F@@KING SPWAW
Posted: 2007.Jun.09(Sat) 08:30
そこに一機の爆撃機がドイツ軍の後方から飛んできた。
「SHIT !!」
我々にとどめを刺そうというのか!
俺たち2両の戦車はVHを守るべく、VH後方3へクスのところにいる。
俺たちを狙ってきたに違いない。
だがよく見ると、爆撃機に対してドイツ軍が対空射撃を行っているではないか!
「どうなってんねん!!」
ああ!あれは我が軍のP39エアラコブラ爆撃機ではないか!
だが待てよ、なぜドイツ軍の方から飛んできたのだろう。
その謎が解けないまま、爆撃機は対空砲火を華麗に避け、ドイツ軍のⅢ突に20㎜砲を浴びせている。
「なんや、わからんけどやっちまえ!」
20㎜砲が戦車の上部を貫く。
Ⅲ突から戦車兵が飛び出す。
「よっしゃ!」戦車の中で歓声が起こる。
「うるせー」俺は空になった水筒をいがぐり頭に投げつけた。
そしてハッチを開けた。
謎の爆撃機は空中を低空で何回か旋回したあと、こちらに向かって飛んできた。
操縦席がはっきり見えた。
そしてパイロットは俺に中指を立てて、そのまま飛び去っていった。
一瞬の狐につつまれたような出来事だった。
だが俺の脳裏には爆撃機の胴体に書かれていた「ROWHEI」というイニシャルが残像として残った。
「ROWHEI・・ROW・・ろうへい・・老兵・・」
「ああああっ!」
「あの爆撃機はもしかして伝説の老兵氏ではなかったのか!!」
誰も彼の本当の名前など知らなかった。
そいつはみんなから「老兵」と呼ばれていた。
「老兵」はかつてSPWAWで全世界にその名をとどろかせ、多くのAARを残した知る人ぞ知る伝説の将兵であったが、突然姿をくらまし現在はもっぱら飛行機乗りとしてその姿を変え活躍しているという噂である。
その伝説の老兵氏が俺たちを救ってくれたのである。
「老兵様、マンセー!!」
「老兵様、マンセー!!」
再び俺の戦車の中は歓喜に沸きかえった。
ドイツ軍は最後に力尽きた。
もしⅢ突があのまま突っ込んでいたら、俺たち2両の戦車も撃破されていただろう。
ドイツ軍はVHの直前まで来ておきながら、あと一歩及ばなかったのである。
そしてイギリス空軍の最初で最後の戦果が、この長かった戦闘を終わらせるとは誰が予想したことであろう。
かろうじて生き残った兵士はみな疲れきっていた。
衛生兵が敵味方関係なく負傷兵を手当てしている。
この間を利用して、ゲームの結果をお伝えしておこう。
イギリス 10569
ドイツ 5978
死傷者の数は両軍ほとんど差がないが「DRAW」と表示されている。
だが勝敗など今の俺たちにはどうでもいいことであった。
(この1ヶ月間はあまりにも長かった)
お互い壮絶な打ち合いの結果、戦い終えたという満足感で一杯だったからである。
毎日、飽きもせずSPWAWをおやりの頭のおかしい方ならお分かりいただけるだろうが、
「勝ち負けを超えた満足感」「生きててよかったという充実感」を味わえるこんな素晴らしいゲームは果たして他にあるだろうか。
俺は断言する。
「そんなゲームあるはずがない」いや
「あってはならない」
「大佐に会うのは明日にすることしよう」
そして俺たちはつかの間の休息をとった。
砂漠の太陽が西に沈む。
ドイツ軍の「牡牛の頭」作戦は頓挫した。
再び砂漠に静寂が戻る。
アフリカの夜空を月が照らしている。
21時57分
俺は無線兵に受信機のダイヤルをベオグラードに合わせるように指示した。
そしてイギリス軍の兵士もドイツ軍の兵士も流れてくる歌に耳を傾けた。
兵営の前 正門のわき
街頭があったね 今でもあるね
そこでまた会おうよ
街頭の下で会おうよ
昔みたいに、リリーマルレーン
ぼくら二人の影が 一つになって
愛し合っていることは
誰にもわかった
街頭の下で
みんなに見せてよろうよ
昔みたいに、リリーマルレーン
「SHIT !!」
我々にとどめを刺そうというのか!
俺たち2両の戦車はVHを守るべく、VH後方3へクスのところにいる。
俺たちを狙ってきたに違いない。
だがよく見ると、爆撃機に対してドイツ軍が対空射撃を行っているではないか!
「どうなってんねん!!」
ああ!あれは我が軍のP39エアラコブラ爆撃機ではないか!
だが待てよ、なぜドイツ軍の方から飛んできたのだろう。
その謎が解けないまま、爆撃機は対空砲火を華麗に避け、ドイツ軍のⅢ突に20㎜砲を浴びせている。
「なんや、わからんけどやっちまえ!」
20㎜砲が戦車の上部を貫く。
Ⅲ突から戦車兵が飛び出す。
「よっしゃ!」戦車の中で歓声が起こる。
「うるせー」俺は空になった水筒をいがぐり頭に投げつけた。
そしてハッチを開けた。
謎の爆撃機は空中を低空で何回か旋回したあと、こちらに向かって飛んできた。
操縦席がはっきり見えた。
そしてパイロットは俺に中指を立てて、そのまま飛び去っていった。
一瞬の狐につつまれたような出来事だった。
だが俺の脳裏には爆撃機の胴体に書かれていた「ROWHEI」というイニシャルが残像として残った。
「ROWHEI・・ROW・・ろうへい・・老兵・・」
「ああああっ!」
「あの爆撃機はもしかして伝説の老兵氏ではなかったのか!!」
誰も彼の本当の名前など知らなかった。
そいつはみんなから「老兵」と呼ばれていた。
「老兵」はかつてSPWAWで全世界にその名をとどろかせ、多くのAARを残した知る人ぞ知る伝説の将兵であったが、突然姿をくらまし現在はもっぱら飛行機乗りとしてその姿を変え活躍しているという噂である。
その伝説の老兵氏が俺たちを救ってくれたのである。
「老兵様、マンセー!!」
「老兵様、マンセー!!」
再び俺の戦車の中は歓喜に沸きかえった。
ドイツ軍は最後に力尽きた。
もしⅢ突があのまま突っ込んでいたら、俺たち2両の戦車も撃破されていただろう。
ドイツ軍はVHの直前まで来ておきながら、あと一歩及ばなかったのである。
そしてイギリス空軍の最初で最後の戦果が、この長かった戦闘を終わらせるとは誰が予想したことであろう。
かろうじて生き残った兵士はみな疲れきっていた。
衛生兵が敵味方関係なく負傷兵を手当てしている。
この間を利用して、ゲームの結果をお伝えしておこう。
イギリス 10569
ドイツ 5978
死傷者の数は両軍ほとんど差がないが「DRAW」と表示されている。
だが勝敗など今の俺たちにはどうでもいいことであった。
(この1ヶ月間はあまりにも長かった)
お互い壮絶な打ち合いの結果、戦い終えたという満足感で一杯だったからである。
毎日、飽きもせずSPWAWをおやりの頭のおかしい方ならお分かりいただけるだろうが、
「勝ち負けを超えた満足感」「生きててよかったという充実感」を味わえるこんな素晴らしいゲームは果たして他にあるだろうか。
俺は断言する。
「そんなゲームあるはずがない」いや
「あってはならない」
「大佐に会うのは明日にすることしよう」
そして俺たちはつかの間の休息をとった。
砂漠の太陽が西に沈む。
ドイツ軍の「牡牛の頭」作戦は頓挫した。
再び砂漠に静寂が戻る。
アフリカの夜空を月が照らしている。
21時57分
俺は無線兵に受信機のダイヤルをベオグラードに合わせるように指示した。
そしてイギリス軍の兵士もドイツ軍の兵士も流れてくる歌に耳を傾けた。
兵営の前 正門のわき
街頭があったね 今でもあるね
そこでまた会おうよ
街頭の下で会おうよ
昔みたいに、リリーマルレーン
ぼくら二人の影が 一つになって
愛し合っていることは
誰にもわかった
街頭の下で
みんなに見せてよろうよ
昔みたいに、リリーマルレーン