<おしらせ1>
またまた、いつの間にか掲示板がダウンしていたようですね。ログを見ると、およそ2年半ぶりの改修です。
この間、何度かメールでご要望があったようですが、この度ようやく重い腰を上げて掲示板を修復いたしました。
管理不行き届きで申し訳ありません。

<おしらせ2>
サイト管理を楽にするために体裁を変更しています。
本サイトのメインコンテンツであったSPWAWの解説記事は以下からアクセス可能です。
SPWAW解説記事一覧


<5分で調べたSPWAW界の近況>

びっくりしたことーその1「Depot リニューアル」
SPWAW界を長年牽引してきた世界最大のファンサイトSPWAW DEPOTが、昨年の4月に閉鎖、13年の歴史に幕を下ろしたようです。
と同時にDepotメンバーの一人 Falconさんが新たなサイトSPWAW DEPOTを立ち上げたようですね(笑)。
まあ、中心メンバーが入れ替わって、こじんまりした感はありますが、実質的にはリニューアルって感じですかね。
旧DEPOTの遺産は相続されているようで、今後ともがんばって欲しいところです。
https://www.tapatalk.com/groups/spwawdepot/

びっくりしたことーその2「砲撃要請画面ラグ解消」
マルチコアCPUが普及した頃でしょうか、ある程度以上のスペックのPCでは、砲撃要請画面で挙動がおかしくなる不具合がありましたね。
それが原因でSPWAWを離れた・・という方もおられたような記憶がありますが、どうやらこの不具合、ついに修正されたようです。
これもDEPOTメンバーのおかげみたいですね。Matrix Games 公認(というか黙認ですね)のもと 、本体ファイル MECH.EXE をいじることに成功したようです。
https://www.tapatalk.com/groups/spwawde ... -t277.html


というわけで、この機会にもう一度SPWAWをやってみようかな、と思われた方は次のリンクからダウンロードをどうぞ。
DEPOTで全てのファイルのホスティングも始めたようです。
https://www.tapatalk.com/groups/spwawde ... es-t6.html

in-Cover獲得実験(その2)

お得な知識の数々!

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in-Cover獲得実験(その2)

Post by dugong » 2006.Jul.02(Sun) 23:51

?in-Cover獲得条件確認実験

 ”in-Cover獲得実験”のトピが長くなったので、新しく立てましたm(__)m。

 ここまで、in-Coverの実験をNor閣下と共に行ってきましたが、概ねin-Coverの獲得条件について整理が出来たように思います。

 それは、

  1 防御体勢を取っていること
  2 静止状態であること
  3 射撃していないこと
  4 抑圧値が0であること

 という、4つの条件です。
 しかし、私とNor閣下の各々の実験なかで経験値70という同経験値であるにもかかわらず、in-Cover獲得ターン数に2ターンほどの差異がでています。ここで、何故このような差異が生まれるのかを確認してみます。

 Nor閣下の実験は、

  A.小隊単位の獲得ターン数を測定
  B.第一ターンに、各部隊の体制をAdvanceからDefendに変更させ、
    2ターン目に条件が全てそろった状態になる。

というものです。

 一方、私の実験は

  A.分隊(1ユニット)単位の獲得ターン数を測定
  B.第一ターンに、最初からDefendであり、1ターン目に条件を全
    て満たした状態になっている。

でした。

 まずA.については、この結果から出てくるターン数の違いは1ターン程度となると思います。ただし、先の4条件に修正を促すほどの意味は無いでしょう。計測値取得の考え方の違いだけです。
 一方、Bについては、このために1ターンの差が生じるのは間違いありません。しかも、4条件のそろえ方の違いというかなり根本的な問題を含んでいます。
 で、どちらが実戦に即したターン数かといえば、Bに関して言えば、これはNor閣下の結果がより実戦感覚に近いということが言えると思います。実際には、初期配置のままin-Coverをとりに行くこと自体がまれであり、普通は、

  1.部隊を防御地点に移動させる
  2.Defend体勢をとらせる(←Nor閣下の実験開始ターン)
  3.in-Cover獲得まで安静(笑)(←Dugongの実験開始ターン)

となるでしょう。
 2.をへて3.の開始段階ではじめてin-Cover獲得のための条件がそろうのですから、獲得ターン数ということでは3.からカウントするのが正しいといえば正しいのですが、プレイヤーの実戦感覚から言えば、2.からカウントしたほうがより近いのではないかと思います。

 そこで、こういった違いが出やすい獲得条件のそろえ方を整理するために、ユニットに実戦に近い行動をさせた上で、in-Cover獲得をさせた場合、各ユニットの獲得ターン数がどのような動きになるのかを確認してみました。

************************************

【実験目的】
 in-Coverを獲得するまでの部隊の動きを確認する。

【実験手法】
  1.季節は夏(6月)。時刻は13:00。天候は晴れ。C&Cオン。
  2.経験値70のドイツ歩兵部隊を10ユニット(A0ユニット、小隊長ユニット含まず。体勢Advance、小隊長との視認による連絡あり、
    抑圧0、被視認”*”マーク常時なし)を開豁地形に配置した実験区を作成した。
  3.この実験区のユニットに以下の6類型の行動をとらせ、各ユニットのin-Cover獲得ターン数を観測した。実験は、類型1を30回、そ
    の他の類型を各10回行い、延べ800ユニットの観測値を得た。

    類型1 1ターン目にDefendへ体勢変更のみ、2ターン目から安静
    類型2 1ターン目に1Hex移動しDefendへ体勢変更、2ターン目から安静
    類型3 1ターン目に2Hex移動しDefendへ体勢変更、2ターン目から安静
    類型4 1ターン目に3Hex移動しDefendへ体勢変更、2ターン目から安静
    類型5 1ターン目に4Hex移動しDefendへ体勢変更、2ターン目から安静
    類型6 1ターン目にZ射撃しDefendへ体勢変更、2ターン目から安静

【実験結果】
 Fig-1の通り。

 類型1は3ターン目からin-Coverを獲得し始め、7ターンまでに全てのユニットがin-Coverとなった。
 類型2〜6は4ターン目からin-Coverを獲得し始め、8〜9ターンまでに全てのユニットがin-Coverとなった。

【考 察】
 まず類型1と類型2〜6の獲得確率分布図を見ると、in-Coverを獲得し始めるターンについて、類型1の方が1ターン早かった。そこで、類型2〜6の結果を平均し確率分布図に展開したところ、類型1に対し、1ターンずれただけの、ほぼ同形状の確率分布が得られた(Fig-2)。確認のため、実験区(10ユニット)毎のin-Cover獲得平均ターン数を類型1と類型2〜6(類型1と比較するため、獲得ターン数から1を引いた)でt検定(f検定により等分散確認⇒Studentのt検定)を行った結果、P>0.05でこれ等の類型の間には有意差は認められなかった。
 以上のことから、類型2〜6は、類型1が1ターンずれただけのものであることが推定される。

 では、何がこの1ターンのズレを生じせしめたのかが問題となる。

 類型1と類型2〜6の違いをin-Cover獲得条件で考えると、移動・射撃の条件については、

  類型1  ・・・・1ターン目に移動・射撃を行わない。
  類型2〜6・・・・1ターン目に移動・射撃を行う。2ターン目は移動・射撃を行わない。

という違いがある。・・・・差異?

 また、Defendの条件については、類型1と類型2〜6はいずれも1ターン目でAdvance→Defendにしているので同一であるが、上記の移動・射撃を行わないターンに着目すると。

  類型1  ・・・・移動・射撃を行わないターンの最後にDefend体勢になる(1ターン目)。
  類型2〜6・・・・移動・射撃を行わないターンの最初からDefend体勢である(2ターン目)。

という違いがある。・・・・差異?

 これ等の「差異?」「差異?」が本実験における条件面での類型1と類型2〜6の差異である。客観的に見て、「差異?」が両類型の差を生み出すものとは考えづらい。この差異が1ターンのズレを生み出すとすると「移動・射撃を行わないターンの開始時にDefend体制にあるユニットは、in-Cover開始が1ターン遅れる」という、不合理な条件となるからである。
 そこで、類型2を2ターン目の動きが類型1と同じように「移動・射撃を行わないターンの最後にDefend体勢になる」よう以下のように変形し、類型1と類型2の間の「差異?」の条件の違いを無くした実験(実験区による実験10回、100検体)を行った。

  類型2改 1ターン目に1Hex移動、2ターン目にDefendへ体勢変更

 結果は、in-Cover獲得は4ターン目から始まり、類型2〜6の結果と同様の結果となった。Defend体勢を取る時間的位置を変更しても獲得開始ターンの変化が見られないことから、差異?は獲得開始ターンのズレを生じさせている差異とはいえない。

∴ 類型1及び類型2〜6の1ターンのズレは、差異?「移動・射撃をしないターンが1ターン目なのか2ターン目なのか」によって生じたことになる。換言すれば、「移動・射撃をしないターンを1ターン必ず採らなければ、in-Cover獲得チェックは始まらない」といえる。先の差異?に対する確認により、この「何もしない1ターン」をまず作り出すことがまず重要であること、そして、Defend体勢は最終的に取れていれば良いという時間的位置関係がわかった。

【結論】
 「移動しない」「射撃しない」という条件はかなり抽象的な言葉で、具体的なユニットの行動の中でどのようにこの条件を満たすのかは若干明確でなかったところがあった(少なくとも私は(笑))。
 この事は、今回の実験で、「移動・射撃をしないターンを1ターン必ずとる」と具体的に示された。加えて「defend体勢をとる」タイミングについても時間的位置は明確になった。是に「抑圧を受けてない」という条件に対するNor閣下の実験の結果(1〜3程度の抑圧を受けたとしても、次ターン初め(当該ターンの終わり?)にAuto Rallyで抑圧0になればin-Cover獲得は可能)を加え、実戦上のユニットの動きにあわせて整理すると、in-Cover獲得までのユニットの行動は以下のように整理される。

  着陣ターン   ・・・・in-CoverさせたいHEXへ移動。
            (ここで、Defend体勢にしていなくても、次のターンに変更すればOK。)
  着陣後1ターン目・・・・★重要 移動も射撃もさせない。
               このターンの終了までにユニットをDefend体勢にする。
               このターンに抑圧を受けても、最終的に1〜3程度の抑圧となり、Auto Rallyにより抑圧0になれ
               ば、in-Cover条件は成立する。
  *******in-Cover獲得チェック開始**********
  着陣後2ターン〜・・・・in-Cover獲得まで条件維持(安静)。

************************************

 最初に検討したように、Nor閣下のターン数は着陣後1ターンからのカウントであり、私のカウントは着陣後2ターンからのカウントです。どちらが、より実戦感覚に近い獲得ターン数かといえば、Nor閣下のものである事は言うまでもありません(普通、in-Coverを獲得させようとある地点に移動したら、その次のターンからin-Cover獲得をはじめていると思うのが当り前ですよね(笑))。
 ということで、これまでの私が提示していた獲得ターン数については、+1ターンしていただければ実戦感覚に近くなると思います。
 また、これ以降の実験については、Nor閣下方式に準じ、実験はAdvanceから開始し、1ターン目でDefend体勢をとらせる方式といたします。そうすることで、算出されるターン数は寄り実戦に近いものになるのではないかと思います。
 しかし、今回の実験は、実験するまでも無い、他愛も無い実験です。しかし、これは、次の実験のためのプロローグにしかすぎないのです(笑)。
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?In-Cover獲得パターン確認実験 前説

Post by dugong » 2006.Jul.03(Mon) 00:08

?In-Cover獲得パターン確認実験
 それでは、本題です(笑)。

 ところで、?の実験結果を見て、「あれ?」と思った方がいると思います。
 類型1の実験結果に着目してほしいのですが(Fig-1)、着陣後1ターン目はin-Coverが取れていません。これは当り前で、Defend体勢の条件がそろっていないからです。
 次に着陣後2ターン目。先ほどの結論では、2ターン目からin-Cover獲得チェックが入るとしています。しかし、実験結果では、2ターン目のin-Cover獲得確率は0%です。類型1は今後の実験のコントロールとして使う意図もあったので、300検体の実験です。その300検体のうち1検体も2ターン目にin-Coverを取れない!類型2〜6についても1ターンずらした類型1のパターンであり、そう見た場合、類型1の2ターン目に相当する、3ターン目に、やはり1ユニットもin-Coverを取れていない。こちらは、全500検体です。
 次に3ターン目(着陣後3ターン目)。突然、獲得確率は40%近くに跳ね上がります。4ターン目(着陣後?ターン目)も獲得率40%。つまり、獲得開始後2ターンで約80%ユニットがin-Coverを獲得している。以降は漸減していき、7ターン目には累計100%のユニットは獲得完了。
 この実験の前に、実はin-Cover獲得ターン数に対する地形の影響を3,000検体使って調べたのですが、ここでもこのパターンと全く同じパターンが出ています(Fig-2)。

 で、何が「あれ?」かというと、このin-Cover獲得の確率分布パターンについて、実は私、正規分布的なパターンだろうと勝手に考えていたのです。つまり、着陣後2ターン目から徐々に獲得確率が上がっていき、ピークに達した後漸減していく様なパターンです。しかし、実際のパターンは全然違う。経験値70に関して言えば、in-Cover獲得の確率分布パターンは正規分布などではなく、

  1.着陣後2ターン目は、全くin-Coverは取れない(3,800検体で一つもなし!!)。
  2.着陣後3〜4ターンでユニットの80%が獲得する。

 という、かなり偏りのある(着陣後3ターンを原点とするχ自乗分布的?)分布パターンになるのです。
 特に2ターン目で全くin-Coverが取れていない。正規分布なら、3800検体もあれば多少なりとも2ターン目に獲得するユニットがあったって良い。この部分が「あれ?」なのです。となると、獲得率を算出する式のなかで相当強引に係数か切片の設定(どう計算しても結果がマイナスになる設定)しないと0%の獲得確率にする事は難しい。
 一方、これまで行った実験の中で着陣後2ターン目にin-Coverを獲得できていたユニットもあったのです。それは、実験記録を読み返してみると全て80以上の経験値のユニットでした。ということは、経験値によってこの強引な設定をシフトさせている可能性が高い。
 こういった強引な設定の中に、SPWAW開発陣のin-Cover獲得シミュレーションに対する意思が見えてきてしまう。「こうやって、経験値によるin-Coverの取りづらさを表現してやろう」というような・・・。

 そこで、今までの実験で単に経験値毎のin-Cover獲得平均ターン数の傾向を把握するだけでとどまっていたものを、その獲得パターンにまで拡張して調査することで、経験値によるin-Cover獲得の違いをSPWAWがどうシミュレーションしているのか、また、その中に戦術的な教訓があるのかを明確にしようというのが本実験を行った意図です。
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?In-Cover獲得パターン確認実験(1)

Post by dugong » 2006.Jul.03(Mon) 00:13

(1)In-Cover獲得パターン確認実験

【実験目的】
 経験値毎のin-Cover獲得の獲得パターンを調査し、経験値毎のin-Cover獲得ターン数の目安、獲得にあたっての留意点を明らかにする。

【実験手法】
  1.季節は夏(6月)。時刻は13:00。天候は晴れ。C&Cオン。
  2.ドイツ歩兵部隊を10ユニット(A0ユニット、小隊長ユニット含まず。体勢Advanced、小隊長との視認による連絡あり、抑圧0、被視
    認”*”マーク常時なし)を開豁地形に配置した実験区を作成した。
  3.実験区の全てのユニットには同一の経験値を設定し、着陣後1ターン目に移動も射撃もさせずDefend体勢を各ユニットにとらせる。
    その上で各ユニットのin-Cover獲得ターン数を観測した。
  4.経験値の階級は、経験値40〜120を10毎に区切った9階級とし、各階級で30回の実験区による観測(各階級300検体、総数2,700
    検体)を行った。

【実験結果】
 Fig-3、Fig-4の通り。

【考察】
 まず、経験値とin-Cover獲得の関係で明確に指摘できる特徴は、

  1.80〜120の階級(ベテランからエリート)については、着陣後2ターン目でin-Cover獲得を開始する。
  2.70〜50の階級(平均)については、着陣後3ターン目でin-Cover獲得を開始する。
  3.40の階級(新兵)については、着陣後4ターン目でin-Cover獲得を開始する。

という点である。

 次に累積確率分布図を見ると、次の特徴を指摘できる。

  In-Coverを獲得し始めさえすれば、2ターン以内に50%〜80%の部隊がin-Cover状態に入る
  (in-Cover祭り。至福の状態(笑))

 これは、経験値によるin-Cover獲得のしづらさとin-Cover獲得のアドバンテージの、かなりユニーク(いやらしい?)ではあるが効果的な、シミュレーション(表現)手法ではないだろうか?
 たとえば平均レベルで見た場合、全く獲得できない「絶対安静」の着陣後2ターンという時間は、実験ではあっという間に過ぎる時間だが、実践の中の2ターンといえば「コンチクショウ!!in-Coverなんか取らせてられるかっ!!」と指揮官の痺れを切らせる(笑)のには十分な時間だろう。しかし、この我慢の時を越えなければ「in-Cover祭り」とも言える「至福の状態(再笑)」には到達できない。
 一方、ベテランからエリートにかけては、着陣後2〜3ターンで「in-Cover祭り」となり、かなり強固な防衛線(拠点)を築けることから、「ベテランはやっぱり使える」となる。かなり、痺れるシミュレーションだ(笑)。

 蛇足ながら、今回の実験で解ったことを2点ほど指摘しておく。

 まず、累積確率分布図の経験値110と120を見ていただくと解るが、かなり折り重なったパターンになっている。で、110と120の各実験区毎(10検体)の平均30観測値をつかってt検定を行ったところp>0.05で有意差は無かった。ということで、経験値110を超えればそれ以上の経験値を持っていても同じような確率分布にしかならない(差はあるのかもしれないが、少なくと実戦上は意味のある差ではない)ということが推定された。

 また、獲得開始が着陣後2ターン目になるのか3ターン目になるのかの、経験値の閾値がどこなのかを、簡単な実験で確認してみたところ、どうも経験値76と経験値75で分かれそうであることが推定された。そう見た場合、経験値80の着陣後2ターン目の獲得確率が5%、経験値90で16%、経験値100で26%、経験値110で34%といった具合に、着陣後2ターン目の獲得確率は「経験値-75%」に近似していると思慮される。かなり、シンプルなやり方ではあるが、この切片の採り方が先ほどの指揮官をヤキモキさせる「絶対安静」のターンを作り出していることを考えると唸らざるを得ない。この時点でin-Cover獲得確率に対する算出式に肉薄しているのは間違いないだろう。しかし、これ以上追求しても、有益な戦訓は得られないものと思われるので、この件についてはここで止める(いちいち、経験値を計算してみて作戦を組み立てるなんて事はしませんよね(笑))。
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?In-Cover獲得パターン確認実験(2)

Post by dugong » 2006.Jul.03(Mon) 00:16

(2)In-Cover獲得パターンに対する工兵効果確認実験
【実験目的】
 (1)の実験に対し、同様の条件に工兵を付加する事により、工兵がin-Cover獲得に対してどのような効果を発揮するのかを顕在化する。

【実験手法】
  1.季節は夏(6月)。時刻は13:00。天候は晴れ。C&Cオン。
  2.ドイツ歩兵部隊10ユニット(A0ユニット、小隊長ユニット含まず。体勢Advanced、小隊長との視認による連絡あり、抑圧0、被視
    認”*”マーク常時なし)に、工兵(小隊長ユニット含まず。体勢Advanced、小隊長との視認による連絡あり、抑圧0、被視認”*”
    マーク常時なし、経験値70)を各々1ユニット隣接させ開豁地形に配置した実験区を作成した。
  3.実験区の全ての歩兵ユニットには同一の経験値を設定し、着陣後1ターン目に移動も射撃もさせずDefend体勢を歩兵および工兵各ユ
    ニットにとらせる。その上で各歩兵ユニットのin-Cover獲得ターン数を観測した。
  4.経験値の階級は、経験値40、60、80の3階級とし、各階級で10回の実験区による観測(各階級100検体、総数300検体)を行った。

【実験結果】
 Fig-5の通り。

【考察】
 考察といっても結果は見たまんまである(笑)。

  EXP40+工兵の確率分布は、EXP60に
  EXP60+工兵の確率分布は、EXP80に
  EXP80+工兵の確率分布は、EXP120に

近似している。

 一応、それぞれの組み合わせについて、実験区毎の観測値の平均(サンプル数;工兵あり10、工兵なし30)を対象としたt検定(f検定により等分散確認。Studentのt検定を採用)及び、各検体を対象としたu検定(サンプル数;工兵あり100、工兵なし300)のダブルチェックを行った結果、いずれの検定でもp>0.05であり有意差は認められなかった。何で、この検定を行ったかについて興味のある方は統計解説書を読んでください(笑)。

 以上のことから、一番最初に行った実験では、「工兵は経験値レベルを1段階引き上げる」と、かなりアバウトな工兵効果しか示せなかったが、今回の実験により、ほぼ間違いなく

 「工兵は、in-Cover獲得しようとする部隊の経験値を1.5倍にする」

という効果があることが推定される。

 これも、かなり痺れるシミュレーションで、数字的には平均レベルの部隊はほとんどベテラン・エリートの部隊となり、新兵レベルは平均レベルとなる。体感的に言うと、平均・新兵レベルだとある程度の「絶対安静」的時間を要求する(1)の結果を考え合わせれば、着陣後2ターンの絶対安静の時間帯がキャンセルされたぐらいの劇的効果に感じるのではないだろうか?すごく簡単な操作だが、プレイヤー心理を突いたうまいシミュレーションだと思う。それも、(1)のシミュレーションのうまさがあってこその効果であるが。


【(1)(2)実験の結論】
 かなり膨大な数の実験であったが、我々は各経験値段階毎のin-Cover獲得ターン数の確率分布のデータ、及び、in-Coverに対する工兵効果の内容についての知見を得ることが出来た。
 しかしこのままでは、各指揮官にとっては実戦上使いづらい、技術部隊の自己満足的実験となってしまう(爆笑)。

 そこで、この結果をウォーゲーマーおなじみのチャート風(爆笑)にまとめてみた(Fig-6)。この実験報告をまともに読まずとも、このチャートだけでも各指揮官が手にしてくれれば本実験は報われるというものである(笑)。

 内容は見ての通りだが、二重線で区切られたターンがほぼin-Cover獲得安全圏といってよいターン数だろう。また、シナリオやキャンペーンで頻出すると思われる経験値についてin-Cover獲得安全圏となるターン数を赤枠で、この経験値を持つ部隊に工兵支援がついた場合の安全圏ターン数を緑枠で囲んでみた。
 この「in-Cover獲得安全圏」という考え方は人それぞれであろう。ただ、概ね獲得部隊が80%を超えれば、未だin-Cover獲得に至らない部隊を、in-Cover獲得が出来た部隊でフォローするということも可能ではないかと思われる。指揮官によっては50%で十分という強者もいるだろう。逆に、どうしても安全圏のターン数を確保できないような場合、私のような未熟者の指揮官は中途半端なin-Cover戦略を採用せずに作戦を組み立てたほうが身の為と考えることも出来る(笑)。
 また、このチャートを逆に読めば、相手にin-Coverを取らせないための効果的な抑圧の与え方というのも見えてくるかもしれない。
 いずれにせよ、このチャートを活用した(めんどうくさいか(笑))各指揮官の戦闘事例の報告を待つ事にしたい。

************************************

 ということで、in-Cover獲得にかかる一般的な必要ターン数についての実験をひとまずここで終える事にします(ふぃー)。
 このチャートは皆さんで勝手に誤読・誤使用して使っていただければと思います。結局、数字は数字であって、経験に勝るものは無いでしょう。とはいえ、このチャートでin-Coverというものに対する免疫が皆さんの中にでき、経験則を増やすきっかけになれば「可」というところでしょう(笑)。
 それにしても、Nor閣下の経験則はすごいですね、ほぼ今回の実験の結果どおりではありませんか?やはり、経験に勝る宝は無しですな。わたしも実験なんぞに血道を上げてないで、どんどん実戦をこなさねば(笑)。

 とか何とか言いながら、今後のin-Coverにまつわる実験計画について(笑)。

 後の実験としては地形や天候・季節といった他者要因、部隊サイズ・種類・国籍といった自己要因で獲得ターン数に差があるのか?といった戦後処理的確認実験をチクチクと行っていく必要はあろうかと思います。
 前の予告にも書きましたが、地形によるin-Cover獲得ターン数の違いはありませんでした!!全ての検定も終わり、確信に変わっています。あとは実験結果をまとめるだけです。
 多分私の予想では、地形が影響を与えなかったことから、まず、天候・季節といった他者要因は影響を与えないものと思います。一方、部隊サイズ・種類・国籍といった自己要因についても影響は無いのではないかと思っています。どう考えても、今回の実験で知ることができたシンプルで美しいシミュレーションがかもし出す雰囲気を、さらに他のパラメータを介在させることで乱してしまうような事は、技術屋根性から考えてしてこないと思うのです(オタク根性だとわかりませんが(笑))。
 とはいえ、技術部隊としてはこのような要因を一つ一つつぶしていくのも仕事です(笑)。チクチクとやっていきますよぉ〜う。

 それよりも、先にやらなければと思っていることとしては、in-Cover効果の内容の確認です。だって、せっかく苦労して獲得したin-Coverの効果があんまり無いとなると、in-Coverを獲得すること自体のモチベーションが失われますものね(笑)。
 ただ、この実験というのがかなり難しそう。だって、相手の部隊も介在させなきゃならんのですから(笑)。パラメータ多すぎ・・・。
 あと、戦術上のテクニックで、1ターンでも効率よく短くする方法があるのか無いのか?いくつかのアイデアは思いついているのですが(笑)。

 では、しばしの休憩をくださいm(__)m。
(いや、仕事が忙しくなってきちゃったんです(笑)。さぁ、もうけるでぇ〜。)
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驚きました、ハイ

Post by Nor » 2006.Jul.05(Wed) 17:19

いやいやいやいやいや・・・ものすごいボリュームの実験と驚愕の結果です!あまりに凄すぎて何をコメントすればいいのかわかりませんが、まずはお疲れ様でした。そして有難うございます!

まだまだ読み込めてませんが、気になった点をいくつか拾ってみると・・


[quote="dugong"]換言すれば、「移動・射撃をしないターンを1ターン必ず採らなければ、in-Cover獲得チェックは始まらない」といえる。先の差異
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Re: 驚きました、ハイ

Post by dugong » 2006.Jul.05(Wed) 23:23

Nor閣下
Nor wrote:まずはお疲れ様でした。そして有難うございます!
この言葉だけで、結構でございますm(__)m。
この実験に参加し、タコツボを掘る目的のためだけにタコツボをほるという、過酷な条件に耐えた延べ4万人近い兵士諸君も浮かばれるというものです(笑)。
Nor wrote:私はターン終了時にDefendにしておかないと損をするような気がしていたのですが
このDefendの時間的位置関係の実験結果の意味については、いろんな解釈が出来ると思います。
つまり、
 1.「移動も射撃もしない1ターン」前にDefend体勢をとっておけば、防御上有利。
 2.「移動も射撃もしない1ターン」の最後にDefend体勢をとれば良いのであれば、そのターンの間、命令ポイントをフリーハンドで残しておける。
と、どちらに見るのかです。どちらにしてもin-Coverは獲れます。
とはいえ、たぶんに1.の効能のほうが大きいでしょうから、実質的には移動ターンの最後にDefend体勢をとることが多くなるでしょう。ただ、その行為そのものはin-Coverをとりやすくするための行為ではないと解っていれば、in-Coverを取りたいという意思を犠牲にせずに、戦術的な選択の余地を指揮官側に残しておけるのではないかと思うのです。
Nor wrote:でもこのグラフ、ホントに見事ですねえ。
いや〜、3,000部隊も使う前に気がつけよ(笑)!!といわれても仕方が無いほどの特徴的な分布でした。全く取れないターンがあるというのは、完全に盲点でした。
Nor wrote:工兵の経験値でさらにブーストしたりしなかったりするのでしょうか?そして工兵自身のIn-Cover獲得の仕組みは歩兵とは違うのか?
今回の実験は、「工兵の存在」という部分にのみ重きを置いて実験したので、「工兵の質」については検証の余地はあります(私も一寸気になっていました。)。ただ、それよりも工兵について私が実験したいと思っているのは、「工兵の関わり方」です。簡単に言うと、「工兵は部隊がin-Coveを取っている間ずっと隣接しておかなければならないのか?」「工兵はDefend体勢でなくてはならないのか?」という点です。このあたりが明確になれば、工兵の効率的な使用方法の指針になるのではないかと思っているのです。

Nor wrote:どんな場合でも経験値が1.5倍になるということでしょうか??
いやぁ、これはさすがに無いんじゃないでしょうか?だけど、あるとすごいですね(笑)。
Nor wrote:ちょっと気になったのは、地形効果を示した図2です。地形種類が多すぎて細かい点はわかりませんが、ざっとみた感じでは、4ターンにピークを持ついわば期待通りの群と、3ターンにピークを持ちそのまま低下していく群に分かれているようにも見えます。これはあくまで見た目の差で、統計的には否定されるのかもしれませんが・・・。
 一応、全てt検定・u検定のダブルチェックで有意差無しでした。つまり、母集団が同じである可能性は棄却できなかった(地形効果は無い可能性がある。統計学的な言い方ただ(笑))。
 ただし、一寸気になるのは、確かに分布図ではピークを持つ群と、片流れの群があり、その片流れ群の中での代表格が「多ヘックス建造物」「木造建物」「枯谷」「壕」といった「防御効果」の高い、かなり意味深な奴らなのです。確かに検定もP=0.1前後と低めの部類に入っています。

 ただ、それでも地形効果は無いと確信している最大の理由は、
  「着陣後2ターン目の獲得確率が全て0%である」
という点です。つまりこの傾向が出るのは(多分)経験値75以下の部隊ですから、検体経験値70であることを考えると、もし地形効果があったとしても経験値を5以下でしか操作していないという事になります。
 工兵の効果の経験値×1.5といった操作のドラスティックさに比べれば、この程度の経験値の操作は、実戦上ほとんど操作していないのと同じです。そうであるとすれば、その程度の操作をするようなシミュレーションは、めんどくさいのでいちいちやっていないと思うのです。但し、パラメータは設定してあるんだが、そこに代入する数値の幅がほとんどシミュレーション結果に反映されない程度のものでしかない可能性はあります。その辺で気になるのは、Nor閣下が指摘している部隊サイズと地形の関係です。このあたりは、部隊サイズのin-Cover獲得の関係が明らか(私の予想では、関係ない)になれば、明確に解ることだと思います。
Nor wrote:In-Coverの効果を検証するには、戦車のハルダウン効果が参考になるかと思います。・・・・・・・・・・・・・・・・
大変ありがとうございます。たすかります。ご意見を参考にして実験計画を立ててみようと思います。とはいえ、その前にjunkersさんから最初に指摘のあった、Defendの効果を明らかにしておかなければならないと思っています。in-Cover効果と思っていたものが実はDefendの効果であったというのではまずいと思うので(笑)。
Nor wrote:勲章作っておきます。w
大変ありがとうございますm(__)m。身に余る光栄でございます(笑)。
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Post by sato » 2006.Jul.07(Fri) 01:29

レス付けるのが遅くなってしまい申し訳ありません。

研究のすごさに驚き、圧倒されております。
すばらしい。 :shock:

というわけで、この偉大なる研究を「注目記事」にさせて下さい。

よろしくお願い申し上げます。 :wink:

サト
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こんなのでよろしければ

Post by dugong » 2006.Jul.07(Fri) 12:03

satoさん

お久しぶりです(笑)。
sato wrote:レス付けるのが遅くなってしまい申し訳ありません。

研究のすごさに驚き、圧倒されております。
すばらしい。 :shock:

というわけで、この偉大なる研究を「注目記事」にさせて下さい。

よろしくお願い申し上げます。 :wink:

サト
このような、かなり読みづらい内容で良ければ、どうぞ注目してやってください(笑)。

また、今しがた"in-Cover獲得実験(外伝)"をアップしました。こちらのほうが、マップ将校であるsatoさんには必見ではないかと、僭越ながら思います。

もし、ご存知の内容であれば  :porc です(笑)。
どうぞ、罵倒してやってください :D
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Post by sato » 2006.Jul.07(Fri) 12:45

dugongさん

ええと、「マップ将校」という肩書きには大いに偽りがあります。 :wink:
実際、マップおよびシナリオ作成のテクニックに関して、
わたしはダメダメなんですよ。

なので、dugongさんの研究はとても勉強になります。
ホントすばらしいですね。 :cool:

今後もご期待申し上げます。 :wink:

サト
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