dugong wrote:しかし、その様なベテランの作り出す状況も”撤退戦術”というのが選択肢として議論されるようになると「どうなのよ?」となってしまいます。
そもそも、遭遇戦のシナリオで、撤退してしまっては、スコア上ドローでも、負けは負けではないかと?
当初は「この戦力差を克服して、ドローに持ち込めば米軍は勝利といえるのでないか?」という認識は、作戦立案段階で双方の軍の中で共時的に出来上がった認識のように思います。それを私ら観戦武官は当たり前のように感じ、そして事実そのように進む状況を面白く観戦していたのですが(少なくとも私はw)、それが、「ドローに持ち込めば米軍は勝利」という部分だけがのこり、序盤戦の貯金(スコア)だけで、撤退してドローに持ち込むというのは、当初の認識からは相当ずれているのではないかと?
それなら、B軍だって、「この劣勢から、ドローに持ち込めばソ連軍は勝利」という認識ができたって悪くはない。
少なくとも中立のVHが戦術目標として双方に提示されているシナリオなのですから、その部分の獲得攻防がなければ、かなり興ざめではないかと。
そういう意味で、現在のVHの獲得状況こそ「ドロー狙い」なら、A軍としては維持されねばならない状況ではないかとw。決して維持されるべきはスコアではない。
そう考えるとdomo氏のチャット内機密漏洩事件は、このような状況を憂いたdomo氏が確信犯的に督戦行為に出たのではないかと考えるのですw。
私も、判官びいきで、もしこの状況からドローになったのなら、額面どおりこの勝負はドロー。撤退したらA軍負け。としたいと思います。いわゆる戦術的勝利戦略的敗北という奴です。珊瑚海海戦のような。
しかし、こう見ると、この今回の公式戦(観戦武官システム付き)は、ますます格闘技イベント色が強くなってきましたね。試合巧者ばかりになると判定持込の試合が多くなる。これに対し観客はブーイングをする。あ、ローマ時代のコロッセオの剣闘士の試合にも似てる。立派な試合をすれば敗者であっても観客により助命される。しかし、無様な試合であれば、勝者であってもその栄光は観客により奪われる(だったかな?)。かなり面白いのですが、かなり残酷な部分もあるのかなと・・・。
大変興味深いご指摘です。おっしゃるように観戦武官制の下では「プレイヤーは剣闘士であり、観戦武官は観客である。そして剣闘士の使命は観客を喜ばせることにある」という考え方には一理あります。すなわち、剣闘士のとる行動の是非はその時々の観客が決め、観客が面白い!と思う行為はアリ、ゲームをつまらなくすると思う行為はナシというわけですね。私もこの考え方には概ね賛成です。
しかし、これもdugongさんご指摘のように、プレイヤーの立場からすると、観戦武官の気分などという曖昧な基準で行為の是非を問われるのはチト「残酷」でしょう。そこで中庸策として、観客が面白くないと思う行為がとられた場合は、観戦武官がその都度ルールを作成することを提案します。そして新ルールが作成されたら、ゲーム途中であってもプレイヤーはそれに従わなければならないと。
つまり、現時点で米軍は撤退作戦を検討していますが、我々観戦武官がこれから撤退に関するルールを協議作成して、それに照らして米軍の撤退は認められないと判断されれば、その時点で米軍の撤退作戦を禁止してしまおうということです。これもプレイヤーにしてみれば非常に理不尽な話ですが、史実でも頻繁に見られたような「上級司令部からの現場を無視した突然の命令変更」とでも解釈してもらおうではありませんか。
というわけで、果たしてこのゲームの米軍は撤退して良いのか悪いのか?まずは、観戦武官の皆様のご意見を聞いてみたいと思います。・・・皆様の検討の叩き台とするために、いくつか考慮すべきであろう点を挙げておきます。
0. 撤退(Retreat)とは
SPWAWで行われる撤退の目的は、純粋に「戦力の温存」にあります。撤退したユニットは二度とゲームに登場せず、撤退によってポイントを得ることも失うこともありません。つまり、「盤上にユニットを残しておくと邪魔orやられる可能性があるから、安全地帯に逃がしておこう」=撤退ということになります。
1. 部分撤退と全面撤退
上記した通り、撤退とはゲーム途中でユニットを盤外に逃がすことですが、その目的を突き詰めて考えると、「自軍の戦闘を優位に進めることを主目的とした撤退」と「敵に余分なポイントを与えないことを主目的とした撤退」があると思われます。前者は、移動力のないユニットや輸送ユニット、あるいは高価だけど戦闘力の無いユニットを早期に逃がして、戦闘に適したユニットだけで戦い続けようとするものです。この場合、撤退させるユニットは非常に部分的なものになるでしょう。これに対して、後者の撤退では、戦闘力の有無に関わらず高価なユニットが優先的に撤退の対象になり、最終的には全ユニット撤退を目指したいでしょう。
2. 戦闘の種類の問題
spwawの戦闘種には「Assalut vs Defend」「Advance vs Delay」「Meeting Engagement」の3種類があります。撤退の是非を検討するにあたって、この戦闘種別を考慮することは重要だと思われます。
一番分かりやすい例はDefend陣営でしょう。Defend任務の陣営がユニットを全て撤退させることは、任務放棄にあたります。Defend任務とは、その地域・陣地を守りぬけということだからです。すなわち、Defend陣営には、少なくとも全面撤退というオプションを認めてはいけない、というルールは妥当だと思われます。
ではDelay陣営はどうでしょうか?Delay任務は、敵に打撃を与えつつ、敵の前進を可能な限り遅らせるというものです。Defend任務と違うのは、ある地域に留まり続ける必要はないという点です。したがって、Delay陣営は状況によって撤退というオプションが充分にありえると考えられるでしょう。
DefendもDelayも対する相手は、明確な攻撃目標を持っています。敵の陣地を奪うことが目的のAssaultや、速やかに前進することが目的のAdvance陣営にとって、通常は全面撤退というオプションはありえないはずです。
一番判断が難しいのは、Meeting Engagementです。遭遇戦では、両陣営の任務がAdvanceになりますが、これを「Advance vs Delay」戦のAdvance側と同様に扱ってよいかどうかは悩むところです。
3. VH争奪戦と殴り合い
VHの価値が高い場合と、今回のように得点の低いVHが主に配置されている場合では、戦い方が自ずと変わってくるのは当然といえるでしょう。VHから得られるポイントが高ければ、両軍ともVHを確保することを優先せざるを得ません。このように、VHを確保しないと勝てない場合は、撤退するメリットはほとんどありません。
しかし、VHから得られるポイントが無視できるほど低ければ、勝敗は敵をどれだけやっつけ、味方にどれだけ損害がでたか−いわば殴り合いで決まります。撤退オプションが問題になるのは、この殴り合いでしか決着がつかない場合でしょう。今回の米軍は、先にちょっと敵を殴って、今後ボコボコに殴られる前に「敵に余分なポイントを与えない」ために撤退しようという考え方です。
4. 撤退時期
例えばDelay陣営のように、明らかに撤退オプションが認められる場合でも、撤退を開始するタイミングについては何らかの制約を設けるべきでしょう。極端に言えば、20ターンゲームの第2ターンで全ユニット撤退!なんてことをやるようであれば、そもそも対戦をしない方がマシでしょうから。対戦の盛り上がりを考慮すれば、例えば「総ターンの2/3以降なら撤退可」とする、あるいは「ラスト3ターンは撤退可」など、対戦相手の士気を著しく阻喪しないような制約が必要でしょう。
5. シナリオという制約
そもそも今回の米軍で撤退戦術が検討されているのは、敵味方の戦力やコスト、VHの全容が明らかになっているからです。つまり、最終的に得られるポイントと失うポイントをかなり細かく計算でき勝敗が予測できるためです。これは、シナリオを使う以上どうしようもないところです。これを防ぐには、海外対戦の主流であるバトル形式(ユニット購入から始める)でやるしかないでしょう。
以上、とりとめもなく書いてしまいましたが、一口に撤退は是か非かといっても、これくらいは検討するポイントがあるということです。いきなり細かなルールを決めるのは難しいと思うので、まず最初は撤退というオプションの絶対的な是非を問い、新ルールを作成すべきか否かを決定したいと思います。観戦武官の皆様は奮って投票に参加し、できればその選択肢を選んだ理由なども書き添えていただきたいと思います。皆様のご意向によって撤退に関する新ルールが作成されますので、忌憚のないご意見宜しくお願いします。
投票期限は7日間。現在13名いる観戦武官の過半数(7名以上)の得票があれば、その選択肢を採用します。ただし、票が割れた場合や期限になっても過半数の得票選択肢がない場合は、ルール採用を見送ります。