜に匹敵するものであった。
もちろんⅣ号戦車に命中すれば、ひとたまりもない。

だが3発目がⅣ号戦車に命中した。
すかさず何名かの乗員がパラパラと脱出したかと思うと、途端に爆発した。
戦車の車内から戦友がその一部始終を見守る。

永遠に続くのではないかと思われる深い沈黙 ―
無理もない。
目の前でワグナー小隊長車が炎上したのだ。

「セイベルト軍曹」
セイベルトはまだショックから立ち直れない。
「軍曹!」
放心状態のセイベルトに中隊長か無線が入る。
「小隊はお前に任す。お前が指揮を執れ」
「最後まで気を抜くなよ。気を抜いたらやられるぞ」
中隊長はそれだけを言い、無線を切った。

セイベルトの脳裏につい3分前に顔を見合わせ会話を交わしたワグナー小隊長の顔が浮かんだ。
だが悪夢を振り払うかのように、2、3度軽く頭を振り、セイベルトは正気を取り戻した。

「ふふふ、これはゲームだ。そうさ、人生というゲームさ」

くそったれ!やってられるかSPWAW

Posted: 2007.Jul.19(Thu) 20:56
by domo
【6ターン(その2)】
ジグラーのあと指揮をとっているテルナール曹長は少しでも他の小隊に追いつこうと必死だった。
もちろんこのまま全速力を出せば、ドーラ小隊のティーゲルと合流することはできる。
だがそんな焦るテルナールの気持ちを察しているかのように、敵発見の報告が入ってくる。
狙撃兵が掩蔽されているT34を見つけたのだ。

ここはティーゲルの力を借りよう。
「了解。すぐそちらに向かう」
ジグラー小隊の援護を任されていたドーラ3号車のクラウセ軍曹のティーゲルは斜面を上がる。
ティーゲルの車体がぐわんと後ろに傾く。
キュルキュルとキャタピラの音をさせ、T34に近づく。
だがT34は撃ってこない。
4へクスの距離で停止した。
これ以上近づくのはいくらティーゲルでも危険であることは百も承知している。

クラウセは敢えて敵に逃げる猶予を与えているかのように命令を下さない。
「いつでも撃てます」
砲手は命令を下さないクラウセにそう言った。
「そんなに急ぐことはないさ。見てみろ、逃げていくぞ」
砲手が照準器からT34を見ると、戦車から2人の乗員が飛び出しているのが見えた。
「!」
T34は4人乗りだ。
と、いうことはまだ車内に2人残っている。
「これは仲間割れか何かですか?」
「ふふふ、そんなとこだろう。多分、逃げる逃げないで言い合いしてたんだ」
「よし!残った勇気のあるやつらを天国に送ってやれ」
ティーゲルが88㎜をぶち込んだ。
するとどうしたことか、車内にいた残りの2人も外に飛び出した。
「腰抜けめ!」

T34を仕留めたあと、テルナールがVHを確保した。
そのあとを装甲車が続く。
ジグラーのあとを引き継いだテルナールがようやくVHを確保できてホッとしたそのときだった。
装甲車が撃たれた。

またT34だ。
一体どれだけいるのだろう。

T34の乗員は自分の命と引き換えにこちらの戦車1台を道連れにしようとでも考えているのだろうか。
なるほど確かにそれならば十分お釣りが来る話だ。

「馬鹿げた話だ」
テルナールは怒りが込み上げてきた。
圧倒的な物量の差。
物量だけではない。人もそうだ。
毎日毎日、倒しても倒しても次の日にはアンデッドのように再び押し寄せてくる。
「こいつらに効くなにかいい魔法があったはずだ・・」
テルナールは昔やったRPGにそんなアンデッドに効く魔法があったことを思い出した。
「なんだったか・・」
今度の休暇は家でひたすらそのRPGをやることにした。
「だが、その前にまずはこいつをやらなくては」
至近距離からであったが、1発目が命中。
2発目でT34を撃破した。

後方にいた2台のⅣ号と2台の装甲車に丘をあがって来るように指示をだす。
早く遅れを取り戻さないといけない。
だが、そのとき。
2台のうちの一台、C3号車のⅣ号が被弾、炎上。
「FUCK !」
戦場の端っこの方にSU-76が隠れていたのだ。
隣にいたⅣ号戦車は怒りに任せこいつを撃破した。