in-Cover獲得実験
Posted: 2006.Jun.19(Mon) 10:25
「in-Cover」について、前々から「どのくらいのターンでin-Coverになるんだ?」と
いう疑問を持っておりました。この「in-Cover」。結構、防衛戦の作戦立案上重要な
戦術的選択だと思うのです。そこで、一応、ここでIn-Coverの基本的事項を各資料
から再確認をし、「in-Cover」の獲得ターン数についての疑問点を実験により解明す
るというのが今回の実験の主旨です。
で、マニュアル及び本HPのコンテンツに対し「In-Cover」で検索をかけて、つらつ
らと散見される内容を私なりに整理すると「In-Cover」とは以下のようになろうかと思
います。
『in-Cover(掩蔽物あり)』
状 態:
急ごしらえの防御地点で、ヘルメットやスコップで掘った穴や、下生えや背の高い
草などで隠された地点。部隊がヘックス内の使えそうな掩蔽物や地形を見つけだし、
急造した「タコツボ」をいくつか掘っている状態。ヘックス外周に小さな「タコツボ」が表
示される。
獲得条件:
1.防御体勢にあるユニット
2.前のターンに移動していないユニット
3.抑圧を受けていないユニット
4.発砲(攻撃)を受けていないユニット
5.○0ユニット(小隊HQ)と通信状態にある。
(C&Cオフの場合は関係なし)
6.ターン開始時に経験値チェックしてin-Cover状態を判定
Op.工兵が隣接していると、早くin-Cover状態になる
効 果:
1.防御特典がある(そのヘックスのみ。移動すると効果がなくなる。
車輌ユニットは正面方向のみ。防御特典は塹壕化よりも低い。)
2.対戦車兵器・火炎放射器・携帯爆弾や火炎瓶を装備したユニットは、
近接強襲の成功率が33%高くなる。
で、このまとめから沸いてくる疑問点。
【獲得条件について】
1.部隊経験値が獲得ターン数に与える影響度合いは?
2.工兵存在が獲得ターン数に与える影響度合いは?
3.地形・天候・時間の影響は?(確か過去に「in-Coverしやすそうな地形
に・・・」といったような書き込みがあったような・・・。)
4.部隊サイズ・兵種・国籍等の部隊属性の影響は?(これは個人的思い
込み。でっかいと隠すの時間かかるのでは?ソ連兵は隠すのうまいのでは?)
5.被発見状態(見つかっている状態)でin-Coverを獲得できるのか?
【効果について】
6.防御特典とは何か?(被弾率が低下する?貫通しにくくなる?)
7.被発見率は低下するのか?(一発撃ったくらいじゃ発見されないという感
覚がある。)
8.近接強襲以外の命中率等のボーナスは?(近接強襲で無くっても、なん
かin-Coverだと当たりやすい気がする。気のせい?)
ということで、今回の実験は、in-Cover解析についての基礎的実験として
1.部隊経験値が獲得ターン数に与える影響度合いは?
2.工兵存在が獲得ターン数に与える影響度合いは?
について行いたいと思います。
では、日本鋼豹司令部未公認戦術実験部隊所属 Dugong一等兵 今回、司令部
より何の要請も無く勝手に行いました実験結果を報告させていただきます!!(笑)
****************************************************
【実験目的】
経験値毎のin-Coverを獲得のためのターン数の目安を求める。あわせて工兵
の支援が獲得ターン数に与える効果の程度を確認する。
【実験方法・条件】
1.地形;開豁地
2.天候;快晴
3.時間;昼間
4.1〜3の条件において、経験値階級(経験値20〜150を経験値10毎に区
切る14階級)ごとのドイツ歩兵部隊(員数10名、士気70、リーダー;曹長、
各値70、体勢;防御、未発見、敵LOS外)によるIn-Cover獲得ターン数を
20回計測する。
5.4と同様の条件のもと、歩兵部隊に工兵部隊(員数10名、経験値70、士
気70、リーダー;曹長、各値70)を隣接させ、経験値階級ごとの歩兵部隊
in-Cover獲得ターン数を10回(この辺は手抜き(笑))計測する。
【解析方法】
1.調査結果より経験値階級ごとの平均in-Cover獲得ターン数及びその誤差
を算出する。
2.平均in-Cover獲得ターン数より経験値をパラメーターとする予測式を算出
する。
3.工兵隣接についても1.2.と同様の解析を行う。
【実験・解析結果】
文末添付図参照
【考察】
1.現実的に経験値20は、実戦上出現することが頻出する事は無い経験値であ
ると考えられるので本考察からは除外した。
2.上記実験結果を4段階の経験値レベル毎にまとめると概ね下記の通りとなった。
経験値レベル 単独時 工兵隣接時 誤差
新 兵(30〜49) 6〜4ターン 4〜3ターン ±約1ターン
平 均(50〜79) 4〜3ターン 3〜2ターン ±約1ターン
ベテラン(80〜99) 3〜2ターン 約2ターン ±約1ターン
エリート(100〜) 約2ターン 約2ターン ±約1ターン
3.作戦立案を行う上での、経験値レベルごとのin-Cover獲得ターン数の目安を
想定した。想定に当っては、各経験値レベルの幅が約±1ターンである事や目
安値運用上の安全面から、各経験値レベルの上限ターン数を目安値として想
定した。目安値におけるin-Cover失敗確率は、計測データを下に、目安値を
上回るターン数の出現割合より求めた。
経験値レベル 作戦立案上の目安 失敗確率
新 兵(30〜49) In-Coverによる戦術はまず取れない -
平 均(50〜79) 4ターンでin-Coverによる戦術完成 20%
ベテラン(80〜99) 3ターンでin-Coverによる戦術完成 20%
エリート(100〜) 2ターンでin-Coverによる戦術完成 20%
※ 工兵支援(隣接)で経験値レベルが1段階上昇 10%
※失敗確率とは、たとえば、エリートが2ターン以内でin-Cover状態を獲得し
ようとしたときには20%なので、5回やれば1回は失敗すると解釈しても、5
部隊やれば1分隊は失敗するととっても良い。エリートで工兵の支援付であ
っても、2ターン以上かかることも確率的には廃除できない。
4.経験値の側からだけでなく、獲得ターン数の側からin-Cover戦術を採用可能
な経験値を想定するのも作戦立案上有用と思われるので考察する。
添付の実験結果グラフより、3ターン(移動してきたターンを含めれば4ターン)
というターン数が作戦立案上in-Cover獲得のために最大限確保できるターン
数と規定した場合、以下のことが言える(但し、±1ターンの幅はある。)。
(1)工兵支援の無い場合では、経験値70以上であればin-Cover戦術を採りうる。
(2)工兵支援がある場合では、経験値40以上であればin-Cover戦術を採りうる。
※状況によりけりだが、要は、部隊の経験値が50〜60程度では、3ターン以内
にin-Coverを獲得することを前提とした作戦・戦術は、工兵の支援が無けれ
ばかなりの確率で失敗する。ということ。
以上、実験・解析結果及び考察結果の報告を終わります。
****************************************************
今後、今回の実験をコントロールとして、順次、「地形」「部隊属性」がin-Cover獲
得に与える影響を検証するための実験を行いたいと思います(仕事を怠ける、時間
があれば(笑))。また「被発見」のin-Cover獲得に与える影響及び効果面の検証実
験は現在実験計画を立案中です。
なお、これ以降の実験はかなり膨大な作業を要することが予想されるので、ベテラ
ン指揮官の「こういう地形はin-Coverしやすいはずだ」といったようなご意見がある
と実験の範囲を絞りやすいので、是非ご意見を伺いたいところです。いや、もちろん、
「こういう事はわかりきったことだ!!」といった、叱責交じり(笑)のご意見でも結構
です。よろしくお願いいたしますm(__)m。
いう疑問を持っておりました。この「in-Cover」。結構、防衛戦の作戦立案上重要な
戦術的選択だと思うのです。そこで、一応、ここでIn-Coverの基本的事項を各資料
から再確認をし、「in-Cover」の獲得ターン数についての疑問点を実験により解明す
るというのが今回の実験の主旨です。
で、マニュアル及び本HPのコンテンツに対し「In-Cover」で検索をかけて、つらつ
らと散見される内容を私なりに整理すると「In-Cover」とは以下のようになろうかと思
います。
『in-Cover(掩蔽物あり)』
状 態:
急ごしらえの防御地点で、ヘルメットやスコップで掘った穴や、下生えや背の高い
草などで隠された地点。部隊がヘックス内の使えそうな掩蔽物や地形を見つけだし、
急造した「タコツボ」をいくつか掘っている状態。ヘックス外周に小さな「タコツボ」が表
示される。
獲得条件:
1.防御体勢にあるユニット
2.前のターンに移動していないユニット
3.抑圧を受けていないユニット
4.発砲(攻撃)を受けていないユニット
5.○0ユニット(小隊HQ)と通信状態にある。
(C&Cオフの場合は関係なし)
6.ターン開始時に経験値チェックしてin-Cover状態を判定
Op.工兵が隣接していると、早くin-Cover状態になる
効 果:
1.防御特典がある(そのヘックスのみ。移動すると効果がなくなる。
車輌ユニットは正面方向のみ。防御特典は塹壕化よりも低い。)
2.対戦車兵器・火炎放射器・携帯爆弾や火炎瓶を装備したユニットは、
近接強襲の成功率が33%高くなる。
で、このまとめから沸いてくる疑問点。
【獲得条件について】
1.部隊経験値が獲得ターン数に与える影響度合いは?
2.工兵存在が獲得ターン数に与える影響度合いは?
3.地形・天候・時間の影響は?(確か過去に「in-Coverしやすそうな地形
に・・・」といったような書き込みがあったような・・・。)
4.部隊サイズ・兵種・国籍等の部隊属性の影響は?(これは個人的思い
込み。でっかいと隠すの時間かかるのでは?ソ連兵は隠すのうまいのでは?)
5.被発見状態(見つかっている状態)でin-Coverを獲得できるのか?
【効果について】
6.防御特典とは何か?(被弾率が低下する?貫通しにくくなる?)
7.被発見率は低下するのか?(一発撃ったくらいじゃ発見されないという感
覚がある。)
8.近接強襲以外の命中率等のボーナスは?(近接強襲で無くっても、なん
かin-Coverだと当たりやすい気がする。気のせい?)
ということで、今回の実験は、in-Cover解析についての基礎的実験として
1.部隊経験値が獲得ターン数に与える影響度合いは?
2.工兵存在が獲得ターン数に与える影響度合いは?
について行いたいと思います。
では、日本鋼豹司令部未公認戦術実験部隊所属 Dugong一等兵 今回、司令部
より何の要請も無く勝手に行いました実験結果を報告させていただきます!!(笑)
****************************************************
【実験目的】
経験値毎のin-Coverを獲得のためのターン数の目安を求める。あわせて工兵
の支援が獲得ターン数に与える効果の程度を確認する。
【実験方法・条件】
1.地形;開豁地
2.天候;快晴
3.時間;昼間
4.1〜3の条件において、経験値階級(経験値20〜150を経験値10毎に区
切る14階級)ごとのドイツ歩兵部隊(員数10名、士気70、リーダー;曹長、
各値70、体勢;防御、未発見、敵LOS外)によるIn-Cover獲得ターン数を
20回計測する。
5.4と同様の条件のもと、歩兵部隊に工兵部隊(員数10名、経験値70、士
気70、リーダー;曹長、各値70)を隣接させ、経験値階級ごとの歩兵部隊
in-Cover獲得ターン数を10回(この辺は手抜き(笑))計測する。
【解析方法】
1.調査結果より経験値階級ごとの平均in-Cover獲得ターン数及びその誤差
を算出する。
2.平均in-Cover獲得ターン数より経験値をパラメーターとする予測式を算出
する。
3.工兵隣接についても1.2.と同様の解析を行う。
【実験・解析結果】
文末添付図参照
【考察】
1.現実的に経験値20は、実戦上出現することが頻出する事は無い経験値であ
ると考えられるので本考察からは除外した。
2.上記実験結果を4段階の経験値レベル毎にまとめると概ね下記の通りとなった。
経験値レベル 単独時 工兵隣接時 誤差
新 兵(30〜49) 6〜4ターン 4〜3ターン ±約1ターン
平 均(50〜79) 4〜3ターン 3〜2ターン ±約1ターン
ベテラン(80〜99) 3〜2ターン 約2ターン ±約1ターン
エリート(100〜) 約2ターン 約2ターン ±約1ターン
3.作戦立案を行う上での、経験値レベルごとのin-Cover獲得ターン数の目安を
想定した。想定に当っては、各経験値レベルの幅が約±1ターンである事や目
安値運用上の安全面から、各経験値レベルの上限ターン数を目安値として想
定した。目安値におけるin-Cover失敗確率は、計測データを下に、目安値を
上回るターン数の出現割合より求めた。
経験値レベル 作戦立案上の目安 失敗確率
新 兵(30〜49) In-Coverによる戦術はまず取れない -
平 均(50〜79) 4ターンでin-Coverによる戦術完成 20%
ベテラン(80〜99) 3ターンでin-Coverによる戦術完成 20%
エリート(100〜) 2ターンでin-Coverによる戦術完成 20%
※ 工兵支援(隣接)で経験値レベルが1段階上昇 10%
※失敗確率とは、たとえば、エリートが2ターン以内でin-Cover状態を獲得し
ようとしたときには20%なので、5回やれば1回は失敗すると解釈しても、5
部隊やれば1分隊は失敗するととっても良い。エリートで工兵の支援付であ
っても、2ターン以上かかることも確率的には廃除できない。
4.経験値の側からだけでなく、獲得ターン数の側からin-Cover戦術を採用可能
な経験値を想定するのも作戦立案上有用と思われるので考察する。
添付の実験結果グラフより、3ターン(移動してきたターンを含めれば4ターン)
というターン数が作戦立案上in-Cover獲得のために最大限確保できるターン
数と規定した場合、以下のことが言える(但し、±1ターンの幅はある。)。
(1)工兵支援の無い場合では、経験値70以上であればin-Cover戦術を採りうる。
(2)工兵支援がある場合では、経験値40以上であればin-Cover戦術を採りうる。
※状況によりけりだが、要は、部隊の経験値が50〜60程度では、3ターン以内
にin-Coverを獲得することを前提とした作戦・戦術は、工兵の支援が無けれ
ばかなりの確率で失敗する。ということ。
以上、実験・解析結果及び考察結果の報告を終わります。
****************************************************
今後、今回の実験をコントロールとして、順次、「地形」「部隊属性」がin-Cover獲
得に与える影響を検証するための実験を行いたいと思います(仕事を怠ける、時間
があれば(笑))。また「被発見」のin-Cover獲得に与える影響及び効果面の検証実
験は現在実験計画を立案中です。
なお、これ以降の実験はかなり膨大な作業を要することが予想されるので、ベテラ
ン指揮官の「こういう地形はin-Coverしやすいはずだ」といったようなご意見がある
と実験の範囲を絞りやすいので、是非ご意見を伺いたいところです。いや、もちろん、
「こういう事はわかりきったことだ!!」といった、叱責交じり(笑)のご意見でも結構
です。よろしくお願いいたしますm(__)m。